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其日
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そのひ
ふりがな文庫
“
其日
(
そのひ
)” の例文
其日
(
そのひ
)
は
二人
(
ふたり
)
して
町
(
まち
)
へ
買物
(
かひもの
)
に
出
(
で
)
やうと
云
(
い
)
ふので、
御米
(
およね
)
は
不斷着
(
ふだんぎ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
更
(
か
)
へて、
暑
(
あつ
)
い
所
(
ところ
)
をわざ/\
新
(
あた
)
らしい
白足袋
(
しろたび
)
迄
(
まで
)
穿
(
は
)
いたものと
知
(
し
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
二三日
(
にさんにち
)
經
(
た
)
つて、
弴
(
とん
)
さんに
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
をした。
丁
(
ちやう
)
ど
其日
(
そのひ
)
、
同
(
おな
)
じ
白樺
(
しらかば
)
の
社中
(
しやちう
)
で、
御存
(
ごぞん
)
じの
名歌集
(
めいかしふ
)
『
紅玉
(
こうぎよく
)
』の
著者
(
ちよしや
)
木下利玄
(
きのしたりげん
)
さんが
連立
(
つれだ
)
つて
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
行者に教へられた時、弥助夫婦はすぐに
其日
(
そのひ
)
を
繰
(
く
)
つてみて、それが十三夜の前日に当ることをあらかじめ知つてゐたのである。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
地震
(
ぢしん
)
があってから
恰
(
ちゃう
)
ど
最早
(
もう
)
十一
年目
(
ねんめ
)
……
忘
(
わす
)
れもしませぬ……一
年
(
ねん
)
三百六十
日
(
にち
)
の
中
(
うち
)
で、はい、
其日
(
そのひ
)
に
乳離
(
ちばな
)
れをなされました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
後
(
あと
)
にて書生の語る所によれば、
其日
(
そのひ
)
雨の降りしきれる時、世に云ふ
龍
(
たつ
)
まきなるものありて、その
蛇
(
へび
)
の如き細き長き物の天上するを見たりきといふ。
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
▼ もっと見る
其日
(
そのひ
)
はそれで
別
(
わか
)
れ、
其後
(
そのご
)
は
互
(
たがひ
)
に
誘
(
さそ
)
ひ
合
(
あ
)
つて
釣
(
つり
)
に
出掛
(
でかけ
)
て
居
(
ゐ
)
たが、ボズさんの
家
(
うち
)
は一
室
(
ま
)
しかない
古
(
ふる
)
い
茅屋
(
わらや
)
で
其處
(
そこ
)
へ
獨
(
ひとり
)
でわびしげに
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
たのである。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
安
(
やす
)
んじけりさるにても
訝
(
いぶか
)
しきは
松澤夫婦
(
まつざはふうふ
)
が
上
(
うへ
)
にこそ
芳之助
(
よしのすけ
)
在世
(
ざいせ
)
の
時
(
とき
)
だに
引窓
(
ひきまど
)
の
烟
(
けぶり
)
たえ/″\なりしを
今
(
いま
)
はたいかに
其日
(
そのひ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
丁度
(
ちやうど
)
其日
(
そのひ
)
の
夕方
(
ゆうがた
)
、ドクトル、ハヾトフは
例
(
れい
)
の
毛皮
(
けがは
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
に、
深
(
ふか
)
い
長靴
(
ながぐつ
)
、
昨日
(
きのふ
)
は
何事
(
なにごと
)
も
無
(
な
)
かつたやうな
顏
(
かほ
)
で、アンドレイ、エヒミチを
其宿
(
そのやど
)
に
訪問
(
たづ
)
ねた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そして、とうとう見切りをつけたのか、今では、もう次の職業を探すでもなく、文字通り何もしないで、面白くもない
其日
(
そのひ
)
其日を送っているのでした。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
爰
(
こゝ
)
に
於
(
お
)
いてか
滿座
(
まんざ
)
悉
(
こと/″\
)
く
拍手
(
はくしゆ
)
喝釆
(
かつさい
)
しました、それは
眞
(
しん
)
に
王樣
(
わうさま
)
が
其日
(
そのひ
)
に
仰
(
おほ
)
せられた
