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折
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を
ふりがな文庫
“
折
(
を
)” の例文
川口
(
かはぐち
)
の、
葦
(
あし
)
のたくさん
生
(
は
)
えてゐる、その
葦
(
あし
)
の
先
(
さき
)
の
葉
(
は
)
が、みんなとれてゐる。これは、
誰
(
たれ
)
が
折
(
を
)
つたのかと
申
(
まを
)
しますと、それは、
私
(
わたし
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
仕方
(
しかた
)
なしに
唯
(
た
)
だ左へ左へと、いゝかげんに
折
(
を
)
れて
行
(
ゆ
)
くと
蔵造
(
くらづく
)
りの問屋らしい
商家
(
しやうか
)
のつゞいた同じやうな
堀割
(
ほりわり
)
の岸に二度も出た。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
元
(
もと
)
は
直立
(
ちよくりつ
)
してゐたもので、
高
(
たか
)
さは
七八十尺
(
しちはちじつしやく
)
もあつたものですが、
二百年程前
(
にひやくねんほどまへ
)
に
雷
(
かみなり
)
が
落
(
お
)
ちたゝめに
折
(
を
)
れたのだといふことでありました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それでも
思切
(
おもひき
)
ツて其の作を放擲ツて了うことが出來ぬから、
何時
(
いつ
)
までも
根氣
(
こんき
)
好
(
よ
)
く
無駄骨
(
むだほね
)
を
折
(
を
)
ツてゐる、そして結局
情
(
なさけ
)
なくなるばかりだ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
更
(
ふ
)
け
行
(
ゆ
)
く
閨
(
ねや
)
に
聲
(
こゑ
)
もなく、
凉
(
すゞ
)
しい
目
(
め
)
ばかりぱち/\させて、
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
も
聞
(
きこ
)
えぬのを、
徒
(
いたづら
)
に
指
(
ゆび
)
を
折
(
を
)
る、
寂々
(
しん/\
)
とした
板戸
(
いたど
)
の
外
(
そと
)
に、ばさりと
物音
(
ものおと
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
懐中
(
ふところ
)
から
塵紙
(
ちりがみ
)
を
出
(
だ
)
して四つに
折
(
を
)
つて
揚子箸
(
やうじばし
)
で
手探
(
てさぐ
)
りで、
漸
(
や
)
うく
餅
(
もち
)
を
挟
(
はさ
)
んで
塵紙
(
ちりがみ
)
の
上
(
うへ
)
へ
載
(
の
)
せて
忰
(
せがれ
)
幸之助
(
かうのすけ
)
へ渡して自分も一つ取つて、乞
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
我
(
が
)
を
折
(
を
)
つて、それ
切
(
き
)
り
余
(
よ
)
は
引揚
(
ひきあ
)
げたが、
如何
(
どう
)
も
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて
耐
(
た
)
えられぬので、
再
(
ふたゝ
)
び
談判
(
だんぱん
)
に
行
(
ゆ
)
かうと
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、
友人
(
いうじん
)
の
眉山子
(
びさんし
)
が
例
(
れい
)
の
自殺
(
じさつ
)
。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其處
(
そこ
)
にはもうそつけなくなつた
女郎花
(
をみなへし
)
の
莖
(
くき
)
がけろりと
立
(
た
)
つて、
枝
(
えだ
)
まで
折
(
を
)
られた
栗
(
くり
)
が
低
(
ひく
)
いながらに
梢
(
こずゑ
)
の
方
(
はう
)
にだけは
僅
(
わづか
)
に
笑
(
ゑ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
所
(
ところ
)
が
杉原
(
すぎはら
)
の
方
(
はう
)
では、
妙
(
めう
)
な
引掛
(
ひつかゝ
)
りから、
宗助
(
そうすけ
)
の
此所
(
こゝ
)
に
燻
(
くす
)
ぶつてゐる
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
き
出
(
だ
)
して、
強
(
し
)
いて
面會
(
めんくわい
)
を
希望
(
きばう
)
するので、
宗助
(
そうすけ
)
も
已
(
やむ
)
を
得
(
え
)
ず
我
(
が
)
を
折
(
を
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其壁
(
そのかべ
)
を
越
(
こ
)
して、
桑樹
(
くはのき
)
の
老木
(
らうぼく
)
が
繁
(
しげ
)
り、
壁
(
かべ
)
の
折
(
を
)
り
曲
(
まが
)
つた
角
(
かど
)
には
幾百年
(
いくひやくねん
)
經
(
た
)
つか、
鬱
(
うつ
)
として
