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樣子
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やうす
ふりがな文庫
“
樣子
(
やうす
)” の例文
新字:
様子
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
き
)
くと、
汽船會社
(
きせんぐわいしや
)
の
無錢
(
たゞ
)
で
景物
(
けいぶつ
)
は、
裏切
(
うらぎ
)
られた。
何
(
ど
)
うも
眞個
(
ほんたう
)
ではないらしいのに、がつかりしたが、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
の
景色
(
けしき
)
は
忘
(
わす
)
れない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つく/″\と小池は、
田舍
(
ゐなか
)
の小ひさな町に住みながら東京風の生活に
憧
(
あこが
)
れて、無駄な物入りに苦んでゐるらしい
母子
(
おやこ
)
の
樣子
(
やうす
)
を考へた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
借る程の者なれば
油斷
(
ゆだん
)
ならざる男なりと言れし時三郎兵衞はギヨツとせし
樣子
(
やうす
)
を見られしが又四郎右衞門は
身代
(
しんだい
)
の
果程
(
はてほど
)
有
(
あり
)
て
困
(
こま
)
つた事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
ど
)
ういふ
樣子
(
やうす
)
何
(
ど
)
のやうな
事
(
こと
)
をいふて
行
(
ゆ
)
きましたかとも
問
(
と
)
ひたけれど
悋氣男
(
りんきをとこ
)
と
忖度
(
つも
)
らるゝも
口惜
(
くちを
)
しく、
夫
(
そ
)
れは
種々
(
いろ/\
)
御厄介
(
ごやつかい
)
で
御座
(
ござ
)
りました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
その
)
二尺
(
にしやく
)
程
(
ほど
)
下
(
した
)
の
勾配
(
こうばい
)
の
一番
(
いちばん
)
急
(
きふ
)
な
所
(
ところ
)
に
生
(
は
)
えてゐる
枯草
(
かれくさ
)
が、
妙
(
めう
)
に
摺
(
す
)
り
剥
(
む
)
けて、
赤土
(
あかつち
)
の
肌
(
はだ
)
を
生々
(
なま/\
)
しく
露出
(
ろしゆつ
)
した
樣子
(
やうす
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
は
一寸
(
ちよつと
)
驚
(
おど
)
ろかされた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
『あゝ、
皆
(
みな
)
私
(
わたくし
)
が
惡
(
わる
)
いのだ、
私
(
わたくし
)
の
失策
(
しくじ
)
つたばかりに、
一同
(
みんな
)
に
此樣
(
こん
)
な
憂目
(
うきめ
)
を
見
(
み
)
せる
事
(
こと
)
か。』と
深
(
ふか
)
く
嘆息
(
たんそく
)
したが、
忽
(
たちま
)
ち
心
(
こゝろ
)
を
取直
(
とりなほ
)
した
樣子
(
やうす
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
そして、ちよつと
息
(
いき
)
を
入
(
い
)
れたやうな
樣子
(
やうす
)
をすると、
今度
(
こんど
)
はまた
頭
(
あたま
)
と
前脚
(
まへあし
)
を
盛
(
さかん
)
に
動
(
うご
)
かしながら
掘
(
ほ
)
り
返
(
かへ
)
した
土
(
つち
)
で
穴
(
あな
)
を
埋
(
う
)
め
出
(
だ
)
した。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
と、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く
非常
(
ひじやう
)
に
興奮
(
こうふん
)
した
樣子
(
やうす
)
で、
眞赤
(
まつか
)
な
顏
(
かほ
)
をし、
髮
(
かみ
)
も
茫々
(
ばう/\
)
として
宿
(
やど
)
に
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
而
(
さう
)
して
何
(
なに
)
か
獨語
(
ひとりごと
)
しながら、
室内
(
しつない
)
を
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
急
(
いそ
)
いで
歩
(
ある
)
