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方
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はう
ふりがな文庫
“
方
(
はう
)” の例文
夜
(
よる
)
は
大分
(
だいぶん
)
更
(
ふ
)
けてゐた。「
遼陽城頭
(
れうやうじやうとう
)
夜
(
よ
)
は
更
(
ふ
)
けて‥‥」と、さつきまで
先登
(
せんとう
)
の一
大隊
(
だいたい
)
の
方
(
はう
)
で
聞
(
きこ
)
えてゐた
軍歌
(
ぐんか
)
の
聲
(
こゑ
)
ももう
途絶
(
とだ
)
えてしまつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
檜木
(
ひのき
)
、
椹
(
さはら
)
、
明檜
(
あすひ
)
、
槇
(
まき
)
、
𣜌
(
ねず
)
——それを
木曾
(
きそ
)
の
方
(
はう
)
では
五木
(
ごぼく
)
といひまして、さういふ
木
(
き
)
の
生
(
は
)
えた
森
(
もり
)
や
林
(
はやし
)
があの
深
(
ふか
)
い
谷間
(
たにあひ
)
に
茂
(
しげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
少し気味が悪くなつたから、その
方
(
はう
)
の相手を
小林
(
こばやし
)
君に一任して、隣にゐた
舞妓
(
まひこ
)
の方を向くと、これはおとなしく、
椿餅
(
つばきもち
)
を食べてゐる。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
前
(
まへ
)
の
講釈
(
かうしやく
)
のと
読較
(
よみくら
)
べると、
彼
(
か
)
の
按摩
(
あんま
)
が
後
(
のち
)
に
侍
(
さむらひ
)
に
取立
(
とりたて
)
られたと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
より、
此天狗
(
このてんぐ
)
か
化物
(
ばけもの
)
らしい
方
(
はう
)
が、
却
(
かへ
)
つて
事実
(
じゝつ
)
に
見
(
み
)
えるのが
面白
(
おもしろ
)
い。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白百合
(
しらゆり
)
、
紅百合
(
べにゆり
)
、
鳶尾草
(
いちはつ
)
の花、
信頼心
(
しんらいしん
)
の足りない若いものたちよりも、おまへたちの
方
(
はう
)
がわたしは
好
(
すき
)
だ、
滅
(
ほろ
)
んだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
「おやもうそつちの
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つたのかい、それぢや
彼處
(
あすこ
)
を
叩
(
たゝ
)
くんだよ」
内儀
(
かみ
)
さんはいつて
分
(
わか
)
れた。おつぎは
直
(
すぐ
)
に
自分
(
じぶん
)
の
裏戸口
(
うらどぐち
)
に
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
四十一
年
(
ねん
)
一
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
の
午前
(
ごぜん
)
九
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
、
水谷氏
(
みづたにし
)
と
余
(
よ
)
とは、
大森
(
おほもり
)
の
兒島邸
(
こじまてい
)
を
訪問
(
ほうもん
)
した。
然
(
しか
)
るに
翁
(
おう
)
は、
熱海
(
あたみ
)
の
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
られて、
不在
(
ふざん
)
。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
鹿
(
しか
)
は
大
(
おほ
)
きな
環
(
わ
)
をつくつて、ぐるくるぐるくる
廻
(
まは
)
つてゐましたが、よく
見
(
み
)
るとどの
鹿
(
しか
)
も
環
(
わ
)
のまんなかの
方
(
はう
)
に
気
(
き
)
がとられてゐるやうでした。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ニコライのドオムに面した
方
(
はう
)
の窓から私は家の中へ
入
(
はひ
)
ると云ふのでした。私は
何時
(
いつ
)
も源氏の講義をした座敷の壁の前に立つて居ました。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『
愛宕
(
あたご
)
さんの
方
(
はう
)
がよろしいな。第一大けおますわ。』と、お光は横の方に
簾
(
みす
)
のかゝつた
局
(
つぼね
)
とでも呼びさうなところを見詰めてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
すると
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
でパタ/\と
小
(
ちひ
)
さな
跫音
(
あしおと
)
のするのが
聞
(
きこ
)
えました、
愛
(
あい
)
ちやんは
急
(
いそ
)
いで
眼
(
め
)
を
拭
(
ふ
)
いて
何
(
なに
)
か
來
(
き
)
たのだらうかと
見
(
み
)
てゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
鍋町
(
なべちやう
)
は
裏
(
うら
)
の
方
(
はう
)
で
御座
(
ござ
)
いますかと
見返
(
みかへ
)
れば
否
(
いな
)
鍋町
(
なべちやう
)
ではなし、
本銀町
