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騷
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さわ
ふりがな文庫
“
騷
(
さわ
)” の例文
新字:
騒
「こんなことでお
前
(
まへ
)
世間
(
せけん
)
が
騷
(
さわ
)
がしくて
仕
(
し
)
やうがないのでね、
私
(
わたし
)
の
處
(
ところ
)
でも
本當
(
ほんたう
)
に
困
(
こま
)
つて
畢
(
しま
)
ふんだよ」
内儀
(
かみ
)
さんは
巡査
(
じゆんさ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
てさうして
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何處
(
どこ
)
へゆく
何處
(
どこ
)
へゆく、
逃
(
に
)
げてはならないと
坐中
(
ざちう
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに
照
(
てー
)
ちやん
高
(
たか
)
さん
少
(
すこ
)
し
頼
(
たの
)
むよ、
直
(
じ
)
き
歸
(
かへ
)
るからとてずつと
廊下
(
らうか
)
へ
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
に
出
(
いで
)
しが
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一時頃
(
いちじごろ
)
まで、
皆
(
みな
)
戸外
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
て
涼
(
すゞ
)
んで
居
(
ゐ
)
て、
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
ふ
騷
(
さわ
)
ぎ
方
(
かた
)
だらう、
何故
(
なぜ
)
あゝだらう、
烏
(
からす
)
や
梟
(
ふくろ
)
に
驚
(
おどろ
)
かされるたつて、のべつに
騷
(
さわ
)
ぐ
譯
(
わけ
)
はない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
坂井
(
さかゐ
)
と
云
(
い
)
ふよりも、
坂井
(
さかゐ
)
の
所謂
(
いはゆる
)
冒險者
(
アドヹンチユアラー
)
として
宗助
(
そうすけ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
いた
其
(
その
)
弟
(
おとゝ
)
と、
其
(
その
)
弟
(
おとゝ
)
の
友達
(
ともだち
)
として
彼
(
かれ
)
の
胸
(
むね
)
を
騷
(
さわ
)
がした
安井
(
やすゐ
)
の
消息
(
せうそく
)
が
氣
(
き
)
にかゝつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
窺
(
うかゞ
)
ひ友次郎殿事お花樣の
御部屋
(
おへや
)
へ忍び來られたり此事
確
(
たしか
)
に見屆け候故御
注進
(
ちうしん
)
申上候と云ければ喜内は
騷
(
さわ
)
ぎたる
體
(
てい
)
もなく吾助其方
供
(
とも
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
「
留
(
とま
)
つとつちやいかん。
用
(
よう
)
のない
者
(
もの
)
はずんずん
前進
(
ぜんしん
)
する‥‥」と、
騷
(
さわ
)
ぎの
最中
(
さいちう
)
に
小隊長
(
せうたいちやう
)
の
大島少尉
(
おほしませうゐ
)
ががみがみした
聲
(
こゑ
)
で
呶鳴
(
どな
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
景樹
(
かげき
)
などが
騷
(
さわ
)
がれてゐたかげに、
評判
(
ひようばん
)
にならずにゐた
人
(
ひと
)
が、まだ/\ありました。その
一等
(
いつとう
)
目
(
め
)
につく
人
(
ひと
)
は、
越中
(
えつちゆう
)
富山
(
とやま
)
の
橘曙覽
(
たちばなのあけみ
)
であります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
せめて
家
(
いへ
)
の
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
つて、ものをいはうとしても、それさへ
取
(
と
)
り
合
(
あ
)
つてくれぬ
始末
(
しまつ
)
で、
人々
(
ひと/″\
)
はいよ/\
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んで
騷
(
さわ
)
