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顯
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あら
ふりがな文庫
“
顯
(
あら
)” の例文
新字:
顕
「
字
(
じ
)
に
顯
(
あら
)
はすと、
些
(
ち
)
と
畫
(
くわく
)
が
多
(
おほ
)
い、
翡翠
(
ひすゐ
)
とかいてね、お
前
(
まへ
)
たち……たちぢやあ
他樣
(
ほかさま
)
へ
失禮
(
しつれい
)
だ……お
前
(
まへ
)
なぞが
欲
(
ほ
)
しがる
珠
(
たま
)
とおんなじだ。」
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御酒
(
ごしゆ
)
をめし
上
(
あが
)
つたからとて
快
(
こゝろよく
)
くお
醉
(
ゑ
)
ひになるのではなく、いつも
蒼
(
あを
)
ざめた
顏
(
かほ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして、
何時
(
いつ
)
も
額際
(
ひたひぎは
)
に
青
(
あを
)
い
筋
(
すぢ
)
が
顯
(
あら
)
はれて
居
(
を
)
りました。
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昔はかの僧院、これらの天のため、
實
(
み
)
をさはに結びしに、今はいと空しくなりぬ、かゝればその
状
(
さま
)
必ず直に
顯
(
あら
)
はれん 一一八—一二〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
厚
(
あつく
)
して問るべし
先
(
まづ
)
第一に天一坊の
面部
(
めんぶ
)
に
顯
(
あら
)
はれし
相
(
さう
)
は存外の事を
企
(
くはだ
)
つる相にて人を僞るの氣
慥
(
たしか
)
なり又眼中に
殺伐
(
さつばつ
)
の氣あり是は他人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
伯夷
(
はくい
)
・
叔齊
(
しゆくせい
)
、
賢
(
けん
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、
(七三)
夫子
(
ふうし
)
を
得
(
え
)
て
名
(
な
)
益〻
(
ますます
)
彰
(
あら
)
はれ、
顏淵
(
がんえん
)
、
篤學
(
とくがく
)
なりと
雖
(
いへど
)
も、
(七四)
驥尾
(
きび
)
に
附
(
ふ
)
して
行
(
おこなひ
)
益〻
(
ますます
)
顯
(
あら
)
はる。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
▼ もっと見る
誰
(
だれ
)
か
自分
(
じぶん
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか、
自分
(
じぶん
)
を
尋
(
たづ
)
ねてゐるのでは
無
(
な
)
いかと
思
(
おも
)
つて、
顏
(
かほ
)
には
謂
(
い
)
ふべからざる
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
が
顯
(
あら
)
はれる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
愛
(
あい
)
ちやんの
爲
(
ため
)
には
勿怪
(
もツけ
)
の
幸
(
さいはひ
)
、
小
(
ちひ
)
さな
魔法壜
(
まはふびん
)
は
今
(
いま
)
充分
(
じうぶん
)
其功能
(
そのこうのう
)
を
顯
(
あら
)
はし
終
(
をは
)
つたので、
愛
(
あい
)
ちやんも
最
(
も
)
うこれより
大
(
おほ
)
きくはなりませんでした、が、それは
非常
(
ひじよう
)
に
不愉快
(
ふゆくわい
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
やけといへば、一體に夫人の作品には、何處かに捨鉢を喜ぶ傾向が
顯
(
あら
)
はれる。それは捨鉢を主張したものでもなく、捨鉢に同情してゐるのでも無い。殆ど無意識に作品の基調を成してゐるのである。
貝殻追放:006 「八千代集」を読む
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
徐ろに人は宇宙の鏡に
顯
(
あら
)
