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夏
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なつ
ふりがな文庫
“
夏
(
なつ
)” の例文
夏
(
なつ
)
になると、
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
雲
(
くも
)
が
屋根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
を
流
(
なが
)
れました。
女
(
おんな
)
は、ときどき、それらのうつりかわる
自然
(
しぜん
)
に
対
(
たい
)
して、ぼんやりながめましたが
ちょうと三つの石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
眞中
(
まんなか
)
には
庭園
(
ていえん
)
があり、
噴水
(
ふんすい
)
が
絶
(
た
)
えず
水
(
みづ
)
を
噴
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
し、あたりには
青々
(
あを/\
)
と
繁
(
しげ
)
つた
庭木
(
にはき
)
も
植
(
う
)
ゑてあり、
熱
(
あつ
)
い
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
でも
涼
(
すゞ
)
しい
感
(
かん
)
じを
與
(
あた
)
へ
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
下谷
(
したや
)
團子坂
(
だんござか
)
の
出店
(
でみせ
)
なり。
夏
(
なつ
)
は
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
に
柱
(
はしら
)
を
建
(
た
)
て、
席
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
きて
客
(
きやく
)
を
招
(
せう
)
ず。
時々
(
とき/″\
)
夕立
(
ゆふだち
)
に
蕎麥
(
そば
)
を
攫
(
さら
)
はる、とおまけを
謂
(
い
)
はねば
不思議
(
ふしぎ
)
にならず。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
山
(
やま
)
が
夏
(
なつ
)
らしくなると、
鈴
(
すゞ
)
の
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
えるやうに
成
(
な
)
ります。
御嶽山
(
おんたけさん
)
に
登
(
のぼ
)
らうとする
人達
(
ひとたち
)
が
幾組
(
いくくみ
)
となく父さんのお
家
(
うち
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
上機嫌に、なにもかもいっしょくたに、ひとりでうけ答えしながら、庭に向いた風とおしのいい
夏
(
なつ
)
座敷へ通すと、せっかちに手を鳴らして
キャラコさん:06 ぬすびと
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
其
(
そ
)
れが
凉
(
すゞ
)
しい
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よ
)
で
女
(
をんな
)
が
男
(
をとこ
)
を
待
(
ま
)
つ
時
(
とき
)
には
毎日
(
まいにち
)
汗
(
あせ
)
に
汚
(
よご
)
れ
易
(
やす
)
いさうして
其
(
そ
)
の
飾
(
かざ
)
りでなければ
成
(
な
)
らぬ
手拭
(
てぬぐひ
)
の
洗濯
(
せんたく
)
に
暇
(
ひま
)
どるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
右
(
みぎ
)
の
如
(
ごと
)
くし三月四月五月を
春
(
はる
)
とし、六月七月八月を
夏
(
なつ
)
とし、九月十月十一月を
秋
(
あき
)
とし、十二月一月二月を
冬
(
ふゆ
)
とするなり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
春
(
はる
)
の
若葉
(
わかば
)
や
新緑
(
しんりよく
)
の
森
(
もり
)
の
美
(
うつく
)
しさとともに、
夏
(
なつ
)
の
濃緑
(
こみどり
)
がすんだ
後
(
のち
)
の
秋
(
あき
)
の
林
(
はやし