中
(
うち
)
の
最
(
もつと
)
も
巧
(
たくみ
)
みなるお
言葉
(
ことば
)
でした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
其日
(
そのひ
)
も
暮
(
く
)
れ、
翌日
(
よくじつ
)
は
來
(
きた
)
つたが
矢張
(
やはり
)
水
(
みづ
)
や
空
(
そら
)
なる
大洋
(
たいやう
)
の
面
(
おもて
)
には、
一點
(
いつてん
)
の
島影
(
しまかげ
)
もなく、
滊船
(
きせん
)
の
煙
(
けむり
)
も
見
(
み
)
えぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
右
(
みぎ
)
の
次第
(
しだい
)
にて
大陰暦
(
たいゝんれき
)
は
春夏秋冬
(
しゆんかしうとう
)
の
節
(
せつ
)
に
拘
(
かゝは
)
らず、一年の
日數
(
ひかず
)
を
定
(
さだむ
)
るものなれば
去年
(
きよねん
)
の
何月何日
(
なんぐわつなんにち
)
と、
今年
(
ことし
)
の
其日
(
そのひ
)
とは
唯
(
たゞ
)
唱
(
となへ
)
のみ
同樣
(
どうやう
)
なれども
四季
(
しき
)
の
節
(
せつ
)
は
必
(
かなら
)
ず
相違
(
さうゐ
)
せり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
斯
(
か
)
くして
翌朝
(
よくあさ
)
起出
(
おきい
)
でた
時
(
とき
)
には、
腦
(
のう
)
の
爽快
(
さうくわい
)
なる
事
(
こと
)
、
拭
(
ぬぐ
)
へる
鏡
(
かゞみ
)
の
如
(
ごと
)
く、
磨
(
みが
)
ける
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
く、
腦漿
(
のうしやう
)
が
透明
(
たうめい
)
であるかの
樣
(
やう
)
に
感
(
かん
)
じるので、
極
(
きは
)
めて
愉快
(
ゆくわい
)
に
其日
(
そのひ
)
の
業務
(
げふむ
)
が
執
(
と
)
れるのである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
悦
(
よろこ
)
び
禮
(
れい
)
もそこ/\
支度
(
したく
)
を
整
(
とゝの
)
へ
其日
(
そのひ
)
出立せしが日光と云は元來
虚
(
うそ
)
なれば夫より
芝邊
(
しばへん
)
へ行て四五日
身
(
み
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
明日
(
あす
)
とも云わず
其日
(
そのひ
)
即刻
(
そっこく
)
、京伝は使いを走らせて馬琴を家へ呼んで来た。
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昔、
紀州
(
きしう
)
の山奥に、
与兵衛
(
よへゑ
)
といふ正直な
猟夫
(
かりうど
)
がありました。
或日
(
あるひ
)
の事いつものやうに鉄砲
肩
(
かた
)
げて山を奥へ奥へと入つて行きましたがどうしたものか、
其日
(
そのひ
)
に限つて
兎
(
うさぎ
)
一
疋
(
ぴき
)
にも出会ひませんでした。
山さち川さち
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
紛失の歌仙本は、遂に、
其日
(
そのひ
)
に至るも、下手人が知れなかった。
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
其日
(
そのひ
)
から、彼は弁公の親分のもとに寄食する身となった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
あはれ、
其日
(
そのひ
)
待つ
當來
(
たうらい
)
の
命
(
いのち
)
の呼吸、眼に見えぬ深き
處
(
ところ
)
に
母
(旧字旧仮名)
/
アダ・ネグリ
(著)
折
(
を
)
れたる
其日
(
そのひ
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
此冬
(
このふゆ
)
になつて、
晝
(
ひる
)
のうち
炬燵
(
こたつ
)
を
拵
(
こし
)
らえたのは、
其日
(
そのひ
)
が
始
(
はじ
)
めてゞあつた。
夜
(
よる
)
は
疾
(
と
)
うから
用
(
もち
)
ひてゐたが、
何時
(
いつ
)
も六
疊
(
でふ
)
に
置
(
お
)
く
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
床几
(
しやうぎ
)
の
下
(
した
)
に
俵
(
たはら
)
を
敷
(
し
)
けるに、
犬
(
いぬ
)
の
子
(
こ
)
一匹
(
いつぴき
)
、
其日
(
そのひ
)
の
朝
(
あさ
)
より
目
(
め
)
の
見
(
み
)
ゆるものの
由
(
よし
)
、
漸
(
やつ
)
と
食
(
しよく
)
づきましたとて、
老年
(
としより
)
の
餘念
(
よねん
)
