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美
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うつく
ふりがな文庫
“
美
(
うつく
)” の例文
青
(
あお
)
い、
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に、
黒
(
くろ
)
い
煙
(
けむり
)
の
上
(
あ
)
がる、
煙突
(
えんとつ
)
の
幾本
(
いくほん
)
か
立
(
た
)
った
工場
(
こうじょう
)
がありました。その
工場
(
こうじょう
)
の
中
(
なか
)
では、
飴
(
あめ
)
チョコを
製造
(
せいぞう
)
していました。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
に
奪
(
うば
)
はれてゐた
眼
(
め
)
を、ふと一
本
(
ぽん
)
の
小松
(
こまつ
)
の
上
(
うへ
)
に
落
(
お
)
すと、
私
(
わたし
)
は
不思議
(
ふしぎ
)
なものでも
見付
(
みつ
)
けたやうに、
暫
(
しばら
)
くそれに
目
(
め
)
を
凝
(
こ
)
らした。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
果
(
はた
)
して
島本
(
しまもと
)
は、とくに
注意
(
ちゅうい
)
はしなかつたけれど、
金魚
(
きんぎょ
)
を
見
(
み
)
たつていいました。そして、ひらひらしていて
美
(
うつく
)
しかつた、といつたんです
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
美
(
うつく
)
しい
瀬
(
せ
)
を
立
(
た
)
てて、
玉
(
たま
)
のやうな
礫
(
こいし
)
をおもしに、
獸
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
の
白
(
しろ
)
く
晒
(
さら
)
されたのが
浸
(
ひた
)
してある
山川
(
やまがは
)
に
沿
(
そ
)
うて
行
(
ゆ
)
くと、
山
(
やま
)
の
奧
(
おく
)
にまた
山
(
やま
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
紅葉
(
もみぢ
)
の
美
(
うつく
)
しさは、
植物
(
しよくぶつ
)
そのものゝ
種類
(
しゆるい
)
と、その
發生
(
はつせい
)
の
状態
(
じようたい
)
とでそれ/″\
異
(
ちが
)
ひますが、
一面
(
いちめん
)
には
附近
(
ふきん
)
の
景色
(
けしき
)
にも
左右
(
さゆう
)
されるものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
▼ もっと見る
これ
美
(
うつく
)
しかあないわ、こんなきたない花ってないわ! あたし着物を着るとすぐに、薔薇を摘もうと思ってお庭へ駆けて行ったのよ。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
雲
(
くも
)
ならば、
雲
(
くも
)
に、
美
(
うつく
)
しくも
凄
(
すご
)
くも
寂
(
さび
)
しうも
彩色
(
さいしき
)
されて
描
(
か
)
いてある…
手
(
て
)
を
取合
(
とりあ
)
ふて
睦
(
むつ
)
み
合
(
あ
)
ふて、もの
言
(
い
)
つて、
二人
(
ふたり
)
居
(
ゐ
)
られる
身
(
み
)
ではない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これを
澄
(
す
)
んだ泉の水にたとえた人がいますが、
実際
(
じっさい
)
フランス語でこれを読むと、もう百倍も
美
(
うつく
)
しい文章だということがわかります。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
雖然
(
けれども
)
顏の
寄麗
(
きれい
)
なのと、體格の
完全
(
くわんぜん
)
してゐるのと、おつとりした姿と、
美
(
うつく
)
しい
肌
(
はだ
)
とに心を
魅
(
チヤーム
)
せられて、賤しいといふ考を
忘
(
わす
)
れて了ふ。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
あれこそはひとりこの
御夫婦
(
ごふうふ
)
の
御
(
ご
)
一
代
(
だい
)
を
飾
(
かざ
)
る、
尤
(
もっと
)
も
美
(
うつく
)
しい
事蹟
(
じせき
)
であるばかりでなく、
又
(
また
)
日本
(
にほん
)
の
歴史
(
れきし
)
の
中
(
なか
)
での
飛
(
と
)
び
切
(
き
)
りの
美談
(
びだん
)
と
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
君、今ここにわが前に
在
(
い
)
ます。われは、カルメル
山
(
ざん
)
に孤雲を望む牧人の心となりて、君が
御爲
(
おんため
)
にやをら
美
(
うつく
)
しき
一條
(
いちでう
)
の歌を捧げむ
