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餘
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あま
ふりがな文庫
“
餘
(
あま
)” の例文
新字:
余
浴室
(
よくしつ
)
の
窓
(
まど
)
からも
此
(
これ
)
が
見
(
み
)
えて、
薄
(
うつす
)
りと
湯氣
(
ゆげ
)
を
透
(
すか
)
すと、ほかの
土地
(
とち
)
には
餘
(
あま
)
りあるまい、
海市
(
かいし
)
に
對
(
たい
)
する、
山谷
(
さんこく
)
の
蜃氣樓
(
しんきろう
)
と
言
(
い
)
つた
風情
(
ふぜい
)
がある。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
し
是
(
これ
)
は
活
(
い
)
きた
話
(
はなし
)
とか、
交際
(
かうさい
)
とかと
云
(
い
)
ふものとは
又
(
また
)
別
(
べつ
)
で、
餘
(
あま
)
り
適切
(
てきせつ
)
な
例
(
れい
)
では
有
(
あ
)
りませんが、
例
(
たと
)
へば
書物
(
しよもつ
)
はノタで、
談話
(
だんわ
)
は
唱歌
(
しやうか
)
でせう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わたし
)
が
事
(
こと
)
と
言
(
い
)
へば
御自分
(
ごじぶん
)
の
身
(
み
)
を
無
(
な
)
い
物
(
もの
)
にして
言葉
(
ことば
)
を
立
(
た
)
てさせて
下
(
くだ
)
さる
御思召
(
おぼしめし
)
有難
(
ありがた
)
い
嬉
(
うれ
)
しい
恐
(
おそ
)
ろしい、
餘
(
あま
)
りの
勿躰
(
もつたい
)
なさに
涙
(
なみだ
)
がこぼれる
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
天涯
(
てんがい
)
渺茫
(
べうぼう
)
たる
絶海
(
ぜつかい
)
の
魚族
(
ぎよぞく
)
は、
漁夫
(
ぎよふ
)
の
影
(
かげ
)
などは
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
もないから、
釣
(
つ
)
れるとか
釣
(
つ
)
れぬとかの
心配
(
しんぱい
)
は
入
(
い
)
らぬ、けれど
餘
(
あま
)
りに
巨大
(
きよだい
)
なるは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
可憐
(
かれん
)
な
自白
(
じはく
)
を
何
(
ど
)
う
慰
(
なぐ
)
さめて
可
(
い
)
いか
分別
(
ふんべつ
)
に
餘
(
あま
)
つて
當惑
(
たうわく
)
してゐたうちにも、
御米
(
およね
)
に
對
(
たい
)
して
甚
(
はなは
)
だ
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だといふ
思
(
おもひ
)
が
非常
(
ひじやう
)
に
高
(
たか
)
まつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
さうして
結局
(
けつきよく
)
節約額
(
せつやくがく
)
が一
億
(
おく
)
二千五百
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
あま
)
りであつて
特別會計
(
とくべつくわいけい
)
の一
億
(
おく
)
三千四百
萬圓
(
まんゑん
)
の
節約額
(
せつやくがく
)
を
合算
(
がつさん
)
すると二
億
(
おく
)
六千
萬圓
(
まんゑん
)
餘
(
よ
)
となる。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
その
)
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
れを
懷
(
いだ
)
くべき
金錢
(
きんせん
)
の
問題
(
もんだい
)
が
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
を
抑制
(
よくせい
)
するには
勘次
(
かんじ
)
は
餘
(
あま
)
りに
慌
(
あわ
)
てゝ
且
(
かつ
)
驚
(
おどろ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
醫者
(
いしや
)
は
鬼怒川
(
きぬがは
)
を
越
(
こ
)
えて
東
(
ひがし
)
に
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
大地震後
(
だいぢしんご
)
、
餘震
(
よしん
)
を
餘
(
あま