く。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
最
(
もつと
)
も
左樣
(
さう
)
する
前
(
まへ
)
に
老人
(
らうじん
)
と
小聲
(
こゞゑ
)
で
一寸
(
ちよつ
)
と
相談
(
さうだん
)
があつたらしく、
金貸
(
かねかし
)
らしい
老人
(
らうじん
)
は『
勿論
(
もちろん
)
のこと』と
言
(
い
)
ひたげな
樣子
(
やうす
)
を
首
(
くび
)
の
振
(
ふ
)
り
方
(
かた
)
で
見
(
み
)
せてたのであつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
自分
(
じぶん
)
の
夫
(
をつと
)
は、その
頃
(
ころ
)
どんな
樣子
(
やうす
)
をしてゐたらう。もしもその
時
(
とき
)
から
二人
(
ふたり
)
が
知
(
し
)
り
合
(
あひ
)
になつてゐたならば、どうなつたらう。やはり
夫婦
(
ふうふ
)
になつたであらうか。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
他
地方
(
ちはう
)
より出でたる糸掛け石も
形状
(
けいじやう
)
大さとも概ね
此例
(
このれい
)
の如し。此
石器
(
せきき
)
の用は未だ詳ならざれども切り目の
樣子
(
やうす
)
を見れば糸を以て
括
(
くく
)
りたるものなる事疑ひ無し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
石井三右衞門の邸は、大變な騷ぎになりましたが、まだ、正氣付いたばかりで、二人の醫者が詰め切りで
樣子
(
やうす
)
を見て居る主人の三右衞門には聞かせるわけに行きません。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
なんといふことのない
變
(
かは
)
つた
點
(
てん
)
もない
草
(
くさ
)
の
花
(
はな
)
、この
咲
(
さ
)
いてゐる
野
(
の
)
の
春景色
(
はるげしき
)
、とぱっと
廣
(
ひろ
)
い
樣子
(
やうす
)
を
現
(
あらは
)
して
來
(
き
)
て、
下
(
しも
)
の
句
(
く
)
で、
自分
(
じぶん
)
はどこにをつて、
何
(
なに
)
をしてゐるかといふことを
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
バルタ いや、
僕
(
ぼく
)
は
能
(
え
)
い
行
(
ゆ
)
きませぬ。
主人
(
しゅじん
)
は
僕
(
わたくし
)
をば
既
(
はや
)
往
(
い
)
んだとのみ
思
(
おも
)
うてをられます。
若
(
も
)
しも
此處
(
こゝ
)
に
止
(
とゞ
)
まって
樣子
(
やうす
)
など
窺
(
うかゞ
)
はうならば、
斬殺
(
きりころ
)
してのけうと、
怖
(
おそろ
)
しい
見脈
(
けんみゃく
)
で
嚇
(
おど
)
されました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
子供
(
こども
)
は
少
(
すこ
)
し
見當
(
けんたう
)
が
附
(
つ
)
いたらしい
樣子
(
やうす
)
で、「
詩
(
し
)
はむづかしくてわからないかも
知
(
し
)
れませんが、その
寒山
(
かんざん
)
と
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
だの、それと
一
(
いつ
)
しよにゐる
拾得
(
じつとく
)
と
云
(
い
)
ふ
人
(
ひと
)
だのは、どんな
人
(
ひと
)
でございます」と
云
(
い
)
つた。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
樣子
(
やうす
)
あつて云ひかはせし、夫の名は申されぬが、わたし故に騷動起り、その場へ立合ひ
手疵
(
てきず
)
を負ひ、一旦
本復
(
ほんぷく
)
あつたれど、この頃はしきりに痛み、いろ/\介抱盡せども
效
(
しるし
)
なく、立寄る
方
(
かた
)
も旅の空
近松半二の死
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私
(
わたし
)
は
雪籠
(
ゆきごも
)
りの
許
(
ゆるし
)
を
受
(
う
)
けようとして、たど/\と
近
(
ちか
)
づきましたが、
扉
(
とびら
)
のしまつた
中
(
なか
)
の
樣子
(
やうす
)
を、
硝子窓越
(
がらすまどごし
)
に、ふと
見
(
み
)
て
茫然
(
ばうぜん
)
と
立
(
た
)
ちました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
逆手
(
さかて
)
に
持
(
もち
)
し
儘
(
まゝ
)
氣
(
き
)
を
失
(
うしな
)
ひて
倒
(