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
金時計
(
きんどけい
)
だの
金鎖
(
きんぐさり
)
が
幾
(
いく
)
つも
並
(
なら
)
べてあるが、
是
(
これ
)
もたゞ
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
や
恰好
(
かつかう
)
として、
彼
(
かれ
)
の
眸
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
る
丈
(
だけ
)
で、
買
(
か
)
ひたい
了簡
(
れうけん
)
を
誘致
(
いうち
)
するには
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
父
(
とう
)
さんは
榎木
(
えのき
)
の
實
(
み
)
ばかりでなく、
橿鳥
(
かしどり
)
の
美
(
うつく
)
しい
羽
(
はね
)
を
拾
(
ひろ
)
ひ、おまけにその
大
(
おほ
)
きな
榎木
(
えのき
)
の
下
(
した
)
で、『
丁度好
(
ちやうどい
)
い
時
(
とき
)
。』まで
覺
(
おぼ
)
えて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ラ・ベル——
美
(
うつく
)
し姫とよばれていたのが、大きくなるにしたがい、美人ということばは、このむすめひとりのためにあるようになりました。
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣)
(新字新仮名)
/
ガブリエル=シュザンヌ・バルボ・ド・ヴィルヌーヴ
(著)
若
(
も
)
し
眼
(
め
)
が
星
(
ほし
)
の
座
(
ざ
)
に
直
(
なほ
)
り、
星
(
ほし
)
が
姫
(
ひめ
)
の
頭
(
つむり
)
に
宿
(
やど
)
ったら、
何
(
なん
)
とあらう!
姫
(
ひめ
)
の
頬
(
ほゝ
)
の
美
(
うつく
)
しさには
星
(
ほし
)
も
羞耻
(
はにか
)
まうぞ、
日光
(
にっくわう
)
の
前
(
まへ
)
の
燈
(
ランプ
)
のやうに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そしてその
活人形
(
いきにんぎょう
)
の
踊
(
おど
)
りを見ようとおもって、町の人はもとより、
近在
(
きんざい
)
の人まで、
美
(
うつく
)
しく
着
(
き
)
かざって、町のにぎやかな広場に集ってきました。
活人形
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「
誰
(
だれ
)
の善ですか。」諒安はも
一度
(
いちど
)
その
美
(
うつく
)
しい黄金の高原とけわしい山谷の
刻
(
きざ
)
みの中のマグノリアとを見ながらたずねました。
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
土器
(
どき
)
はやはり
日本
(
につぽん
)
の
彌生式
(
やよひしき
)
に
近
(
ちか
)
い
種類
(
しゆるい
)
のものが
普通
(
ふつう
)
でありまして、
時
(
とき
)
には
珍
(
めづら
)
しく、だんだら
模樣
(
もよう
)
に
彩色
(
さいしき
)
した
美
(
うつく
)
しいものが
出
(
で
)
ることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
橋本のいさちゃんが、浜田の
婆
(
ばあ
)
さんに連れられ、
高島田
(
たかしまだ
)
、
紋付
(
もんつき
)
、真白に
塗
(
ぬ
)
って、
婚礼
(
こんれい
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
に来たそうだ。
美
(
うつく
)
しゅうござんした、と
婢
(
おんな
)
が云う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その子はずんずん大きくなって、かがやくほど
美
(
うつく
)
しくなって、それはねずみのお
国
(
くに
)
でだれ
一人
(
ひとり
)
くらべるもののない
日本一
(
にほんいち
)
のいい
娘
(
むすめ
)
になりました。
ねずみの嫁入り
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
獰惡
(
だうあく
)
な
野良猫
(
のらねこ
)
、お
隣
(
とな
)
りの
鷄
(
とり
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
させた
惡
(
わる
)
いヤツ、
家
(
うち
)
の
鯛
(
たひ
)
をさらつた
盜癖
(
とうへき
)
のある
畜生
(
ちくせう
)
、それが
産
(
う
)
んだ
兒
(
こ
)
は、このやさしい
美
(
うつく
)
しいニヤン
公
(
こう
)
である。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
先刻
(
さつき
)
美
(
うつく
)
しい
人
(
ひと
)
が
脇
(
わき
)
へ
来
(
き
)
て
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つたが、
