相違さうゐ)” の例文
あさつぱらにつたらはあけたに相違さうゐねえつちんでがすから、なにわしもむしろけたところあんした、むしろわかるから駄目だめでがす
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
つうじけるに名主も駈來かけきた四邊あたり近所きんじよの者も追々おひ/\あつまり改め見れば何樣いかさま酒に醉倒ゑひたふ轉込まろびこみ死したるに相違さうゐなきていなりと評議一決し翌日よくじつ此趣このおもむきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其處そこ何者なにものかゞるに相違さうゐない、ひとか、魔性ましやうか、其樣そんことかんがへてられぬ、かく探險たんけん覺悟かくごしたので、そろ/\とをかくだつた。
父も家庭に対するくるしみ、妻子に対するくるしみ、社会に対するくるしみ——所謂いはゆる中年の苦痛くるしみいだいて、そのの狭い汚い町をとほつたに相違さうゐない。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
どう大動搖だいどうえうはじめた。はやなかたいからである。けれどもなが密閉みつぺいせられてある岩窟がんくつ内部ないぶには、惡瓦斯あくぐわす發生はつせいしてるに相違さうゐない。
わたし間違まちがつたことひますれば、其處そこます師匠ししやう沙汰さたをしますはずともつてつてりますうへは、けつして相違さうゐないとぞんじます。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
今度こんどこそはなんつても、寸分すんぶんぶた相違さうゐありませんでしたから、あいちやんもれをれてくのはまつた莫迦氣ばかげたことだとおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
そこで将来も偉い詩人が生まれ、その詩人の感情をるのに短歌の形式を用ふるとすれば、やはりとり残されぬのに相違さうゐない。
又一説? (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
見得みえかまはずまめなりくりなりつたをべてせておれ、いつでも父樣とゝさんうわさすること、出世しゆつせ出世しゆつせ相違さうゐなく、ひと立派りつぱなほど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それよりも、吾人ごじんかならつね姓前せいぜん名後めいご徹底的てつていてき勵行れいかうし、世界せかい日本にほん國風こくふう了解れうかいさせたならば各國かくこくひと日本にほん慣例くわんれい尊重そんちようしてこれにしたがふに相違さうゐない。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
カピ妻 このじんはモンタギューの親戚しんせきゆゑ、贔屓心ひいきごゝろがさもないことまうさせまする。この不正ふせい爭鬪たゝかひには二十人餘にんよ關係かゝづらうてたんだ一人ひとりころしたに相違さうゐござりませぬ。
みぎ次第しだいにて大陰暦たいゝんれき春夏秋冬しゆんかしうとうせつかゝはらず、一年の日數ひかずさだむるものなれば去年きよねん何月何日なんぐわつなんにちと、今年ことし其日そのひとはたゞとなへのみ同樣どうやうなれども四季しきせつかなら相違さうゐせり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
這麼事こんなことおそれるのは精神病せいしんびやう相違さうゐなきこと、と、かれみづかおもふてこゝいたらぬのでもいが、さてまたかんがへればかんがふるほどまよつて、心中しんちゆう愈々いよ/\苦悶くもんと、恐怖きようふとにあつしられる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
こゝらにも各人が作の價値かち批判ひはんする心持の相違さうゐがあると見えますが、「和解」にゑがかれてゐる作のテエマ、即ち父と子のいたましい心の爭鬪さうとうに對してはたらいてゐる作者の實感じつかん
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
よし僕等の生涯しようがいは、勞働者と比較ひかくして何等なんら相違さうゐがないとしても、僕等はつねに勞働者的生涯からだつして、もう少し意味ある、もう少し價値あるライフにりたいと希望きぼうしてゐる。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
私は白いくさをかみながら立ち上つた。ふと、私はそのくさが、去年きよねんあき私達わたしたちすわつてみつけたときのくさ相違さうゐないとかんがへた。それが一を落してまたを出した。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
