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情
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じやう
ふりがな文庫
“
情
(
じやう
)” の例文
石狩
(
いしかり
)
の野は雲低く迷ひて車窓より眺むれば野にも山にも恐ろしき自然の力あふれ、此処に愛なく
情
(
じやう
)
なく、見るとして荒涼、寂寞
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
之
(
これ
)
が
俗
(
ぞく
)
に
謂
(
い
)
ふ
虫
(
むし
)
の
知
(
し
)
らせとでもいふものであらうかと、
後
(
のち
)
に
思
(
おも
)
ひ
當
(
あた
)
つたが、
此時
(
このとき
)
はたゞ
離別
(
りべつ
)
の
情
(
じやう
)
さこそと
思
(
おも
)
ひ
遣
(
や
)
るばかりで、
私
(
わたくし
)
は
打點頭
(
うちうなづ
)
き
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
して、事
露
(
あらは
)
れなば
一振
(
ひとふり
)
の
刃
(
やいば
)
に血を見るばかり。
情
(
じやう
)
の火花のぱつと燃えては消え失せる
一刹那
(
いつせつな
)
の夢こそ
乃
(
すなは
)
ち熱き此の国の人生の
凡
(
すべ
)
てゞあらう。
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
愛に対する道徳の罪人は
那辺
(
なへん
)
にか
出来
(
いできた
)
らむ、女子は
情
(
じやう
)
のために其夫を毒殺するの要なきなり。男子は愛のために密通することを要せざるなり。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かの女が餘ほど
情
(
じやう
)
の籠つた時の外はおだやかに出ず、どことなく皮肉なやうな、いぢけたやうな物の云ひ振りをするのを、社會一般から見て
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
は
行
(
ゆ
)
く/\
午前
(
ごぜん
)
に
見
(
み
)
て
暫
(
しばら
)
く
忘
(
わす
)
れて
居
(
ゐ
)
た
百姓
(
ひやくしやう
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
再
(
ふたゝ
)
び
目前
(
もくぜん
)
に
見
(
み
)
せ
付
(
つけ
)
られて
隱
(
かく
)
れて
居
(
ゐ
)
た
憤懣
(
ふんまん
)
の
情
(
じやう
)
が
復
(
ま
)
た
勃々
(
むか/\
)
と
首
(
くび
)
を
擡
(
もた
)
げた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
情
(
じやう
)
のないしぐさで、そんな風なスタイルを見せる一種のポーズが、ゆき子には、中学生のやうながんこさに見えた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
夫
(
それ
)
羅山
(
らざん
)
の
口号
(
こうがう
)
に
曰
(
いはく
)
、
萬葉集
(
まんえふしふ
)
は
古詩
(
こし
)
に
似
(
に
)
たり、
古今集
(
こきんしふ
)
は
唐詩
(
たうし
)
に
似
(
に
)
たり、
伊勢物語
(
いせものがたり
)
は
変風
(
へんぷう
)
の
情
(
じやう
)
を
発
(
はつ
)
するに
贋
(
にせ
)
たり、
源氏物語
(
げんじものがたり
)
は
荘子
(
さうし
)
と
天台
(
てんだい
)
の
書
(
しよ
)
に
似
(
に
)
たりとあり。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
敵を
殺
(
ころ
)
したる時
復讐
(
ふくしう
)
の意を以て其肉を食ふとか、
親戚
(
しんせき
)
の死したる時
敬慕
(
けいぼ
)
の
情
(
じやう
)
を表す爲其肉を食ふとか、
幾分
(
いくぶん
)
かの
制限
(
せいげん
)
は何れの塲合にも
存在
(
そんざい
)
するものなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
其
(
そ
)
れで
私
(
わたくし
)
は
反應
(
はんおう
)
してゐます。
即
(
すなはち
)
疼痛
(
とうつう
)
に
對
(
たい
)
しては、
絶※
(
ぜつけう
)
と、
涙
(
なんだ