言葉
(
ことば
)
が
通
(
つう
)
じないことがわかつたところで、
今
(
いま
)
一
人
(
り
)
の
日本語
(
にほんご
)
のよく
話
(
はな
)
せるお
転婆
(
てんば
)
さんらしい
女
(
おんな
)
と
入替
(
いれかわ
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
まち
子
(
こ
)
は
疲
(
つか
)
れた
身體
(
からだ
)
をそつと
椅子
(
いす
)
にもたれて、
靜
(
しづ
)
かな
下
(
した
)
の
道
(
みち
)
をのぞこふと
窓
(
まど
)
をのぞくと、
窓際
(
まどぎは
)
に
川柳
(
かはやなぎ
)
の
青白
(
あをしろ
)
い
細
(
ほそ
)
い
葉
(
は
)
が
夜
(
よる
)
の
空
(
まど
)
に
美
(
うつく
)
しくのびてた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「ねえ! とても
美
(
うつく
)
しい
鳥
(
とり
)
だよ。そしてこんな
奇麗
(
きれい
)
な、
黄金
(
きん
)
の
鎖
(
くさり
)
を、わたしにくれたよ。どうだい、
立派
(
りっぱ
)
じゃないか。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
北
(
きた
)
を
枕
(
まくら
)
に、
静
(
しず
)
かに
眼
(
め
)
を
閉
(
と
)
じている
菊之丞
(
きくのじょう
)
の、
女
(
おんな
)
にもみまほしいまでに
美
(
うつく
)
しく
澄
(
す
)
んだ
顔
(
かお
)
は、
磁器
(
じき
)
の
肌
(
はだ
)
のように
冷
(
つめ
)
たかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
お
前
(
まへ
)
さんは
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
盛
(
さかん
)
な
處
(
ところ
)
を
見
(
み
)
て、
元氣
(
げんき
)
よく
働
(
はた
)
らいたのは
宜
(
よろ
)
しい、これからは、
其美
(
そのうつ
)
くしい
處
(
ところ
)
を
見
(
み
)
て、
美
(
うつ
)
くしい
働
(
はたらき
)
をも
爲
(
す
)
るが
可
(
よ
)
からう。
美
(
うつく
)
しい
事
(
こと
)
を。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして、私はいきなり
美
(
うつく
)
しい夢から呼び
覺
(
さ
)
まされたやうに、
現實的
(
げんじつてき
)
なその世界の中に卷き込まれねばならなかつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
私
(
わたし
)
の
考
(
かんが
)
えますところではあれも
日
(
ひ
)
が
経
(
た
)
ちますにつれて、
美
(
うつく
)
しくなりたぶんからだも
小
(
ちい
)
さくなる
事
(
こと
)
でございましょう。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
以上
(
いじやう
)
を
概括
(
がいくわつ
)
して
其
(
その
)
特質
(
とくしつ
)
を
擧
(
あ
)
げると、
神佛
(
しんぶつ
)
は
尊
(
たうと
)
いもの、
幽靈
(
ゆうれい
)
は
凄
(
すご
)
いもの、
化物
(
ばけもの
)
は
可笑
(
おか
)
しなもの、
精靈
(
せいれう
)
は
寧
(
むし
)
ろ
美
(
うつく
)
しいもの、
怪動物
(
くわいどうぶつ
)
は
面白
(
おもしろ
)
いものと
言
(
い
)
ひ
得
(
う
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
怜悧
(
れいり
)
な
快活
(
くわいくわつ
)
な、
大
(
おほ
)
きい
眼
(
め
)
を
持
(
も
)
つてゐた
美
(
うつく
)
しい
彼女
(
かのぢよ
)
、
今
(
いま
)
は
一人
(
ひとり
)
の
女
(
をんな
)
として
力限
(
ちからかぎ
)
り
鬪
(
たゝか
)
つた。そして
遂
(
つひ
)
に
安
(
やす
)
らかに
睡
(
ねむ
)
つた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
不思議
(
ふしぎ
)
に
思
(
おも
)
つて
近寄
(
ちかよ
)
つて、そっと
切
(
き
)
つて
見
(
み
)
ると、その
切
(
き
)
つた
筒
(
つゝ
)
の
中
(
なか
)
に
高
(
たか
)
さ
三寸
(
さんずん
)
ばかりの
美
(
うつく
)
しい
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
がゐました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて、それが
鼠穴
(
ねずみあな
)
位
(
ぐらゐ
)
の
小
(
ちひ
)
さな
路
(
みち
)
に
通
(
つう
)
じて
居
(
ゐ
)
ることを
知
(
し
)
り、
膝
(
ひざ
)
をついて