もなげなり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、そう事が解って見ると、私は
猶々
(
なおなお
)
怖く恐しく感じて、
迚
(
とて
)
もここに長居する気がないから、
其日
(
そのひ
)
の
中
(
うち
)
に
早々
(
そうそう
)
ここを
引払
(
ひきはら
)
って、再び
倫敦
(
ロンドン
)
へ
逃帰
(
にげかえ
)
る。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
來
(
こ
)
いといつて
下
(
くだ
)
さるお
人
(
ひと
)
の
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
るもなし、
浮氣
(
うはき
)
のやうに
思召
(
おぼしめし
)
ましようが
其日
(
そのひ
)
送
(
おく
)
りでござんすといふ、いや
左樣
(
さう
)
は
言
(
い
)
はさぬ
相手
(
あいて
)
のない
事
(
こと
)
はあるまい
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旧藩主M
伯爵
(
はくしゃく
)
邸の
小使
(
こづかい
)
みたいなことを勤めてかつかつ
其日
(
そのひ
)
を送っている、五十を越した父親の
厄介
(
やっかい
)
になっているのは、彼にしても決して快いことではなかった。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして
日
(
ひ
)
の
入
(
いる
)
まで、
手
(
て
)
あたり
次第
(
しだい
)
、
何
(
なん
)
でも
御座
(
ござ
)
れ、
其日
(
そのひ
)
に
爲
(
す
)
るだけの
事
(
こと
)
を
一心不亂
(
いつしんふらん
)
に
爲
(
し
)
なければならぬ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
然
(
しか
)
し
私
(
わたくし
)
は
生
(
うま
)
れた
其日
(
そのひ
)
より
今日迄
(
こんにちまで
)
、
絶
(
た
)
えず
苦痛
(
くつう
)
を
嘗
(
な
)
めてゐるのです、
其故
(
それゆゑ
)
私
(
わたくし
)
は
自分
(
じぶん
)
を
貴方
(
あなた
)
よりも
高
(
たか
)
いもの、
萬事
(
ばんじ
)
に
於
(
おい
)
て、より
多
(
おほ
)
く
精通
(
せいつう
)
してゐるものと
認
(
みと
)
めて
居
(
を
)
るです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一同下る
可
(
べし
)
追て呼出すと申
渡
(
わた
)
されければ
其日
(
そのひ
)
は一同に下りけり
然
(
され
)
ば
此度
(
このたび
)
の一
件
(
けん
)
大岡殿
格別
(
かくべつ
)
に力を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
話
(
はなし
)
の
間
(
あひだ
)
に、
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
は、かの
恐
(
おそ
)
ろしき
山
(
やま
)
と
森
(
もり
)
と
谷
(
たに
)
と、
又
(
ま
)
た
惜
(
をし
)
む
可
(
べ
)
き——
然
(
さ
)
れど
今
(
いま
)
は
要
(
えう
)
なき
鐵檻車
(
てつおりぐるま
)
とを
後
(
あと
)
にして、
風
(
かぜ
)
のまに/\
空中
(
くうちう
)
を
飛行
(
ひかう
)
して、
其日
(
そのひ
)
午後
(
ごゞ
)
三
時
(
じ
)
四十
分
(
ぷん
)
項
(
ごろ
)
、
吾等
(
われら
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
去年
(
きよねん
)
の
彼岸
(
ひがん
)
が三月の二十一日なれば
今年
(
ことし
)
の
彼岸
(
ひがん
)
も
丁度
(
ちやうど
)
其日
(
そのひ
)
なり。
且
(
かつ
)
毎年
(
まいねん
)
の
日數
(
ひかず
)
同樣
(
どうやう
)
なるゆゑ、一年と
定
(
さだ
)
めて
約條
(
やくでう
)
したる
事
(
こと
)
は
丁度
(
ちやうど
)
一年の
日數
(
ひかず
)
にて
閏月
(
しゆんげつ
)
の
爲
(
ため
)
に
一箇月
(
いつかつき
)
の
損徳
(
そんとく
)
あることなし。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
其日
(
そのひ
)
は
眠
(
ねむ
)
い所を無理に早く
起
(
おこ
)
されて、
寐足
(
ねた
)
らない
頭
(
あたま
)
を
風
(
かぜ
)
に
吹
(
ふ
)
かした
所為
(
せゐ
)
か、停車場に
着
(
つ
)
く
頃
(
ころ
)
、
髪
(
かみ
)
の毛の
中
(
なか
)
に
風邪
(
かぜ
)
を
引
(
ひ
)
いた様な気がした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
...