)
とを
以
(
もつ
)
て
答
(
こた
)
へ、
虚僞
(
きよぎ
)
に
對
(
たい
)
しては
憤懣
(
ふんまん
)
を
以
(
もつ
)
て、
陋劣
(
ろうれつ
)
に
對
(
たい
)
しては
厭惡
(
えんを
)
の
情
(
じやう
)
を
以
(
もつ
)
て
答
(
こた
)
へてゐるです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
病身の、
情
(
じやう
)
ぶかい母親の看病もする。三造は物が叮寧である、叮寧すぎさへする。あゝ、三造は叮寧である。
青年青木三造
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
漢
(
をとこ
)
は
自分
(
じぶん
)
のかたる
浄瑠璃
(
じやうるり
)
に、さも
情
(
じやう
)
がうつったやうな
身振
(
みぶり
)
をして
人形
(
にんぎやう
)
をつかつてゐました。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
非
(
ひ
)
、
終
(
つひ
)
に
韓
(
かん
)
の
爲
(
ため
)
にして、
秦
(
しん
)
の
爲
(
た
)
めにせず、
(一一六)
此
(
こ
)
れ
人
(
ひと
)
の
情
(
じやう
)
也
(
なり
)
。
今
(
いま
)
、
王
(
わう
)
、
用
(
もち
)
ひず、
久
(
ひさ
)
しく
留
(
とど
)
めて
之
(
これ
)
を
歸
(
かへ
)
さば、
此
(
こ
)
れ
自
(
みづか
)
ら
患
(
うれひ
)
を
遺
(
のこ
)
す
也
(
なり
)
。
(一一七)
過法
(
くわはふ
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
誅
(
ちう
)
するに
如
(
し
)
かず
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
だんだん馴れて来たせゐもあるんだけど、そん時の眼なんか、あたしたち女にさへ
真似
(
まね
)
のできないやうな、優しいつていふのか、
情
(
じやう
)
の籠つたつていふのか、まあ、そんな眼だわね。
モノロオグ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
鳴く蝉よりも鳴かぬ螢の身を焦すもあるに、聲なき哀れの深さに
較
(
くら
)
ぶれば、
仇浪
(
あだなみ
)
立てる此胸の淺瀬は物の
數
(
かず
)
ならず。そもや心なき草も春に遇へば笑ひ、
情
(
じやう
)
なき蟲も秋に感ずれば鳴く。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
出た
限
(
ぎり
)
一
向
(
かう
)
便
(
たより
)
もないゆゑ私しも
兄弟
(
きやうだい
)
の
情
(
じやう
)
にて今頃は
何國
(
いづく
)
に何をして居けるやら行當り
爲撥
(
ばつたり
)
死
(
しに
)
はせぬかなどと案じて見たが其後三年ばかり立と
不※
(
ふと
)
讃岐
(
さぬき
)
の丸龜より
書状
(
しよじやう
)
が屆いたゆゑ夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
涙なくては
情
(
じやう
)
もなかるらむ。涙なくては誠もなかるらむ。狂ひに狂ひしバイロンには涙も細繩ほどの役にも立ざりしなるべけれど、世間おほかたのものを繋ぎ止むるはこの宝なるべし。
山庵雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ゐない時は、やさしく、はにかんでゐるかと思ふと、なぜと云ふこともなく度々陰気な物案じに陥いる。ドルフが出てさへ来れば、
情
(
じやう
)
のある口の両脇に二本の
𧞃
(
ひだ
)
が出来て、上唇を上へ弔り上げる。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
寄
(
よ
)
る
邊
(
べ
)
なき
御身
(
おんみ
)
憐
(
あは
)
れやとの
情
(
じやう
)
やう/\
長
(
ちやう
)
じては、
我
(
わ
)
れ
一人
(
ひとり
)
をば
天
(
あま
)
が
下
(
した
)
の
頼
(
たの
)
もし
人
(
びと
)
にして、一にも
松野
(
まつの
)
二にも
松野
(
まつの
)
と、
隔
(
へ
)
だてなく
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
甘
(
あま
)
へもしつ
㑃強
(
すね
)
もしつ、
睦
(
むつ
)
れよる
心