)
の
紅葉
(
もみぢ
)
の
景色
(
けしき
)
も、いづれ
劣
(
おと
)
らぬ
自然
(
しぜん
)
の
誇
(
ほこ
)
りです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
丁度
(
ちょうど
)
夏
(
なつ
)
のことでございましたから、
小供
(
こども
)
は
殆
(
ほと
)
んど
家
(
いえ
)
の
内部
(
なか
)
に
居
(
い
)
るようなことはなく、
海岸
(
かいがん
)
へ
出
(
で
)
て
砂
(
すな
)
いじりをしたり、
小魚
(
こざかな
)
を
捕
(
とら
)
えたりして
遊
(
あそ
)
びに
夢中
(
むちゅう
)
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
夏
(
なつ
)
になるとコスモスを
一面
(
いちめん
)
に
茂
(
しげ
)
らして、
夫婦
(
ふうふ
)
とも
毎朝
(
まいあさ
)
露
(
つゆ
)
の
深
(
ふか
)
い
景色
(
けしき
)
を
喜
(
よろこ
)
んだ
事
(
こと
)
もあるし、
又
(
また
)
塀
(
へい
)
の
下
(
した
)
へ
細
(
ほそ
)
い
竹
(
たけ
)
を
立
(
た
)
てゝ、それへ
朝顏
(
あさがほ
)
を
絡
(
から
)
ませた
事
(
こと
)
もある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
時
(
とき
)
は
夏
(
なつ
)
の
最中
(
もなか
)
自分
(
じぶん
)
はたゞ
畫板
(
ゑばん
)
を
提
(
ひつさ
)
げたといふばかり、
何
(
なに
)
を
書
(
か
)
いて
見
(
み
)
る
氣
(
き
)
にもならん、
獨
(
ひと
)
りぶら/\と
野末
(
のずゑ
)
に
出
(
で
)
た。
曾
(
かつ
)
て
志村
(
しむら
)
と
共
(
とも
)
に
能
(
よ
)
く
寫生
(
しやせい
)
に
出
(
で
)
た
野末
(
のずゑ
)
に。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
詩経
(
しきやう
)
には
男子
(
だんし
)
の
祥
(
しやう
)
とし、或は
六雄将軍
(
りくゆうしやうぐん
)
の名を
得
(
え
)
たるも
義獣
(
ぎじう
)
なればなるべし。
夏
(
なつ
)
は
食
(
しよく
)
をもとむるの
外
(
ほか
)
山蟻
(
やまあり
)
を
掌中
(
てのひら
)
に
擦着
(
すりつけ
)
、
冬
(
ふゆ
)
の
蔵蟄
(
あなごもり
)
にはこれを
䑜
(
なめ
)
て
飢
(
うゑ
)
を
凌
(
しの
)
ぐ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
夢
(
ゆめ
)
から
夢
(
ゆめ
)
を
辿
(
たど
)
りながら、
更
(
さら
)
に
夢
(
ゆめ
)
の
世界
(
せかい
)
をさ
迷
(
まよ
)
い
続
(
つづ
)
けていた
菊之丞
(
はまむらや
)
は、ふと、
夏
(
なつ
)
の
軒端
(
のきば
)
につり
残
(
のこ
)
されていた
風鈴
(
ふうりん
)
の
音
(
おと
)
に、
重
(
おも
)
い
眼
(
め
)
を
開
(
あ
)
けてあたりを
見廻
(
みまわ
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
毎夜
(
まいよ
)
吾妻橋
(
あづまばし
)
の
橋
(
はし
)
だもとに
佇立
(
たゝず
)
み、
徃来
(
ゆきゝ
)
の
人
(
ひと
)
の
袖
(
そで
)
を
引
(
ひ
)
いて
遊
(
あそ
)
びを
勧
(
すゝ
)
める
闇
(
やみ
)
の
女
(
をんな
)
は、
梅雨
(
つゆ
)
もあけて、あたりがいよ/\
夏
(
なつ
)
らしくなるにつれて、
次第
(
しだい
)
に
多
(
おほ
)
くなり
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
頻繁に行方不明になることに思い当りました——
芝伊皿子
(
しばいさらご
)
の荒物屋の娘お
夏
(
なつ
)
、
下谷竹町
(
したやたけちょう
)
の酒屋の妹おえん、
麻布笄町
(
あざぶこうがいちょう
)
で
御家人
(
ごけにん
)
の娘お
幸
(
こう
)
——、数えてみると
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
為
(
な
)
すべからざるにおいてすら
猶
(
な
)
おかつ為す、丈夫の本領
自
(
おのず
)