(
ほんしろかねちやう
)
なりといふ、
然
(
さ
)
らばとばかり
馳
(
は
)
せ
出
(
いだ
)
す
又
(
また
)
一町
(
いつちやう
)
、
曲
(
まが
)
りませうかと
問
(
と
)
へば
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昌作はヂロリと
其
(
その
)
方
(
はう
)
を見た。そして信吾が山内に挨拶して出てゆくと、不快な冷笑を憚りもなく顔に出して、
自暴
(
やけ
)
に麦煎餅を頬張つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しい
事
(
こと
)
でも
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したかのやうに、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かゝ
)
へるなり、
院長
(
ゐんちやう
)
の
方
(
はう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
越前守殿聞だまれ憑司汝は何を申すぞ早は
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
で
吟味
(
ぎんみ
)
なすに爰な
出過者
(
ですぎもの
)
め今早が口より梅が體に
疵
(
きず
)
などは御ざらぬと申立たるに
汝
(
なんぢ
)
夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あたまも兄弟のうちではいい
方
(
はう
)
だと信じてゐる。次兄は毎日のやうに酒を呑んで祖母と喧嘩した。私はそのたんびひそかに祖母を憎んだ。
思ひ出
(旧字旧仮名)
/
太宰治
(著)
「あゝ
奇麗
(
きれい
)
になつた。
何
(
ど
)
うも
食
(
く
)
つた
後
(
あと
)
は
汚
(
きた
)
ないものでね」と
宗助
(
そうすけ
)
は
全
(
まつた
)
く
食卓
(
しよくたく
)
に
未練
(
みれん
)
のない
顏
(
かほ
)
をした。
勝手
(
かつて
)
の
方
(
はう
)
で
清
(
きよ
)
がしきりに
笑
(
わら
)
つてゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
陰気
(
いんき
)
な
燈火
(
ともしび
)
の下で
大福帳
(
だいふくちやう
)
へ
出入
(
でいり
)
の
金高
(
きんだか
)
を書き入れるよりも、
川添
(
かはぞ
)
ひの
明
(
あかる
)
い二階
家
(
や
)
で
洒落本
(
しやれほん
)
を読む
方
(
はう
)
がいかに
面白
(
おもしろ
)
かつたであらう。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
如何
(
どう
)
考
(
かんが
)
へても
聖書
(
バイブル
)
よりは
小説
(
せうせつ
)
の
方
(
はう
)
が
面白
(
おもしろ
)
いには
違
(
ちが
)
ひなく、
教師
(
けうし
)
の
眼
(
め
)
を
窃
(
ぬす
)
んでは「よくッてよ」
派
(
は
)
小説
(
せうせつ
)
に
現
(
うつゝ
)
を
抜
(
ぬ
)
かすは
此頃
(
このごろ
)
の
女生徒
(
ぢよせいと
)
気質
(
かたぎ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
『
私
(
わたし
)
は
是非
(
ぜひ
)
怠惰屋
(
なまけや
)
になるのだ、
是非
(
ぜひ
)
なるのだ』と
言張
(
いひは
)
つて
聽
(
き
)
かない。
櫻
(
さくら
)
の
皮
(
かは
)
を
剥
(
む
)
くどころか、
家
(
いへ
)
の
隅
(
すみ
)
の
方
(
はう
)
へすつこんで
了
(
しま
)
つて
茫然
(
ぼんやり
)
して居る。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかもそはそはしたB達はそれ以上言葉を交す
暇
(
いとま
)
を持つてゐなかつた。その行くべき
方
(
はう
)
へと各自に行かなければならなかつた。
犬
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
病人
(
びやうにん
)
はK
夫人
(
ふじん
)
の
顏
(
かほ
)
の
下
(
した
)
で、
小兒
(
こども
)
のやうに
顎
(
あご
)
で
頷
(
うなづ
)
いて
見
(
み
)
せた。
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
一束
(
ひとたば
)
にした
髮
(
かみ
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
を一
層
(
そう
)
少女
(
せうぢよ
)
らしく
痛々
(
いた/\
)
しく
見
(
み
)
せた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
『
左樣
(
さやう
)
、
殘念
(
ざんねん
)
ながら、
西班牙
(
イスパニヤ
)
や、
亞弗利加
(
アフリカ
)
の
方
(
はう
)
は
今度
(
こんど
)
は
斷念
(
だんねん
)
しました。』と、
私
(
わたくし
)
がキツパリと
答
(
こた
)
へると、
彼
(
かれ
)
はポンと
膝
(
ひざ
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
成
(
なる
)
ほど、
夫
(
それ
)
ぢやア、マア
大
(
たい
)
したお
熱
(
ねつ
)
ぢやアないお
脈
(
みやく
)
の
方
(
はう
)
は。「
脈
(
みやく
)
の
方
(
はう
)
が
多
(
おほ
)
うございます、九
条
(
でう
)
から一
条
(
でう
)
二
条
(
でう
)
に
出越
(
でこ
)
す
位
(
くらゐ
)
な事で。 ...
