天縁てんえん)” の例文
で、十竹の報告を得ると、かれは、天意というか、天縁てんえんというか、自分の至誠しせいがあるものにとどいたようなここちがして、あくる朝
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よし一時いちじ陸奧みちのく名取川なとりがはきよからぬながしてもし、はゞかりのなか打割うちわりてれば、天縁てんえんれにつて此處こヽはこびしかもれず、いまこそ一寒いつかん書生しよせいもなけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此處こゝさへはなれてつたならばんなうつくしくところられるかと、ういふこと是非ぜひともかんがへます、で御座ございますから、わたし矢張やつぱりそのとほりのゆめにうかれて、此樣こん不運ふうんをはるべきが天縁てんえんでは
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)