はる。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
しかして彼の
爲人
(
ひとゝなり
)
を
語
(
ことば
)
の形に
顯
(
あら
)
はさんため、靈この處よりくだり、彼は全く主のものなればその意をとりて名となせり 六七—六九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「
可厭
(
いや
)
に
大袈裟
(
おほげさ
)
に
顯
(
あら
)
はしたぢやねえか==
陰陽界
(
いんやうかい
)
==なんのつて。これぢや
遊廓
(
くるわ
)
の
大門
(
おほもん
)
に==
色慾界
(
しきよくかい
)
==とかゝざあなるめえ。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
心掛らるゝことなれば久八が
過
(
あやま
)
つて
縊殺
(
しめころ
)
せしと云ひ
無證據
(
むしようこ
)
のことなるを
自訴
(
じそ
)
せしにて
赤心
(
せきしん
)
の
顯
(
あら
)
はれたれば如何にもして助け遣はし度と心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
維新
(
いしん
)
の
變
(
へん
)
に
彼
(
か
)
れは
靜岡
(
しづをか
)
のお
供
(
とも
)
、これは
東臺
(
とうだい
)
の
五月雨
(
さみだれ
)
にながす
血汐
(
ちしほ
)
の
赤
(
あか
)
き
心
(
こヽろ
)
を
首尾
(
しゆび
)
よく
顯
(
あら
)
はして
露
(
つゆ
)
とや
消
(
き
)
えし、
水
(
みづ
)
さかづきして
別
(
わか
)
れし
限
(
ぎ
)
りの
妻
(
つま
)
へ
形見
(
かたみ
)
が
此美人
(
このびじん
)
なり
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
ここ
)
を
以
(
もつ
)
て
(四四)
三
世
(
せい
)
、
名
(
な
)
を
諸矦
(
しよこう
)
に
顯
(
あら
)
はせり。
越石父
(
ゑつせきほ
)
、
賢
(
けん
)
にして
(四五)
縲紲
(
るゐせつ
)
の
中
(
うち
)
に
在
(
あ
)
り。
晏子
(
あんし
)
出
(
い
)
でて
之
(
これ
)
に
塗
(
みち
)
に
遭
(
あ
)
ふ、
(四六)
左驂
(
ささん
)
を
解
(
と
)
いて
之
(
これ
)
を
贖
(
あがな
)
ひ、
載
(
の
)
せ
歸
(
かへ
)
る。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
すると、
時々
(
とき/″\
)
厨房
(
くりや
)
の
戸
(
と
)
が
開
(
あ
)
いて、ダリユシカの
赤
(
あか
)
い
寐惚顏
(
ねぼけがほ
)
が
顯
(
あら
)
はれる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
こゝへ
立
(
た
)
つたお
救小屋
(
すくひごや
)
へ、やみの
夜
(
よ
)
は、わあツと
言
(
い
)
ふ
泣聲
(
なきごゑ
)
、たすけて——と
言
(
い
)
ふ
悲鳴
(
ひめい
)
が、
地
(
ち
)
の
底
(
そこ
)
からきこえて、
幽靈
(
いうれい
)
が
顯
(
あら
)
はれる。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
トムマーゾの祭によりて名と徳とをたえず
顯
(
あら
)
はすかの大いなる
領主
(
バーロネ
)
の美しき紋所を分け用ゐる者は、いづれも 一二七—一二九
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
顯
(
あら
)
はさんと思はれ一度の吟味もなく
直
(
すぐ
)
に麹町名主矢部與兵衞へ
内通
(
ないつう
)
有つて村井長庵が
在宿
(
ざいしゆく
)
を
篤
(
とく
)
と見屆させ置召捕方の與力同心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
闔廬
(
かふろ
)
、
孫子
(
そんし
)
の
能
(
よ
)
く
兵
(
へい
)
を
用
(
もち
)
ふるを
知
(
し
)
り、
卒
(
つひ
)
に
以
(
もつ
)
て
將
(
しやう
)
と
爲
(
な
)
す。
西
(
にし
)
は
彊楚
(
きやうそ
)
を
破
(
やぶ
)
つて
(一三)
郢
(
えい
)
に
入
(
い
)
り、
北
(
きた
)
は
齊
(
せい
)
・
晉
(
しん
)
