トップ
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立
>
た
ふりがな文庫
“
立
(
た
)” の例文
青
(
あお
)
い、
美
(
うつく
)
しい
空
(
そら
)
の
下
(
した
)
に、
黒
(
くろ
)
い
煙
(
けむり
)
の
上
(
あ
)
がる、
煙突
(
えんとつ
)
の
幾本
(
いくほん
)
か
立
(
た
)
った
工場
(
こうじょう
)
がありました。その
工場
(
こうじょう
)
の
中
(
なか
)
では、
飴
(
あめ
)
チョコを
製造
(
せいぞう
)
していました。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こんどは
京都
(
きょうと
)
の
羅生門
(
らしょうもん
)
に
毎晩
(
まいばん
)
鬼
(
おに
)
が出るといううわさが
立
(
た
)
ちました。なんでも
通
(
とお
)
りかかるものをつかまえては
食
(
た
)
べるという
評判
(
ひょうばん
)
でした。
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私
(
わたし
)
は
其時分
(
そのじぶん
)
は
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
らないで
居
(
ゐ
)
たけれども、
母様
(
おつかさん
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらしは、この
橋銭
(
はしせん
)
で
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つたので、
一人前
(
ひとりまへ
)
幾于宛
(
いくらかづゝ
)
取
(
と
)
つて
渡
(
わた
)
しました。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
野に生まれて、野に
生
(
お
)
い
立
(
た
)
って、そして野に食物をあさる群れの必ず定まって得る運命——その悲しいつらい運命にお作も
邂逅
(
でくわ
)
した。
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
間
(
ま
)
もなく、
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
のマリちゃんが、
今
(
いま
)
ちょうど、
台所
(
だいどころ
)
で、
炉
(
ろ
)
の
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、
沸立
(
にえた
)
った
鍋
(
なべ
)
をかき
廻
(
まわ
)
しているお
母
(
かあ
)
さんのそばへ
来
(
き
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
皆
(
みな
)
がそれを
見
(
み
)
ると、
子安貝
(
こやすがひ
)
ではなくて
燕
(
つばめ
)
の
古糞
(
ふるくそ
)
でありました。
中納言
(
ちゆうなごん
)
はそれきり
腰
(
こし
)
も
立
(
た
)
たず、
氣病
(
きや
)
みも
加
(
くは
)
はつて
死
(
し
)
んでしまひました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
庵主
(
あんじゅ
)
さんは、よそゆきの
茶色
(
ちゃいろ
)
のけさを
着
(
き
)
て、
鐘
(
かね
)
のまえに
立
(
た
)
つと、
手
(
て
)
にもっている
小
(
ちい
)
さい
鉦
(
かね
)
をちーんとたたいて、お
経
(
きょう
)
を
読
(
よ
)
みはじめた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「いいね。
普通
(
ふつう
)
の
野菜物
(
やさいもの
)
は
無論
(
むろん
)
として、
外
(
ほか
)
にトウモロコシだのトマトウだの、トマトウのとり
立
(
た
)
てつて、ほんとにおいしいからな。」
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
一、
最初
(
さいしよ
)
の
一瞬間
(
いつしゆんかん
)
に
於
(
おい
)
て
非常
(
ひじよう
)
の
地震
(
ぢしん
)
なるか
否
(
いな
)
かを
判斷
(
はんだん
)
し、
機宜
(
きゞ
)
に
適
(
てき
)
する
目論見
(
もくろみ
)
を
立
(
た
)
てること、
但
(
たゞ
)
しこれには
多少
(
たしよう
)
の
地震知識
(
ぢしんちしき
)
を
要
(
よう
)
す。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
美
(
うつく
)
しい
瀬
(
せ
)
を
立
(
た
)
てて、
玉
(
たま
)
のやうな
礫
(
こいし
)
をおもしに、
獸
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
の
白
(
しろ
)
く
晒
(
さら
)
されたのが
浸
(
ひた
)
してある
山川
(
やまがは
)
に
沿
(
そ
)
うて
行
(
ゆ
)
くと、
山
(
やま
)
の
奧
(
おく
