やう)” の例文
新字:
しか崖丈がけだけ大丈夫だいぢやうぶです。どんなことがあつたつてえつこはねえんだからと、あたか自分じぶんのものを辯護べんごでもするやうりきんでかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
昨日きのふあさ千葉ちばわたしびまして、奧樣おくさまこの四五にちすぐれやう見上みあげられる、うぞあそばしてかと如何いかにも心配しんぱいらしくまをしますので
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
りますとも、だい一、品川しながはちかくでは有名ゆうめい權現臺ごんげんだいといふところります。其所そこなんぞは大變たいへんです、んな破片はへんやまやうんでります
B また俳句はいくだらう。先年せんねん電車でんしやのストライキのあつたとき、あれはなんとかつたつけな、めう俳句はいくやうなものをいてよこしたぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
たのまでは叶ふまじといへば吉兵衞はそれは兎も角も船頭せんどうまかせなればよきやうはからひ給へとて其議に決し此所こゝにて水差をたのみ江戸まはりとぞ定めける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なにとなく薄淋うすさびしくなつたなみおもながめながら、むねかゞみくと、今度こんど航海かうかいはじめから、不運ふうんかみ我等われら跟尾つきまとつてつたやうだ。
手拭てぬぐひひたたびちひさな手水盥てうずだらひみづつきまつたかげうしなつてしばらくすると手水盥てうずだらひ周圍しうゐからあつまやう段々だん/\つきかたちまとまつてえてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
地震直後ぢしんちよくごから大正たいしやう十三四ねんごろまでのやうに十ドル以上いじやうさがつたこともあるけれども、平均へいきんしてづ四乃至ないしさがつてると状況じやうきやうである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ねむくはないので、ぱちくり/\いてても、ものまぼろしえるやうになつて、天井てんじやうかべ卓子テエブルあし段々だん/\えて心細こゝろぼそさ。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
下人 はて、そのやうことほんくてもれましょ。いや、まなこむものをばまッしゃりますかときますのぢゃ。
第十 常居ゐま濕氣しめりけすくな日當ひあたりよくしてかぜとほやうこゝろもちし。一ヶねん一兩度いちりやうどかなら天井てんじやうまたえんしたちりはらひ、寢所ねどころたかかわきたるはうえらぶべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
古來こらい幾多いくた建築家けんちくかや、思想家しさうかや、學者がくしやや、藝術家げいじつかや、各方面かくはうめんひとがこの問題もんだいついかんがへたやうであるが、いまかつ具體的ぐたいてき徹底的てつていてき定説ていせつ確立かくりつされたことをかぬ。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
此月の初頃はじめごろなりしが、畫にあるやう上﨟じやうらふの如何なる故ありてか、かの庵室あんしつこもりたりと想ひ給へ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
と梯子の中段から大きな聲をかけて、田原がせり上げのやうにあらはれると、後には蟒がつゞいた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
そのやうやす書物しよもつむかつても意味いみ容易よういとれない、もつと直譯ちよくやくしてときはどうかわかつてるらしいが、あと如何どん意味いみかとたゞしてるとほとんわかつてないやうである。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
讀書どくしよかれ病的びやうてき習慣しふくわんで、んでもおよれたところものは、れが縱令よし去年きよねん古新聞ふるしんぶんらうが、こよみであらうが、一やうえたるもののやうに、屹度きつとつてるのである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
その場所ばしよまつたくぼくつたのである、後背うしろがけからは雜木ざふきえだかさかさねておほひかゝり、まへかなひろよどみしづかうづまいながれてる。足場あしばはわざ/\つくつたやうおもはれるほど具合ぐあひい。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
五寸角位の・蓋の無い・菓子箱やうのものを差出した。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
うちとき齋藤さいとうむすめ嫁入よめいつては原田はらだ奧方おくがたではないか、いさむさんのやうにしていへうちおさめてさへけばなん子細しさい
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さうときにはかれきふおもしたやうまちる。其上そのうへふところ多少たせう餘裕よゆうでもあると、これひと豪遊がういうでもして見樣みやうかとかんがへることもある。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しか今更いまさらなんとかとか長文句ながもんく手紙てがみけないものだから、『承諾しようだくい』といた電報でんぱうやう葉書はがきしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
してると、端艇たんていは、何時いつにか印度洋インドやう名高なだか大潮流だいてうりう引込ひきこまれたのであらう。わたくしなんとなくのぞみのあるやうかんじてたよ。
牢舍らうしやさするやと尋ねられければお菊は何卒なにとぞ父利兵衞吉三郎ともに御免おんゆるし下され其代りに私しをらう御入下おんいれくださるゝやうにと涙ながらに申立るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
文士相樸ぶんしずまふさかんなころなので、栗島狹衣氏くりしまさごろもしほとん毎日まいにちやうたので、狹衣子さごろもしおな朝日新聞あさひしんぶん水谷幻花氏みづたにげんくわしも、其縁そのえんあそびに來出きだした。
さてかはつたやうあがつて、ひるになると、さむさがみて、市中しちう五萬軒ごまんげん後馳おくればせのぶんも、やゝ冬構ふゆがまへなしつる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しか熊手くまでつめすみやかに木陰こかげつちあとつける運動うんどうさへ一は一みじかきざんでやうふゆ季節きせつあまりにつめたく彼等かれらこゝろめてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
