場所ばしよ)” の例文
ついてはなしがある。(さるどのの夜寒よさむひゆくうさぎかな)で、水上みなかみさんも、わたしも、場所ばしよはちがふが、兩方りやうはうとも交代夜番かうたいよばんのせこにてゐる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
地震計ぢしんけいもつ觀察かんさつすると、かういふ地下ちかはたらきの所在地しよざいちわかるから、それからして岩漿がんしよう貯藏ちよぞうされてゐる場所ばしよふかさが想像そう/″\せられる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
帽子屋ばうしやッた一人ひとり場所ばしよへたために一ばんいことをしました、あいちやんは以前まへよりもぽどわりわるくなりました、だつて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
さて我山中に入り場所ばしよよきを見立みたて、木のえだ藤蔓ふぢつるを以てかり小屋こやを作りこれを居所ゐどころとなし、おの/\犬をひき四方にわかれて熊をうかゞふ。
學校がくかうといふのは此大島小學校このおほしませうがくかうばかり、其以外そのいぐわいにはいろはのいのまな場所ばしよはなかつたので御座ございます。ぼくはじめ不精々々ふしやう/″\かよつてました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
このふるかはらふるいおてら境内けいだいや、ふるいおてらのあつた場所ばしよいまはたけとなつてゐるところから、よくされるのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
村落むらあんさ、何處どこつちつたつて場所ばしよはねえんですから、なあにひとりでせえありやけえつてふところはえゝんでがすから」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ぐわつ此日このひ單獨たんどくき、だい回目くわいめ發掘はつくつ場所ばしよより二三けんした大根畑だんこんばたけ發掘はつくつして、だいイのごと土器どきふたた。
あの死骸しがいをとこには、たしかに昨日きのふつてります。昨日きのふの、——さあ、午頃ひるごろでございませう。場所ばしよ關山せきやまから山科やましなへ、まゐらうと途中とちうでございます。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひやうに曰此護摩刀ごまたうのことは柴刀さいたうとも申よしこれは聖護院三寶院の宮樣みやさま山入やまいりせつ諸國の修驗しゆけん先供さきどもの節しば切拂きりはらひ護摩ごま場所ばしよこしらへる故に是を柴刀さいたうとも云なり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
晝のうちはあんなにほか/\とあたゝかくしてゐながら、なんとなくたもとをふくかぜがうそさむく、去年きよねんのシヨールのしま場所ばしよなぞをかんがへさせられたりしました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
うなるとすこ遣場やりばこまるのね」とうつたへるやう宗助そうすけげた。實際じつさい此所こゝげられては、御米およね御化粧おつくりをする場所ばしよくなつて仕舞しまふのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
晴着はれぎ場所ばしよへはかない。これはかれさげすみ、かれはこれをいきどほる。こんなことが、一たいあつてよいものか
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
one ewho is at home in every plac(如何いかなる場所ばしよをも我家わがいへとするひと)、a citizen of the world(世界せかいたみ)。
つまり樹木じゆもく各々おの/\いちばんてきする場所ばしよにあつてはじめて完全かんぜん繁殖はんしよくすることが出來できるのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
このあたりで女達をんなたち客引きやくひき場所ばしよは、目下もくか足場あしばかゝつてゐる観音堂くわんおんだう裏手うらてから三社権現じやごんげんまへ空地あきち、二天門てんもんあたりから鐘撞堂かねつきだうのある辨天山べんてんやましたで、こゝは昼間ひるまから客引きやくひきをんながゐる。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
このうたおそらく空想くうそうでせうが、この場所ばしよあるひはさうした景色けしきは、蓮月れんげつ始終しじゆうてゐたにちがひありません。だから空想くうそうであつても事實じじつおなじであり、むしろ事實じじつより力強ちからづよひとこゝろひゞくのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
今日けふまちなにかのようちよつ通掛とほりかゝつたので、場所ばしよ立寄たちよつたとのことで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
また場所ばしよそれつじそれところ待給まちたまかならずよとちぎりてわかれし其夜そのよのことるべきならねば心安こゝろやすけれど心安こゝろやすからぬは松澤まつざはいま境涯きやうがいあらましはさつしてもたものゝそれほどまでとはおもひもらざりしが其御難儀そのごなんぎたれがせしわざならず勿躰もつたいなけれどおやうらみなりかれぬまでもいさめてんかいなちゝ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
みぎのような小規模しようきぼ地割ぢわれならば、大正十二年たいしようじゆうにねん關東大地震かんとうだいぢしんおいても經驗けいけんせられた。場所ばしよ安房國あはのくに北條町ほうじようまち北條小學校ほうじようしようがつこう校庭こうていであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
みなさんは、御存ごぞんじであらうか……此品このしなを。……あなたがたが、女中ねえさんに御祝儀ごしうぎしてめしあがる場所ばしよなどには、けつしてあるものではない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もっとも墓場はかばだとか、そのほか場所ばしよ完全かんぜん土器どきうづもれてゐることもありますが、私共わたしども發見はつけんするのはおほくは破片はへんです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
開墾地かいこんちへは周圍しうゐかくれる場所ばしよ所爲せゐか、村落むら何處どこにもにはかそのこゑかなくなつたすゞめぐんをなして日毎ひごとおそうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
進めモシ若旦那樣和君あなたは今人立多き花見の場所ばしよへ立寄もしも災難にあは無上こよなき親不幸おやふかうと仰あれど夫は夫れ其一を知て其二を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれ坂井さかゐいへそばつて、むかふれずに、ひとうかがやう便利べんり場所ばしよはあるまいかとかんがへた。不幸ふかうにして、かくすべきところをおもなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