)
にまた
山
(
やま
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
正面より見れば
生
(
う
)
まれ
立
(
た
)
ての馬の子ほどに見ゆ。
後
(
うしろ
)
から見れば
存外
(
ぞんがい
)
小さしといえり。御犬のうなる声ほど
物凄
(
ものすご
)
く恐ろしきものはなし。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
雜木林
(
ざふきばやし
)
の
間
(
あひだ
)
には
又
(
また
)
芒
(
すゝき
)
の
硬直
(
かうちよく
)
な
葉
(
は
)
が
空
(
そら
)
を
刺
(
さ
)
さうとして
立
(
た
)
つ。
其
(
その
)
麥
(
むぎ
)
や
芒
(
すゝき
)
の
下
(
した
)
に
居
(
きよ
)
を
求
(
もと
)
める
雲雀
(
ひばり
)
が
時々
(
とき/″\
)
空
(
そら
)
を
占
(
し
)
めて
春
(
はる
)
が
深
(
ふ
)
けたと
喚
(
よ
)
びかける。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と、
寧子
(
ねね
)
を想うそばから、その
寧子
(
ねね
)
の恋を、自分へ譲って、国外へ
立
(
た
)
ち
退
(
の
)
いた純情一徹な友の身の上をも、彼はしきりと案じていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう
好
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
歩
(
ある
)
いて
行
(
い
)
つて、
谷
(
たに
)
がお
仕舞
(
しまひ
)
になつたかと
思
(
おも
)
ふ
時分
(
じぶん
)
には、また
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
の
谷間
(
たにま
)
の
板屋根
(
いたやね
)
から
煙
(
けむり
)
の
立
(
た
)
ち
登
(
のぼ
)
るのが
見
(
み
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
再
(
ふたゝ
)
び
福鼠
(
ふくねずみ
)
に
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
たせまいと、
極
(
きは
)
めて
愼
(
つゝ
)
ましやかに、『
私
(
わたし
)
には
解
(
わか
)
りませんわ。
何所
(
どこ
)
から
皆
(
みん
)
な
糖蜜
(
たうみつ
)
を
汲
(
く
)
んで
來
(
き
)
たのでせう?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
私の眼は彼の室の中を
一目
(
ひとめ
)
見るや
否
(
いな
)
や、あたかも
硝子
(
ガラス
)
で作った義眼のように、動く能力を失いました。私は
棒立
(
ぼうだ
)
ちに
立
(
た
)
ち
竦
(
すく
)
みました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたし
)
が
事
(
こと
)
と
言
(
い
)
へば
御自分
(
ごじぶん
)
の
身
(
み
)
を
無
(
な
)
い
物
(
もの
)
にして
言葉
(
ことば
)
を
立
(
た
)
てさせて
下
(
くだ
)
さる
御思召
(
おぼしめし
)
有難
(
ありがた
)
い
嬉
(
うれ
)
しい
恐
(
おそ
)
ろしい、
餘
(
あま
)
りの
勿躰
(
もつたい
)
なさに
涙
(
なみだ
)
がこぼれる
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此返事
(
このへんじ
)
を
聞
(
き
)
いて、むつと
腹
(
はら
)
が
立
(
た
)
つた。
頭巾
(
づきん
)
の
下
(
した
)
に
歯
(
は
)
を
剥出
(
むきだ
)
して、
血色
(
けつしよく
)
の
好
(
い
)
い
頸元
(
えりもと
)
に
伸
(
の
)
し
掛
(
かゝ
)
ると
向
(
むかう
)
は
後退
(
あとすざり
)
もしない。また
質
(
き
)
いて
見
(
み
)
た。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
(七九)
閭巷
(
りよかう
)
の
人
(
ひと
)
、
行
(
おこなひ
)
を
砥
(
と
)
ぎ
名
(
な
)
を
立
(
た
)
てんと
欲
(
ほつ
)
する
者
(
もの
)
は、
(八〇)
青雲
(
せいうん
)
の
士
(
し
)
に
附
(
つ
)
くに
非
(
あら
)
ずんば、
惡
(
いづく
)
んぞ
能
(
よ
)
く(名ヲ)
後世
(
こうせい
)
に
施
(
し
)
かん
哉
(
や
)
。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
大久保
(
おほくぼ
)
が
出発
(
しゆつぱつ
)
してから
間
(
ま
)
もなく、
彼女
(
かのぢよ
)
がまたやつて
来
(
き
)
た。その
顔
(
かほ
)
は
目
(
め
)
に
立
(
た
)
つて
明
(
あか
)
るくなつてゐた。
話
(
はなし
)
も
前
(
まへ
