“てんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
天縁42.9%
天淵28.6%
天閹14.3%
篆煙14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よし一時いちじ陸奧みちのく名取川なとりがはきよからぬながしてもし、はゞかりのなか打割うちわりてれば、天縁てんえんれにつて此處こヽはこびしかもれず、いまこそ一寒いつかん書生しよせいもなけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日支両国の気風、すなわち両国に行わるる公議輿論の、相異なるものにして、天淵てんえんただならざるを見るべし。
徳育如何 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
離縁せられた初の三右衛門は造酒業豊島屋としまやの子であつた。離縁の理由としては、所謂天閹てんえんであつたらしく伝へられてゐる。其真偽は固より知ることが出来ない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「蓮の葉に蜘蛛くだりけり香をく」と吟じながら女一度に数弁すうべんつかんで香炉のうちになげ込む。「蠨蛸しょうしょうかかって不揺うごかず篆煙てんえん遶竹梁ちくりょうをめぐる」とじゅしてひげある男も、見ているままで払わんともせぬ。蜘蛛も動かぬ。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)