たふ
)
れ
居
(
ゐ
)
たりしかば是は
何事
(
なにごと
)
ならんと
氣付
(
きつけ
)
を
與
(
あた
)
へて
樣子
(
やうす
)
を
聞
(
きく
)
に
敵討
(
かたきうち
)
なりと申
故
(
ゆゑ
)
半左衞門
(
はんざゑもん
)
大
(
おほ
)
いに驚き
早々
(
さう/\
)
町役人
(
ちやうやくにん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
天下
(
てんか
)
の
役人
(
やくにん
)
が、
皆
(
みな
)
其方
(
そち
)
のやうに
潔白
(
けつぱく
)
だと、
何
(
なに
)
も
言
(
い
)
ふことがないのだが。‥‥』と、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
感慨
(
かんがい
)
に
堪
(
た
)
へぬといふ
樣子
(
やうす
)
をした。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此時
(
このとき
)
にふと
心付
(
こゝろつ
)
くと、
何者
(
なにもの
)
か
私
(
わたくし
)
の
後
(
うしろ
)
にこそ/\と
尾行
(
びかう
)
して
來
(
く
)
る
樣子
(
やうす
)
、オヤ
變
(
へん
)
だと
振返
(
ふりかへ
)
る、
途端
(
とたん
)
に
其
(
その
)
影
(
かげ
)
は
轉
(
まろ
)
ぶが
如
(
ごと
)
く
私
(
わたくし
)
の
足許
(
あしもと
)
へ
走
(
はし
)
り
寄
(
よ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「さうですな、
拜見
(
はいけん
)
に
出
(
で
)
ても
可
(
よ
)
うがす」と
輕
(
かる
)
く
受合
(
うけあ
)
つたが、
別
(
べつ
)
に
氣
(
き
)
の
乘
(
の
)
つた
樣子
(
やうす
)
もないので、
御米
(
およね
)
は
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
少
(
すこ
)
し
失望
(
しつばう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
用
(
もち
)
ひて
浮々
(
うき/\
)
とせし
樣子
(
やうす
)
に
扨
(
さて
)
は
眞
(
まこと
)
に
悔悟
(
くわいご
)
して
其心
(
そのこゝろ
)
にもなりぬるかと
落附
(
おちつ
)
くは
運平
(
うんぺい
)
のみならず
内外
(
うちと
)
のものも
同
(
おな
)
じこと
少
(
すこ
)
し
枕
(
まくら
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
箱根
(
はこね
)
、
伊豆
(
いづ
)
の
方面
(
はうめん
)
へ
旅行
(
りよかう
)
する
者
(
もの
)
は
國府津
(
こふづ
)
まで
來
(
く
)
ると
最早
(
もはや
)
目的地
(
もくてきち
)
の
傍
(
そば
)
まで
着
(
つ
)
ゐた
氣
(
き
)
がして
心
(
こゝろ
)
も
勇
(
いさ
)
むのが
常
(
つね
)
であるが、
自分等
(
じぶんら
)
二人
(
ふたり
)
は
全然
(
まるで
)
そんな
樣子
(
やうす
)
もなかつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
何
(
なに
)
を
那樣
(
そんな
)
に
喜
(
よろこ
)
ぶのか
私
(
わたくし
)
には
譯
(
わけ
)
が
分
(
わか
)
りません。』と、
院長
(
ゐんちやう
)
はイワン、デミトリチの
樣子
(
やうす
)
が
宛然
(
まるで
)
芝居
(
しばゐ
)
のやうだと
思
(
おも
)
ひながら、
又
(
また
)
其風
(
そのふう
)
が
酷
(
ひど
)
く
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
つて
云
(
い
)
ふた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして、その
間
(
あひだ
)
にも
絶
(
た
)
えず三
人
(
にん
)
の
樣子
(
やうす
)
を
警戒
(
けいかい
)
し、なほも二三
度
(
ど
)
蜘蛛
(
くも
)
の
死骸
(
しがい
)
の
存在
(
そんざい
)
をたしかめに
行
(
い
)
つた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
と、
彼女
(
かれ
)
はいつも、その
頃
(
ころ
)
の
自分
(
じぶん
)
の
樣子
(
やうす
)
やいろ/\こまかい
出來
(
でき
)
ごとまで
思浮
(
おもひうか
)
べながら
云
(
い
)
つた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