)
よりははき/\してゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
家人
(
かじん
)
のようすにいくばくか
不快
(
ふかい
)
を
抱
(
いだ
)
いた使いの人らも、お政の
苦衷
(
くちゅう
)
には
同情
(
どうじょう
)
したものか、こころよく
飲食
(
いんしょく
)
して早そうに
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
った。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
まごまごしている雇婆を
急
(
せ
)
き
立
(
た
)
てて、
冷
(
ひや
)
のままの酒を、ぐっと一息に
呷
(
あお
)
ると、歌麿の巨体は
海鼠
(
なまこ
)
のように夜具の中に縮まってしまった。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
窃盜
(
せつたう
)
、
姦淫
(
かんいん
)
、
詐欺
(
さぎ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
てられてゐるのだ。であるから、
病院
(
びやうゐん
)
は
依然
(
いぜん
)
として、
町
(
まち
)
の
住民
(
ぢゆうみん
)
の
健康
(
けんかう
)
には
有害
(
いうがい
)
で、
且
(
か
)
つ
不徳義
(
ふとくぎ
)
なものである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
立
(
た
)
ち
腫
(
は
)
れ」がして足がガクつき、どうしても機械についていられない。それを後から靴で
蹴
(
け
)
られながら働いていることを話した。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
ロミオ あれは
自分
(
じぶん
)
の
饒舌
(
しゃべ
)
るのを
聽
(
き
)
くことの
好
(
す
)
きな
男
(
をとこ
)
、
一月
(
ひとつき
)
かゝってもやり
切
(
き
)
れぬやうな
事
(
こと
)
を、一
分間
(
ぶんかん
)
で
饒舌
(
しゃべ
)
り
立
(
た
)
てようといふ
男
(
をとこ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
吾等
(
われら
)
も
喫驚
(
びつくり
)
して
其方
(
そなた
)
を
振向
(
ふりむ
)
くと、
此時
(
このとき
)
、
吾等
(
われら
)
の
立
(
た
)
てる
處
(
ところ
)
より、
大約
(
およそ
)
二百ヤード
許
(
ばかり
)
離
(
はな
)
れた
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
から、
突然
(
とつぜん
)
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た
二個
(
ふたり
)
の
人
(
ひと
)
がある。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「ぼくたちは
雌牛
(
めうし
)
を買ったあかしを
立
(
た
)
てればいいのだ。ユッセルの
獣医
(
じゅうい
)
の所へ使いをやればいい……あの人が
証人
(
しょうにん
)
になってくれる」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
槍ヶ岳対穂高岳は、
常陸山
(
ひたちやま
)
対梅ヶ谷というも、
強
(
あなが
)
ち無理はなかろう、前者の傲然
屹
(
つ
)
っ
立
(
た
)
てる、後者の裕容迫らざるところ、よく似ている。
穂高岳槍ヶ岳縦走記
(新字新仮名)
/
鵜殿正雄
(著)
末男
(
すゑを
)
は
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
きながら、まち
子
(
こ
)
と一
所
(
しよ
)
に
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るい
飾窓
(
かざりまど
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて、
星
(
ほし
)
の
見
(
み
)
える
蒼空
(
あをそら
)
に、すき
透
(
とほ
)
るやうに
見
(
み
)
える
柳
(
やなぎ
)
の
葉
(
は
)
を
見
(
み
)
つめた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
火事
(
かじ
)
の
時
(
とき
)
には
防火樹
(
ぼうかじゆ
)
として
非常
(
ひじよう
)
に
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
ち
家
(
いへ
)
も
燒
(
や
)
かずに
濟
(
す
)
み、
時
(
とき
)
には
人
(
ひと
)
の
命
(
いのち
)
すら
救
(
すく
)
はれることがあることも
忘
(
わす
)
れてはなりません。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
すぐに
庫裏
(
くり
)
の
玄関先
(
げんくわんさき