やぶ少時しばらくあひだたけばかりです。が、半町はんちやうほどつたところに、ややひらいたすぎむらがある、——わたしの仕事しごと仕遂しとぐるのには、これほど都合つがふ場所ばしよはありません。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かれつてうごしました、福鼠ふくねずみ其後そのあといてきました、三月兎ぐわつうさぎ福鼠ふくねずみ場所ばしようつりました、あいちやんは厭々いや/\ながら三月兎ぐわつうさぎところきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それから二人ふたり種々いろ/\談話はなしをしてうち懇意こんいになり、ボズさんが遠慮ゑんりよなくところによるとぼく發見みつけ場所ばしよはボズさんのあじろのひとつで、足場あしばはボズさんがつくつたこと
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
破片はへんをツギあはせてると、徳利形とくりがた彌生式土器やよひしきどき。とはらずに望蜀生ばうしよくせい貝塚土器かひづかどきしんじてつてたのである。場所ばしよ何處どこだとくと、神奈川縣かながはけん橘樹郡たちばなごほり北加瀬村きたかせむら貝塚かひづか
草本帶そうほんたいには、乾燥かんそうしたところにえる植物しよくぶつ、すなはち『乾生かんせい』のものと、濕氣しつきのあるところにえる『濕生しつせい』のものとの區別くべつがあつて、前者ぜんしや岩石がんせき砂地すなじ乾燥かんそうした場所ばしよ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
こゝにかせをならべてさらしもする也。みなその場所ばしよ便利べんりにしたがふゆゑ一定いちぢやうならず。
これもよるしづかにむろのうちにこもつて、みゝすまし、には、そのとりいてゐる場所ばしよ光景こうけいを、あきらかにうかべてゐるのであります。こんなうたになると、赤人あかひとは、人麿ひとまろにも黒人くろひとにもけることはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
limited to no place, country, or group of individuals bu common to all(如何いかなる場所ばしよくにまた個人こじん集團しふだんにも制限せいげんされず、の一さい共通きようつうなる)
これおも東西線とうざいせん南北線なんぼくせんとに竝列へいれつしてゐるが、中央ちゆうおう交叉點こうさてんあた場所ばしよ現在げんざい活火口かつかこうたる中岳なかだけたか千六百四十米せんろつぴやくしじゆうめーとる)がある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
で、あしはこうちいたいたので、宛然さながら城址しろあと場所ばしよから、もり土塀どべいに、一重ひとへへだてた背中合せなかあはせの隣家となりぐらゐにしかかんじない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それととも安住あんぢう場所ばしようしなうた胎兒たいじ自然しぜん母體ぼたいはなれてねばならなかつた。胎兒たいじ勿論もちろんんでさうしてした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たつすれば殺生禁斷せつしやうきんだん場所ばしよあみおろせしと見ながら其儘そのまゝ差置難さしおきがたし此度は自身じしんまゐるべしとて與力よりき二人を召連めしつれ阿漕が浦にいたれば其夜も徳太郎君れいの如くあみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれどもそれ實地じつちけるちからは、すこしも養成やうせいすること出來できなかつた。したがつて自分じぶんつてゐる場所ばしよは、この問題もんだいかんがへないむかしがうことなるところがなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それで博物館はくぶつかん品物しなものひにくところでもなく、またあそびにくところでもありません。みなさんの學校がつこうおなじように勉強べんきようをしたり、學問がくもんをする場所ばしよなのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
清潔きれい洋盃カツプれ』と帽子屋ばうしやくちれて、『みんなでひと場所ばしよ取交とりかへやうぢやないか』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
此間このあひだ望蜀生ばうしよくせい故郷こきやうかへり、活東子くわつとうしまたふるはず。幻花子げんくわし相變あひかはらず。それと玄川子げんせんし相手あひてにぼつ/\つて、到頭たうとう鷄屋とりやへいしたまですゝんで、なつころには場所ばしよくなつた。
その場所ばしよまつたくぼくつたのである、後背うしろがけからは雜木ざふきえだかさかさねておほひかゝり、まへかなひろよどみしづかうづまいながれてる。足場あしばはわざ/\つくつたやうおもはれるほど具合ぐあひい。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
今日こんにちではぶなのはやしることが出來できなくなつた場所ばしよすくなくありません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
しかししつ比較的ひかくてきひろつくられるのが通常つうじようであるから、みぎのようなものゝちてさうな場所ばしよからとほざかることも出來できるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
心得こゝろえことで……はさんではてるへびの、おなじ場所ばしよに、おなじかまくびをもたげるのも、あへて、咒詛じゆそ怨靈をんりやう執念しふねんのためばかりではないことを。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きぬないことはむし不愉快ふゆくわい場所ばしよとなつてしまつたのである。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
わがくにおい此現象このげんしようだかつて大規模だいきぼおこしたことのないのは、たん此現象このげんしようおこすに適當てきとう構造こうぞう場所ばしよ存在そんざいしないのにるものであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
場所ばしよは、立出たちいでた休屋やすみや宿やどを、さながらたに小屋こいへにした、中山半島なかやまはんたう——半島はんたうは、あたかりうの、かうべ大空おほぞららしたかたちで、ところあぎとである。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
野鼠のねずみ退治たいぢるものはたぬきく。……本所ほんじよ麻布あざぶつゞいては、このあたり場所ばしよだつたとふのに、あゝ、そのたぬきかげもない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなはちこの外輪山がいりんざんやぶ火口瀬かこうせである。箱根山はこねやまでこれに相當そうとうする場所ばしよ湯本ゆもと早川はやかは須雲川すぐもがは相會あひかいするところである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)