時頼の有樣を觀て熟〻つら/\思ふやう、扨も心得ぬ六波羅武士が擧動ふるまひかな、父なる人、祖父なる人は、昔知らぬ若殿原に行末短き榮耀ええうの夢を貪らせんとて其の膏血はよもそゝがじ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
養生やうじやう榮燿えいやうやうおもふは世上せじやう一般いつぱん習慣ならはしなり。いまへる養生法やうじやうはふは、いかなる貧人ひんじん、いかなる賤業せんげふひとにても、日夜にちやこゝろそゝげば出來できことなり。よつその大意たいい三首さんしゆ蜂腰ほうえうつゞることしかり。
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
萬事ばんじ其人そのひとまかせて其人そのひと獨立心どくりつしん依頼いらいせしめるやう習慣しふくわんをつけねばなりません。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
しかるに病院びやうゐんうちでは院長ゐんちやうアンドレイ、エヒミチが六號室がうしつしきりかよしたのをあやしんで、其評判そのひやうばんたかくなり、代診だいしんも、看護婦かんごふも、一やうなんためくのか、なん數時間餘すうじかんよ那麼處あんなところにゐるのか
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
まへべたやうに七ぐわつ爲替相場かはせさうばが一わりさがつてつたが、貿易ぼうえき段々だん/\改善かいぜんせられるにしたがつて爲替相場かはせさうば段々だん/\騰貴とうきして、さうして十一ぐわつ二十には爲替相場かはせさうばは四十八ドルはんまでのぼつたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
かくてひつはれつ、二人ふたりは一やういろまよへり
「おやおや、えらい嫌はれやう。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
A いよ/\馬鹿ばかだなア此奴こいつは。およそ、洒落しやれ皮肉ひにく諷刺ふうしるゐ説明せつめいしてなんになる。刺身さしみにワサビをけてやうなもんぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
梯子はしごやう細長ほそながわくかみつたり、ペンキぬりの一枚板まいいた模樣畫もやうぐわやう色彩しきさいほどこしたりしてある。宗助そうすけはそれを一々いち/\んだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
天女てんによ御空みそらふがごと美音びおんは、こゝろなき壇上だんじやうはなさへさへゆるぐばかりで、滿塲まんじやうはあつとつたまゝみづつたやうしづまりかへつた。
稽古けいこ引取ひきとつてからでも充分じうぶんさせられるから其心配そのしんぱいらぬこと兎角とかくくれさへすれば大事だいじにしてかうからとそれそれのつくやう催促さいそくして
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つとめし大岡忠右衞門と申者は目今たうじ何役なにやくを致し居るやと御尋おんたづね御側衆おそばしう申上げるやう大岡忠右衞門儀いまだ山田奉行勤役きんやくにて罷在まかりある旨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのからは、一かう珍品ちんぴんぬ。破片はへんおほいけれど、いでやうなのはぬ。中食後ちうじきごに、は、土瓶どびんくち上下うへしたに、ツリをつた破片はへんしたくらゐ
「おつぎはそんだが頭髮あたまてか/\ひからかせたとこつちやつたつけぞ」にはかおもしたやう先刻せんこく噺手はなしてがいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なんだか此池このいけ仕切しきつた屋根やねのあたりでしきりつぶてつやうなおとがしたが、ぐる/\うづいちやあ屋根やねうへ何十なんじふともないつぶてがひよい/\けて歩行あるやうだつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
烏帽子のためやうまでよろづ六波羅樣ろくはらやうをまねびて時知り顏なる、世は愈〻平家の世と覺えたり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
後向うしろむきにりてなほ鼻緒はなをこゝろつくすとせながら、なかば夢中むちう此下駄このげたいつまでかゝりてもけるやうにはらんともせざりき。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それが瓢形ひさごがた駒岡こまをか記入きにふしたる銀鍍金ぎんめつき徽章きしやうを一やうけ、おなしるし小旗こはたてたくるま乘揃のりそろつて、瓢簟山ひようたんやまへと進軍しんぐん?したのは、なか/\のおまつさはぎ※
あめ不知しらときしもあきのはじめなり、洋燈ランプあぶらをさすをりのぞいた夕暮ゆふぐれそら模樣もやうでは、今夜こんや眞晝まひるやう月夜つきよでなければならないがとおもうちなほ其音そのおとえずきこえる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あなたの發音法は大部分大陸讀方よみかた(コンチネンタル・メソツド)を用ゐられたやうですが
『伝説の時代』序 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたしやう不運ふうんはゝそだつより繼母御まゝはゝごなり御手おてかけなりかなふたひとそだてゝもらふたら、すこしは父御てゝご可愛かわゆがつて後々のち/\あのためにもなりませう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此蠻勇このばんゆうちから、それがつもつもつてると、運動うんどうためとか、好奇かうきよくとか、そればかりで承知しやうち出來できなくなつて、はじめて研究けんきうといふことおもきをおくやうになり
春狐子しゆんこしうでごす、彼處あすこ會席くわいせき不思議ふしぎくはせやすぜ。」とふもやうひねるのなり。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たゞこのころやうふさいでたら身體からだためるまいとおもはれる、これはいそがぬこととして、ちと寄席よせきゝにでもつたらうか、播摩はりまちかところへかゝつて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)