ぐのでした。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
私はよく近所の兒どもを集めて、あかい夕日のさし込んだ穀倉のなかで、温かな苅麥やほぐれた
空俵
(
あきだはら
)
のかげを二十日鼠のやうに
騷
(
さわ
)
ぎ囘つた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
かんかん
日
(
ひ
)
の
照
(
て
)
る
炎天
(
えんてん
)
につツ
立
(
た
)
つて、
牛
(
うし
)
がなにか
考
(
かんが
)
えごとをしてゐました。
虻
(
あぶ
)
がどこからかとんできて、ぶんぶんその
周圍
(
まはり
)
をめぐつて
騷
(
さわ
)
いでゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
色白の細面で、女の子に
騷
(
さわ
)
がれさうなのは
瑾
(
きず
)
ですが、こんな男が思ひの外の激情家にある型です。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて
夫
(
それ
)
よりは、
紀元節
(
きげんせつ
)
の
祝賀
(
しゆくが
)
と、
此
(
この
)
大
(
おほい
)
なる
成功
(
せいこう
)
の
祝
(
いわひ
)
とで
沸
(
わ
)
くが
如
(
ごと
)
き
騷
(
さわ
)
ぎ、
夜
(
よる
)
になると、
兼
(
かね
)
て
設
(
まう
)
けられたる
海岸
(
かいがん
)
の
陣屋
(
ぢんや
)
で
大祝賀會
(
だいしゆくがくわい
)
が
始
(
はじ
)
まつた。
其塲
(
そのば
)
の
盛况
(
せいけう
)
は
筆
(
ふで
)
にも
言葉
(
ことば
)
にも
盡
(
つく
)
されない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
戲
(
たはむ
)
れに
枯草
(
かれくさ
)
へ
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
した
子供等
(
こどもら
)
は、
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
える
大勢
(
おほぜい
)
の
武士
(
ぶし
)
の
姿
(
すがた
)
に
恐
(
おそ
)
れて、
周章
(
あわ
)
てながら
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
さうと、
青松葉
(
あをまつば
)
の
枝
(
えだ
)
で
叩
(
たゝ
)
くやら、
燃
(
も
)
えてゐる
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
へ
轉
(
ころ
)
がるやらして、
頻
(
しき
)
りに
騷
(
さわ
)
いでゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ロレ しづまりめされ!
如何
(
どう
)
したものぢゃ!
起
(
おこ
)
ってしまうた
騷
(
さわ
)
ぎは、
騷
(
さわ
)
げばとて
治
(
をさま
)
るものではない。そも/\
此
(
この
)
娘御
(
むすめご
)
は
天
(
てん
)
と
貴下
(
こなた
)
の
兩有
(
りゃうもち
)
ぢゃ、
今
(
いま
)
や
天
(
てん
)
の
獨有
(
ひとりもち
)
となったは
娘御
(
むすめご
)
の
爲
(
ため
)
には
幸福
(
しあはせ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
唯
(
たゞ
)
二ヶ
月
(
げつ
)
に一
度
(
ど
)
丈
(
だ
)
け、
理髮師
(
とこや
)
のセミヨン、ラザリチ
計
(
ばか
)
り
此
(
こゝ
)
へ
來
(
く
)
る、
其男
(
そのをとこ
)
は
毎
(
いつ
)
も
醉
(
よ
)
つてニコ/\しながら
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
て、ニキタに
手傳
(
てつだ
)
はせて
髮
(
かみ
)
を
刈
(
か
)
る、
彼
(
かれ
)
が
見
(
み
)
えると
患者等
(
くわんじやら
)
は
囂々
(
がや/\
)
と
云
(
い
)
つて
騷
(
さわ
)
ぎ
出
(
だ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
げにその如く
騷
(
さわ
)
だたぬ常の心を
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
せよと言ひながら腰の一刀
引拔
(
ひきぬき
)
つゝ
身構
(
みがま
)
へなせば
惡
(
わる
)
ものどもは打笑ひ何の
小癪
(
こしやく
)
な
青
(
あを
)
二
才
(
さい
)
と
息杖
(
いきづゑ
)
取
(
とり
)
のべ打て
蒐
(
かゝる
