“轉〻”の読み方と例文
読み方割合
うたゝ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まことや帝城を離れて二百里、郷里を去りて無人生むにんしやう、同じ土ながら、さながら世を隔てたる高野山、眞言祕密の靈跡に感應の心も轉〻うたゝ澄みぬべし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
頬燃え胸跳るばかりなる怖ろしき誘惑に想ひ到れば、懺悔の念轉〻うたゝ深く、志を遂げ功を成さんと欲する大いなる企圖を顧み思へば、祈祷の心愈〻切なり。されど我靈は我肉と鬪へり。
花のもとの半日のかく、月の前の一夜の友も、名殘は惜しまるゝ習ひなるに、一向所感の身なれば、先の世の法縁も淺からず思はれ、流石さすがの瀧口、かぎりなき感慨むねあふれて、轉〻うたゝ今昔こんじやくじやうに堪へず。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)