からかくの如し。名を正し分を明らかにし心
曾
(
すなわ
)
ち信あり、
夏
(
なつ
)
を尊び夷を攘うの義
豈
(
あ
)
に疑がわんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
むかし、
尾張国
(
おわりのくに
)
に
一人
(
ひとり
)
のお
百姓
(
ひゃくしょう
)
がありました。ある
暑
(
あつ
)
い
夏
(
なつ
)
の日にお
百姓
(
ひゃくしょう
)
は田の
水
(
みず
)
を
見
(
み
)
に
回
(
まわ
)
っていますと、
急
(
きゅう
)
にそこらが
暗
(
くら
)
くなって、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
雲
(
くも
)
が出てきました。
雷のさずけもの
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
家
(
いへ
)
の
間數
(
まかず
)
は
三疊敷
(
さんでふじき
)
の
玄關
(
げんくわん
)
までを
入
(
い
)
れて
五間
(
いつま
)
、
手狹
(
てぜま
)
なれども
北南
(
きたみなみ
)
吹
(
ふき
)
とほしの
風入
(
かぜい
)
りよく、
庭
(
には
)
は
廣々
(
ひろ/″\
)
として
植込
(
うゑこみ
)
の
木立
(
こだち
)
も
茂
(
しげ
)
ければ、
夏
(
なつ
)
の
住居
(
すまゐ
)
にうつてつけと
見
(
み
)
えて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
夏
(
なつ
)
でもお
俊
(
しゅん
)
でも
小春
(
こはる
)
でも
梅川
(
うめがわ
)
でもいい訳であるが、お染という名が一番
可憐
(
かれん
)
らしくあどけなく聞える。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三十六
年
(
ねん
)
の
夏
(
なつ
)
、
水谷氏
(
みづたにし
)
が
内
(
うち
)
の
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
と
共
(
とも
)
に
採集
(
さいしふ
)
に
出
(
で
)
かけて、
雪
(
ゆき
)
ヶ
谷
(
や
)
の
圓長寺
(
えんちやうじ
)
の
裏
(
うら
)
の
往還
(
わうくわん
)
を
掘
(
ほ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
道路
(
だうろ
)
が
遺跡
(
ゐせき
)
に
當
(
あた
)
るので、それをコツ/\
掘
(
ほ
)
りかへして
居
(
ゐ
)
たのだ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ところが、この
酒
(
さけ
)
のみのことで、
諭吉
(
ゆきち
)
は
大
(
だい
)
しっぱいをやりました。
夏
(
なつ
)
の
夜
(
よる
)
のことでした。
大阪
(
おおさか
)
の
夏
(
なつ
)
はあついので、
諭吉
(
ゆきち
)
たちは、まるはだかでねることにしていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
それは
田舎
(
いなか
)
の
夏
(
なつ
)
のいいお
天気
(
てんき
)
の
日
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
でした。もう
黄金色
(
こがねいろ
)
になった
小麦
(
こむぎ
)
や、まだ
青
(
あお
)
い
燕麦
(
からすむぎ
)
や、
牧場
(
ぼくじょう
)
に
積
(
つ
)
み
上
(
あ
)
げられた
乾草堆
(
ほしくさづみ
)
など、みんなきれいな
眺
(
なが
)
めに
見
(
み
)
える
日
(
ひ
)
でした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
此
(
こ
)
の
夏
(
なつ
)
はじめの
或
(
あ
)
る
宵
(
よひ
)
のことでした。
築地
(
つきぢ
)
の
聖
(
せい
)
ルカ
病院
(
びやうゐん
)
にK
先生
(
せんせい
)
のお
孃
(
じやう
)
さんをみまひました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
照
(
て
)
りわたった
夏
(
なつ
)
の日、風の夜、
流
(
なが
)
れる光、星のきらめき、
雨風
(
あめかぜ
)
、
小鳥
(
ことり
)
の歌、虫の
羽音
(
はおと
)
、
樹々
(
きぎ
)
のそよぎ、
好
(