)
りに
恐怖
(
きようふ
)
するため、
安全
(
あんぜん
)
な
家屋
(
かおく
)
を
見捨
(
みす
)
てゝ、
幾日
(
いくにち
)
も/\
野宿
(
のじゆく
)
することは、
震災地
(
しんさいち
)
に
於
(
お
)
ける
一般
(
いつぱん
)
の
状態
(
じようたい
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
能々
(
よく/\
)
見るに岡山に
在
(
おはせ
)
し時數年我が家に使ひたる若黨の忠八にて有ければ
餘
(
あま
)
りの事に言葉も出ず女の細き心にて
斯
(
かゝ
)
る
賤
(
いやし
)
き
姿
(
すがた
)
に成しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしその
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされた
夕刊
(
ゆふかん
)
の
紙面
(
しめん
)
を
見渡
(
みわた
)
しても、やはり
私
(
わたくし
)
の
憂鬱
(
いううつ
)
を
慰
(
なぐさ
)
むべく
世間
(
せけん
)
は
餘
(
あま
)
りに
平凡
(
へいぼん
)
な
出來事
(
できごと
)
ばかりで
持
(
も
)
ち
切
(
き
)
つてゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
下界
(
げかい
)
の
物
(
もの
)
としては
餘
(
あま
)
り
靈妙
(
いみ
)
じい! あゝ、あの
姫
(
ひめ
)
が
餘
(
よ
)
の
女共
(
をんなども
)
に
立交
(
たちまじ
)
らうてゐるのは、
雪
(
ゆき
)
はづかしい
白鳩
(
しらはと
)
が
鴉
(
からす
)
の
群
(
むれ
)
に
降
(
お
)
りたやう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
沈痛
(
ちんつう
)
、
悲慘
(
ひさん
)
、
幽悽
(
ゆうせい
)
なる
心理的小説
(
しんりてきせうせつ
)
「
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
」は
彼
(
か
)
の
奇怪
(
きくわい
)
なる
一大巨人
(
いちだいきよじん
)
(
露西亞
(
ロシア
)
)の
暗黒
(
あんこく
)
なる
社界
(
しやくわい
)
の
側面
(
そくめん
)
を
暴露
(
ばくろ
)
して
餘
(
あま
)
すところなしと
言
(
い
)
ふべし。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
十
人
(
にん
)
十
色
(
いろ
)
で、
決
(
けつ
)
して一
律
(
りつ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬもので
食
(
しよく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
とか
理想
(
りそう
)
とかを
説
(
と
)
いて
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で
實際問題
(
じつさいもんだい
)
としては
餘
(
あま
)
り
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たぬ。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
但
(
たゞ
)
し
斯
(
か
)
ういふ
話
(
はなし
)
の
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
は、
餘
(
あま
)
り
遺物
(
ゐぶつ
)
の
出
(
で
)
ない
時
(
とき
)
で、
土器
(
どき
)
の
顏
(
かほ
)
でも
貝層
(
かひさう
)
から
出
(
で
)
やうものなら、
呼吸
(
こきう
)
をするのさへ
忘
(
わす
)
れる
位
(
くらゐ
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
餘
(
あま
)
り
變
(
かは
)
るので
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だか
譯
(
わけ
)
が
解
(
わか
)
らなくなつて
了
(
しま
)
つたわ!一
分間
(
ぷんかん
)
と
同
(
おな
)
じで
居
(
ゐ
)
ないのですもの!けど、
最
(
も
)
う
今
(
いま
)
は
元
(
もと
)
の
大
(
おほ
)
きさよ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
アメリカなどから
出
(
で
)
るような
形
(
かたち
)
の
非常
(
ひじよう
)
に
異
(