然
(
さ
)
うですね、
年少
(
としわか
)
な
田舍
(
ゐなか
)
の
大盡
(
だいじん
)
が、
相場
(
さうば
)
に
掛
(
かゝ
)
つて
失敗
(
しつぱい
)
でもしたか、
婦
(
をんな
)
に
引掛
(
ひつかゝ
)
つて
酷
(
ひど
)
く
費消
(
つかひ
)
過
(
す
)
ぎた……とでも
云
(
い
)
ふのかと
見
(
み
)
える
樣子
(
やうす
)
です。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ハテ、
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふ
女
(
をんな
)
だと
私
(
わたくし
)
は
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
めたが、よく
見
(
み
)
ると、
老女
(
らうぢよ
)
は、
何事
(
なにごと
)
にか
痛
(
いた
)
く
心
(
こゝろ
)
を
惱
(
なや
)
まして
居
(
を
)
る
樣子
(
やうす
)
なので、
私
(
わたくし
)
は
逆
(
さか
)
らはない
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
目懸惡漢共に付込れし所
僥倖
(
さいはひ
)
に
貴公樣
(
あなたさま
)
の
御庇蔭
(
おかげ
)
を以て一命を無難に助かり候事呉々有難く候と涙を流して
語
(
かた
)
りければ旅の武士は
始終
(
しじう
)
樣子
(
やうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
漸
(
やうや
)
く
醫者
(
いしや
)
が
來
(
き
)
たときは、
始
(
はじ
)
めて
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けた
樣
(
やう
)
な
心持
(
こゝろもち
)
がした。
醫者
(
いしや
)
は
商買柄
(
しやうばいがら
)
丈
(
だけ
)
あつて、
少
(
すこ
)
しも
狼狽
(
うろた
)
へた
樣子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
せなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
が
方
(
かた
)
に
變
(
かは
)
る
心
(
こゝろ
)
なければ、一日も百
年
(
ねん
)
も
同
(
おな
)
じ
日
(
ひ
)
を
送
(
おく
)
れども
其頃
(
そのころ
)
より
美尾
(
みを
)
が
樣子
(
やうす
)
の
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
に
怪
(
あや
)
しく、ぼんやりと
空
(
そら
)
を
眺
(
なが
)
めて
物
(
もの
)
の
手
(
て
)
につかぬ
不審
(
いぶか
)
しさ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
けれども
校長
(
かうちやう
)
の
之
(
かれ
)
に
對
(
たい
)
する
樣子
(
やうす
)
は
郡長樣
(
ぐんちやうさん
)
に
對
(
たい
)
する
程
(
ほど
)
の
丁寧
(
ていねい
)
なことなので、
既
(
すで
)
に
浮世
(
うきよ
)
の
虚榮心
(
きよえいしん
)
に
心
(
こゝろ
)
の
幾分
(
いくぶん
)
を
染
(
そ
)
められて
居
(
ゐ
)
た
僕
(
ぼく
)
の
目
(
め
)
には
全
(
まつた
)
く
怪
(
あや
)
しく
映
(
うつ
)
つたのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼
(
かれ
)
は
其後
(
そのご
)
病院
(
びやうゐん
)
に二
度
(
ど
)
イワン、デミトリチを
尋
(
たづ
)
ねたので
有
(
あ
)
るがイワン、デミトリチは二
度
(
ど
)
ながら
非常
(
ひじやう
)
に
興奮
(
こうふん
)
して、
激昂
(
げきかう
)
してゐた
樣子
(
やうす
)
で、
饒舌
(
しやべ
)
る
事
(
こと
)
はもう
飽
(
あ
)
きたと
云
(
い
)
つて
彼
(
かれ
)
を
拒絶
(
きよぜつ
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
『
百姓
(
ひやくしやう
)
乘
(
の
)
れ、
町人
(
ちやうにん
)
乘
(
の
)
れ、
同船
(
どうせん
)
許
(
ゆる
)
す。』と、
手招
(
てまね
)
きした。
天滿與力
(
てんまよりき
)
がすご/\と
船
(
ふね
)
から
出
(
で
)
るのに、ざまア
見
(
み
)
ろと
言
(
い
)
はぬばかりの
樣子
(
やうす
)
で
摺
(
す
)