を
威
(
おど
)
し、
名
(
な
)
を
諸矦
(
しよこう
)
に
顯
(
あら
)
はす。
孫子
(
そんし
)
與
(
あづか
)
つて
力
(
ちから
)
有
(
あ
)
り。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
おのづから
顏色
(
かほいろ
)
に
顯
(
あら
)
はるれば、
何取
(
なにとり
)
いそぐ
事
(
こと
)
でも
無
(
な
)
い、よく
思案
(
しあん
)
して
氣
(
き
)
に
叶
(
かな
)
ふたらば
其時
(
そのとき
)
の
事
(
こと
)
、あまり
氣
(
き
)
を
欝々
(
うつ/\
)
として
病氣
(
びようき
)
でもしては
成
(
な
)
らんから、
少
(
すこ
)
しは
慰
(
なぐさ
)
めにもと
思
(
おも
)
ふたのなれど
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
自然
(
しぜん
)
の
法則
(
はふそく
)
は
依然
(
いぜん
)
として
元
(
もと
)
の
儘
(
まゝ
)
です、
人々
(
ひと/″\
)
は
猶且
(
やはり
)
今日
(
こんにち
)
の
如
(
ごと
)
く
病
(
や
)
み、
老
(
お
)
い、
死
(
し
)
するのでせう、
甚麼立派
(
どんなりつぱ
)
な
生活
(
せいくわつ
)
の
曉
(
あかつき
)
が
顯
(
あら
)
はれたとしても、
畢竟
(
つまり
)
人間
(
にんげん
)
は
棺桶
(
くわんをけ
)
に
打込
(
うちこ
)
まれて、
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
投
(
とう
)
じられて
了
(
しま
)
ふのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
並
(
なら
)
んだ
膳
(
ぜん
)
は、
土地
(
とち
)
の
由緒
(
ゆゐしよ
)
と、
奧行
(
おくゆき
)
をもの
語
(
がた
)
る。
手
(
て
)
を
突張
(
つツぱ
)
ると
外
(
はづ
)
れさうな
棚
(
たな
)
から
飛出
(
とびだ
)
した
道具
(
だうぐ
)
でない。
藏
(
くら
)
から
顯
(
あら
)
はれた
器
(
うつは
)
らしい。
御馳走
(
ごちそう
)
は——
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
公子
(
こうし
)
糾
(
きう
)
敗
(
やぶ
)
るるや、
召忽
(
せうこつ
)
は
之
(
これ
)
に
死
(
し
)
し、
吾
(
われ
)
は
(一〇)
幽囚
(
いうしう
)
せられて
辱
(
はづかしめ
)
を
受
(
う
)
く。
鮑叔
(
はうしゆく
)
、
我
(
われ
)
を
以
(
もつ
)
て
恥
(
はぢ
)
無
(
な
)
しと
爲
(
な
)
さず。
我
(
わ
)
が
(一一)
小節
(
せうせつ
)
を
羞
(
は
)
ぢずして・
功名
(
こうめい
)
の・
天下
(
てんか
)
に
顯
(
あら
)
はれざるを
恥
(
は
)
づるを
知
(
し
)
れば
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
今世
(
こんせ
)
の
主君
(
きみ
)
にも
未來
(
みらい
)
の
主君
(
きみ
)
にも、
忠節
(
ちうせつ
)
のほど
顯
(
あら
)
はしたし、
然
(
し
)
かはあれど
氣遣
(
きづか
)
はしきは
言葉
(
ことば
)
たくみに
誠
(
まこと
)
少
(
す
)
くなきが
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
常
(
つね
)
と
聞
(
き
)
く、
誰人
(
たれびと
)
か
至信
(
ししん
)
に
誠實
(
せいじつ
)
に、
我
(
わ
)
が
愛敬
(
けいあい
)
する
主君
(
きみ
)
の
半身
(
はんしん
)
となりて
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
フト
迷
(
まよ
)
つて
顯
(
あら
)
はれたかと、
見
(
み
)
るにもの
凄
(
すご
)
いまで、この
騷
(
さわ
)
ぎに
持
(
も
)
ち
出
(
だ
)
した、
軒々
(
のき/\
)
の
提灯
(
ちやうちん
)
の
影
(
かげ
)
に
映
(
うつ
)
つたのであつた。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八