ことな
)
るものや
大型
(
おほがた
)
のものは
日本
(
につぽん
)
では
餘
(
あま
)
り
發見
(
はつけん
)
されませんが、たいてい
一寸前後
(
いつすんぜんご
)
の
大
(
おほ
)
きさのものが
普通
(
ふつう
)
であります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それに君
如何
(
どう
)
だ、細君は殆んど僕等の喰ひ
餘
(
あま
)
しの
胡蘿蔔
(
にんじん
)
牛蒡
(
ごぼう
)
にもありつかずに
平素
(
しよつちう
)
漬物ばかりを
噛
(
かぢ
)
つてる、
一片
(
ひときれ
)
だつて亭主の
分前
(
わけまへ
)
に預つたことはないよ。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
そのうちにも、
病人
(
びやうにん
)
の
容態
(
ようたい
)
は、
刻々
(
こく/\
)
險惡
(
けんあく
)
になつてゆくので、たうとう、そこから
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
くない、
府下
(
ふか
)
××
村
(
むら
)
のH
病院
(
びやうゐん
)
へ
入院
(
にふゐん
)
させるより
仕方
(
しかた
)
がなくなつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
餘
(
あま
)
りのおどろきに
御亭主
(
ごていしゆ
)
は、
自分
(
じぶん
)
の
酒慾
(
しゆよく
)
も
何
(
なに
)
もすつかり、どこへか
忘
(
わす
)
れました。そして
眞面目
(
まじめ
)
に
働
(
はたら
)
きだしました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
漸
(
やうや
)
く
癒
(
なほ
)
してやつた
其
(
そ
)
の
禮
(
れい
)
が、たつた五
兩
(
りやう
)
であつたのには、一
寸
(
すん
)
一
兩
(
りやう
)
の
規定
(
きてい
)
にして、
餘
(
あま
)
りに
輕少
(
けいせう
)
だと、
流石
(
さすが
)
淡白
(
たんぱく
)
な
玄竹
(
げんちく
)
も
少
(
すこ
)
し
怒
(
おこ
)
つて、
其
(
そ
)
の五
兩
(
りやう
)
を
突
(
つ
)
き
返
(
かへ
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其處
(
そこ
)
で
學校
(
がくかう
)
を
建
(
たて
)
る
決心
(
けつしん
)
が
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
湧
(
わい
)
たのです、
諸君
(
しよくん
)
は
彼
(
かれ
)
の
決心
(
けつしん
)
の
餘
(
あま
)
り
露骨
(
むきだし
)
で、
單純
(
たんじゆん
)
なことを
笑
(
わら
)
はれるかも
知
(
し
)
れませんが、しかし
元來
(
ぐわんらい
)
教育
(
けういく
)
のない
一個
(
いつこ
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
です
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『あゝ
餘
(
あま
)
りに哀れなる物語に、
法體
(
ほつたい
)
にも恥ぢず、思はず落涙に及びたり。
主婦
(
あるじ
)
が
言
(
ことば
)
に從ひ、愚僧は之れより其の戀塚とやらに立寄りて、暫し
𢌞向
(
ゑかう
)
の杖を
停
(
とど
)
めん』
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
一番には、
上﨟
(
じやうらふ
)
の御方一の台の局、前の大納言殿御娘、御年は
三十路
(
みそぢ
)
に
餘
(
あま
)
り給へども、御かたち
勝
(
すぐ
)
れ優にやさしくおはしければ、未だ二十ばかりにぞ見え給ふ。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さう言ふくせに、こぼれる愛嬌を持て
餘
(
あま
)
して、頬をつねつたり、額を叩いたりするお粂です。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かう
云
(
い
)
ひ
續
(
つづ
)
けて、
高岡軍曹
(
たかをかぐんそう
)
はやがて
詞
(
ことば
)
を
途切
(
とぎ
)
つたが、それでもまだ
賞
(
ほ
)
め
足
(
た
)
りなかつたのか、モシヤモシヤの
髭面
(
ひげづら
)
をいきませて、
感
(
かん
)
に
餘
(
あま
)
つたやうに
中根
(
なかね
)
二
等卒
(
とうそつ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見詰
