“桐胴”の読み方と例文
読み方割合
きりどう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
綺麗にならされた桐胴きりどうの火鉢の白い灰が、底冷えのきびしい明け方ちかくの夜気に蒼白あおざめて、酒のさめかけた二人の顔には、深い疲労と、興奮の色が見えていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
丸い桐胴きりどうの火鉢の向うから私と一緒に御覧になるのが何よりのお楽しみのように見えました。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「そう?——寒いのね」うやうやしく座ぶとんをすすむるおんなをちょっと顧みて、浪子のそば近くすわりつ。桐胴きりどう火鉢ひばち指環ゆびわの宝石きらきらと輝く手をかざしつつ、桜色ににおえるほおおさう。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)