疊
(
でう
)
の
座敷
(
ざしき
)
に六
枚
(
まい
)
屏風
(
びやうぶ
)
たてゝ、お
枕
(
まくら
)
もとには
桐胴
(
きりどう
)
の
火鉢
(
ひばち
)
にお
煎茶
(
せんちや
)
の
道具
(
だうぐ
)
、
烟草盆
(
たばこぼん
)
は
紫檀
(
したん
)
にて
朱羅宇
(
しゆらう
)
の
烟管
(
きせる
)
そのさま
可笑
(
をか
)
しく、
枕
(
まくら
)
ぶとんの
派手摸樣
(
はでもやう
)
より
枕
(
まくら
)
の
總
(
ふさ
)
の
紅
(
くれな
)
ひも
常
(
つね
)
の
好
(
この
)
みの
大方
(
おほかた
)
に
顯
(
あら
)
はれて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
孫臏
(
そんびん
)
、
此
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
て、
名
(
な
)
天下
(
てんか
)
に
顯
(
あら
)
はれたり。
(六〇)
世
(
よ
)
、
其兵法
(
そのへいはふ
)
を
傳
(
つた
)
ふ。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
名案
(
めいあん
)
はないかな——こゝへ、
下町
(
したまち
)
の
姉
(
ねえ
)
さんで、つい
此間
(
このあひだ
)
まで、
震災
(
しんさい
)
のために
逃
(
に
)
げて
居
(
ゐ
)
た……
元來
(
ぐわんらい
)
、
靜岡
(
しづをか
)
には
親戚
(
しんせき
)
があつて、
地
(
ち
)
の
理
(
り
)
に
明
(
あきら
)
かな、
粹
(
いき
)
な
軍師
(
ぐんし
)
が
顯
(
あら
)
はれた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
言
(
い
)
はぬ
素性
(
すぜう
)
の
聞
(
き
)
きたきは
無理
(
むり
)
か、かくすに
顯
(
あら
)
はるヽが
世
(
よ
)
の
常
(
つね
)
ぞかし。
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晏子
(
あんし
)
は
長
(
た
)
け六
尺
(
しやく
)
に
滿
(
み
)
たず、
身
(
み
)
齊國
(
せいこく
)
に
相
(
しやう
)
として、
名
(
な
)
諸矦
(
しよこう
)
に
顯
(
あら
)
はる。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
山邊
(
やまべ
)
の
赤人
(
あかひと
)
を、
桃
(
もゝ
)
の
花
(
はな
)
の
霞
(
かすみ
)
に
顯
(
あら
)
はし、それ
百人一首
(
ひやくにんいつしゆ
)
の
三枚
(
さんまい
)
めだ……
田子
(
たご
)
の
浦
(
うら
)
に
打出
(
うちい
)
でて
見
(
み
)
れば
白妙
(
しろたへ
)
の——ぢやあない、……
田子
(
たご
)
の
浦
(
うら
)
ゆ、さ、
打出
(
うちい
)
でて
見
(
み
)
れば
眞白
(
ましろ
)
にぞ、だと
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
恐
(
おそ
)
ろしや
此大恩
(
このだいおん
)
の
良人
(
をつと
)
に
然
(
さ
)
る
心
(
こゝろ
)
を
持
(
も
)
ちて
苟
(
かり
)
にも
其色
(
そのいろ
)
の
顯
(
あら
)
はれもせば。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
しか
)
るに
後年
(
こうねん
)
、
京城
(
けいじやう
)
の
諸士
(
しよし
)
にして、かの
北狄
(
ほくてき
)
の
囘文
(
くわいぶん
)
を
受
(
う
)
けたるもの
少
(
すくな
)
からず、
事
(
こと
)
顯
(
あら
)
はるゝに
及
(
およ
)
びて、
官司
(
やくにん
)
、
其
(
そ
)
の
密使
(
みつし
)
を
案討
(
あんたう
)
するに、
無足
(
むそく
)
の
婦人
(
ふじん
)
即
(
すなは
)
ち
然
(
しか
)
り、
然
(
しか
)
も
奸黨
(
かんたう
)
の
張本
(
ちやうほん
)
たりき。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
續
(
つゞ
)
いて
顯
(
あら
)
はれるが
例物
(
れいぶつ
)
さ、