手前等
(
てまへら
)
より
役儀
(
やくぎ
)
申付
(
まをしつ
)
け
候
(
さふらふ
)
こと、お
易
(
やす
)
き
御用
(
ごよう
)
に
候
(
さふらふ
)
、
先
(
ま
)
づ
何
(
なに
)
はしかれ
其
(
その
)
杢
(
もく
)
とやらむ
御呼寄
(
およびよ
)
せあひなるべし」「
早速
(
さつそく
)
の
御承引
(
ごしよういん
)
難有候
(
ありがたくさふらふ
)
」と
其日
(
そのひ
)
は
館
(
やかた
)
に
歸
(
かへ
)
らせ
給
(
たま
)
ふ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さる
子細
(
しさい
)
あればこそ
此處
(
こゝ
)
の
流
(
なが
)
れに
落
(
おち
)
こんで
嘘
(
うそ
)
のありたけ
串談
(
じようだん
)
に
其日
(
そのひ
)
を
送
(
おく
)
つて
情
(
なさけ
)
は
吉野紙
(
よしのがみ
)
の
薄物
(
うすもの
)
に、
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
ぴつかりとする
斗
(
ばかり
)
、
人
(
ひと
)
の
涕
(
なみだ
)
は百
年
(
ねん
)
も
我
(
が
)
まんして
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
成程
(
なるほど
)
、今おせいを離別すれば、
文
(
もん
)
なしの書生っぽに相違ない彼女の相手と共に、たちまち
其日
(
そのひ
)
にも困る身の上になることは知れていたけれど、その憐みもさることながら
お勢登場
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼
(
かれ
)
は
何時
(
いつ
)
が
日
(
ひ
)
も
囚人
(
しうじん
)
に
出會
(
でつくわ
)
せば、
同情
(
どうじやう
)
と
不愉快
(
ふゆくわい
)
の
感
(
かん
)
に
打
(
う
)
たれるのであるが、
其日
(
そのひ
)
は
又
(
また
)
奈何云
(
どうい
)
ふものか、
何
(
なん
)
とも
云
(
い
)
はれぬ一
種
(
しゆ
)
の
不好
(
いや
)
な
感覺
(
かんかく
)
が、
常
(
つね
)
にもあらずむら/\と
湧
(
わ
)
いて
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
右
(
みぎ
)
の
如
(
ごと
)
く
大陽暦
(
たいやうれき
)
は
日輪
(
にちりん
)
と
地球
(
ちきう
)
とを
照
(
てら
)
し
合
(
あは
)
せて
其互
(
そのたがひ
)
に
釣合
(
つりあ
)
ふ
處
(
ところ
)
を
以
(
もつ
)
て一年の
日數
(
ひかず
)
を
定
(
さだめ
)
たるものゆへ、
春夏秋冬
(
しゆんかしうとう
)
、
寒暖
(
かんだん
)
の
差
(
さ
)
、
毎年
(
まいとし
)
異
(
こと
)
なることなく
何月何日
(
なんぐわつなんにち
)
といへば
丁度
(
ちやうど
)
去年
(
きよねん
)
の
其日
(
そのひ
)
と
同
(
おな
)
じ
時候
(
じこう
)
にて
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
いしくも思い立ったので、
其日
(
そのひ
)
から
直
(
ただ
)
ちに
画筆
(
えふで
)
を
把
(
と
)
って
下図
(
したず
)
に
取
(
とり
)
かかった。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
話
(
はな
)
す
處
(
ところ
)
によると、
此
(
この
)
日
(
ひ
)
から
丁度
(
ちやうど
)
八日
(
やうか
)
前
(
まへ
)
の
晩
(
ばん
)
(
即
(
すなは
)
ち
吾等
(
われら
)
が
犬
(
いぬ
)
の
使者
(
ししや
)
を
送
(
おく