)
へ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
折
(
をり
)
よく
住職
(
ぢゆうしよく
)
らしい
年配
(
ねんぱい
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
今
(
いま
)
がた
配達
(
はいたつ
)
されたらしい
郵便物
(
いうびんぶつ
)
を
見
(
み
)
ながら
立
(
た
)
つてゐたので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
暫
(
しばら
)
く
立
(
た
)
ち
止
(
と
)
まつて
見
(
み
)
てゐるうちに、
石
(
いし
)
の
壁
(
かべ
)
に
沿
(
そ
)
うて
造
(
つく
)
り
附
(
つ
)
けてある
卓
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
で
大勢
(
おほぜい
)
の
僧
(
そう
)
が
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
鍋釜
(
なべかま
)
から
移
(
うつ
)
してゐるのが
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
た。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
中
(
なか
)
には
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
に
腰
(
こし
)
かけて、
上
(
うえ
)
から
水草
(
みずくさ
)
を
覗
(
のぞ
)
くのもありました。
猟銃
(
りょうじゅう
)
から
出
(
で
)
る
青
(
あお
)
い
煙
(
けむり
)
は、
暗
(
くらい
)
い
木
(
き
)
の
上
(
うえ
)
を
雲
(
くも
)
の
様
(
よう
)
に
立
(
た
)
ちのぼりました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その
時
(
とき
)
誰
(
だれ
)
か
忍
(
しの
)
び
足
(
あし
)
に、おれの
側
(
そば
)
へ
來
(
き
)
たものがある。おれはそちらを
見
(
み
)
ようとした。が、おれのまはりには、
何時
(
いつ
)
か
薄闇
(
うすやみ
)
が
立
(
た
)
ちこめてゐる。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
岩
(
いは
)
はなをば、
漕
(
こ
)
ぎ
廻
(
まは
)
つて
行
(
ゆ
)
くごとに、そこに
一
(
ひと
)
つづゝ
展
(
ひら
)
けて
來
(
く
)
る、
近江
(
あふみ
)
の
湖水
(
こすい
)
のうちのたくさんの
川口
(
かはぐち
)
。そこに
鶴
(
つる
)
が
多
(
おほ
)
く
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てゝゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
鹿
(
しか
)
はおどろいて
一度
(
いちど
)
に
竿
(
さを
)
のやうに
立
(
た
)
ちあがり、それからはやてに
吹
(
ふ
)
かれた
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
のやうに、からだを
斜
(
なゝ
)
めにして
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
しました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
わたしは、つんつるてんの短い上着を着たまま、じっとそこに
突
(
つ
)
っ
立
(
た
)
って、
死刑
(
しけい
)
を言い
渡
(
わた
)
された
囚人
(
しゅうじん
)
よろしくのていで
床
(
ゆか
)
を見つめていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ただ
立
(
た
)
チ
端
(
ば
)
が無いまで
困
(
こう
)
じきって、御余裕のある御挨拶を得たさの余りに申しました。今一応あらためて真実心を以て御願い致しまする。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
余程教育ある婦人でも
後家
(
ごけ
)
を
立
(
た
)
て通すというような美しい意気をもって世を過すという婦女子はチベットにはほとんどないです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
彼
(
かれ
)
は
熱心
(
ねつしん
)
に
書
(
か
)
いて
居
(
ゐ
)
る
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
に
腰
(
こし
)
から
上
(
うへ
)
が
出
(
で
)
て、
其
(
その
)
立
(
た
)
てた
膝
(
ひざ
)
に
畫板
(
ぐわばん
)
が
寄掛
(
よりか
)
けてある、そして
川柳
(
かはやぎ
)
の
影
(
かげ
)
が
後
(
うしろ
)
から
彼
(
