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ぜんご
ふりがな文庫
“
前後
(
ぜんご
)” の例文
昼
(
ひる
)
すこし
前
(
まえ
)
にはもう
二人
(
ふたり
)
の
兄
(
にい
)
さんが
前後
(
ぜんご
)
して
威勢
(
いせい
)
よく
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
た。
一人
(
ひとり
)
の
兄
(
にい
)
さんの
方
(
ほう
)
は
袖子
(
そでこ
)
の
寝
(
ね
)
ているのを
見
(
み
)
ると
黙
(
だま
)
っていなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
数年来
鬱積
(
うっせき
)
沈滞せる者
頃日
(
けいじつ
)
漸
(
ようや
)
く出口を得たる事とて、
前後
(
ぜんご
)
錯雑
(
さくざつ
)
序次
(
じょじ
)
倫
(
りん
)
なく
大言
(
たいげん
)
疾呼
(
しっこ
)
、われながら狂せるかと存候ほどの次第に御座候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
此
(
こ
)
の
二人
(
ふたり
)
は、
母
(
はゝ
)
の
父母
(
ふぼ
)
で、
同家
(
ひとついへ
)
に
二階住居
(
にかいずまひ
)
で、
睦
(
むつま
)
じく
暮
(
くら
)
したが、
民也
(
たみや
)
のもの
心
(
ごころ
)
を
覺
(
おぼ
)
えて
後
(
のち
)
、
母
(
はゝ
)
に
先
(
さき
)
だつて、
前後
(
ぜんご
)
して
亡
(
な
)
くなられた……
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其頃
(
そのころ
)
は
東京
(
とうきやう
)
の
家
(
いへ
)
を
疊
(
たゝ
)
むとき、
懷
(
ふところ
)
にして
出
(
で
)
た
金
(
かね
)
は、
殆
(
ほと
)
んど
使
(
つか
)
ひ
果
(
は
)
たしてゐた。
彼
(
かれ
)
の
福岡
(
ふくをか
)
生活
(
せいくわつ
)
は
前後
(
ぜんご
)
二
年
(
ねん
)
を
通
(
つう
)
じて、
中々
(
なか/\
)
の
苦鬪
(
くとう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
人知らぬ思ひに心を
傷
(
やぶ
)
りて、あはれ
一山風
(
ひとやまかぜ
)
に跡もなき
東岱
(
とうたい
)
前後
(
ぜんご
)
の烟と立ち昇るうら
弱
(
わか
)
き
眉目好
(
みめよ
)
き
處女子
(
むすめ
)
は、
年毎
(
としごと
)
に幾何ありとするや。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
いままで
勇敢
(
ゆうかん
)
に
戦
(
たたか
)
っていた
戦友
(
せんゆう
)
が、ばたり、ばたりと
前後
(
ぜんご
)
にたおれていきました。それにつらかったのは、たまのつきかかったことでした。
しらかばの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寤寐
(
ごび
)
にも
離
(
はな
)
れず
起居
(
ききよ
)
にも
忘
(
わす
)
れぬ
我
(
わ
)
が
後來
(
のち/\
)
の
半身
(
はんしん
)
二世
(
にせ
)
の
妻
(
つま
)
新田
(
につた
)
が
娘
(
むすめ
)
のお
高
(
たか
)
なり、
芳之助
(
よしのすけ
)
はそれと
見
(
み
)
るより
何思
(
なにおも
)
ひけん
前後
(
ぜんご
)
無差別
(
むしやべつ
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
實
(
じつ
)
に
前後
(
ぜんご
)
の
形勢
(
けいせい
)
と、かの七
隻
(
せき
)
の
船
(
ふね
)
の
有樣
(
ありさま
)
とで
見
(
み
)
ると、
今
(
いま
)
や
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
明
(
あきらか
)
に
何事
(
なにごと
)
をか
我
(
わが
)
軍艦
(
ぐんかん
)
に
向
(
むか
)
つて
信號
(
しんがう
)
を
試
(
こゝろ
)
みる
積
(
つもり
)
だらう。けれど
私
(
わたくし
)
は
審
(
いぶ
)
かつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
と
見
(
み
)
ると、
水辺
(
すいえん
)
の、とある
巨大
(
おおき
)
な
巌
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
には六十
前後
(
ぜんご
)
と
見
(
み
)
ゆる、