)
を此方は
騷
(
さわ
)
がず切拂ひ又打込を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
荷物
(
にもつ
)
といふは
大八
(
だいはち
)
に
唯
(
たゞ
)
一
(
ひと
)
くるま
來
(
きた
)
りしばかり、
兩隣
(
りやうどなり
)
にお
定
(
さだ
)
めの
土産
(
みやげ
)
は
配
(
くば
)
りけれども、
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
は
引越
(
ひつこし
)
らしき
騷
(
さわ
)
ぎもなく
至極
(
しごく
)
寂寞
(
ひつそり
)
とせしものなり。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
不忍
(
しのばず
)
の
池
(
いけ
)
で
懸賞
(
けんしやう
)
づきの
不思議
(
ふしぎ
)
な
競爭
(
きやうさう
)
があつて、
滿都
(
まんと
)
を
騷
(
さわ
)
がせた
事
(
こと
)
がある。
彼
(
あ
)
の
池
(
いけ
)
は
内端
(
うちわ
)
に
𢌞
(
まは
)
つて、
一周圍
(
ひとまはり
)
一里強
(
いちりきやう
)
だと
言
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さゐ
川
(
かは
)
から、
雲
(
くも
)
がずっと
立
(
た
)
ち
續
(
つゞ
)
いて、この
畝傍山
(
うねびやま
)
、その
山
(
やま
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
が、
騷
(
さわ
)
いでゐる。
今
(
いま
)
、
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
かうとしてゐるのだ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
食事
(
しよくじ
)
を
濟
(
す
)
ましても、
出勤
(
しゆつきん
)
の
時刻
(
じこく
)
にはまだ
大分
(
だいぶ
)
間
(
ま
)
があつた。
坂井
(
さかゐ
)
では
定
(
さだ
)
めて
騷
(
さわ
)
いでるだらうと
云
(
い
)
ふので、
文庫
(
ぶんこ
)
は
宗助
(
そうすけ
)
が
自分
(
じぶん
)
で
持
(
も
)
つて
行
(
い
)
つて
遣
(
や
)
る
事
(
こと
)
にした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうしてこの一
騷
(
さわ
)
ぎのあとから、また
久闊
(
ひさし
)
ぶりに清らかな水は廢市に注ぎ入り、樂しい祭の
前觸
(
まへぶれ
)
が、異樣な
道化
(
どうげ
)
の服裝をして、喇叭を鳴らし拍子木を打ちつゝ
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
西
(
にし
)
も
東
(
ひがし
)
も
果
(
はて
)
しなき
大洋
(
たいやう
)
の
面
(
めん
)
では、
荒浪
(
あらなみ
)
騷
(
さわ
)
ぎ、
艇
(
てい
)
跳
(
をど
)
つて、とても
仔細
(
こま
)
かい
話
(
はなし
)
などは
出來
(
でき
)
ない、かく
言
(
い
)
ふ
間
(
ま
)
も
巨濤
(
おほなみ
)
は、
舷
(
げん
)
に
碎
(
くだ
)
けて
艇
(
てい
)
覆
(
くつがへ
)
らんとす、
大尉
(
たいゐ
)
舵
(
ラタ
)
をば
右方
(
うほう
)
に
廻
(
まは
)
し、『
進
(
すゝめ
)
!。』の
一聲
(
いつせい
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一瞬、寶屋の上下は、
騷
(
さわ
)
ぎの
坩堝
(
るつぼ
)
に叩き込まれました。下女のお作の悲鳴に驚いて飛んで來た人達も、あまりのことに、何をどうして宜いかわからず、唯
呆然
(
ばうぜん
)
として顏を見合せるばかり。
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あの手
製
(
せい
)
の
暗箱
(
あんはこ
)
をこしらへた
頃
(
ころ
)
、毎日目
録
(
ろく
)
を
眺
(
なが
)
めては
樂
(
たの
)
しんでゐた
頃
(
ころ
)
、
汽
(
き
)
車の
疾走
(
しつそう
)
などを大
騷
(
さわ
)
ぎで
寫
(
うつ
)
して
喜
(
よろこ
)
んでゐた
頃
(
ころ
)
、それらを
思
(
おも
)
ひ返すと、
私
(
わたし
)
の
胸
(
むね
)
には何かしら
變
(
へん
)
な
寂
(
さび
)
しさが
湧
(
わ
)
いてくる。
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ベンヺ ロミオ、
速
(
はや
)
う!