前
(
まへ
)
に
見
(
み
)
たことのある
美
(
うつく
)
しい
花園
(
はなぞの
)
を、
其
(
その
)
路
(
みち
)
について
覘
(
のぞ
)
き
込
(
こ
)
みました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「まあ
何
(
なん
)
にも
出來
(
でき
)
ないの。ほんとにあんたは
鶯
(
うぐひす
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
もないし、
孔雀
(
くじやく
)
のやうな
美
(
うつく
)
しい
翼
(
はね
)
ももたないんだね」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
今度はイザナギの
命
(
みこと
)
がまず「ほんとうに
美
(
うつく
)
しいお孃さんですね」とおつしやつて、後にイザナミの命が「ほんとうにりつぱな青年ですね」と仰せられました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりでかしらは
美
(
うつく
)
しい
心
(
こころ
)
になりました。これはちょうど、
垢
(
あか
)
まみれの
汚
(
きたな
)
い
着物
(
きもの
)
を、きゅうに
晴
(
は
)
れ
着
(
ぎ
)
にきせかえられたように、
奇妙
(
きみょう
)
なぐあいでありました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
子供は舌の働きが自由でないから、とかく言いにくい音を言いやすい音にかえたがる。「
美
(
うつく
)
しい」を「うつくちい」、「お
父様
(
とうさま
)
」を「おとうちゃま」などと云う。
特殊部落の言語
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
盜人
(
ぬすびと
)
にかう
云
(
い
)
はれると、
妻
(
つま
)
はうつとりと
顏
(
かほ
)
を
擡
(
もた
)
げた。おれはまだあの
時
(
とき
)
程
(
ほど
)
、
美
(
うつく
)
しい
妻
(
つま
)
は
見
(
み
)
た
事
(
こと
)
がない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これが
永福門院
(
えいふくもんいん
)
のお
歌
(
うた
)
です。
御覽
(
ごらん
)
のとほり、
物
(
もの
)
の
色
(
いろ
)
あひ、
組
(
く
)
み
合
(
あは
)
せが、
非常
(
ひじよう
)
に
美
(
うつく
)
しく
作
(
つく
)
られてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
同
(
おな
)
じ
女
(
をんな
)
に
取卷
(
とりま
)
かれてゐても、
三上
(
みかみ
)
は(
説明中止
(
せつめいちうし
)
)——
時雨
(
しぐれ
)
さんは、
社會的
(
しやくわいてき
)
に、
文學的
(
ぶんがくてき
)
に、とにかく
最早
(
もはや
)
、三
四人
(
よにん
)
の
女文子
(
をんなぶんし
)
を
送出
(
おくりだ
)
してゐる、この
賢明
(
けんめい
)
にして
美
(
うつく
)
しい
人
(
ひと
)
が
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
東京市の河流は其の江湾なる
品川
(
しながは
)
の
入海
(
いりうみ
)
と共に、さして
美
(
うつく
)
しくもなく大きくもなく又さほどに繁華でもなく、誠に
何方
(
どつち
)
つかずの極めてつまらない景色をなすに過ぎない。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「おれの
角
(
つの
)
はなんて
美
(
うつく
)
しいんだらう。だが、この
足
(
あし
)
の
細
(
ほそ
)
いことはどうだろう、もすこし
太
(
ふと
)
かつたらなア」と
独語
(
ひとりごと
)
を
言
(
いつ
)
た。そこへ
猟人
(
かりうど
)
が
来
(
き
)
た。おどろいて
鹿
(
しか
)
は
迯
(
に
)
げだした。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「
知
(
し
)
らないよ。」とクリストフは
悲
(
かな
)
しい声でいった。「ただ
美
(
うつく
)
しい
曲
(
きょく
)
を作りたかったんだよ。」
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
〔ヱヴェレストは
思
(
おも
)
つたより
遠
(
とほ
)
いな〕と
独言
(
ひとりごと
)
しながら
四辺
(
あたり
)
を
見廻
(
みまは
)
すと、
薄
(
うす
)
い
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
美
(
うつく
)
しく
妖
(
あや
)
しく
漲
(
みなぎ
)
つて、
夕暮
(
ゆふぐれ
)
近
(
ちか
)
くなつたのだらう。
下界
(
した
)
を
見
(
み
)
ても、
雲
(
くも
)
や
霧
(
きり
)
でまるで
海
(
うみ
)