この
)
ましい
声
(
こえ
)
やいとわしい声、ふだん
聞
(
き
)
きなれている、
炉
(
ろ
)
の
音
(
おと
)
、戸の音
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
私
(
わたくし
)
が
此
(
この
)
港
(
みなと
)
へ
貿易商會
(
ぼうえきしやうくわい
)
を
設立
(
たて
)
た
翌々年
(
よく/\とし
)
の
夏
(
なつ
)
、
鳥渡
(
ちよつと
)
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
りました。
其頃
(
そのころ
)
君
(
きみ
)
は
暹羅
(
サイアム
)
漫遊中
(
まんゆうちゆう
)
と
承
(
うけたまは
)
つたが、
皈國中
(
きこくちゆう
)
、
或
(
ある
)
人
(
ひと
)
の
媒介
(
なかだち
)
で、
同郷
(
どうきやう
)
の
松島海軍大佐
(
まつしまかいぐんたいさ
)
の
妹
(
いもと
)
を
妻
(
つま
)
に
娶
(
めと
)
つて
來
(
き
)
たのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それ、
姫
(
ひめ
)
が
來
(
わ
)
せた。おゝ、あのやうな
輕
(
かる
)
い
足
(
あし
)
では、いつまで
蹈
(
ふ
)
むとも、
堅
(
かた
)
い
石道
(
いしみち
)
は
磨
(
へ
)
るまいわい。
戀人
(
こひびと
)
は、
夏
(
なつ
)
の
風
(
かぜ
)
に
戲
(
たはむ
)
れ
遊
(
あそ
)
ぶあの
埓
(
らち
)
もない
絲遊
(
かげろふ
)
に
騎
(
のッ
)
かっても、
落
(
お
)
ちぬであらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
而
(
さ
)
うして
他
(
た
)
の
小
(
ちひ
)
さな
子供等
(
こどもたち
)
を
集
(
あつ
)
めて、これらの
不思議
(
ふしぎ
)
な
世界
(
せかい
)
の
夢
(
ゆめ
)
の
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はな
)
しをしたなら、
自分
(
じぶん
)
の
過
(
す
)
ぎ
來
(
こ
)
し
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
の
想出
(
おもひで
)
の
如何
(
いか
)
ばかり、
多
(
おほ
)
くの
子供
(
こども
)
を
喜
(
よろこ
)
ばすことだらうかと
思
(
おも
)
ひ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
夏麻
(
なつそ
)
ひく」は
夏
(
なつ
)
の
麻
(
あさ
)
を引く
畑畝
(
はたうね
)
のウネのウからウナカミのウに続けて枕詞とした。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
しかし、もうそのときには、
妻
(
つま
)
の
身体
(
からだ
)
は
絶対
(
ぜつたい
)
に
動
(
うご
)
かすことが出来なかつた。さうして、
再
(
ふたゝ
)
び
夏
(
なつ
)
が
私達
(
わたしたち
)
の家にめぐつて来た。いちごは庭一
面
(
めん
)
に
新鮮
(
しんせん
)
な
色
(
いろ
)
を浮べ出した。
桜桃
(
あうたう
)
が
軒
(
のき
)
の
垣根
(
かきね
)
に
連
(
つ
)
らなつた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
なしけるうち亭主申けるは一昨年の
夏
(
なつ
)
祇園祭
(
ぎをんまつり
)
の時にて候ひしが私し方へ
年頃
(
としごろ
)
廿歳ばかりの男と十六七の女中の
御武家方
(
ごぶけがた
)
と見ゆる人と
祭
(
まつり
)
見物に登られ二夜泊りて歸られしが其日の
晝頃
(
ひるごろ
)
立戻られて大切の
印籠
(
いんろう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
貯
(
ちよ
)
金が二十円あまりになつた中學二年生の
夏
(
なつ
)
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
夏
(
なつ
)
がきて
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いた、
小
(
ちひ
)
さい
細
(
ほそ
)
い
石竹
(
せきちく
)
と
釣鐘艸
(
つりがねさう
)