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
自慢
(
じまん
)
の
櫛卷
(
くしまき
)
で、
薄化粧
(
うすげしよう
)
のあつさり
物
(
もの
)
、
半襟
(
はんゑり
)
つきの
前
(
まへ
)
だれ
掛
(
がけ
)
とくだけて、おや
貴郎
(
あなた
)
と
言
(
い
)
ふだらうでは
無
(
な
)
いか、すると
此處
(
こゝ
)
のがでれりと
御座
(
ござ
)
つて、
久
(
ひさ
)
しう
無沙汰
(
ぶさた
)
をした
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
こ
)
の
按摩
(
あんま
)
どのは、
團栗
(
どんぐり
)
の
如
(
ごと
)
く
尖
(
とが
)
つた
頭
(
あたま
)
で、
黒目金
(
くろめがね
)
を
掛
(
か
)
けて、
白
(
しろ
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
の
上被
(
うはつぱり
)
で、
革鞄
(
かはかばん
)
を
提
(
さ
)
げて、そくに
立
(
た
)
つて、「お
療治
(
れうぢ
)
。」と
顯
(
あら
)
はれた。——
勝手
(
かつて
)
が
違
(
ちが
)
つて、
私
(
わたし
)
は
一寸
(
ちよつと
)
不平
(
ふへい
)
だつた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
齒代
(
はだい
)
の
安
(
やす
)
さ
顯
(
あら
)
はれて
剥
(
は
)
げたる
塗
(
ぬ
)
り
破
(
やぶ
)
れし
母衣
(
ほろ
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
實
(
じつ
)
は、
炎
(
ほのほ
)
に
飽
(
あ
)
いて、
炎
(
ほのほ
)
に
背
(
そむ
)
いて、
此
(
こ
)
の
火
(
ひ
)
たとひ
家
(
いへ
)
を
焚
(
や
)
くとも、せめて
清
(
すゞ
)
しき
月
(
つき
)
出
(
い
)
でよ、と
祈
(
いの
)
れるかひに、
天
(
てん
)
の
水晶宮
(
すゐしやうぐう
)
の
棟
(
むね
)
は
櫻
(
さくら
)
の
葉
(
は
)
の
中
(
なか
)
に
顯
(
あら
)
はれて、
朱
(
しゆ
)
を
塗
(
ぬ
)
つたやうな
二階
(
にかい
)
の
障子
(
しやうじ
)
が
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ともあれ
勘藏
(
かんざう
)
といふものある
以上
(
いじやう
)
なまなかの
事
(
こと
)
言出
(
いひだ
)
して
疑
(
うたが
)
ひの
種
(
たね
)
になるまじとも
言
(
い
)
ひ
難
(
がた
)
しお
爲
(
ため
)
にならぬばかりかは
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
との
逢瀬
(
あふせ
)
のはしあやなく
絶
(
たえ
)
もせば
何
(
なに
)
かせん
然
(
さ
)
るべき
途
(
みち
)
のなからずやと
惑
(
まど
)
ふは
心
(
こゝろ
)
つゝむ
色目
(
いろめ
)
に
何
(
なに
)
ごとも
顯
(
あら
)
はれねど
出嫌
(
でぎら
)
ひと
聞
(
きこ
)
えしお
高
(
たか
)
昨日
(
きのふ
)
は
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
の
師匠
(
ししやう
)
のもとへ
今日
(
けふ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旅行
(
りよかう
)
をしても、この
里
(
さと
)
、この
森
(
もり
)
、この
祠
(
ほこら
)
——どうも、みゝづくがゐさうだ、と
直感
(
ちよくかん
)
すると、
果
(
はた
)
して
深更
(
しんかう
)
に
及
(
およ
)
んで、ぽツと、
顯
(
あら
)
はれ
出
(
い
)
づるから
則
(
すなは
)
ち
話
(
はな
)
せる。——のツほーほう、ほツほウ。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
硬
(
こは
)
いのがごそりと
脱
(
ぬ
)
げると……
靴下
(
くつした
)
ならまだ
可
(
い
)
い「
何
(
なに
)
、
體裁
(
ていさい
)
なんぞ、そんな
事
(
こと
)
。」
邊幅
(
へんぷく
)
を