)
つた
其日
(
そのひ
)
の
夜
(
よる
)
である。)
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
が
數
(
すう
)
ヶ
所
(
しよ
)
の
傷
(
きづ
)
を
負
(
お
)
ひ、
血
(
ち
)
に
染
(
し
)
みて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たので、
初
(
はじ
)
めて
吾等
(
われら
)
の
大難
(
だいなん
)
が
分
(
わか
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
嫌
(
きら
)
ひ向島か根岸邊へ
隱居
(
いんきよ
)
致度
(
いたしたき
)
由
(
よし
)
望
(
のぞ
)
み候へども
漸々
(
やう/\
)
勸
(
すゝ
)
め近所へ差置下女一人付置候
處
(
ところ
)
其日
(
そのひ
)
野州邊
(
やしうへん
)
より男女の旅人五六十人着し
其外
(
そのほか
)
泊
(
とま
)
り
客
(
きやく
)
大勢
(
おほぜい
)
之
(
これ
)
あり凡百人ばかり
故
(
ゆゑ
)
勿々
(
なか/\
)
手
(
て
)
廻
(
まは
)
り兼るに付隱居所の下女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
不愉快
(
ふゆくわい
)
の
人車
(
じんしや
)
に
搖
(
ゆ
)
られて
此
(
こ
)
の
淋
(
さ
)
びしい
溪間
(
たにま
)
に
送
(
おく
)
り
屆
(
とゞ
)
けられることは、
頗
(
すこぶ
)
る
苦痛
(
くつう
)
であつたが、
今更
(
いまさら
)
引返
(
ひきか
)
へす
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ず、
其日
(
そのひ
)
の
午後
(
ごゝ
)
五
時頃
(
じごろ
)
、
此宿
(
このやど
)
に
着
(
つ
)
いた。
突然
(
とつぜん
)
のことであるから
宿
(
やど
)
の
主人
(
あるじ
)
を
驚
(
おどろ
)
かした。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其日
(
そのひ
)
は
風
(
かぜ
)
が強く
吹
(
ふ
)
いた。
勝
(
かつ
)
は
苦
(
くる
)
しさうに、
前
(
まへ
)
の
方
(
ほう
)
に
曲
(
こゞ
)
んで
馳
(
か
)
けた。
乗
(
の
)
つてゐた代助は、二重の
頭
(
あたま
)
がぐる/\回転するほど、
風
(
かぜ
)
に吹かれた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其日
(
そのひ
)
から
數
(
かぞ
)
へて
丁度
(
ちやうど
)
一週間前
(
いつしうかんまへ
)
の
夜
(
よ
)
、
夜學
(
やがく
)
は
無
(
な
)
かつた
頃
(
ころ
)
で、
晝間
(
ひるま
)
の
通學生
(
つうがくせい
)
は
歸
(
かへ
)
つて
了
(
しま
)
ひ、
夕飯
(
ふゆはん
)
が
濟
(
す
)
んで、
私
(
わたし
)
の
部屋
(
へや
)
の
卓子
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
で、
燈下
(
とうか
)
に
美少年録
(
びせうねんろく
)
を
讀
(
よ
)
んで
居
(
ゐ
)
た。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
つれなく
返
(
か
)
へされなば
甲斐
(
かひ
)
もなきこと、
兎角
(
とかく
)
に
甚之助殿
(
じんのすけどの
)
の
便
(
たよ
)
り
聞
(
き
)
きたしと
待
(
まち
)
けるが、
其日
(
そのひ
)
の
夕方
(
ゆふがた
)
彼
(
か
)
の
人形
(
にんぎやう
)
を
持
(
も
)
ちて
例日
(
いつ
)
よりも
嬉
