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横
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よこ
ふりがな文庫
“
横
(
よこ
)” の例文
「
風
(
かぜ
)
がなくていいな。」と
夢
(
ゆめ
)
の
中
(
なか
)
だけれど
思
(
おも
)
っていたときです。
蒸気
(
じょうき
)
ポンプの
轍
(
わだち
)
が、あちらの
広
(
ひろ
)
い
通
(
とお
)
りを
横
(
よこ
)
の
方
(
ほう
)
へ
曲
(
ま
)
がったようです。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ところが、その
後
(
ご
)
多分
(
たぶん
)
朝鮮
(
ちようせん
)
支那
(
しな
)
の
風
(
ふう
)
が
傳
(
つた
)
はつたのでありませうが、
横
(
よこ
)
からはひる
長
(
なが
)
い
石
(
いし
)
の
部屋
(
へや
)
が
塚
(
つか
)
の
中
(
なか
)
に
造
(
つく
)
られることになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
又護身の用として余は三尺の
秋水
(
しふすゐ
)
を
横
(
よこ
)
たへ、小西、森下、深井、石田の四君は各「ピストル」を
携帯
(
けいたい
)
し、人夫は
猟銃
(
れうじう
)
二挺を
準備
(
じゆんび
)
したり。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
物
(
もの
)
を言う
口付
(
くちつ
)
きが
覚束
(
おぼつか
)
なくて
眼
(
め
)
はどこを見ているかはっきりしないで黒くてうるんでいる。今はそれがうしろの
横
(
よこ
)
でちらっと光る。
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
實際
(
じつさい
)
地質學
(
ちしつがく
)
で
研究
(
けんきゆう
)
してゐる
地層
(
ちそう
)
の
深
(
ふか
)
さは
地表下
(
ちひようか
)
二三里内
(
にさんりない
)
に
横
(
よこ
)
たはつてゐるもの
許
(
ばか
)
りであつて、
醫學上
(
いがくじよう
)
の
皮膚科
(
ひふか
)
にも
及
(
およ
)
ばないものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
▼ もっと見る
乘
(
の
)
るのがうまいと
言
(
い
)
ふ
下
(
した
)
から、
落
(
お
)
ちることもよく
落
(
お
)
ちた。
本郷
(
ほんがう
)
の
菊坂
(
きくざか
)
の
途中
(
とちう
)
で
徐々
(
やは/\
)
と
横
(
よこ
)
に
落
(
お
)
ちたが
寺
(
てら
)
の
生垣
(
いけがき
)
に
引掛
(
ひつかゝ
)
つた、
怪我
(
けが
)
なし。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
父
(
とう
)
さんの
祖母
(
おばあ
)
さんの
隱居所
(
いんきよじよ
)
になつて
居
(
ゐ
)
た二
階
(
かい
)
と
土藏
(
どざう
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りぬけて、
裏
(
うら
)
の
木小屋
(
きごや
)
の
方
(
はう
)
へ
降
(
おり
)
て
行
(
ゆ
)
く
石段
(
いしだん
)
の
横
(
よこ
)
に、その
井戸
(
ゐど
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
熔融炉の側には、松の樹を
仆
(
たお
)
したような
大電纜
(
だいケーブル
)
が、長々と
横
(
よこ
)
わっていたが、これは忘れられたように誰一人ついているものは無かった。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一
片
(
ぺん
)
の
宣言書
(
せんげんしよ
)
==其は頭から
尻尾
(
しつぽ
)
まで、
爆發
(
ばくはつ
)
した感情の
表彰
(
へうしやう
)
で、
激越
(
げきえつ
)
を
極
(
きは
)
め、所謂阿父の
横
(
よこ
)
ツ
頬
(
つら
)
へ
叩
(
たゝ
)
き付けた意味のものであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
が
忽
(
たちま
)
ち、
何
(
なに
)
か
恐
(
おそろ
)
しい
事
(
こと
)
でも
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