日影
(
ひかげ
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
樫樹
(
かしのき
)
が
盤居
(
わだかま
)
つて
居
(
ゐ
)
ます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
この
木
(
き
)
はもと
根株
(
ねかぶ
)
から
七
(
なゝ
)
つの
幹
(
みき
)
に
分
(
わか
)
れてゐましたが、
内
(
うち
)
五本
(
ごほん
)
は
先年
(
せんねん
)
の
暴風
(
ぼうふう
)
で
折
(
を
)
れて
今
(
いま
)
は
二本
(
にほん
)
の
幹
(
みき
)
だけとなつてしまひました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
實際
(
じつさい
)
思
(
おも
)
つたよりも
早
(
はや
)
く、それを
半分
(
はんぶん
)
飮
(
の
)
まない
中
(
うち
)
に
愛
(
あい
)
ちやんは
頭
(
あたま
)
が
天井
(
てんじやう
)
につかへたのを
知
(
し
)
り、
首
(
くび
)
の
折
(
を
)
れない
用心
(
ようじん
)
に
屈
(
かゞ
)
んで、
急
(
いそ
)
いで
壜
(
びん
)
を
下
(
した
)
に
置
(
お
)
き
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
いて
明
(
あか
)
るい
通
(
とほ
)
りから
折
(
を
)
れて、
暗
(
くら
)
い
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いた。
暗
(
くらい
)
い
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
ても、
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るみを
歩
(
ある
)
く
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
は
聞
(
きこ
)
えた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
二に曰く人骨の
外面
(
ぐわいめん
)
殊
(
こと
)
に筋肉の付着點に
刄物
(
はもの
)
の
疵
(
きづ
)
有り。三に曰く人骨は他動物の
遺骨
(
ゐこつ
)
と同樣に人工を以て
折
(
を
)
り
碎
(
くだ
)
かれたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
馬
(
うま
)
も
荷物
(
にもつ
)
をつけて
行
(
ゆ
)
く
時
(
とき
)
はなか/\
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れますが、一
日
(
にち
)
の
仕事
(
しごと
)
をすまして
山道
(
やまみち
)
を
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
るのは
樂
(
たのし
)
みなものですよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れるからとて
夫
(
そ
)
れ
丈
(
だけ
)
の
運
(
うん
)
のある
身
(
み
)
ならば
堪
(
た
)
へられぬ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い
筈
(
はづ
)
、
女
(
をんな
)
などゝ
言
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
は
何
(
ど
)
うも
愚痴
(
ぐち
)
で、お
袋
(
ふくろ
)
などが
詰
(
つま
)
らぬ
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すから
困
(
こま
)
り
切
(
き
)
る
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
町
(
まち
)
には、
病院
(
びやうゐん
)
の
新院長
(
しんゐんちやう
)
に
就
(
つ
)
いての
種々
(
いろ/\
)
な
噂
(
うはさ
)
が
立
(
た
)
てられてゐた。
下女
(
げぢよ
)
と
云
(
い
)
ふ
醜婦
(
しうふ
)
が
會計
(
くわいけい
)
と
喧嘩
(
けんくわ
)
をしたとか、
會計
(
くわいけい
)
は
其女
(
そのをんな
)
の
前
(
まへ
)
に
膝
(
ひざ
)
を
折
(
を
)
つて
謝罪
(
しやざい
)
したとか、と。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大正十一年
(
たいしようじゆういちねん
)
四月二十六日
(
しがつにじゆうろくにち
)
の
浦賀海峽地震
(
うらがかいきようぢしん
)
に
傷
(
いた
)
められた
丸
(
まる
)
の
内
(
うち
)
びるぢんぐ、
大正十二年
(
たいしようじゆうにねん
)
の
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
によつて
腰
(
こし
)
を
折
(
を
)
られた
東京會館
(
とうきようかいかん
)
などがその
適例
(
てきれい
)
であらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
したが、やがて
夜
(
よる
)
になると、お
前
(
まへ
)
も
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れうぞや。さ、
予
(
わし
)
は
食事
(
しょくじ
)
をせう。
貴孃
(
こなた
)
は
庵室
(
あんじつ
)
へ
速
(
はや
)
うゆかしゃれ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
『もう
廢
(
よ
)
せ/\、
足
(
あし
)
が
折
(
を
)
れるぞ/\。』と
虎髯大尉
(
こぜんたいゐ
)
は
二人
(
ふたり
)
の
周圍
(
めぐり
)
をぐる/\
廻
(
まは
)
つて、
結局
(
とう/\
)
引分
(
ひきわけ
)
になつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
私の
手
(
て
)
はいつの
間
(
ま
)
にか
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
に
潛
(
くゞ
)
つてゐました。私は
東明館前
(
とうめいくわんまへ
)
から
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れて、
譯
(
わけ
)
もなく
明
(
あか
)
るく
賑
(
にぎや
)
かな
街
(
まち
)
の
片側
(
かたがは
)
を、
店々
(
みせ/\
)
に
添
(
そ
)
うて
神保町
(
じんぼうちやう
)
の
方
(
はう
)
へと歩いて行きました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
そして、——
寢
(
ね
)
てはならん‥‥と、一
所懸命
(
しよけんめい
)
に
考
(
かんが
)
へてはゐながら、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にかトロリと
瞼
(
まぶた
)
が
落
(
お
)
ちて、
首
(
くび
)
がガクリとなる。
足
(
あし
)
がくたくたと
折
(
を
)
れ
曲
(
まが
)
るやうな
氣
(
き
)
がする。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
いにしへにありけむ
人
(
ひと
)
も
吾
(
わ
)
が
如
(
ごと
)
か
三輪
(
みわ
)
の
檜原
(
ひはら
)
に
揷頭
(
かざし
)
折
(
を
)
りけむ 〔巻七・一一一八〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
秋の
七種
(
ななくさ
)
の歌は著名なもので、『万葉集』巻八に出て
山上憶良
(
やまのうえのおくら
)
が咏んだもので、その歌は誰もがよく知っている通り、「秋の
野
(
ぬ
)
に
咲
(
さ
)
きたる花を
指
(
およ
)
び
折
(
を
)
り、かき数ふれば七種の花」
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
取捨
(
とりすて
)
は
御随意
(
ごずいい
)
に
候
(
そろ
)
骨
(
ほね
)
の
折
(
を
)
れる事には
随分
(
ずいぶん
)
骨を折り
候
(
そろ
)
男と
我
(
われ
)
ながらあとにて
感服仕候
(
かんぷくつかまつりそろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
何
(
なん
)
ぼ
何
(
なん
)
でも
石
(
いし
)
は
喰
(
く
)
はれませんよ。
晩餉
(
ごはん
)
はまだなんですか。そんならおしへて
上
(
あ
)
げませう。
此處
(
こゝ
)
を
左
(
ひだり
)
へ
曲
(
まが
)
つて、それから
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れて、すこし、あんたと
昨日
(
きなふ
)
あつた
路
(
みち
)
のあの
交叉點
(
よつかど
)
です。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
咲
(
さ
)
かざれば
桜
(
さくら
)
を
人
(
ひと
)
の
折
(
を
)
らまじを
桜
(
さくら
)
の
仇
(
あだ
)
はさくらなりけり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あの
病
(
びやう
)
人たちは 地
球
(
きう
)
の病人なんで
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れますね
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
動
(
どう
)
し、
坤軸
(
こんぢく
)
も
折
(
を
)
るゝかと
想
(
おも
)
ふばかりなり
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ただひとり
爽
(
さわや
)
かに
折
(
を
)
りかへす
新聞紙
(
しんぶんし
)
の
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
野
(
の
)
の
老狐
(
たうめ
)
踏
(
ふ
)
みは
折
(
を
)
るとも