(
みつ
)
めた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
二十
間
(
けん
)
にも
餘
(
あま
)
る
巨大
(
きよだい
)
な
建物
(
たてもの
)
は、
見
(
み
)
るから
毒々
(
どく/\
)
しい
栗色
(
くりいろ
)
のペンキで
塗
(
ぬ
)
られ、
窓
(
まど
)
は岩
疊
(
たたみ
)
な
鐵格子
(
てつがうし
)
、
其
(
それ
)
でも
尚
(
ま
)
だ
氣
(
き
)
が
濟
(
す
)
まぬと
見
(
み
)
えて、
其
(
そ
)
の
内側
(
うちがは
)
には
細
(
ほそ
)
い、
此
(
これ
)
も
鐵製
(
てつせい
)
の
網
(
あみ
)
が
張詰
(
はりつ
)
めてある。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
餘
(
あま
)
され者だと言つて人に笑はれたものであるが、此頃では此村でも十五六の嫁といふものは滅多になく、大抵は十八十九、隣家の松太郎の姉などは二十一になつて未だ何處にも縁づかずにゐる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
餘
(
あま
)
りの
尾
(
を
)
を
風車
(
かざぐるま
)
のごとくに
舞
(
ま
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
餘
(
あま
)
り
戀
(
こひ
)
しさ、
會
(
あひ
)
たさに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
颶風
(
はやて
)
の
過
(
す
)
ぎる
警告
(
けいこく
)
のために、
一人
(
いちにん
)
駈
(
か
)
けまはつた
警官
(
けいくわん
)
も、
外套
(
ぐわいたう
)
なしに
骨
(
ほね
)
までぐしよ
濡
(
ぬ
)
れに
濡
(
ぬ
)
れ
通
(
とほ
)
つて——
夜警
(
やけい
)
の
小屋
(
こや
)
で、
餘
(
あま
)
りの
事
(
こと
)
に
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
苦笑
(
くせう
)
したので、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
をはじめ、
一座
(
いちざ
)
の
面々
(
めん/\
)
、
餘
(
あま
)
りの
可笑
(
をか
)
しさに、
一時
(
いちじ
)
にドツと
笑崩
(
わらひくづ
)
るゝ
間
(
あひだ
)
に、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
は
平氣
(
へいき
)
な
顏
(
かほ
)
で
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
ひ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
見性
(
けんしやう
)
した
日
(
ひ
)
に、
嬉
(
うれ
)
しさの
餘
(
あま
)
り、
裏
(
うら
)
の
山
(
やま
)
へ
馳
(
か
)
け
上
(
あが
)
つて、
草木
(
さうもく
)
國土
(
こくど
)
悉皆
(
しつかい
)
成佛
(
じやうぶつ
)
と
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
を
出
(
だ
)
して
叫
(
さけ
)
んだ。さうして
遂
(
つひ
)
に
頭
(
あたま
)
を
剃
(
そ
)
つてしまつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
勿論
(
もちろん
)
餘
(
あま
)
り
正直
(
しやうぢき
)
には
務
(
つと
)
めなかつたが、
年金
(
ねんきん
)
など
云
(
い
)
ふものは、
縱令
(
たとひ
)
、
正直
(
しやうぢき
)
で
有
(
あ
)
らうが、
無
(
な
)
からうが、
凡
(
すべ
)
て
務
(
つと
)
めた
者
(
もの
)
は
受
(
う
)
けべきで
有
(
あ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
然
(
しか
)
しそれは
怎的
(
どう
)
でもいゝといふ
云
(
い
)
ひ
擲
(
なぐ
)
りではなくて、
凡
(
すべ
)
てがお
品
(
しな
)
に
對
(
たい
)
して
命令
(
めいれい
)
をするには
勘次
(
かんじ
)
の
心
(
こゝろ
)
は
餘
(
あま
)
り
憚
(
はばか
)
つて
居
(
ゐ
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
モン長 なう、
情
(
なさけ
)
なや、
我君
(
わがきみ
)
!