。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夏
(
なつ
)
は
山百合
(
やまゆり
)
、
難波薔薇
(
なにはばら
)
香
(
か
)
にほのめきぬ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
夏
(
なつ
)
八月
(
はちぐわつ
)
の
良夜
(
あたらよ
)
に乘つきつて。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
荒磯
(
ありそ
)
の
辺
(
ほと
)
り、
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
に
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
今
(
いま
)
夏
(
なつ
)
の
日
(
ひ
)
の
初
(
はじ
)
めとて
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
北邙
(
ほくぼう
)
の草野、
夏
(
なつ
)
茫々
(
ぼうぼう
)
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玄海灘
(
げんかいなだ
)
の
夏
(
なつ
)
の
雲
(
くも
)
。
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
夏
(
なつ
)
のはじめの
時分
(
じぶん
)
には、どんなに、
自分
(
じぶん
)
たちは
楽
(
たの
)
しかったろう。このあたりは、
自分
(
じぶん
)
たちの
朗
(
ほが
)
らかに
歌
(
うた
)
う
唄
(
うた
)
の
声
(
こえ
)
でいっぱいであった。
雪くる前の高原の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
金銀
(
きんぎん
)
珠玉
(
しゆぎよく
)
巧
(
たくみ
)
を
極
(
きは
)
め、
喬木
(
けうぼく
)
高樓
(
かうろう
)
は
家々
(
かゝ
)
に
築
(
きづ
)
き、
花林曲池
(
くわりんきよくち
)
は
戸々
(
こゝ
)
に
穿
(
うが
)
つ。さるほどに
桃李
(
たうり
)
夏
(
なつ
)
緑
(
みどり
)
にして
竹柏
(
ちくはく
)
冬
(
ふゆ
)
青
(
あを
)
く、
霧
(
きり
)
芳
(
かんば
)
しく
風
(
かぜ
)
薫
(
かを
)
る。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
品
(
しな
)
は
漸
(
やうや
)
く
商
(
あきなひ
)
を
覺
(
おぼ
)
えたといつて
居
(
ゐ
)
たのはまだ
其
(
そ
)
の
夏
(
なつ
)
の
頃
(
ころ
)
からである。
初
(
はじ
)
めは
極
(
きま
)
りが
惡
(
わる
)
くて
他人
(
たにん
)
の
閾
(
しきゐ
)
を
跨
(
また
)
ぐのを
逡巡
(
もぢ/\
)
して
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
半蔵夫婦の間にはお
夏
(
なつ
)
という女の子も生まれたが、わずか六十日ばかりでその四番目の子供は
亡
(
な
)
くなったころだ。お民の顔色もまだ青ざめている。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
年中
(
ねんじゆう
)
雪
(
ゆき
)
に
閉
(
とざ
)
されてゐた
山頂
(
さんちよう
)
に
夏
(
なつ
)
が
來
(
き
)
て、
雪
(
ゆき
)
が
溶
(
と
)
けると、すぐその
下
(
した
)
には
可憐
(
かれん
)
な
草
(
くさ
)
が
目
(
め
)
も
覺
(
さ
)
めるばかりに
咲
(
さ
)
き
出
(
い
)
でます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
月のいい
夏
(
なつ
)
の
晩
(
ばん
)
でした。
牛若
(
うしわか
)
は
腹巻
(
はらまき
)
をして、その上に
白
(
しろ
)
い
直垂
(
ひたたれ
)
を
着
(
き
)
ました。そして
黄金
(
こがね
)
づくりの
刀
(
かたな
)
をはいて、
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
きながら、
五条
(
ごじょう
)
の
橋
(
はし
)
の
方
(
ほう
)
へ
歩
(
ある
)
いて行きました。