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
ろうじん
)
が、
佇
(
たたず
)
んで
私達
(
わたくしたち
)
の
来
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
って
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と
云
(
いふ
)
に幸八は
委細
(
ゐさい
)
承知
(
しようち
)
なしシテ又親方
何處迄
(
どこまで
)
御出と
聞
(
きく
)
に藤八は
然
(
され
)
ばサ先は
確
(
しか
)
と知れぬが
大概
(
おほかた
)
箱根
前後
(
ぜんご
)
位
(
ぐらゐ
)
と思へば
能
(
よし
)
と云を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
越後の地勢は、西北は大海に
対
(
たい
)
して陽気也。東南は
高山
(
かうざん
)
連
(
つらな
)
りて陰気也。ゆゑに西北の
郡村
(
ぐんそん
)
は雪
浅
(
あさ
)
く、東南の
諸邑
(
しよいふ
)
は雪
深
(
ふか
)
し。是
阴阳
(
いんやう
)
の
前後
(
ぜんご
)
したるに
似
(
に
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
この分では今に酔払って
前後
(
ぜんご
)
がわからなくなるのであろう。私は今のうちに、
先刻
(
せんこく
)
の話を聞いて置こうと考えた。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
秋「なに有難く心得て、言う事が
前後
(
ぜんご
)
になるというのは
可笑
(
おか
)
しい一体何ういう訳で手前は当家の
婆
(
ばゞあ
)
に
斑猫
(
はんみょう
)
を
捕
(
と
)
ってくれろと頼んだか、それを云えというんだ」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こう
言
(
い
)
われたので、
王子
(
おうじ
)
は
余
(
あま
)
りの
悲
(
かな
)
しさに、
逆上
(
とりのぼ
)
せて、
前後
(
ぜんご
)
の
考
(
かんが
)
えもなく、
塔
(
とう
)
の
上
(
うえ
)
から
飛
(
と
)
びました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
貝塚發掘
(
かひづかはつくつ
)
の
爲
(
ため
)
に、
余
(
よ
)
は
種々
(
しゆ/″\
)
の
遭難
(
そうなん
)
を
重
(
かさ
)
ねるけれど、
此時
(
このとき
)
の
如
(
ごと
)
き
惡難
(
あくなん
)
は
恐
(
おそ
)
らく
前後
(
ぜんご
)
に
無
(
な
)
からうである。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
するといっぽうの
急坂
(
きゅうはん
)
からも、
血路
(
けつろ
)
をひらいた
卜斎
(
ぼくさい
)
が、
血刀
(
ちがたな
)
を引っさげてこの磯へ目ざしてきたので、ふたりは
前後
(
ぜんご
)
になって磯の
岩石
(
がんせき
)
から岩石を飛びつたい、やがて
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兩者
(
りようしや
)
ともに
震原
(
しんげん
)
から
同時
(
どうじ
)
に
出發
(
しゆつぱつ
)
し、
同
(
おな
)
じ
途
(
みち
)
を
通
(
とほ
)
つて
來
(
く
)
るのであるけれども、
初期微動
(
しよきびどう
)
は
速度
(
そくど
)
大
(
だい
)
に、
主要動
(
しゆようどう
)
はそれが
小
(
しよう
)
なるために
斯
(
か
)
く
前後
(
ぜんご
)
に
到着
(
とうちやく
)
することになるのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
路地の入口の
肴屋
(
さかなや
)
はもう表の戸を閉めているので、ちょっと
前後
(
ぜんご
)
を見廻し、暗い路地へ
進入
(
すすみい
)
ろうとすると、その途端にばったり行き会ったのは間貸しの家の老婆である。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
懷
(
ふところ
)
で
眠
(
ねむ
)
つた
與吉
(
よきち
)
を
騷
(
さわ
)
がすまいとしては
足
(
あし
)
の
痺
(
しび
)
れるので
幾度
(
いくど
)
か
身體
(
からだ
)
をもぢ/\
動
(
うご
)
かした。
漸
(
やうや
)
く
風呂
(
ふろ
)
の
明
(
あ
)
いた
時
(
とき
)
はお
品
(
しな
)
は
待遠
(
まちどほ
)
であつたので
前後
(
ぜんご
)
の
考
(
かんがへ
)
もなく
急
(
いそ
)
いで
衣物
(
きもの
)
をとつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
石を
摩
(
す
)
り截るには木の
小枝抔
(
せうしなど
)
を採り、其の一端へ
堅
(
かた
)
き
砂
(
すな
)
を付けて之を握り墨を
摺
(
す
)
る時の如くに手を
前後
(
ぜんご
)
に
動
(
うご
)
かし、一面より摩り初めて凹みの
深
(
ふか
)
さ石の厚さの
半
(
なかば
)
に達したる
頃
(
ころ
)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
「
不良
(
ふりやう
)
少女
(
せうぢよ
)
の
沒落
(
ぼつらく
)
」といふ
標題
(
みだし
)
の
下
(
もと
)
に、
私達
(
わたしたち
)
が
前後
(
ぜんご
)
しての
結婚
(
けつこん
)
を×
誌
(
し
)
あたりに
落書
(
らくがき
)
されてから、みなもう
丸
(
まる
)
三
年
(
ねん
)
を
過
(
すご
)
しました。Kさんがまづ母となり、あなたも間もなく母となりました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
此
(
こ
)
の
前年
(
ぜんねん
)
の
末
(
すゑ
)
に
私
(
わたし
)
を
訪
(
たづ
)
ねて来たのが、
神田
(
かんだ
)
南乗物町
(
みなみのりものちやう
)
の
吉岡書籍店
(
よしをかしよじやくてん
)
の
主人
(
しゆじん
)
、
理学士
(
りがくし
)
吉岡哲太郎
(
よしをかてつたらう
)
君
(
くん
)
です、
私
(
わたし
)
が
文壇
(
ぶんだん
)
に立つに
就
(
つ
)
いては、
前後
(
ぜんご
)
三人
(
さんにん
)
の
紹介者
(
せうかいしや
)
を
労
(
わづらは
)
したので、
其
(
そ
)
の第一が
此
(
こ
)
の
吉岡君
(
よしをかくん
)
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
発見者
(
はっけんしゃ
)
は、
老人
(
ろうじん
)
の
家
(
うち
)
のすぐとなりに
住
(
す
)
んでいて、
去年
(
きょねん
)
あたり
開業
(
かいぎょう
)
した
島本守
(
しまもとまもる
)
という
医学士
(
いがくし
)
だつたが、
島本医師
(
しまもといし
)
は、
警察
(
けいさつ
)
へ
事件
(
じけん
)
を
通報
(
つうほう
)
すると
同時
(
どうじ
)
に、
大要
(
たいよう
)
次
(
つぎ
)
のごとく、その
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじょう
)
を
述
(
の
)
べた。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
な
顏
(
かほ
)
をしたものや、ベソを
掻
(
か
)
いたものや、
怖
(
こは
)
さうにおど/\したものなぞが、
前後
(
ぜんご
)
してぞろ/\と
舟
(
ふね
)
から
陸
(
をか
)
へ
上
(
あが
)
つた。
母
(
はゝ
)
に
抱
(
だ
)
かれた
嬰兒
(
あかご
)
の
泣
(
な
)
く
聲
(
こゑ
)
は、
殊
(
こと
)
に
哀
(
あは
)
れな
響
(
ひゞき
)
を
川風
(
かはかぜ
)
に
傳
(
つた
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
余は「罪と罰」第一
卷
(
くわん
)
を
通讀
(
つうどく
)
すること
前後
(
ぜんご
)
二
囘
(
くわい
)
せしが、その
通讀
(
つうどく
)
の
際
(
さい
)
極
(
きは
)
めて
面白
(
おもしろ
)
しと
思
(
おも
)
ひたるは、
殺人罪
(
さつじんざい
)
の
原因
(
げんいん
)
のいかにも
綿密
(
めんみつ
)
に
精微
(
せいび
)
に
畫出
(
くわくしゆつ
)
せられたる
事
(
こと
)
なり、もし
或
(
ある
)
兇漢
(
けふかん
)
ありて
或
(
ある
)
貞婦
(
ていふ
)
を
殺
(
ころ
)
し
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
此時
(
このとき
)
堂上
(
だうじやう
)
の
僧
(
そう
)
は
一齊
(
いつせい
)
に
合掌
(
がつしやう
)
して、
夢窓國師
(
むさうこくし
)
の
遺誡
(
ゐかい
)
を
誦
(
じゆ
)
し
始
(
はじ
)
めた。
思
(
おも
)
ひ/\に
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つた
宗助
(
そうすけ
)
の
前後
(
ぜんご
)
にゐる
居士
(
こじ
)
も
皆
(
みな
)
同音
(
どうおん
)
に
調子
(
てうし
)
を
合
(
あは
)
せた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御輿