したかのやうに、
彼
(
かれ
)
は
頭
(
かしら
)
を
抱
(
かゝ
)
へるなり、
院長
(
ゐんちやう
)
の
方
(
はう
)
へくるりと
背
(
せ
)
を
向
(
む
)
けて、
寐臺
(
ねだい
)
の
上
(
うへ
)
に
横
(
よこ
)
になつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
下
(
した
)
を
見
(
み
)
ると
驚
(
おどろ
)
く
程
(
ほど
)
首
(
くび
)
が
長
(
なが
)
くなつて
居
(
ゐ
)
て、
宛
(
まる
)
でそれは、
遙
(
はる
)
か
眼下
(
がんか
)
に
横
(
よこ
)
たはれる
深緑
(
しんりよく
)
の
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
の
海
(
うみ
)
から
抽
(
ぬ
)
き
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
る
莖
(
くき
)
のやうに
見
(
み
)
えました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
はつと気が
注
(
つ
)
いて眼を
開
(
あ
)
けて見ると、
四辺
(
あたり
)
には朝の光りが一杯に射し込んでゐた。
横
(
よこ
)
つ
腹
(
ぱら
)
を押へてみたが、もう痛みは無くなつてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
四郎五郎
(
しろごろう
)
さんの
藪
(
やぶ
)
の
横
(
よこ
)
までかけて
来
(
く
)
ると、まだ三百
米
(
メートル
)
ほど
走
(
はし
)
ったばかりなのに、あつくなって
来
(
き
)
たので、
上衣
(
うわぎ
)
をぬいでしまった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
私
(
わたし
)
も
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
りあのSさんのやうに
皆
(
みな
)
さんにもうお
訣
(
わか
)
れです、でもね
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、
大
(
おほ
)
きな
大
(
おほ
)
きな
丘陵
(
きうりよう
)
のやうに、
安心
(
あんしん
)
して
横
(
よこ
)
たはつてゐますのよ。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
腰を折ったり、四つに
這
(
は
)
ったり、背中を
横
(
よこ
)
っ
丁
(
ちょ
)
にしたり、頭だけ曲げたり、
坑
(
あな
)
の
恰好
(
かっこう
)
しだいでいろいろに変化する。そうして非常に急ぐ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
〔譯〕
心理
(
しんり
)
は是れ
豎
(
たて
)
の工夫なり、
愽覽
(
はくらん
)
は是れ
横
(
よこ
)
の工夫なり。
豎
(
たて
)
の工夫は、則ち
深入
(
しんにふ
)
自得
(
じとく
)
せよ。
横
(
よこ
)
の工夫は、則ち
淺易
(
せんい
)
汎濫
(
はんらん
)
なれ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
『あれ、
向
(
むか
)
うの
峰
(
みね
)
を
掠
(
かす
)
めて、
白
(
しろ
)
い、
大
(
おお
)
きな
竜神
(
りゅうじん
)
さんが、
眼
(
め
)
にもとまらぬ
迅
(
はや
)
さで
横
(
よこ
)
に
飛
(
と
)
んで
行
(
ゆ
)
かれる……あの
凄
(
すご
)
い
眼
(
め
)
の
色
(
いろ
)
……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
だんだんひどくなって、
横
(
よこ
)
から
吹
(
ふ
)
きつけてくる風を、マサちゃんは
不平
(
ふへい
)
そうにながめて、それから決心して、目かくしをして歩きだしました。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
杉
(
すぎ
)
の
大木
(
たいぼく
)
は
西
(
にし
)
へ
倒
(
たふ
)
したのでづしんとそこらを
恐
(
おそ
)
ろしく
搖
(
ゆる
)
がしてお
品
(
しな
)
の
庭
(
には
)
へ
横
(
よこ
)
たはつた。
枝
(
えだ
)
は
挫
(
くぢ
)
けて
其
(
その
)
先
(
さき
)
が
庭
(
には
)
の
土
(
つち
)
をさくつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は
草
(
くさ
)
の中へ
腰
(
こし
)
を降ろすと
煙草
(
たばこ
)
を取り出した。
妻
(
つま
)
も私の
横
(
よこ
)
へ
座
(
すわ
)
つて落ちついたらしく、
暮
(
くれ
)
て行く空の
色
(
いろ
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。——
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
「
同
(
おな
)
じかくれるにしても、二
階
(
かい
)
の
方
(
ほう
)
が
用心
(
ようじん
)
がいい。」と
思
(
おも
)
って、
馬吉
(
うまきち
)
は二
階
(
かい
)
に
上
(
あ
)
がって、そっとすすだらけな
畳
(
たたみ
)
の上にごろりと
横
(
よこ
)
になりました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
黒
(
くろ
)
く
多
(
おほ
)
き
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
最惜
(
いとを
)
しげもなく
引
(
ひき
)
つめて、
銀杏返
(
いてうがへ
)
しのこはれたるやうに
折返
(
をりかへ
)
し
折返
(
をりかへ
)
し
髷形
(
まげなり
)
に
疊
(
たゝ
)
みこみたるが、
大方
(
おほかた
)
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
りて
狼藉
(
らうぜき
)
の
姿
(
すがた
)
なれども
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
には
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
で
与太
(
よた
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
があるし、それから
私服
(
しふく
)
がうるさく
徘徊
(
うろつ
)
いてゝね、とう/\
松屋
(
まつや
)
の
横
(
よこ
)
で三
人
(
にん
)
も
挙
(
あ
)
げられたつて
云
(
い
)
ふはなしなんだよ。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
七八
間先
(
けんさき
)
を
小
(
こ
)
きざみに
往
(
い
)
く
渋蛇
(
しぶじゃ
)
の
目
(
め
)
の
横
(
よこ
)
を、一
文字
(
もんじ
)
に
駆脱
(
かけぬ
)
けたのも
束
(
つか
)
の
間
(
ま
)
、やがて
踵
(
くびす
)
を
返
(
かえ
)
すと、
鬼
(
おに
)
の
首
(
くび
)
でも
取
(
と
)
ったように、
喜
(
よろこ
)
び
勇
(
いさ
)
んで
駆
(
か
)
け
戻
(
もど
)
った。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
漁師
(
りょうし
)
はまだ手足をのばして、ねていました。すると、おかみさんはひじで漁師の
横
(
よこ
)
っ
腹
(
ぱら
)
をつっついて、いいました。
漁師とそのおかみさんの話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
牛の牢という名は、めぐりの
石壁
(
いしかべ
)
削
(
けず
)
りたるようにて、
昇降
(
のぼりくだり
)
いと
難
(
かた
)
ければなり。ここに来るには、
横
(
よこ
)
に
道
(
みち
)
を取りて、
杉林
(
すぎばやし
)
を
穿
(
うが
)
ち、
迂廻
(
うかい
)
して
下
(
くだ
)
ることなり。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それは
油氣
(
あぶらけ
)
のない
髮
(
かみ
)
をひつつめの
銀杏返
(
いてふがへ
)
しに
結
(
ゆ
)
つて、
横
(
よこ
)
なでの
痕
(
あと
)
のある
皸
(
ひび
)
だらけの
兩頬
(
りやうほほ
)
を
氣持
(
きもち
)
の
惡
(
わる
)
い
程
(
ほど
)
赤
(
あか
)
く
火照
(
ほて
)
らせた、
如何
(
いか
)
にも
田舍者
(
ゐなかもの
)
らしい
娘
(
むすめ
)
だつた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰
(
いはく
)
、
余
(
よ
)
丁酉の夏
北越
(
ほくゑつ
)
に遊びて塩沢に在し時、近村に地芝居ありと
聞
(
きゝ
)
て京水と
倶
(
とも
)
に至りしに、寺の門の
傍