のやうだ。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
室内
(
しつない
)
一部分には
土間
(
どま
)
有りて
此所
(
ここ
)
は火を
焚
(
た
)
き、
水瓶
(
みづがめ
)
を置く爲に用ゐられたるならん。
土器
(
どき
)
石器
(
せきき
)
の中には小さき物あり、
美
(
うつく
)
しき物あり。
是等
(
これら
)
が
床
(
とこ
)
の上に直に
置
(
お
)
かれたりとは考ふる能はず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
いやだよ、
大概
(
たいがい
)
声
(
こゑ
)
でも知れさうなもんだアね、
小春
(
こはる
)
だよ。梅「え……
小春姐
(
こはるねえ
)
さんで、
成程
(
なるほど
)
……
美
(
うつく
)
しいもんですなア。小春「いやだよ、
大概
(
たいがい
)
におし。梅「へゝゝお
初
(
はつ
)
にお
目
(
め
)
に
懸
(
かゝ
)
りました。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
而
(
さう
)
して
其考
(
そのかんが
)
へは
唯
(
たゞ
)
一
瞬間
(
しゆんかん
)
にして
消
(
き
)
えた。
昨日
(
きのふ
)
讀
(
よ
)
んだ
書中
(
しよちゆう
)
の
美
(
うつく
)
しい
鹿
(
しか
)
の
群
(
むれ
)
が、
自分
(
じぶん
)
の
側
(
そば
)
を
通
(
とほ
)
つて
行
(
い
)
つたやうに
彼
(
かれ
)
には
見
(
み
)
えた。
此度
(
こんど
)
は
農婦
(
ひやくしやうをんな
)
が
手
(
て
)
に
書留
(
かきとめ
)
の
郵便
(
いうびん
)
を
持
(
も
)
つて、
其
(
そ
)
れを
自分
(
じぶん
)
に
突出
(
つきだ
)
した。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
好
(
この
)
みて相應に打ける
故
(
ゆゑ
)
折々
(
をり/\
)
は重四郎を
碁
(
ご
)
の相手となせしを以て重四郎は猶も
繁々
(
しげ/\
)
出入なし居しが
偶然
(
ふと
)
娘お浪の
容貌
(
みめかたち
)
の
美
(
うつく
)
しきを
見初
(
みそめ
)
しより
戀慕
(
れんぼ
)
の
情
(
じやう
)
止難
(
やみがた
)
く獨り
胸
(
むね
)
を
焦
(
こが
)
せしが
寧
(
いつ
)
そ我が思ひの
情
(
たけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
けがれのない
少年
(
しょうねん
)
の
魂
(
たましい
)
をほめたたえ、これを
穢
(
けが
)
す
大人
(
おとな
)
の
生活
(
せいかつ
)
の
醜
(
みにく
)
さ、
卑
(
いや
)
しさを
憎
(
にく
)
み
呪
(
のろ
)
うソログーブの
気持
(
きもち
)
は、レース
細工
(
ざいく
)
のようにこまやかな、
美
(
うつく
)
しい
文章
(
ぶんしょう
)
で、
心
(
こころ
)
にくいまでに
写
(
うつ
)
し
出
(
だ
)
されている。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
此處
(
こゝ
)
さへ
離
(
はな
)
れて
行
(
い
)
つたならば
何
(
ど
)
んな
美
(
うつく
)
しく
良
(
い
)
い
處
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
られるかと、
斯
(
か
)
ういふ
事
(
こと
)
を
是非
(
ぜひ
)
とも
考
(
かんが
)
へます、で
御座
(
ござ
)
いますから、
私
(
わたし
)
も
矢張
(
やつぱり
)
その
通
(
とほ
)
りの
夢
(
ゆめ
)
にうかれて、
此樣
(
こん
)
な
不運
(
ふうん
)
で
畢
(
をは
)
るべきが
天縁
(
てんえん
)
では
無
(
な
)
い
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
莧
(
ひゆ
)
のやうに紫ばんだ
薔薇
(
ばら
)
の花、賢明はフロンド黨の姫君の如く、
優雅
(
いうが
)
はプレシウズ
連
(
れん
)
の女王とも
謂
(
いひ
)
つべき
莧
(
ひゆ
)
のやうに紫ばんだ
薔薇
(
ばら
)
の花、
美
(
うつく
)
しい歌を好む姫君、姫が
寢室
(
ねべや
)
の
帷
(
とばり
)
の上に、
即興
(
そくきよう
)
の
戀歌
(
こひか
)
を
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
“美”の解説
この記事では美・美しい(び・うつくしい、el: καλόν カロン、la: venustas, bellus、fr: beauté、en: beauty)について解説する。同義として 【麗しい/▽美しい】 (うるわしい)という用語ある。
(出典:Wikipedia)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
“美”を含む語句
美人
美味
美女
美麗
甘美
華美
優美
美貌
美術館
美酒
美妙
美男
虞美人草
美男子
美神
美鳥
褒美
美濃
美作
美々
...