(
みこし
)
の
通
(
とお
)
る
前後
(
ぜんご
)
に、いろいろな
飾
(
かざ
)
り
物
(
もの
)
が
通
(
とお
)
りました。そのうちに、この
土地
(
とち
)
の
若
(
わか
)
い
芸妓連
(
げいぎれん
)
に
引
(
ひ
)
かれて、
山車
(
だし
)
が
通
(
とお
)
りました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一日
(
いちにち
)
も
速
(
すみや
)
かに
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
りたいのは
山々
(
やま/\
)
だが、
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじやう
)
を
察
(
さつ
)
すると、
今
(
いま
)
此人
(
このひと
)
に
向
(
むか
)
つて、
其樣
(
そん
)
な
我儘
(
わがまゝ
)
は
言
(
い
)
はれぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
云るゝや
只今
(
たゞいま
)
暇
(
いとま
)
は
遣
(
つかは
)
したりと申せし
口
(
くち
)
の下より
人代
(
ひとかは
)
りなき中は
出
(
いだ
)
さずとは
前後
(
ぜんご
)
揃
(
そろ
)
はぬ申
條
(
でう
)
殊更
(
ことさら
)
夫の
難儀
(
なんぎ
)
と
有
(
ある
)
に
人代
(
ひとかは
)
りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女房
(
にようばう
)
は、
幾度
(
いくど
)
も
戸口
(
とぐち
)
へ
立
(
た
)
つた。
路地
(
ろぢ
)
を、
行願寺
(
ぎやうぐわんじ
)
の
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
までも
出
(
で
)
て、
通
(
とほり
)
の
前後
(
ぜんご
)
を
眗
(
みまは
)
した。
人通
(
ひとどほ
)
りも、もうなくなる。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此年
(
このとし
)
三の
酉
(
とり
)
まで
有
(
あ
)
りて
中
(
なか
)
一
日
(
にち
)
はつぶれしかど
前後
(
ぜんご
)
の
上天氣
(
じやうてんき
)
に
大鳥神社
(
おほとりじんじや
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひすさまじく、
此處
(
こゝ
)
かこつけに
檢査塲
(
けんさば
)
の
門
(
もん
)
より
亂
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る
若人達
(
わかうどたち
)
の
勢
(
いきほ
)
ひとては
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これを見これを
聞
(
きゝ
)
て、雪の
遠
(
とほ
)
からざるをしる。年の
寒暖
(
かんだん
)
につれて
時日
(
じじつ
)
はさだかならねど、たけまはり・どうなりは秋の
彼岸
(
ひがん
)
前後
(
ぜんご
)
にあり、
毎年
(
まいねん
)
かくのごとし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
え、まだ
私
(
わたくし
)
の
臨終
(
りんじゅう
)
の
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじょう
)
がはっきりしていないと
仰
(
お
)
っしゃるか……そういえばホンにそうでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その少女のはなしで、
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじょう
)
、うらぎり者の
毒水
(
どくすい
)
の
詭計
(
きけい
)
、
咲耶子
(
さくやこ
)
のはたらいたことまたそのために
捕
(
と
)
らわれとなったことなど、すべて明らかに知ることができた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとひ
多少
(
たしよう
)
強
(
つよ
)
い
地震
(
ぢしん
)
を
起
(
おこ
)
すことがあつても、それは
中流以下
(
ちゆうりゆういか
)
のものであつて、
最大級
(
さいだいきゆう
)
の
程度
(
ていど
)
を
遙
(
はる
)
かに
下
(
くだ
)
つたものである。
前
(
まへ
)
に
噴火
(
ふんか
)
の
前後
(
ぜんご
)
に
地盤
(
ぢばん
)
の
變動
(
へんどう
)
が
徐々
(
じよ/\
)
に
起
(
おこ