かれ
)
の
全身
(
ぜんしん
)
を
被
(
おほ
)
ひ
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたし
)
は
先頃
(
さきごろ
)
フランスの
西海岸
(
にしかいがん
)
にあるカルナックといふ
所
(
ところ
)
の
大
(
おほ
)
きい
立
(
た
)
て
石
(
いし
)
を
見
(
み
)
に
行
(
い
)
つたのでありますが、
今
(
いま
)
は
三
(
みつ
)
つにをれて
地上
(
ちじよう
)
に
倒
(
たふ
)
れてゐます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
と
申
(
もう
)
して、この
話
(
はなし
)
を
省
(
はぶ
)
いて
了
(
しま
)
えば
私
(
わたくし
)
の
幽界生活
(
ゆうかいせいかつ
)
の
記録
(
きろく
)
に
大
(
おお
)
きな
孔
(
あな
)
が
開
(
あ
)
くことになって
筋道
(
すじみち
)
が
立
(
た
)
たなくなるおそれがございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こういいながら、
波
(
なみ
)
うちぎわに
立
(
た
)
って、
遠
(
とお
)
い、はい色の空を
指
(
ゆび
)
さしておられた先生のすがただけを、はっきりおぼえている。
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
自己
(
じこ
)
の
現在
(
げんざい
)
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
經濟界
(
けいざいかい
)
は
夙
(
つと
)
に
變化
(
へんくわ
)
して
居
(
ゐ
)
るに
拘
(
かゝは
)
らず
此
(
こ
)
れに
對
(
たい
)
して
充分
(
じうぶん
)
の
理解
(
りかい
)
のないのが
寧
(
むし
)
ろより
重大
(
ぢうだい
)
なる
原因
(
げんいん
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
其故
(
それゆゑ
)
私
(
わたくし
)
の
塾
(
じゆく
)
ではこの
規則
(
きそく
)
の
精神
(
せいしん
)
、
規則
(
きそく
)
の
根本
(
こんぽん
)
へ
立
(
た
)
ち
歸
(
かへ
)
つて、
各個人
(
かくこじん
)
の
都合
(
つがふ
)
といふ
所
(
ところ
)
を十
分
(
ぶん
)
に
了解
(
れうかい
)
せしむるといふ
方針
(
はうしん
)
を
取
(
とつ
)
て
居
(
ゐ
)
るのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
ママは
腹
(
はら
)
の
立
(
た
)
ったらしい目つきでシューラを
睨
(
にら
)
んだ。そして、いまいましそうに顔を赤くして、ぶつぶつ
小言
(
こごと
)
をいい出した。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
その
翌日
(
あくるひ
)
、こんな
噂
(
うはさ
)
がぱつと
立
(
た
)
ちました。
昨日
(
きのふ
)
の
乞食
(
こじき
)
のやうなあの
坊
(
ぼう
)
さんは、あれは
今
(
いま
)
、
生佛
(
いきぼとけ
)
といはれてゐるお
上人樣
(
しやうにんさま
)
だと。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
並
(
なら
)
べ
立
(
た
)
てる内にアノ山口巴から來る若旦那かへと小夜衣は
空然
(
うつかり
)
長庵の口に
乘
(
のせ
)
られ
然
(
され
)
ばなりその三河町の若旦那は
頓
(
とん
)
と
鼬
(
いたち
)
の
道
(
みち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
十
人
(
にん
)
十
色
(
いろ
)
で、
決
(
けつ
)
して一
律
(
りつ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬもので
食
(
しよく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
とか
理想
(
りそう
)
とかを
説
(
と
)
いて
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で
實際問題
(
じつさいもんだい
)
としては
餘
(
あま
)
り
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たぬ。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
老人はしきりとなだめていたが、由爺は
猛
(
たけ
)
り
立
(
た
)
てて誰の言うことも聞かない。あとの方の馭者も、雪の中だから次の宿まで行けと言ったけれど
遠野へ
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“立”を含む語句
佇立
出立
突立
腹立
引立
立会
追立
衝立
逆立
立留
直立
言立
立派
建立
焦立
立退
立停
屹立
立籠
立出
...