修
(
しう
)
しない
男
(
をとこ
)
だから、
紺足袋
(
こんたび
)
で、おや
指
(
ゆび
)
の
尖
(
さき
)
に
大
(
おほ
)
きな
穴
(
あな
)
のあいたのが、
油蟲
(
あぶらむし
)
を
挾
(
はさ
)
んだ
如
(
ごと
)
く
顯
(
あら
)
はれた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その
某月
(
ぼうげつ
)
の
半
(
なか
)
ばに、
今度
(
こんど
)
は、
鼠
(
ねずみ
)
が
周南
(
しうなん
)
の
室
(
しつ
)
へ
顯
(
あら
)
はれた。もの/\しく
一揖
(
いちいふ
)
して
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今
(
いま
)
大塚
(
おほつか
)
の
樹立
(
こだち
)
の
方
(
はう
)
から
颯
(
さつ
)
と
光線
(
くわうせん
)
を
射越
(
いこ
)
して、
露
(
つゆ
)
が
煌々
(
きら/\
)
する
路傍
(
ろばう
)
の
草
(
くさ
)
へ、
小
(
ちひ
)
さな
片足
(
かたあし
)
を
入
(
い
)
れて、
上
(
うへ
)
から
下
(
お
)
りて
來
(
く
)
る
者
(
もの
)
の
道
(
みち
)
を
開
(
ひら
)
いて
待構
(
まちかま
)
へると、
前
(
まへ
)
とは
違
(
ちが
)
ひ、
歩
(
ほ
)
を
緩
(
ゆる
)
う、のさ/\と
顯
(
あら
)
はれたは
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
前栽
(
せんざい
)
の
強物
(
つはもの
)
の、
花
(
はな
)
を
頂
(
いたゞ
)
き、
蔓手綱
(
つるたづな
)
、
威毛
(
をどしげ
)
をさばき、
裝
(
よそほ
)
ひに
濃
(
こ
)
い
紫
(
むらさき
)
を
染
(
そめ
)
などしたのが、
夏
(
なつ
)
の
陽炎
(
かげろふ
)
に
幻影
(
まぼろし
)
を
顯
(
あら
)
はすばかり、
聲
(
こゑ
)
で
活
(
い
)
かして、
大路
(
おほぢ
)
小路
(
こうぢ
)
を
縫
(
ぬ
)
つたのも
中頃
(
なかごろ
)
で、やがて
月見草
(
つきみさう
)
、
待
(
まつ
)
よひ
草
(
ぐさ
)
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
閨
(
ねや
)
、いや、
寢床
(
ねどこ
)
の
友
(
とも
)
の、——
源語
(
げんご
)
でも、
勢語
(
せいご
)
でもない、
道中膝栗毛
(
だうちうひざくりげ
)
を
枕
(
まくら
)
に
伏
(
ふ
)
せて、どたりとなつて、もう
鳴
(
な
)
きさうなものだと
思
(
おも
)
ふのに、どこかの
樹
(
き
)
の
茂
(
しげ
)
りへ
顯
(
あら
)
はれない
時
(
とき
)
は、
出來
(
でき
)
るものなら
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、やがて、
凄
(
すさま
)
じい
音
(
おと
)
がしますと、
雲
(
くも
)
の
中
(
なか
)
に、
龍
(
りう
)
の
形
(
かたち
)
が
顯
(
あら
)
はれたんです。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
吃驚
(
びつくり
)
するやうな
大景氣
(
だいけいき
)
の
川鐵
(
かはてつ
)
へ
入
(
はひ
)
つて、たゝきの
側
(
そば
)
の
小座敷
(
こざしき
)
へ
陣取
(
ぢんど
)
ると、
細露地
(
ほそろぢ
)
の
隅
(
すみ
)
から
覗
(
のぞ
)
いて、
臆病神
(
おくびやうがみ
)
が
顯
(
あら
)
はれて、
逃路
(
にげみち
)
を
探
(
さが
)
せや
探
(
さが
)
せやと、
電燈
(
でんとう
)
の
瞬
(
またゝ
)
くばかり、
暗
(
くら
)
い
指
(
ゆび
)
さしをするには
弱
(
よわ
)
つた。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
組
(
く
)
んで
噛
(
か
)
みふせる
勇者
(
ゆうしや
)
が
顯
(
あら
)
はれた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
顯
部首:⾴
23画
“顯”を含む語句
露顯
顯微鏡
顯職
相顯
見顯
顯著
發顯
立顯
表顯
隱顯
顯實
顯文紗
顯然
顯紋紗