(
こゝろ
)
愛
(
あい
)
らしさよと
思
(
おも
)
ひしが
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それにあの
情
(
じやう
)
の薄く我儘な私と三つ違いの
異母姉
(
ねえ
)
さんも
可哀
(
かはい
)
い姿で踊つた。
五歳
(
いつつ
)
六歳
(
むつつ
)
の私もまた引き入れられて、眞白に白粉を塗り、
派出
(
はで
)
なきものをつけて、何がなしに小さい手をひらいて踊つた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
情
(
じやう
)
の上の感じをさせるやうにもなる。
妄想
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
着代
(
きかへ
)
をすゝむる
情
(
じやう
)
の
素振
(
そぶり
)
よ。
焔の后
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
とざせる胸に
情
(
じやう
)
のたかまり
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
情
(
じやう
)
をいつはること知りぬ
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
神よ
情
(
じやう
)
ある人の子に
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
情
(
じやう
)
立てましよと
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
祠
(
ほこら
)
に
近
(
ちか
)
き
處
(
ところ
)
少年
(
せうねん
)
の
僧
(
そう
)
あり。
豫
(
かね
)
て
聰明
(
そうめい
)
をもつて
聞
(
きこ
)
ゆ。
含春
(
がんしゆん
)
が
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
て、
愛戀
(
あいれん
)
の
情
(
じやう
)
に
堪
(
た
)
へず、
柳氏
(
りうし
)
の
姓
(
せい
)
を
呪願
(
じゆぐわん
)
して、
密
(
ひそか
)
に
帝祠
(
ていし
)
に
奉
(
たてまつ
)
る。
其
(
そ
)
の
句
(
ことば
)
に
曰
(
いは
)
く
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
與吉
(
よきち
)
の
無意識
(
むいしき
)
な
告口
(
つげぐち
)
から
酷
(
ひど
)
く
悲
(
かな
)
しく
果敢
(
はか
)
なくなつて
後
(
あと
)
で
獨
(
ひとり
)
で
泣
(
な
)
いた。
憤怒
(
ふんぬ
)
の
情
(
じやう
)
を
燃
(
もや
)
すのには
彼
(
かれ
)
は
餘
(
あまり
)
に
彼
(
つか
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
高価な時計を買つたりしてゐる富岡の心沙汰が、
情
(
じやう
)
の薄いものに思はれてきた。林檎をむいて富岡が半分くれた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
僕
(
ぼく
)
は
此
(
この
)
少女
(
せうぢよ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
すと
共
(
とも
)
に『
戀
(
こひ
)
しい』、『
見
(
み
)
たい』、『
逢
(
あ
)
ひたい』の
情
(
じやう
)
がむら/\とこみ
上
(
あ
)
げて
來
(
き
)
た。
君
(
きみ
)
が
何
(
なん
)
と
言
(
い
)
はうとも
實際
(
じつさい
)
さうであつたから
仕方
(
しかた
)
がない。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
いくら
惡人
(
あくにん
)
でも、
親子
(
おやこ
)
の
情
(
じやう
)
はまた
格別
(
かくべつ
)
と
見
(
み
)
へ、
正直
(
しやうじき
)
なる
亞尼
(
アンニー
)
は「
一寸
(
ちよつと
)
お
出
(
い
)
で。」と
其
(
その
)
子
(
こ
)
をば、
其邊
(
そのへん
)
の
小
(
ちい
)
さい
料理屋
(
れうりや
)
へ
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
つて、
自分
(
じぶん
)
の
貧
(