速
(
はや
)
う
迯
(
に
)
げた! あれ、
市人
(
まちびと
)
が
騷
(
さわ
)
ぎはじむる。チッバルトは
落命
(
らくめい
)
ぢゃ。
狼狽
(
うろた
)
へてゐるところでない。
捕
(
とら
)
へられたならば、
領主
(
りゃうしゅ
)
は
死罪
(
しざい
)
を
宣告
(
せんこく
)
せう。
速
(
はや
)
う
落
(
お
)
ちた、
速
(
はや
)
う/\!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
いつもきやツきやツと
騷
(
さわ
)
いでゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
からお
品
(
しな
)
のいふなりに
成
(
な
)
るのであつた。
二人
(
ふたり
)
は
遠
(
とほ
)
くは
行
(
ゆ
)
けないので、
隣村
(
となりむら
)
の
知合
(
しりあひ
)
へ
身
(
み
)
を
投
(
とう
)
じた。
兩方
(
りやうはう
)
の
姻戚
(
みより
)
が
騷
(
さわ
)
ぎ
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
塗付
(
ぬりつけ
)
んとするならんイヤ
不屆
(
ふとゞき
)
なる女めと
眼付
(
ねめつけ
)
るにお專は少しも
騷
(
さわ
)
がず彌々爭ひ給はゞ外に見せる
物
(
もの
)
ありと
懷中
(
くわいちう
)
より一通の文を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
血
(
ち
)
の
氣
(
け
)
の
少
(
すく
)
ないのか、とやかくと、
心遣
(
こゝろづか
)
ひに
胸
(
むね
)
を
騷
(
さわ
)
がせ、
寒
(
さむ
)
さに
骨
(
ほね
)
を
冷
(
ひや
)
したれば、
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
た
持病
(
ぢびやう
)
がこゝで、
生憎
(
あいにく
)
此時
(
このとき
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
行先
(
ゆくさき
)
は
何處
(
いづこ
)
、
父
(
ちゝ
)
が
涕
(
なみだ
)
は一
夜
(
よ
)
の
騷
(
さわ
)
ぎに
夢
(
ゆめ
)
とやならん、
持
(
も
)
つまじきは
放蕩息子
(
のらむすこ
)
、
持
(
も
)
つまじきは
放蕩
(
のら
)
を
仕立
(
したつ
)
る
繼母
(
まゝはゝ
)
ぞかし。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「さあ、
御前達
(
おまへたち
)
は
此所
(
こゝ
)
で
騷
(
さわ
)
ぐんぢやない。
彼方
(
あつち
)
へ
行
(
い
)
つて
御出
(
おいで
)
。
御客
(
おきやく
)
さまだから」と
制
(
せい
)
した。
其時
(
そのとき
)
、
誰
(
だれ
)
だかすぐに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
畝傍山
(
うねびやま
)
。それには、
山
(
やま
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
が、
晝
(
ひる
)
は、
雲
(
くも
)
がかゝつてゐるように、ぢっと
靜
(
しづ
)
まつてゐて、
日暮
(
ひぐ
)
れが
來
(
く
)
ると、
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
すといふので、その
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
が
騷
(
さわ
)
いでゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
『これ、
水兵
(
すいへい
)
、
少年
(
せうねん
)
は
痛
(
ひど
)
く
疲勞
(
つかれ
)
て
居
(
を
)
る、あまり
騷
(
さわ
)
いではいかぬ』と
打笑
(
うちえ
)
みつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ヂュリ まァ、
仰山
(
ぎゃうさん
)
な
騷
(
さわ
)
ぎぢゃ!……これの、ロミオが
何
(
なん
)
と
被言
(
おッしゃ
)