(
うれ
)
しげに、お
前
(
まへ
)
の
歌
(
うた
)
ゆゑ
首尾
(
しゆび
)
よく
我
(
わ
)
が
勝
(
かち
)
に
成
(
な
)
り
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
併
(
しか
)
し、不幸な私は、
何
(
いず
)
れの恵みにも浴することが出来ず、哀れな、一家具職人の子として、親譲りの仕事によって、
其日
(
そのひ
)
其日の暮しを、立てて行く
外
(
ほか
)
はないのでございました。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼
(
かれ
)
は
其日
(
そのひ
)
役所
(
やくしよ
)
の
歸
(
かへ
)
り
掛
(
が
)
けに
駿河臺下
(
するがだいした
)
迄
(
まで
)
來
(
き
)
て、
電車
(
でんしや
)
を
下
(
お
)
りて、
酸
(
す
)
いものを
頬張
(
ほゝば
)
つた
樣
(
やう
)
な
口
(
くち
)
を
穿
(
すぼ
)
めて一二
町
(
ちやう
)
歩
(
ある
)
いた
後
(
のち
)
、ある
齒醫者
(
はいしや
)
の
門
(
かど
)
を
潛
(
くゞ
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一
臺
(
だい
)
の
腕車
(
わんしや
)
二
人
(
にん
)
の
車夫
(
しやふ
)
は、
此
(
こ
)
の
茶店
(
ちやみせ
)
に
留
(
とゞ
)
まつて、
人々
(
ひと/″\
)
とともに
手當
(
てあて
)
をし、
些
(
ちつ
)
とでもあがきが
着
(
つ
)
いたら、
早速
(
さつそく
)
武生
(
たけふ
)
までも
其日
(
そのひ
)
の
内
(
うち
)
に
引返
(
ひつかへ
)
すことにしたのである。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
汚い下宿の四畳半に
転
(
ころが
)
って、味気ない
其日
(
そのひ
)
其日を送って行かねばならないのです。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
其日
(
そのひ
)
一
日
(
にち
)
物
(
もの
)
も
仰
(
おほ
)
せられず、一
日
(
にち
)
おいてよりは
箸
(
はし
)
の
上
(
あ
)
げ
下
(
おろ
)
しに、
此家
(
このや
)
の
品
(
しな
)
は
無代
(
たゞ
)
では
出來
(
でき
)
ぬ、
主
(
しゆう
)
の
物
(
もの
)
とて
粗末
(
そまつ
)
に
思
(
おも
)
ふたら
罸
(
ばち
)
が
當
(
あた
)
るぞえと
明
(
あ
)
け
暮
(
く
)
れの
談義
(
だんぎ
)
、
來
(
くる
)
る
人
(
ひと
)
毎
(
ごと
)
に
告
(
つ
)
げられて
若
(
わか
)
き
心
(
こゝろ
)
には
恥
(
はづ
)
かしく
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なほ
志
(
こゝろざ
)
す
出雲路
(
いづもぢ
)
を、
其日
(
そのひ
)
は
松江
(
まつえ
)
まで
行
(
ゆ
)
くつもりの
汽車
(
きしや
)
には、まだ
時間
(
じかん
)
がある。
私
(
わたし
)
は、もう
一度
(
いちど
)
宿
(
やど
)
を
出
(
で
)
た。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
書斎の椅子に
凭
(
もた
)
れて、何心なく
其日
(
そのひ
)
とどいた郵便物を調べていた平田氏は、沢山の封書やはがきの中に混って、一通の、
可也
(
かなり
)
みだれてはいたが、確かに見覚えのある手蹟で書かれた手紙を発見して
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“其日”で始まる語句
其日其日
其日暮
其日稼
其日限
其日庵主