れちがつて、
百姓
(
ひやくしやう
)
町人
(
ちやうにん
)
はどや/\と
舟
(
ふね
)
に
乘
(
の
)
つて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
武生
(
たけふ
)
の
富藏
(
とみざう
)
が
受合
(
うはあ
)
ひました、
何
(
なん
)
にしろお
泊
(
とま
)
んなすつて、
今夜
(
こんや
)
の
樣子
(
やうす
)
を
御覽
(
ごらう
)
じまし。
此
(
こ
)
の
雪
(
ゆき
)
の
止
(
や
)
むか
止
(
や
)
まぬかが
勝負
(
しようぶ
)
でござります。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今宵
(
こよひ
)
の
用
(
もち
)
ひだけありしか
如何
(
いか
)
に、さらでも
御不自由
(
ごふじいう
)
のお
兩親
(
ふたり
)
が
燈火
(
ともしび
)
なくば
嘸
(
さぞ
)
お
困
(
こま
)
り
早
(
はや
)
く
歸
(
かへ
)
りて
樣子
(
やうす
)
知
(
し
)
りたきもの
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一日
(
いちにち
)
又
(
また
)
一日
(
いちにち
)
と
働
(
はた
)
らいて
老
(
おい
)
の
至
(
いた
)
るのを
少
(
すこ
)
しも
感
(
かん
)
じない
樣子
(
やうす
)
です。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
いや、
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
手代
(
てだい
)
の
樣子
(
やうす
)
が、
井戸
(
ゐど
)
に
落
(
おと
)
した
音
(
おと
)
のやうで、ポカンとしたものであつた、と
云
(
い
)
ふ。さて/\
油斷
(
ゆだん
)
は
成
(
な
)
らぬ
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朝之助
(
とものすけ
)
は
寢
(
ね
)
ころんで
愉快
(
ゆくわい
)
らしく
話
(
はな
)
しを
仕
(
し
)
かけるを、お
力
(
りき
)
はうるさゝうに
生返事
(
なまへんじ
)
をして
何
(
なに
)
やらん
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
る
樣子
(
やうす
)
、どうかしたか、
又
(
また
)
頭痛
(
づゝう
)
でもはじまつたかと
聞
(
き
)
かれて
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして
倅
(
せがれ
)
から
食
(
く
)
ふだけの
仕送
(
しおく
)
りを
爲
(
し
)
て
貰
(
もら
)
つてる
樣子
(
やうす
)
である。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
何
(
なん
)
となく
浮世
(
うきよ
)
から
離
(
はな
)
れた
樣子
(
やうす
)
で、
滅多
(
めつた
)
に
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
せない
其
(
そ
)
の
女主人
(
をんなあるじ
)
が、でも、
端近
(
はしぢか
)
へは
出
(
で
)
ないで、
座敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
ほどに
一人
(
ひとり
)
で
居
(
ゐ
)
た。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さしも
危
(
あや
)
ふく
思
(
おも
)
ひし
事
(
こと
)
の
左
(
さ
)
りとは
事
(
こと
)
なしに
終
(
おは
)
りしかと
重荷
(
おもに
)
の
下
(
お
)
りたるやうにも
覺
(
おぼ
)
ゆれば、
産婦
(
さんぷ
)
の
樣子
(
やうす
)
いかにやと
覗
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
るに、
高枕
(
たかまくら
)
にかゝりて
鉢卷
(
はちまき
)
にみだれ
髮
(
がみ
)
の
姿
(
すがた
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
昔
(
むかし
)
のまゝだつたが、
一棟
(
ひとむね
)
、
西洋館
(
せいやうくわん
)
が
別
(
べつ
)
に
立
(
た
)
ち、
帳場
(
ちやうば
)
も
卓子
(
テエブル
)
を
置
(
お
)
いた
受附
(
うけつけ
)
に
成
(
な
)
つて、
蔦屋
(
つたや
)
の
樣子
(
やうす
)
はかはつて
居
(
ゐ
)