我子
(
わがこ
)
の
追放
(
つゐはう
)
を
歎悲
(
なげき
)
の
餘
(
あま
)
りに
衰
(
おとろ
)
へて、
妻
(
つま
)
は
昨夜
(
やぜん
)
相果
(
あひはて
)
ました。
尚
(
なほ
)
此上
(
このうへ
)
にも
老人
(
らうじん
)
をさいなむは
如何
(
いか
)
なる
不幸
(
ふかう
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
願ひし處却て右樣の御疑ひを蒙る
事
(
こと
)
餘
(
あま
)
り殘念なりと云はせも
果
(
はて
)
ず大岡殿
大音
(
だいおん
)
に默止れ平左衞門汝未だも
奸智
(
かんち
)
の
辯
(
べん
)
を以て公儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
思
(
おも
)
ふに
男心
(
をとこごゝろ
)
の
頼
(
たの
)
みがたさよ
我
(
わ
)
れ
周旋
(
とりもち
)
する
身
(
み
)
として
事
(
こと
)
整
(
とゝの
)
ふは
嬉
(
うれ
)
しけれど
優子
(
いうこ
)
どのゝ
心
(
こゝろ
)
宜
(
よ
)
く
見
(
み
)
えたり三
郎
(
らう
)
喜
(
よろ
)
こびしと
傳
(
つた
)
へ
給
(
たま
)
へとは
餘
(
あま
)
りといへど
昔
(
むか
)
しを
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『さァ、
私
(
わたし
)
にはそれをお
前
(
まへ
)
にやつて
見
(
み
)
せられない』と
海龜
(
うみがめ
)
は
云
(
い
)
つて、『
體
(
からだ
)
が
餘
(
あま
)
り
岩疊
(
がんじよう
)
だから。それでグリフォンも
决
(
けつ
)
してそれを
習
(
なら
)
ひませんでした』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
以上
(
いじやう
)
は
餘
(
あま
)
りに
正直
(
しやうぢき
)
過
(
す
)
ぎた
白状
(
はくじやう
)
かも
知
(
し
)
れぬ。けれども、
正直
(
しやうぢき
)
過
(
す
)
ぎた
自白
(
じはく
)
の
間
(
うち
)
には、
多少
(
たせう
)
の
諷刺
(
ふうし
)
も
籠
(
こも
)
つて
居
(
ゐ
)
るつもりだ。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
日本
(
につぽん
)
に
於
(
お
)
ける
大地震
(
だいぢしん
)
の
統計
(
とうけい
)
によれば、
餘
(
あま
)
り
大
(
おほ
)
きくない
町村
(
ちようそん
)
に
於
(
おい
)
て、
潰家
(
かいか
)
十一軒毎
(
じゆういつけんごと
)
に
一名
(
いちめい
)
の
死者
(
ししや
)
を
生
(
しよう
)
ずる
割合
(
わりあひ
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
然
(
しか
)
らば
北歐羅巴
(
きたようろつぱ
)
の
方面
(
はうめん
)
はどうかと
見遣
(
みや
)
るに、
此
(
この
)
方面
(
はうめん
)
に
就
(
つい
)
ては
私
(
わたし
)
は
餘
(
あま
)
り
多
(
おほ
)
く
知
(
し
)
らぬが、
要
(
えう
)
するに
幼稚
(
えうち
)
極
(
きは
)
まるものであつて、
規模
(
きぼ
)
が
極
(
きは
)
めて
小
(
ちい
)
さいやうである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
になると
氣候
(
きこう
)
その
他
(
た
)
、
世界
(
せかい
)
の
状態
(
じようたい
)
は
今日
(
こんにち
)
と
餘
(
あま
)
り
變
(
かは
)
つたところなく、たゞ
海岸線
(
かいがんせん
)
が
今
(
いま
)
よりも
陸地
(
りくち
)
に
入
(
い
)
り
込
(
こ
)
んでゐたといふくらゐに
過
(
す
)
ぎないのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
苟
(
いやし
)
くも敵の総大将の胴に
篏
(
は
)
まっているものである点、斯くの如く優美で、繊細で、気品に充ちている点などは、年齢が多少
老
(
ふ
)
けていると云う短所を補って
餘
(
あま
)
りがある。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