さび
)
しい
財嚢
(
さいふ
)
を
傾
(
かたむ
)
けて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其夜
(
そのよ
)
は
慙恨
(
ざんこん
)
の
情
(
じやう
)
に
驅
(
か
)
られて、一
睡
(
すゐ
)
だも
爲
(
せ
)
ず、
翌朝
(
よくてう
)
遂
(
つひ
)
に
意
(
い
)
を
决
(
けつ
)
して、
局長
(
きよくちやう
)
の
所
(
ところ
)
へと
詑
(
わび
)
に
出掛
(
でかけ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
退
(
しりぞ
)
き
奧
(
おく
)
へ至り偖斯々と夫婦に
話
(
はな
)
せば二人は
息子
(
せがれ
)
の
孝心
(
かうしん
)
譽
(
ほ
)
め又忠兵衞を
勞
(
ねぎら
)
ひて
明日
(
あす
)
の支度に
左
(
と
)
や
右
(
かく
)
と心を
勞
(
らう
)
すは世の中の
渾
(
すべて
)
の親の
情
(
じやう
)
成可し斯て其翌日に成しかば
朝
(
あさ
)
より
辨當
(
べんたう
)
など
製造
(
こしらへ
)
て之を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
必然
(
ひつぜん
)
の
惡
(
あく
)
」を
解釋
(
かいしやく
)
して
遊歩塲
(
いうほぢやう
)
の
一少女
(
いつせうぢよ
)
を
點出
(
てんしゆつ
)
しかの
癖漢
(
へきかん
)
の
正義
(
せいぎ
)
を
狂欲
(
きやうよく
)
する
情
(
じやう
)
を
描
(
えが
)
き、
或
(
あるひ
)
は
故郷
(
こきやう
)
にありしときの
温
(
あたゝ
)
かき
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
せしめ、
又
(
ま
)
た
生活
(
せいくわつ
)
の
苦戰塲
(
くせんぢやう
)
に
入
(
い
)
りて
朋友
(
はうゆう
)
に
一身
(
いつしん
)
を
談
(
だん
)
ずる
處
(
ところ
)
あり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
花の
本
(
もと
)
の半日の
客
(
かく
)
、月の前の一夜の友も、名殘は惜しまるゝ習ひなるに、一向所感の身なれば、先の世の法縁も淺からず思はれ、
流石
(
さすが
)
の瀧口、
限
(
かぎ
)
りなき感慨
胸
(
むね
)
に
溢
(
あふ
)
れて、
轉〻
(
うたゝ
)
今昔
(
こんじやく
)
の
情
(
じやう
)
に堪へず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
哀
(
あは
)
れ
手向
(
てむけ
)
の
花
(
はな
)
一
枝
(
し
)
に千
年
(
ねん
)
のちぎり
萬年
(
まんねん
)
の
情
(
じやう
)
をつくして、
誰
(
た
)
れに
操
(
みさを
)
の
身
(
み
)
はひとり
住
(
ずみ
)
、あたら
美形
(
びけい
)
を
月花
(
つきはな
)
にそむけて、
世
(
よ
)
は
何時
(
いつ
)
ぞとも
知
(
し
)
らず
顏
(
がほ
)
に、
繰
(
く
)
るや
珠數
(
じゆず
)
の
緒
(
を
)
の
引
(
ひ
)
かれては
御佛
(
みほとけ
)
輪廻
(
りんゑ
)
にまよひぬべし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
しか
)
れども
善
(
よ
)
く
(二五)
書
(
しよ
)
を
屬
(
しよく
)
し
辭
(
じ
)
を
離
(
つら
)
ね、
事
(
こと
)
を
指
(
さ
)
し
情
(
じやう
)
を
類
(
るゐ
)
し、
用
(
もつ
)
て
(二六)
儒
(
じゆ
)
・
墨
(
ぼく
)
を
剽剥
(
へうはく
)
す。
當世
(
たうせい
)
の
(二七)
宿學
(
しゆくがく
)
と
雖
(
いへど
)
も
(二八)
自
(
みづか
)
ら
解免
(
かいめん
)
すること
能
(
あた
)
はざる
也
(
なり
)
其言
(
そのげん
)
(二九)
洸洋自恣
(
くわうやうじし
)
以
(
もつ
)
て
己
(
おのれ
)
に
適
(
かな
)
ふ。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
半日
(
はんにち
)
の
散策
(
さんさく
)
、
神祇
(
しんぎ
)
あり、
釋教
(
しやくけう
)
あり、
戀
(
こひ
)
あり、
無常
(
むじやう
)
あり、