醫者いしやまた自分じぶんもちひたねむぐすり比較的ひかくてきあたらしいもので、學理上がくりじやう睡眠劑すゐみんざいやう有害いうがいでないことや、またその効目きゝめ患者くわんじや體質たいしつつて、程度ていど大變たいへん相違さうゐのあることなどをかたつてかへつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これなんでも下婢かひ下男げなん窃取くすねるに相違さうゐない、一ばん計略はかりごともつためしてやらう。
詩仏しぶつ鵬斎ぼうさい詩文しぶんにてなぶりものにされたりといふことえたるが、もとより菊塢きくう世才せさいにはたけたれど学文がくもんはなし、詩仏しぶつ鵬斎ぼうさい蜀山しよくさん真顔まがほかげ春海はるみ当時そのころ聞人もんじん幇間半分たいこはんぶんなぶり者にせられしには相違さうゐなし
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
かれ前年ぜんねんさむさがきふおそうたときたねわづか二日ふつか相違さうゐおくれたむぎ意外いぐわい收穫しうくわく減少げんせうしたにが經驗けいけんわすることが出來できなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一つとおもへばうらみもる、なんれがつとめなり、ことにはれほどがらの相違さうゐもあることなればひとばいもある道理だうり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
勿論もちろん此樣こんなことにはなにふか仔細しさいのあらうはづはない。つまり偶然ぐうぜん出來事できごとには相違さうゐないのだが、わたくしなんとなく異樣ゐやうかんじたよ。
見付けしに相違さうゐなければ公邊おかみへ訴へ何處迄どこまでも黒白を分け申べしと片意地かたいぢはつて持參金を返濟へんさいせぬ工夫くふうをなすに忠八もそばより日頃又七樣下女に手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
把手とつてでもあるかと、そろ/\つてると、把手とつてには相違さうゐないが、それは土瓶どびんのツルカケのと、それにせつして土瓶どびんくち
そのも、一きやうきつして時計とけいた。はり相違さうゐなく十一其処そこをさして、汽車きしやせつゝあるまゝにセコンドをきざむでる。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しもなんぢがそれに署名しよめいしなかつたとすれば』とつて王樣わうさまは、『尚々なほ/\わるい、なんぢ惡戯いたづら相違さうゐない、さもなければ正直しようぢき署名しよめいしてくべきはづだ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それからまたパリのあるカツフエにやはり紅毛人こうもうじん畫家ぐわか一人ひとり、一わんの「しるこ」をすゝりながら、——こんな想像さうぞうをすることは閑人かんじん仕事しごと相違さうゐない。
しるこ (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
乳母 はれま、ひとを! そりゃ、いぬぢゃがな。アールがおまへの……いやいや、なにほか相違さうゐないわいの。
そも/\日本にほんには天地開闢以來てんちかいびやくいらいほとん連續的れんぞくてき地震ぢしんこつてゐたに相違さうゐない。その程度ていど安政あんせい大正たいしやう大震だいしん同等どうとうしくはそれ以上いじやうのものもすくなくなかつたらう。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なにかの多分たぶん間違まちがひです。』とアンドレイ、エヒミチはかたちゞめてふ。『間違まちがひ相違さうゐないです。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ところが去來いざ取懸とりかかツて見ると、ちつとも豫期よきした調子てうしが出て來ない。頭の中に描かれた作品と、眼前がんぜんに描出される作品とはなまり鋼鉄かうてつほどの相違さうゐがある。周三は自分ながら自分の腕のなまくらなのに呆返あきれかへツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
此度このたび大陰暦たいゝんれきやめ大陽暦たいやうれきとなし、明治五年十二月三日を明治六年一月一日とさだめたるは一年にはかに二十七日の相違さうゐにて世間せけんにこれをあやしものおほからんとおもひ、西洋せいやうしよ調しらべくにおこなはるゝ大陽暦たいやうれき
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