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
冬
(
ふゆ
)
は
折
(
を
)
れ
伏
(
ふ
)
す
蘆毛
(
あしげ
)
積
(
つも
)
る
雪毛
(
ゆきげ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
膝
(
ひざ
)
のうへにて
鶴
(
つる
)
を
折
(
を
)
る。
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
折
(
を
)
りゆきしことな忘れそ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其の物音に自分は沈思の
中
(
うち
)
から振向いて眺めやると、机の上のランプの光が斜めに流れて、
折
(
を
)
り
屈
(
かゞ
)
んで働いて居る小間使花の横顏を照す。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
この
中
(
なか
)
を、
折
(
を
)
れて
飛
(
と
)
んだ
青
(
あを
)
い
銀杏
(
いてふ
)
の
一枝
(
ひとえだ
)
が、ざぶり/\と
雨
(
あめ
)
を
灌
(
そゝ
)
いで、
波状
(
はじやう
)
に
宙
(
ちう
)
を
舞
(
ま
)
ふ
形
(
かたち
)
は、
流言
(
りうげん
)
の
鬼
(
おに
)
の
憑
(
つき
)
ものがしたやうに
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それが
出來
(
でき
)
ないんだつて。
何
(
ど
)
う
見積
(
みつも
)
つても
兩方
(
りやうはう
)
寄
(
よ
)
せると、十
圓
(
ゑん
)
にはなる。十
圓
(
ゑん
)
と
云
(
い
)
ふ
纏
(
まとま
)
つた
御金
(
おかね
)
を、
今
(
いま
)
の
所
(
ところ
)
月々
(
つき/″\
)
出
(
だ
)
すのは
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れるつて
云
(
い
)
ふのよ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ついでですが、みなさんは
木
(
き
)
ばかりでなく、そこいらの
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
にある
樹木
(
じゆもく
)
も
大切
(
たいせつ
)
にして
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
つたりしないようにして
下
(
くだ
)
さらなければいけません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
ナニ、
青
(
あを
)
いんでもかまひませんが、なるなら
黄色
(
きいろ
)
い
方
(
はう
)
がいゝ。
麥
(
むぎ
)
は
熟
(
じゆく
)
するほど
丈夫
(
ぢやうぶ
)
ですからね。この
細
(
ほそ
)
い
麥藁
(
むぎわら
)
の
穗先
(
ほさき
)
の
方
(
はう
)
を
輕
(
かる
)
く
折
(
を
)
つてお
置
(
お
)
きなさい。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
傭人
(
やとひにん
)
もすつかり
眠
(
ねむ
)
りに
落
(
お
)
ちたと
思
(
おも
)
ふ
頃
(
ころ
)
内儀
(
かみ
)
さんとおつぎとの
黒
(
くろ
)
い
姿
(
すがた
)
が
竊
(
ひそか
)
に
裏
(
うら
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
に
動
(
うご
)
いた。
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
る
竹
(
たけ
)
の
枝
(
えだ
)
が
足
(
あし
)
の
下
(
した
)
にぽち/\と
折
(
を
)
れて
鳴
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私
(
わたし
)
の
夫
(
をつと
)
なるあなたの、
私
(
わたし
)
を
見
(
み
)
つけてあひずに
振
(
ふ
)
つていらつしやるお
袖
(
そで
)
を、よく
見
(
み
)
ようと
考
(
かんが
)
へて、
私
(
わたし
)
が
折
(
を
)
つたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
お
前
(
まへ
)
新網
(
しんあみ
)
へ
歸
(
かへ
)
るが
厭
(
いや
)
なら
此家
(
こゝ
)
を
死場
(
しにば
)
と
極
(
き
)
めて
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
らなきやならないよ、しつかり
遣
(
や
)
つてお
呉
(
く
)
れと
言
(
い
)
ひ
含
(
ふく
)
められて、
吉
(
きち
)
や/\と
夫
(
そ
)
れよりの
丹精
(
たんせい
)
今
(
いま
)
油
(
あぶら
)
ひきに
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
上
(
あ
)
げては
水車
(
みづぐるま
)
を
見
(
み
)
、
又
(
また
)
畫板
(
ゑばん
)
に
向
(
むか