景
(
けい
)
あり、
人
(
ひと
)
あり、
從
(
したが
)
うて
又
(
また
)
情
(
じやう
)
あり、
錢
(
ぜに
)
の
少
(
すくな
)
きをいかにせむ。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
羞恥
(
しうち
)
と
恐怖
(
きようふ
)
と
憤懣
(
ふんまん
)
との
情
(
じやう
)
を
沸
(
わか
)
したが
夫
(
それ
)
でも
薄弱
(
はくじやく
)
な
彼
(
かれ
)
は、それを
僻
(
ひが
)
んだ
目
(
め
)
に
表現
(
へうげん
)
して
逢
(
あ
)
ふ
人
(
ひと
)
毎
(
ごと
)
に
同情
(
どうじやう
)
してくれと
強
(
し
)
ふるが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えるのみであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
誓
(
ちかひ
)
は
形式
(
けいしき
)
です。けれど
愛國
(
あいこく
)
の
情
(
じやう
)
深
(
ふか
)
き
君
(
きみ
)
は、
※
(
あやま
)
つても
此
(
この
)
秘密
(
ひみつ
)
をば、
無用
(
むよう
)
の
人
(
ひと
)
に
洩
(
もら
)
し
玉
(
たま
)
ふな。』
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかし、
僕
(
ぼく
)
は
決
(
けつ
)
してさういふ
輕薄
(
けいはく
)
な
心
(
こゝろ
)
を
以
(
もつ
)
て
言
(
い
)
ふのではないのです。
若
(
も
)
し
諸君
(
しよくん
)
の
中
(
うち
)
、
僕
(
ぼく
)
と
同
(
おな
)
じく
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
に
居
(
を
)
られた
方
(
かた
)
が
有
(
あつ
)
たなら、
矢張
(
やはり
)
僕
(
ぼく
)
と
同
(
おな
)
じやうな
情
(
じやう
)
を
持
(
もた
)
れるだらうと
信
(
しん
)
じます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
好
(
この
)
みて相應に打ける
故
(
ゆゑ
)
折々
(
をり/\
)
は重四郎を
碁
(
ご
)
の相手となせしを以て重四郎は猶も
繁々
(
しげ/\
)
出入なし居しが
偶然
(
ふと
)
娘お浪の
容貌
(
みめかたち
)
の
美
(
うつく
)
しきを
見初
(
みそめ
)
しより
戀慕
(
れんぼ
)
の
情
(
じやう
)
止難
(
やみがた
)
く獨り
胸
(
むね
)
を
焦
(
こが
)
せしが
寧
(
いつ
)
そ我が思ひの
情
(
たけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見捨
(
みす
)
てゝ
行
(
ゆ
)
く
情
(
じやう
)
なしがお
前
(
まへ
)
は
好
(
す
)
きか
憐
(
あは
)
れといへば
深山
(
みやま
)
がくれの
花
(
はな
)
の
心
(
こゝろ
)
が
嘸
(
さぞ
)
かしと
察
(
さつ
)
しられる
世
(
よ
)
にも
知
(
し
)
られず
人
(
ひと
)
にも
知
(
し
)
られず
咲
(
さき
)
て
散
(
ち
)
るが
本意
(
ほんい
)
であらうか
同
(
おな
)
じ
嵐
(
あらし
)
に
誘
(
さそ
)
はれても
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
の
宿
(
やど
)
に
咲
(
さ
)
きて
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
に
思
(
おも
)
はれたら
散
(
ち
)
るとも
恨
(
うら
)
みは
有
(
あ
)
るまいもの
谷間
(
たにま
)
の
水
(
みづ
)
の
便
(
たよ
)
りがなくは
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
丹後行
(
たんごゆき
)
、
舞鶴行
(
まひづるゆき
)
——
立
(
た
)
つて
見
(
み
)
たばかりでも、
退屈
(
たいくつ
)
の
餘
(
あま
)
りに
新聞
(
しんぶん
)
の
裏
(
うら
)
を
返
(
かへ
)
して、バンクバー、シヤトル
行
(
ゆき
)
を
睨
(
にら
)
むが
如
(
ごと
)
き、
情
(
じやう
)
のない、
他人
(
たにん