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『
役者
(
やくしゃ
)
国
(
くに
)
の
華
(
はな
)
』(出板年次不詳)『
絵本舞台扇
(
えほんぶたいおうぎ
)
』(明和七年板色摺三冊)その続編(安永七年板色摺二冊)
並
(
ならび
)
に『
役者
(
やくしゃ
)
夏
(
なつ
)
の
富士
(
ふじ
)
』(安永九年板墨摺一冊)等なり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
日當
(
ひあた
)
りの
惡
(
わる
)
い
上
(
うへ
)
に、
樋
(
とひ
)
から
雨滴
(
あまだれ
)
ばかり
落
(
お
)
ちるので、
夏
(
なつ
)
になると
秋海棠
(
しうかいだう
)
が
一杯
(
いつぱい
)
生
(
は
)
える。
其
(
その
)
盛
(
さか
)
りな
頃
(
ころ
)
は
青
(
あを
)
い
葉
(
は
)
が
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
つて、
殆
(
ほと
)
んど
通
(
とほ
)
り
路
(
みち
)
がなくなる
位
(
くらゐ
)
茂
(
しげ
)
つて
來
(
く
)
る。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
この
)
某町
(
ぼうまち
)
から
我村落
(
わがそんらく
)
まで七
里
(
り
)
、
若
(
も
)
し
車道
(
しやだう
)
をゆけば十三
里
(
り
)
の
大迂廻
(
おほまはり
)
になるので
我々
(
われ/\
)
は
中學校
(
ちゆうがくかう
)
の
寄宿舍
(
きしゆくしや
)
から
村落
(
そんらく
)
に
歸
(
かへ
)
る
時
(
とき
)
、
決
(
けつ
)
して
車
(
くるま
)
に
乘
(
の
)
らず、
夏
(
なつ
)
と
冬
(
ふゆ
)
の
定期休業
(
ていききうげふ
)
毎
(
ごと
)
に
必
(
かなら
)
ず
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
夏
(
なつ
)
ならば、すいと
飛
(
と
)
びだす
迷
(
まよ
)
い
蛍
(
ほたる
)
を、あれさ
待
(
ま
)
ちなと、
団扇
(
うちわ
)
で
追
(
お
)
い
寄
(
よ
)
るしなやかな
手
(
て
)
も
見
(
み
)
られるであろうが、はや
秋
(
あき
)
の
声
(
こえ
)
聞
(
き
)
く
垣根
(
かきね
)
の
外
(
そと
)
には、
朝日
(
あさひ
)
を
受
(
う
)
けた
小葡萄
(
こぶどう
)
の
房
(
ふさ
)
が
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ある
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
初
(
はじめ
)
、
館
(
やかた
)
の
森
(
もり
)
に
蝉時雨
(
せみしぐれ
)
が
早瀬
(
はやせ
)
を
走
(
はし
)
る
水
(
みず
)
のように、
喧
(
かまびず
)
しく
聞
(
きこ
)
えている、
暑
(
あつ
)
い
真昼過
(
まひるす
)
ぎのことであったと
申
(
もう
)
します——
館
(
やかた
)
の
内部
(
うち
)
は
降
(
ふ
)
って
湧
(
わ
)
いたような
不時
(
ふじ
)
の
来客
(
らいきゃく
)
に
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
旅
(
たび
)
をするんですな。わたしは、この
夏
(
なつ
)
旅行
(
りょこう
)
をやりますが、いっしょにいかがです。わたしも道づれをひとりほしいところだ。あなたはわたしの影になって
同行
(
どうこう
)
してください。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
“夏”の意味
《名詞》
なつ 季節(四季)の一つ。春の次、秋の前。
(出典:Wiktionary)
“夏”の解説
夏(なつ)は、四季のひとつで、春と秋にはさまれた季節。天文学的には夏至から秋分まで。太陽暦では6月から9月を指し、陰暦では4月から6月となる。
四季の区分のある土地では最も気温の高い、3か月程度の期間である。北半球ではグレゴリオ暦の6月 - 8月ごろ、南半球では12月 - 2月ごろである。
(出典:Wikipedia)
夏
常用漢字
小2
部首:⼢
10画
“夏”を含む語句
夏衣
初夏
一夏
夏花
春夏秋冬
大夏
夏季
夏越
夏蠅
盛夏
夏休
夏痩
夏目漱石
晩夏
夏侯惇
夏外套
夏向
夏草
夏中
夏時
...