った?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
隣の原また
騷
(
さわ
)
ぐなし風のみぞ夜どほし寒き空に地にきこゆ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
柳
(
やなぎ
)
に
渡
(
わた
)
る
風
(
かぜ
)
もなし、
寂然
(
しん
)
として、よく
聞
(
きこ
)
える……たゞ
空
(
そら
)
走
(
はし
)
る
雲
(
くも
)
ばかり、
月
(
つき
)
の
前
(
まへ
)
を
騷
(
さわ
)
がしい、が、
最初
(
はじめ
)
から
一
(
ひと
)
ツ
一
(
ひと
)
ツ、
朗
(
ほがらか
)
な
聲
(
こゑ
)
が
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひゞ
)
くのであつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
記憶
(
おぼえ
)
のよければ
去年
(
こぞ
)
一昨年
(
おととし
)
とさかのぼりて、
手振
(
てぶり
)
手拍子
(
てびやうし
)
ひとつも
變
(
かは
)
る
事
(
こと
)
なし、うかれ
立
(
たち
)
たる十
人
(
にん
)
あまりの
騷
(
さわ
)
ぎなれば
何事
(
なにごと
)
と
門
(
かど
)
に
立
(
たち
)
ちて
人垣
(
ひとがき
)
をつくりし
中
(
なか
)
より。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
塒
(
ねぐら
)
が
足
(
た
)
りない
喧嘩
(
けんくわ
)
なら、
銀杏
(
いてふ
)
の
方
(
はう
)
へ、いくらか
分
(
わか
)
れたら
可
(
よ
)
ささうなものだ。——
然
(
さ
)
うだ、ぽぷらの
樹
(
き
)
ばかりで
騷
(
さわ
)
ぐ。……
銀杏
(
いてふ
)
は
星空
(
ほしぞら
)
に
森然
(
しん
)
として
居
(
ゐ
)
た。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
皆
(
みんな
)
が
騷
(
さわ
)
ぐを
見
(
み
)
るばかりでは
美登利
(
みどり
)
さんだとて
面白
(
おもしろ
)
くはあるまい、
何
(
なん
)
でもお
前
(
まへ
)
の
好
(
い
)
い
物
(
もの
)
におしよと、
女
(
おんな
)
の一むれは
祭
(
まつ
)
りを
拔
(
ぬ
)
きに
常盤座
(
ときはざ
)
をと、
言
(
い
)
いたげの
口振
(
くちぶり
)
をかし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うせものがした
處
(
ところ
)
で、そんなに
騷
(
さわ
)
ぐには
當
(
あた
)
るまいと
思
(
おも
)
つた。が、さて
聞
(
き
)
くと、いや
何
(
ど
)
うして……
色紙
(
しきし
)
や
一軸
(
いちぢく
)
どころではない。——
大切
(
たいせつ
)
な
晩飯
(
ばんめし
)
の
菜
(
さい
)
がない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
(
み
)
る
目
(
め
)
がらかや
此間
(
このあひだ
)
の
事
(
こと
)
いぶかしう、
更
(
さら
)
に
霜夜
(
しもよ
)
の
御憐
(
おあは
)
れみ、
羽織
(
はをり
)
の
事
(
こと
)
さへ
取
(
とり
)
添
(
そ
)
へて、
仰々
(
ぎやう/\
)
しくも
成
(
なり
)
ぬるかな、あとなき
風
(
かぜ
)
も
騷
(
さわ
)
ぐ
世
(
よ
)
に
忍
(
しの
)
ぶが
原
(
はら
)
の
虫
(
むし
)
の
聲
(
こゑ
)
、
露
(
つゆ
)
ほどの
事
(
こと
)
あらはれて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
フト
迷
(
まよ
)
つて
顯
(
あら
)
はれたかと、
見
(
み
)
るにもの
凄
(
すご
)
いまで、この
騷
(
さわ
)
ぎに
持
(
も
)
ち
出
(
だ
)
した、
軒々
(
のき/\
)
の
提灯
(
ちやうちん
)
の
影
(
かげ
)
に
映
(
うつ
)
つたのであつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