)
ることを
述
(
の
)
べた。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
成就せしめんとする
大檀那
(
おおだんな
)
は天下一人もなく数年来
鬱積
(
うっせき
)
沈滞せるもの
頃日
(
けいじつ
)
ようやく出口を得たることとて
前後
(
ぜんご
)
錯雑
(
さくざつ
)
序次
(
じょじ
)
倫
(
りん
)
なく
大言
(
たいげん
)
疾呼
(
しっこ
)
我ながら狂せるかと存候ほどの次第に御座候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
徳利形
(
とくりがた
)
のは、
水谷氏
(
みづたにし
)
も
同形
(
どうけい
)
を三
箇
(
こ
)
、
我
(
わ
)
が
望生
(
ばうせい
)
も
前後
(
ぜんご
)
四
箇
(
こ
)
を
出
(
だ
)
して
居
(
ゐ
)
る。それと
同形式
(
どうけいしき
)
であるから、
疑
(
うたが
)
う
事
(
こと
)
はないが、
他
(
た
)
の二
箇
(
こ
)
は、
如何
(
どう
)
も
怪
(
あや
)
しい。
土方
(
どかた
)
の
説明
(
せつめい
)
は
點頭
(
てんとう
)
し
得
(
え
)
られぬのであつた。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
白晝
(
ひる
)
の
日
(
ひ
)
は
横頬
(
よこほゝ
)
に
暑
(
あつ
)
い
程
(
ほど
)
に
射
(
さ
)
し
掛
(
か
)
けたが
周圍
(
あたり
)
は
依然
(
やつぱり
)
冷
(
つめ
)
たかつた。
堀
(
ほり
)
の
淺
(
あさ
)
い
水
(
みづ
)
には
此
(
こ
)
れも
冷
(
つめ
)
たげに
凝然
(
ぢつ
)
と
身
(
み
)
を
沈
(
しづ
)
めた
蛙
(
かへる
)
が
默
(
だま
)
つて
彼
(
かれ
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
遠
(
とほ
)
い
田圃
(
たんぼ
)
を
彼
(
かれ
)
は
前後
(
ぜんご
)
に
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
の
行人
(
かうじん
)
であつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此方
(
こつち
)
の人が向うへ……(
前後
(
ぜんご
)
を
見返
(
みかへ
)
り)え
成程
(
なるほど
)
近江屋
(
あふみや
)
さん
貴方
(
あなた
)
が向うに立つてゐますな、
成程
(
なるほど
)
能
(
よ
)
く
似
(
に
)
てゐますこと。近「
似
(
に
)
てゐる
筈
(
はず
)
よ、
鏡
(
かゞみ
)
へ
映
(
うつ
)
るんだから、並んで見えるだらう。梅「
私
(
わたし
)
は
何方
(
どれ
)
で。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨夕
(
ゆうべ
)
迄
(
まで
)
は
寐
(
ね
)
られないのが
心配
(
しんぱい
)
になつたが、
斯
(
か
)
う
前後
(
ぜんご
)
不覺
(
ふかく
)
に
長
(
なが
)
く
寐
(
ね
)
る
所
(
ところ
)
を
眼
(
ま
)
のあたりに
見
(
み
)
ると、
寐
(
ね
)
る
方
(
はう
)
が
何
(
なに
)
かの
異状
(
いじやう
)
ではないかと
考
(
かんが
)
へ
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを
学者
(
がくしゃ
)
がしらべて、およそ二
万年
(
まんねん
)
も
前
(
まえ
)
の
人間
(
にんげん
)
の
骨
(
ほね
)
で、まだ
若
(
わか
)
い二十
歳
(
さい
)
前後
(
ぜんご
)
の
女
(
おんな
)
らしいが、たぶん
波
(
なみ
)
にただよって、
岸
(
きし
)
に
死体
(
したい
)
がついたものだろう。
アパートで聞いた話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
女婢
(
こしもと
)
其
(
そ
)
の
後
(
しりへ
)
に
續
(
つゞ
)
いて、こはいかに、
掃帚
(
はうき
)
に
跨
(
またが
)
り、ハツオウと
云
(
い
)
つて
前後
(
ぜんご
)
して
冉々
(
ぜん/\
)
として
雲
(
くも
)
に
昇
(
のぼ
)
り
去
(
さ
)
つて
姿
(
すがた
)
を
隱
(
かく
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
はなし
乘
(
の
)
る
人
(
ひと
)
は
猶更
(
なほさら
)
なからんを
何
(
なに
)
を
待
(
ま
)
つとか
馬鹿
(
ばか
)
らしさよと
他目
(
よそめ
)
には
見
(
