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天縁
で、十竹の報告を得ると、かれは、天意というか、
天縁というか、自分の
至誠があるものにとどいたようなここちがして、あくる朝
よし
一時は
陸奧の
名取川、
清からぬ
名を
流しても
宜し、
憚かりの
世の
中打割りて
見れば、
天縁我れに
有つて
此處に
運びしかも
知れず、
今こそ
一寒書生の
名もなけれど
此處さへ
離れて
行つたならば
何んな
美しく
良い
處へ
出られるかと、
斯ういふ
事を
是非とも
考へます、で
御座いますから、
私も
矢張その
通りの
夢にうかれて、
此樣な
不運で
畢るべきが
天縁では
無い