)
ふ、そして
折
(
を
)
り/\
左
(
さ
)
も
愉快
(
ゆくわい
)
らしい
微笑
(
びせう
)
を
頬
(
ほゝ
)
に
浮
(
うか
)
べて
居
(
ゐ
)
た
彼
(
かれ
)
が
微笑
(
びせう
)
する
毎
(
ごと
)
に、
自分
(
じぶん
)
も
我知
(
われし
)
らず
微笑
(
びせう
)
せざるを
得
(
え
)
なかつた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたくし
)
は
屹度
(
きつと
)
此度
(
こんど
)
は
瑞典
(
スウエーデン
)
の
北極星
(
ほくきよくせい
)
の
勳章
(
くんしやう
)
を
貰
(
もら
)
はうと
思
(
おも
)
つて
居
(
を
)
るです、
其勳章
(
そのくんしやう
)
こそは
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
る
甲斐
(
かひ
)
のあるものです。
白
(
しろ
)
い十
字架
(
じか
)
に、
黒
(
くろ
)
リボンの
附
(
つ
)
いた、
其
(
そ
)
れは
立派
(
りつぱ
)
です。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それに
余
(
よ
)
は
蠻勇
(
ばんゆう
)
を
以
(
もつ
)
て
任
(
にん
)
じて
居
(
ゐ
)
るので、一
度
(
ど
)
採集
(
さいしふ
)
した
物
(
もの
)
は、いくら
途中
(
とちう
)
で
持重
(
もちおも
)
りがしても、それを
捨
(
す
)
てるといふ
事
(
こと
)
を
爲
(
せ
)
ぬ。
肩
(
かた
)
の
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れても、
持
(
も
)
つて
歸
(
かへ
)
らねば
承知
(
しようち
)
せぬ。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
その
結果
(
けつか
)
、
從來
(
じゆうらい
)
たゞ
食物
(
しよくもつ
)
の
材料
(
ざいりよう
)
を
集
(
あつ
)
めるために、
一日中
(
いちにちじゆう
)
骨
(
ほね
)
を
折
(
を
)
つて
働
(
はたら
)
いてゐた
人間
(
にんげん
)
が、
集
(
あつ
)
めた
食料
(
しよくりよう
)
の
貯藏
(
ちよぞう
)
が
出來
(
でき
)
るようになり、
食料
(
しよくりよう
)
が
豐
(
ゆたか
)
になつたので
働
(
はたら
)
く
力
(
ちから
)
に
餘裕
(
よゆう
)
が
出來
(
でき
)
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うへ
)
に
照
(
て
)
れる
月夜
(
つくよ
)
に
梅
(
うめ
)
の
花
(
はな
)
折
(
を
)
りて
贈
(
おく
)
らむ
愛
(
は
)
しき
児
(
こ
)
もがも 〔巻十八・四一三四〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
彼
(
かれ
)
は
私
(
わたくし
)
よりは四つ五つの
年長者
(
としかさ
)
で、
從
(
したがつ
)
て
級
(
くみ
)
も
異
(
ちが
)
つて
居
(
を
)
つたので、
始終
(
しじう
)
交
(
まぢは
)
るでもなかつたが、
其頃
(
そのころ
)
校内
(
かうない
)
で
運動
(
うんどう
)
の
妙手
(
じやうず
)
なのと
無暗
(
むやみ
)
に
冐險的旅行
(
ぼうけんてきりよかう
)
の
嗜好
(
すき
)
なのとで、
彼
(
かれ
)
と
私
(
わたくし
)
とは
指
(
ゆび
)
を
折
(
を
)
られ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
おゝ/\
乱暴狼藉
(
らんばうらうぜき
)
で、
飛石
(
とびいし
)
なぞは
狗
(
いぬ
)
の
糞
(
くそ
)
だらけにして、
青苔
(
あをごけ
)
を
散々
(
さん/″\
)
に
踏暴
(
ふみあら
)
し、
折角
(
せつかく
)
宜
(
よ
)
い
塩梅
(
あんばい
)
に
苔
(
こけ
)
むした
石燈籠
(
いしどうろう
)
を
倒
(
たふ
)
し、
松
(
まつ
)
ヶ
枝
(
え
)
を
折
(
を
)
つちまひ、
乱暴
(
らんばう
)
だね……
何方
(
どちら
)
からお
入来
(
いで
)
なすつた。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此
(
この
)
哀
(
あは
)
れな
小
(
ちひ
)
さな
物
(
もの
)
は、
愛
(
あい
)
ちやんが
捕
(
つかま
)
へた
時
(
とき
)
に
蒸氣
(
じやうき
)
機關
(
きくわん
)
のやうな
恐
(
おそ
)
ろしい
鼻息
(
はないき
)
をしました、それからわれと
我
(
わ
)
が
體
(
からだ
)
を二つに
折
(
を
)
り
重
(
かさ
)
ねたり、
又
(
また
)
眞直
(
まつすぐ
)
に
伸
(
の
)
ばしたりなどしたものですから
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“折”を含む語句
端折
尻端折
折伏
九十九折
折曲
手折
挫折
折屈
崩折
折々
折敷
骨折
折悪
折角
折柄
夭折
中折帽
折節
折釘
折合
...