み
)
ゆるゐものからまだ
立去
(
たちさ
)
りもせず
前後
(
ぜんご
)
に
目
(
め
)
を
配
(
くば
)
るは
人待
(
ひとま
)
つ
心
(
こゝろ
)
の
絶
(
た
)
えぬなるべし
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そも/\越後国は北方の
陰地
(
いんち
)
なれども
一国
(
いつこく
)
の内
陰陽
(
いんやう
)
を
前後
(
ぜんご
)
す。いかんとなれば天は西北にたらず、ゆゑに西北を
陰
(
いん
)
とし、地は東南に
足
(
たら
)
ず、ゆゑに東南を
陽
(
やう
)
とす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
又
(
また
)
道中
(
どうちゅう
)
どこへ
参
(
まい
)
りましても
例
(
れい
)
の
甲高
(
かんだか
)
い
霊鳥
(
れいちよう
)
の
鳴声
(
なきごえ
)
が
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さゆう
)
の
樹間
(
このま
)
から
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
るように
聴
(
きこ
)
えました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今
(
いま
)
前後
(
ぜんご
)
の
事情
(
じじやう
)
より
考
(
かんが
)
へ、また
君
(
きみ
)
の
人物
(
じんぶつ
)
を
信
(
しん
)
ずるので、
若
(
も
)
し、
君
(
きみ
)
に
確固
(
くわくこ
)
たる
約束
(
やくそく
)
があるならば、
今日
(
こんにち
)
に
於
(
おい
)
て、
此
(
この
)
大秘密
(
だいひみつ
)
を、
君
(
きみ
)
に
明言
(
めいげん
)
して
置
(
お
)
く
事
(
こと
)
の、
寧
(
むし
)
ろ
得策
(
とくさく
)
なるを
信
(
しん
)
ずるのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ば知らぬ者なりと申せしが其後に至り三次は
知己
(
ちかづき
)
の趣きに申立る等
前後
(
ぜんご
)
不都合
(
ふつがふ
)
なり且此程より
追々
(
おひ/\
)
取調
(
とりしら
)
べる通り八ヶ年以前に弟十兵衞を
芝
(
しば
)
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
に於て
殺害
(
せつがい
)
に及び
姪
(
めひ
)
の文を賣たる金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼等
(
かれら
)
の
間
(
あひだ
)
には
恁
(
か
)
ういふ
時
(
とき
)
に、さうして
冬
(
ふゆ
)
が
本當
(
ほんたう
)
にまだ
彼等
(
かれら
)
の
上
(
うへ
)
に
泣
(
な
)
いて
見
(
み
)
せない
内
(
うち
)
に
相
(
あひ
)
前後
(
ぜんご
)
して
何處
(
どこ
)
の
村落
(
むら
)
にも「まち」が
來
(
く
)
るのである。
其
(
そ
)
れは
村落毎
(
むらごと
)
に
建
(
た
)
てられてある
社
(
やしろ
)
の
祭
(
まつり
)
のことである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
五人の
屈強
(
くっきょう
)
なるものが、その
前後
(
ぜんご
)
につきしたがっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それで、お
母
(
かあ
)
さんを
真
(
ま
)
ん
中
(
なか
)
にして、四
人
(
にん
)
の
子供
(
こども
)
らが
左右
(
さゆう
)
・
前後
(
ぜんご
)
に、
輪
(
わ
)
になって
休
(
やす
)
みました。みんなは、いずれも、お
母
(
かあ
)
さんの
方
(
ほう
)
に
顔
(
かお
)
を
向
(
む
)
けて
休
(
やす
)
んだのです。
お母さまは太陽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“前後”の解説
前後(ぜんご・まえうしろ)とは、六方位(六方)の名称の一つで、縦や奥行を指す方位の総称。この内、進む方向を前(まえ)、これと対蹠に退く方向を後(うしろ)という。
古くは「まへ」・「しりへ」とも呼ばれた。「へ」は方向を指し、「まへ」は目の方向、「しりへ」は背の方向である。
(出典:Wikipedia)
前
常用漢字
小2
部首:⼑
9画
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
“前後”で始まる語句
前後左右
前後不覚
前後上下
前後不揃
前後不覺
前後夢中
前後忘却
前後漢書
前後疾走
前後の文章