)
らしいものではない。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
叱
(
しか
)
りつけられて
我知
(
われし
)
らずあとじさりする
意氣地
(
いくぢ
)
なさまだ
霜
(
しも
)
こほる
夜嵐
(
よあらし
)
に
辻待
(
つじまち
)
の
提燈
(
ちやうちん
)
の
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えかへる
迄
(
まで
)
案
(
あん
)
じらるゝは
二親
(
ふたおや
)
のことなり
馴
(
な
)
れぬ
貧苦
(
ひんく
)
に
責
(
せ
)
めらるゝと
懷舊
(
くわいきう
)
の
情
(
じやう
)
のやる
方
(
かた
)
なさとが
老體
(
らうたい
)
の
毒
(
どく
)
になりてや
涙
(
なみだ
)
がちに
同
(
おな
)
じやうな
煩
(
わづら
)
ひ
方
(
かた
)
それも
御尤
(
ごもつと
)
もなり
我
(
われ
)
さへ
無念
(
むねん
)
に
膓
(
はらわた
)
の
沸
(
に
)
え
納
(
をさ
)
まらぬものを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さて、よしきりだが、あのおしやべりの
中
(
なか
)
に、
得
(
え
)
もいはれない、さびしい
情
(
じやう
)
の
籠
(
こも
)
つたのがうれしい。いふまでもなく
番町邊
(
ばんちやうあたり
)
では、あこがれる
蛙
(
かへる
)
さへ
聞
(
き
)
かれない。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
事
(
こと
)
あつて
後
(
のち
)
にして、
前兆
(
ぜんてう
)
を
語
(
かた
)
るのは、
六日
(
むいか
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
だけれども、そこに、あきらめがあり、
一種
(
いつしゆ
)
のなつかしみがあり、
深切
(
しんせつ
)
がある。あはれさ、はかなさの
情
(
じやう
)
を
含
(
ふく
)
む。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あれ、
情
(
じやう
)
が
強
(
こは
)
いねえ、さあ、えゝ、ま、
痩
(
や
)
せてる
癖
(
くせ
)
に。」と
向
(
むか
)
うへ
突
(
つ
)
いた、
男
(
をとこ
)
の
身
(
み
)
が
浮
(
う
)
いた
下
(
した
)
へ、
片袖
(
かたそで
)
を
敷
(
し
)
かせると、まくれた
白
(
しろ
)
い
腕
(
うで
)
を、
膝
(
ひざ
)
に
縋
(
すが
)
つて、お
柳
(
りう
)
は
吻
(
ほつ
)
と
呼吸
(
いき
)
。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
且
(
かつ
)
又
(
また
)
同
(
おな
)
じ
一國一城
(
いつこくいちじやう
)
の
主
(
あるじ
)
と
成
(
な
)
るにも
猛者
(
もさ
)
が
夜撃朝懸
(
ようちあさがけ
)
とは
質
(
たち
)
が
違
(
ちが
)
ふ。
色男
(
いろをとこ
)
の
仕
(
し
)
こなしは、
情
(
じやう
)
を
含
(
ふく
)
んで、しめやかに、もの
柔
(
やさ
)
しく、
身
(
み
)
にしみ/″\とした
風
(
ふう
)
が
天晴武者振
(
あつぱれむしやぶり
)
であるのである。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
譬
(
たと
)
ひこれが
閨秀
(
けいしう
)
たるの説明をなしたる
後
(
のち
)
も、吾人一片の
情
(
じやう
)
を動かすを得ざるなり。婦人といへども
亦
(
また
)
然らむ。
卿等
(
けいら
)
は描きたる醜悪の姉妹に対して、よく同情を表し得るか。恐らくは得ざるべし。
醜婦を呵す
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“情(
感情
)”の解説
感情(かんじょう)とは、ヒトなどの動物がものごとや対象に対して抱く気持ちのこと。喜び、悲しみ、怒り、諦め、驚き、嫌悪、恐怖などがある(感情の一覧)。
(出典:Wikipedia)
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
“情”を含む語句
情人
情夫
無情
強情
事情
情緒
情婦
感情
表情
愛情
心情
同情
情無
情事
人情
性情
熱情
情合
情死
真情
...