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
またよしんば上原が望んだとしても、肝腎の縣の
方
(
はう
)
が、上原の推薦をきかず、志村を囑託とすることを
肯
(
がへ
)
んじなかつたとしたらどうだらう。
続生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
「お
互
(
たがひ
)
に、
明日
(
あす
)
の
生命
(
いのち
)
もしれない、はかない
生
(
い
)
き
物
(
もの
)
なんだ。
何
(
なん
)
でも
出來
(
でき
)
るうちに
爲
(
す
)
る
方
(
はう
)
がいいし、また、やらせることだ」と。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
今日
(
こんにち
)
、
之
(
これ
)
を
復興
(
ふくこう
)
するを
得
(
う
)
べし、而して
其
(
その
)
復興
(
ふくこう
)
の
方
(
はう
)
たるや、
安楽椅子
(
あんらくいす
)
に
倚
(
よ
)
り
罹
(
かゝ
)
り、或は
柔軟
(
じうなん
)
なる
膝褥
(
しつぢよく
)
の
上
(
うへ
)
に
跪
(
ひざまづ
)
き
如何程
(
いかほど
)
祈祷
(
きたう
)
叫号
(
きうごう
)
するも
無益
(
むえき
)
なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
妻
(
つま
)
はお
光
(
みつ
)
と
云
(
い
)
つて、
今歳
(
ことし
)
二十になる。
何
(
なに
)
かと
云
(
い
)
ふものゝ、
綺緻
(
きりやう
)
は
先
(
まづ
)
不足
(
ふそく
)
のない
方
(
はう
)
で、
体
(
からだ
)
の
発育
(
はついく
)
も
申分
(
まをしぶん
)
なく、
胴
(
どう
)
や四
肢
(
し
)
の
釣合
(
つりあひ
)
も
幾
(
ほとん
)
ど
理想
(
りさう
)
に
近
(
ちか
)
い。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
思
(
おも
)
ひせまつて
梅川
(
うめかは
)
は、
袖
(
たもと
)
をだいてよろ/\よろ、
私
(
わたし
)
の
方
(
はう
)
へよろめいて、はつと
踏
(
ふ
)
みとまつて、
手
(
て
)
をあげた
時
(
とき
)
、
白
(
しろ
)
い
指
(
ゆび
)
がかちりと
鳴
(
な
)
つたのです。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
そんな
話
(
はなし
)
の
最中
(
さいちう
)
にサァーツと
音
(
おと
)
をたてゝ
漆
(
うるし
)
のやうに
暗
(
くら
)
い
空
(
そら
)
の
方
(
はう
)
から、
直逆
(
まつさか
)
さまにこれはまた一
羽
(
は
)
の
鴉
(
からす
)
がパチパチ
燃
(
も
)
えてる
篝火
(
かがりび
)
の
中
(
なか
)
に
墜
(
を
)
ちてきた。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
旱の為に水の
減
(
へ
)
つた
摺鉢形
(
すりばちなり
)
の四
方
(
はう
)
の
崖
(
がけ
)
の土は
石灰色
(
いしばいいろ
)
をして、静かに
湛
(
たヽ
)
へた水の色はどんよりと重く緑青の様に毒々しい。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
象次郎曰ふ、復古は
難
(
かた
)
きに非ず、然れども
門地
(
もんち
)
を
廢
(
はい
)
し、
門閥
(
もんばつ
)
を
罷
(
や
)
め、
賢
(
けん
)
を
擧
(
あ
)
ぐること
方
(
はう
)
なきに非ざれば、則ち不可なりと。二人の本領自ら
見
(
あら
)
はる。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
又
(
また
)
此短針
(
このたんしん
)
九
時
(
じ
)
と十
時
(
じ
)
との
間
(
あひだ
)
を
半過
(
なかばす
)
ぎて十
時
(
じ
)
の
方
(
はう
)
に
近寄
(
ちかよ
)
り、
長針
(
ちやうしん
)
も
進
(
すゝん
)
で八
時
(
じ
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
きた
)
ればこれを十
時
(
じ
)
前
(
まへ
)
二十
分時
(
ぶんじ
)
と云ふ。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
第十
常居
(
ゐま
)
は
濕氣
(
しめりけ
)
少
(
すくな
)
く
日當
(
ひあた
)
りよくして
風
(
かぜ
)