我國
(
わがくに
)
の
國債
(
こくさい
)
の
状態
(
じやうたい
)
を
見
(
み
)
ると、
今日
(
こんにち
)
既
(
すで
)
に五十九
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
して
居
(
を
)
り
從來
(
じうらい
)
の
大勢
(
たいせい
)
を
以
(
もつ
)
て
計
(
はか
)
れば
年々
(
ねん/\
)
巨額
(
きよがく
)
の
國債
(
こくさい
)
が
殖
(
ふ
)
えるのであつて百
億圓
(
おくゑん
)
に
達
(
たつ
)
するも
餘
(
あま
)
り
遠
(
とほ
)
からざることである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
馬
(
うま
)
の
顏
(
かほ
)
を
斜
(
はす
)
に
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で、
無論
(
むろん
)
少年
(
せうねん
)
の
手
(
て
)
には
餘
(
あま
)
る
畫題
(
ぐわだい
)
であるのを、
自分
(
じぶん
)
は
此
(
この
)
一
擧
(
きよ
)
に
由
(
よつ
)
て
是非
(
ぜひ
)
志村
(
しむら
)
に
打勝
(
うちかた
)
うといふ
意氣込
(
いきごみ
)
だから一
生懸命
(
しやうけんめい
)
、
學校
(
がくかう
)
から
宅
(
たく
)
に
歸
(
かへ
)
ると一
室
(
しつ
)
に
籠
(
こも
)
つて
書
(
か
)
く
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「そんな事なら驚きやしませんがね、上總屋の裏の長屋に住んで居る、本郷中の
餘
(
あま
)
され者で、半三といふ安やくざが、三組町の
藪
(
やぶ
)
の中で、
背後
(
うしろ
)
から刺されて死んで居ますぜ」
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
言ひ換へれば、氏は
餘
(
あま
)
り
巧
(
うま
)
すぎて、人間の本當の
心理
(
しんり
)
の境を越えて
飛躍
(
ひやく
)
しすぎるのでせう。
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
余
(
よ
)
は
平生
(
へいぜい
)
學海居士
(
ガクカイコジ
)
が
儒家
(
じゆか
)
らしき
文氣
(
ぶんき
)
と
馬琴
(
バキン
)
を
承
(
う
)
けたる
健筆
(
けんひつ
)
に
欽羨
(
きんせん
)
するものなるが、
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
居士
(
コジ
)
の
評文
(
ひようぶん
)
の
餘
(
あま
)
りに
居士
(
コジ
)
を
代表
(
だいひよう
)
する
事
(
こと
)
の
多
(
おほ
)
きには
聊
(
いさゝ
)
か
當惑
(
とうわく
)
するところなき
能
(
あた
)
はざりし。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
行手
(
ゆくて
)
には、こんもりとした森が見えて、
銀杏
(
いてふ
)
らしい大樹が
一際
(
ひときは
)
傑
(
すぐ
)
れて高かつた。赤く
塗
(
ぬ
)
つた
鳥居
(
とりゐ
)
も見えてゐた。二人はそれを目當てに歩いた。お光は十
間
(
けん
)
餘
(
あま
)
りも
後
(
おく
)
れて、沈み勝にしてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
婦人
(
ふじん
)
の
驚駭
(
きやうがい
)
は
蓋
(
けだ
)
し
察
(
さつ
)
するに
餘
(
あま
)
りある。
卓
(
たく
)
を
隔
(
へだ
)
てて
差向
(
さしむか
)
ひにでも
逢
(
あ
)
ふ
事
(
こと
)
か、
椅子
(
いす
)
を
並
(
なら
)
べて、
肩
(
かた
)
を
合
(
あ
)
はせて
居
(
ゐ
)
るのであるから、
股栗不能聲
(
こりつしてこゑするあたはず
)
。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
餘
部首:⾷
16画
“餘”を含む語句
餘程
餘波
餘燼
剩餘
餘計
餘念
餘人
餘韻
餘光
尺餘
一月餘
餘事
自餘
十餘丈
半餘
餘所
餘裕
餘地
餘儀
餘分
...