ました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
だか
可笑
(
をか
)
しな
樣子
(
やうす
)
だね
私
(
わたし
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
が
何
(
なに
)
か
疳
(
かん
)
にでも
障
(
さは
)
つたの、それなら
其
(
その
)
やうに
言
(
い
)
つて
呉
(
く
)
れたが
宜
(
い
)
い、
默
(
だま
)
つて
其樣
(
そん
)
な
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
られると
氣
(
き
)
に
成
(
な
)
つて
仕方
(
しかた
)
が
無
(
な
)
いと
言
(
い
)
へば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
それ
)
は、
此方
(
こちら
)
とは
違
(
ちが
)
つて、はじめから
樣子
(
やうす
)
のよかつたのが、
急
(
きふ
)
に
變
(
へん
)
がかはつておなくなりになりました。
死骸
(
しがい
)
は、あけ
方
(
がた
)
に
裏門
(
うらもん
)
を
出
(
で
)
て
行
(
ゆ
)
きました。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
我身
(
わがみ
)
の
上
(
うへ
)
にも
知
(
し
)
られまするとて
物
(
もの
)
思
(
おも
)
はしき
風情
(
ふぜい
)
、お
前
(
まへ
)
は
出世
(
しゆつせ
)
を
望
(
のぞ
)
むなと
突然
(
だしぬけ
)
に
朝之助
(
とものすけ
)
に
言
(
い
)
はれて、ゑツと
驚
(
おどろ
)
きし
樣子
(
やうす
)
に
見
(
み
)
えしが、
私等
(
わたしら
)
が
身
(
み
)
にて
望
(
のぞ
)
んだ
處
(
ところ
)
が
味噌
(
みそ
)
こしが
落
(
おち
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一時餘
(
いつときあまり
)
經
(
た
)
ちぬれども
出
(
い
)
でよとはのたまはず、はた
出
(
い
)
だし
給
(
たま
)
ふべき
樣子
(
やうす
)
もなし。
彼者
(
かのもの
)
堪兼
(
たまりか
)
ねて、「
最早
(
もはや
)
御出
(
おだ
)
し
下
(
くだ
)
さるべし、
御慈悲
(
ごじひ
)
に
候
(
さふらふ
)
」と
乞
(
こ
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我欲
(
がよく
)
の
目當
(
めあ
)
てが
明
(
あき
)
らかに
見
(
み
)
えねば
笑
(
わら
)
ひかけた
口
(
くち
)
もとまで
結
(
むす
)
んで
見
(
み
)
せる
現金
(
げんきん
)
の
樣子
(
やうす
)
まで、
度〻
(
たび/\
)
の
經驗
(
けいけん
)
に
大方
(
おほかた
)
は
會得
(
えとく
)
のつきて、
此家
(
このや
)
にあらんとには
金
(
かね
)
づかひ
奇麗
(
きれい
)
に
損
(
そん
)
をかけず
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
濱野
(
はまの
)
さんは、
其
(
そ
)
の
元園町
(
もとぞのちやう
)
の
下宿
(
げしゆく
)
の
樣子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
に
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
た。——
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
にも、
其
(
そ
)
の
宿
(
やど
)
では
澤山
(
たくさん
)
の
書籍
(
しよせき
)
と
衣類
(
いるゐ
)
とを
焚
(
や
)
いた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えぬ
繩
(
なは
)
につながれて
引
(
ひ
)
かれてゆくやうな
我
(
わ
)
れをば、あなたは
眞
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
ふてくれねば、
勝手
(
かつて
)
にしろといふ
風
(
ふう
)
で
我
(
わ
)
れの
事
(
こと
)
とては
少
(
すこ
)
しも
察
(
さつ
)
してくれる
樣子
(
やうす
)
が
見
(
み
)
えぬ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
樣
部首:⽊
15画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“樣子”で始まる語句
樣子也
樣子見