それを晩秋ばんしうそら悉皆みんなるので滅切めつきりえる反對はんたい草木くさきすべてが乾燥かんさうしたりくすんだりしてしまふのに相違さうゐないのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それ同時どうじ此処こゝひかりさへぎつてひるもなほくら大木たいぼく切々きれ/″\に一ツ一ツひるになつてしまうのに相違さうゐないと、いや、まツたくのことで。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかり、海底潜行艇かいていせんかうてい一種いつしゆには相違さうゐないが、しかわたくしたんこの軍艇ぐんていをば潜行艇せんかうていぶのみをもつては滿足まんぞくしない、なにとなれば現今げんこん歐米諸國をうべいしよこく發明家等はつめいから
見れば一々寶澤へ餞別せんべつつかはしたる品に相違さうゐなし依て平野村の者より右の次第を濱奉行にうつたへ私し共見覺みおぼえある次第を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うそさぶしとひしも二日ふつか三日みつか朝來あさよりもよほす薄墨色うすずみいろ空模樣そらもやう頭痛づつうもちの天氣豫報てんきよはう相違さうゐなく西北にしきたかぜゆふぐれかけて鵞毛がもう柳絮りうじよかはやちら/\とでぬ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この見知みしらない小娘こむすめあたまごなしにしかりつけてでも、またもととほまどをしめさせたのに相違さうゐなかつたのである。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
チッバ あの聲音こわねはモンタギューやつ相違さうゐない。……(從者に對ひ)細刃劍ほそみて。
だれほかもの僞筆ぎひつ相違さうゐない』と王樣わうさままをされました。(陪審官ばいしんくわんのこらずみはりました)
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
自然界しぜんかい現象げんしやうると、るものは非常ひぜううつくしく、るものは非常ひぜうおそろしい。あるひ神祕的しんぴてきなものがあり、あるひ怪異くわいいなものがある。これにはなにそのおく偉大ゐだいちからひそんでるに相違さうゐない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
古來こらい支那から日本につぽんとうもちふ大陰暦たいゝんれきとの相違さうゐしめすことごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
る、まへへ、黄色きいろ提灯ちやうちんながれて、がたりとあをつた函車はこぐるま曳出ひきだすものあり。提灯ちやうちんにはあかしべで、くるまにはしろもんで、菊屋きくやみせ相違さうゐない。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れにても同胞はらからかとおもふばかりの相違さうゐなるに、あやしきは母君はヽぎみ仕向しむけにて、流石さすがかるがるしき下々しも/″\たちへだてはけれども、おな物言ものいひの何處どこやらがく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あのふか山岳さんがくおくには屹度きつとなにおそろしいものがひそんでゐるに相違さうゐないとかんがへた。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
これは勿論もちろんわたくしにも、幾分いくぶんながら同情どうじやうくにるものには相違さうゐなかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しか労力らうりよく仕払しはらふべき、報酬はうしうりやう莫大ばくだいなるにくるしんで、生命いのちにもへて最惜いとをし恋人こひびとかりうばふて、交換かうくわんすべき条件でうけんつる人質ひとじちたに相違さうゐない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あらはせて此室こゝびたしとおほせられたに相違さうゐはなしかくあがりなされよと洗足すゝぎまでんでくるゝはよも串戯じやうだんにはあらざるべしいつはりならずとせばしんもつ奇怪きくわい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この機會きくわいさいして化物ばけもの研究けんきうおこし、化物學ばけものがくといふ一くわ學問がくもんつくしたならば、さだめし面白おもしろからうとおもふのである。むかし傳説でんせつ樣式やうしきはなれた新化物しんばけもの研究けんきうこゝろみる餘地よち屹度きつとあるに相違さうゐない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
わたし一人ひとり、おれぢやあない、おれぢやあない、と、戸惑とまどひをしてたが、しなに、踏込ふみこんだに相違さうゐない。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)