の
透
(
とほ
)
る
樣
(
やう
)
に
心
(
こゝろ
)
を
用
(
もち
)
ふ
可
(
べ
)
し。一ヶ
年
(
ねん
)
一兩度
(
いちりやうど
)
は
必
(
かなら
)
ず
天井
(
てんじやう
)
また
椽
(
えん
)
の
下
(
した
)
の
塵
(
ちり
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
寢所
(
ねどころ
)
は
高
(
たか
)
く
燥
(
かわ
)
きたる
方
(
はう
)
を
擇
(
えら
)
ぶべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
僧
(
そう
)
は
徐
(
しづ
)
かに
鉢
(
はち
)
に
殘
(
のこ
)
つた
水
(
みづ
)
を
床
(
ゆか
)
に
傾
(
かたむ
)
けた。そして「そんならこれでお
暇
(
いとま
)
をいたします」と
云
(
い
)
ふや
否
(
いな
)
や、くるりと
閭
(
りよ
)
に
背中
(
せなか
)
を
向
(
む
)
けて、
戸口
(
とぐち
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
A フン、それは
相談
(
さうだん
)
をしない
方
(
はう
)
が
惡
(
わる
)
いんだが、
向
(
むか
)
ふで
相談
(
さうだん
)
しなけりや
此方
(
こつち
)
から
相談
(
さうだん
)
しかけたら
可
(
い
)
いぢやないか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
圖中凹み石の
下
(
した
)
に
畫
(
ゑが
)
きたるは石皿の例にして
其發見地
(
そのはつけんち
)
は武藏青梅近傍日向和田なり。一
方
(
はう
)
には
深
(
ふか
)
き凹み有り、一方には
物
(
もの
)
を
掻
(
か
)
き
出
(
だ
)
すに
都合好
(
つがふよ
)
き
構造
(
かうぞう
)
有
(
あ
)
り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
陸
(
りく
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
ると、いつしか
我
(
わ
)
が
船
(
ふね
)
は
港
(
みなと
)
目近
(
まぢか
)
に
進
(
すゝ
)
んで、
桑港
(
さうかう
)
の
町々
(
まち/\
)
はつい
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
える。
我等
(
われら
)
の
泊
(
とま
)
るべきフェアモント・ホテルは
高
(
たか
)
い
丘
(
をか
)
の
上
(
うへ
)
に
突
(
つ
)
ツ
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
山田
(
やまだ
)
は
出嫌
(
でぎら
)
ひであつたが、
私
(
わたし
)
は
飛行自由
(
ひぎやうじざい
)
の
方
(
はう
)
であるから、
四方
(
しはう
)
に
交
(
まじはり
)
を
結
(
むす
)
びました、
処
(
ところ
)
が
予備門
(
よびもん
)
内
(
ない
)
を
普
(
あまね
)
く
尋
(
たづ
)
ねて見ると、なか/\
斯道
(
しだう
)
の
好者
(
すきしや
)
が
潜伏
(
せんぷく
)
して
居
(
ゐ
)
るので
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それにこの三つの山を結びつけた
方
(
はう
)
の京都、そのまざ/\とした現實の京都が三藏の鼻の尖にぶら下る。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
そして、しばらく
物
(
もの
)
をも
云
(
い
)
はずに
考
(
かんが
)
へ
込
(
こ
)
んだやうにしてゐると、
急
(
きふ
)
に
日
(
ひ
)
が
短
(
みぢ
)
かくなつたやうに、
開
(
あ
)
けはなしてある
椽
(
えん
)
の
方
(
はう
)
からうす
暗
(
くら
)
い
影
(
かげ
)
が
見
(
み
)
え
初
(
はじ
)
めるのであつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
私の
手
(
て
)
はいつの
間
(
ま
)
にか
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
に
潛
(
くゞ
)
つてゐました。私は
東明館前
(
とうめいくわんまへ
)
から
右
(
みぎ
)
に
折
(
を
)
れて、
譯
(
わけ
)
もなく
明
(
あか
)
るく
賑
(
にぎや
)
かな
街
(
まち
)
の
片側
(
かたがは
)
を、
店々
(
みせ/\
)
に