たゞ
)
亂暴
(
らんぼう
)
一
途
(
づ
)
に
品川
(
しながは
)
へも
足
(
あし
)
は
向
(
む
)
くれど
騷
(
さわ
)
ぎは
其座
(
そのざ
)
限
(
ぎ
)
り、
夜中
(
よなか
)
に
車
(
くるま
)
を
飛
(
と
)
ばして
車町
(
くるまゝち
)
の
破落戸
(
ごろ
)
がもとをたゝき
起
(
おこ
)
し、それ
酒
(
さけ
)
かへ
肴
(
さかな
)
と、
紙入
(
かみい
)
れの
底
(
そこ
)
をはたきて
無理
(
むり
)
を
徹
(
とほ
)
すが
道樂
(
だうらく
)
なりけり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まあ
那樣事
(
そんなこと
)
は
措
(
お
)
いて、
其時
(
そのとき
)
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
で、
些
(
ちつ
)
とも
騷
(
さわ
)
がぬ、いやも
頓
(
とん
)
と
平氣
(
へいき
)
な
人
(
ひと
)
が
二人
(
ふたり
)
あつた。
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
と
可愛
(
かはい
)
らしい
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
ぢや。
※弟
(
きやうだい
)
と
見
(
み
)
えてな、
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
店
(
みせ
)
は二
間
(
けん
)
間口
(
まぐち
)
の二
階
(
かい
)
作
(
づく
)
り、
軒
(
のき
)
には
御神燈
(
ごしんとう
)
さげて
盛
(
も
)
り
鹽
(
じほ
)
景氣
(
けいき
)
よく、
空壜
(
あきびん
)
か
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
らず、
銘酒
(
めいしゆ
)
あまた
棚
(
たな
)
の
上
(
うへ
)
にならべて
帳塲
(
ちようば
)
めきたる
處
(
ところ
)
もみゆ、
勝手元
(
かつてもと
)
には七
輪
(
りん
)
を
煽
(
あほ
)
く
音
(
おと
)
折々
(
をり/\
)
に
騷
(
さわ
)
がしく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夜
(
よ
)
もやゝ
更
(
ふ
)
けて、
食堂
(
しよくだう
)
の、
白
(
しろ
)
く
伽藍
(
がらん
)
としたあたり、ぐら/\と
搖
(
ゆ
)
れるのが、
天井
(
てんじやう
)
で
鼠
(
ねずみ
)
が
騷
(
さわ
)
ぐやうである。……
矢張
(
やつぱ
)
り
旅
(
たび
)
はもの
寂
(
さび
)
しい、
酒
(
さけ
)
の
銘
(
めい
)
さへ、
孝子正宗
(
かうしまさむね
)
。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さわいでさわいで
騷
(
さわ
)
ぎぬかうと
思
(
おも
)
ひますとて
手
(
て
)
を
扣
(
たゝ
)
いて
朋輩
(
ほうばい
)
を
呼
(
よ
)
べば
力
(
りき
)
ちやん
大分
(
だいぶ
)
おしめやかだねと三十
女
(
おんな
)
の
厚化粧
(
あつげしよう
)
が
來
(
く
)
るに、おい
此娘
(
このこ
)
の
可愛
(
かあい
)
い
人
(
ひと
)
は
何
(
なん
)
といふ
名
(
な
)
だと
突然
(
だしぬけ
)
に
問
(
と
)
はれて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
家族
(
かぞく
)
は
一統
(
いつとう
)
、
加持
(
かぢ
)
よ
祈祷
(
きたう
)
よ、と
青
(
あを
)
くなつて
騷
(
さわ
)
いだが、
私
(
わたし
)
に
似
(
に
)
ない
其主人
(
そのしゆじん
)
、
膽
(
たん
)
が
据
(
すわ
)
つて
聊
(
いさゝ
)
かも
騷
(
さわ
)
がない。
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
騷
部首:⾺
20画
“騷”を含む語句
騷動
大騷
騷擾
騷々
胸騷
騷立
大騷動
騷然
立騷
物騷
潮騷
此騷
騷劇
騷々敷
騷客
風騷
騷方
祭騷
群立騷
空騷
...