添
(
そ
)
うて
神保町
(
じんぼうちやう
)
の
方
(
はう
)
へと歩いて行きました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
... ただの
江戸
(
えど
)
つ
子
(
こ
)
であるよりも
生粹
(
きつすゐ
)
とつけた
方
(
はう
)
を
喜
(
よろこ
)
ぶらしい)それから、その——(
夫
(
をつと
)
といつていゝか、
燕
(
つばめ
)
?——
少
(
すこ
)
し、
禿
(
はげ
)
すぎてゐるが)
愛
(
あい
)
する
於莵吉
(
おときち
)
は十一も
齡下
(
としした
)
で
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
でも、
僕
(
ぼく
)
の
方
(
はう
)
からはさう
手輕
(
てが
)
るには——
君
(
きみ
)
がやつたやうに
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つては
君
(
きみ
)
のところへ
出
(
で
)
かけられない。だから
君
(
きみ
)
から一
度
(
ど
)
來
(
き
)
てもらひ
度
(
た
)
いと
思
(
おも
)
ふ——
夢
(
ゆめ
)
にでも
現
(
うつつ
)
にでも。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
予
(
わし
)
も
折々
(
をり/\
)
は
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
っても
見
(
み
)
ますのぢゃ、パリスどのゝ
方
(
はう
)
が、ずっと
好
(
よ
)
い
男
(
をとこ
)
ぢゃと
言
(
い
)
うてな。すると、
眞
(
ほん
)
の
事
(
こと
)
ぢゃ、
孃
(
ぢゃう
)
は
眞蒼
(
まっさを
)
な
顏
(
かほ
)
にならっしゃる、
圖無
(
づな
)
い
白布
(
しろぬの
)
のやうに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何しろ畫室は、
約束
(
やくそく
)
通りに出來てあるから、四
方
(
はう
)
密閉
(
みつぺい
)
したやうになつてゐる。
暖爐
(
ストーブ
)
を
焚
(
た
)
く
頃
(
ころ
)
ならば、其の熱で
嚇々
(
くわつ/\
)
とする、春になれば春の
暖氣
(
だんき
)
で
蒸
(
む
)
すやうにむつとする。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
厄
(
やく
)
といふは、たとへば
骰子
(
さい
)
に
廉
(
かど
)
があり、
桝
(
ます
)
には
角
(
すみ
)
があり、
人
(
ひと
)
には
關節
(
つぎふし
)
、
方
(
はう
)
には四
維
(
すみ
)
のあるごとく、
風
(
かぜ
)
は
方
(
はう
)
より
吹
(
ふ
)
けば弱く、
角
(
すみ
)
よりふけば強く、
病
(
やまひ
)
は
内
(
うち
)
より起れば
治
(
ち
)
しやすく
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
大入道
(
おほにふだう
)
、一つ
目
(
め
)
小僧
(
こぞう
)
などはそれである。
併
(
しか
)
し
復仇
(
ふくきう
)
の
方
(
はう
)
は
鍋島
(
なべしま
)
の
猫騷動
(
ねこさうどう
)
のやうに
隨分
(
ずゐぶん
)
しつこい。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
で
心配
(
しんぱい
)
して
電報
(
でんぱう
)
まで
掛
(
か
)
けたのであるから
其時
(
そのとき
)
返電
(
へんでん
)
をして
貰
(
もら
)
へば
無益
(
むえき
)
の
心配
(
しんぱい
)
は
决
(
けつ
)
してしません。
一寸
(
ちよつと
)
した
事
(
こと
)
であるが
日本
(
にほん
)
の
婦女子
(
ふぢよし
)
には
往々
(
わう/\
)
斯樣
(
かやう
)
な
等閑
(
なをざり
)
が
多
(
おほ
)
いのであります。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「けれども理由のない救助は、救助する
方
(
はう
)
もされる方もをかしいぢやありませんか。」
計画
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
“方”の解説
方(ほう)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“方”を含む語句
彼方
此方
何方
先方
其方
地方
前方
行方
方法
遠方
四方
彼方此方
貴方
東方
大方
上方
一方
外方
片方
南方
...