(
かたはら
)
に
杭
(
くひ
)
を
建
(
たて
)
て
横
(
よこ
)
に
長
(
なが
)
き
行燈
(
あんどん
)
あり、是に
題
(
だい
)
して
曰
(
いはく
)
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そして、とうとう
追
(
お
)
いつめられて、みよこの家の
横
(
よこ
)
の、ボートが
岸
(
きし
)
にあげられてあるところまで走ってきた。そのむこうは、もう
湖水
(
こすい
)
で、ゆきどまり——。
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
例
(
たと
)
へば
日比谷公園
(
ひゞやこうえん
)
横
(
よこ
)
の
道路
(
どうろ
)
や、
青山赤坂通
(
あをやまあかさかどほ
)
りなどに
植
(
う
)
ゑてある
鈴
(
すゞ
)
を
下
(
さ
)
げたような
實
(
み
)
のなる
並木樹
(
なみきぎ
)
として
立派
(
りつぱ
)
なすゞかけの
木
(
き
)
は、
明
(
あか
)
るい
淡緑色
(
たんりよくしよく
)
をしてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
これから
腹
(
はら
)
がだぶだぶになるまで
呑
(
の
)
むのです。そして
眠
(
ねむ
)
くなると、
虹
(
にじ
)
でも
吐
(
は
)
くやうなをくび を一つして、ごろりと
横
(
よこ
)
になるのです。と
雷
(
かみなり
)
のやうな
鼾
(
いびき
)
です。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
昼過
(
ひるすぎ
)
から
少
(
すこ
)
し
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た
生温
(
なまあたゝか
)
い
風
(
かぜ
)
が
稍
(
やゝ
)
騒
(
さわ
)
いで、
横
(
よこ
)
になつて
見
(
み
)
てゐると、
何処
(
どこ
)
かの
庭
(
には
)
の
桜
(
さくら
)
が、
早
(
は
)
や
霏々
(
ひら/\
)
と
散
(
ち
)
つて、
手洗鉢
(
てあらひばち
)
の
周
(
まはり
)
の、つは
蕗
(
ぶき
)
の
葉
(
は
)
の
上
(
うへ
)
まで
舞
(
ま
)
つて
来
(
く
)
る。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
あの
水松
(
いちゐ
)
の
下
(
した
)
で、
長々
(
なが/\
)
と
横
(
よこ
)
になって、
此
(
この
)
洞
(
ほら
)
めいた
地
(
ち
)
の
上
(
うへ
)
に
直
(
ひた
)
と
耳
(
みゝ
)
を
附
(
つ
)
けてゐい、
穴
(
あな
)
を
掘
(
ほ
)
るので、
土
(
つち
)
が
緩
(
ゆる
)
んで、
和
(
やはら
)
いでゐるによって、
踏
(
ふ
)
めば
直
(
すぐ
)
に
足音
(
あしあと
)
が
聞
(
きこ
)
えう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それゆえ、そのとおり、とりはからわぬにおいては、この宮中につかえるたれかれのこらず、夕食ののち、
横
(
よこ
)
ッ
腹
(
ぱら
)
をふむことにいたすから、さようこころえよ。
小夜啼鳥
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かれはロハ台に
横
(
よこ
)
たわりながら、その希望と今の失望との間にはさまった一場の光景をまた思い浮かべた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
左様
(
さやう
)
であらう、ソラ
此器
(
これ
)
で
脈搏
(
みやくはく
)
を
聴
(
き
)
くんだ、
何
(
ど
)
うだグウ/\
鳴
(
な
)
るだらう。登「エヘヽヽヽくすぐつたうござりますな、
左様
(
さやう
)
横
(
よこ
)
ツ
腹
(
ぱら
)
へ
器械
(
きかい
)
をお
当
(
あて
)
あそばしましては。 ...
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今まで黙って聞いていた神尾主膳が、この時、平手を以て、ピシャリと、無警告で、鐚の
横
(
よこ
)
っ
面
(
つら
)
をひっぱたきましたから、不意を食った鐚が驚いたの驚かないの——
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
充分
(
したゝか
)
に
打叩
(
うちたゝ
)
きければ彼の男
横
(
よこ
)
に
摚
(
どう
)
と
倒
(
たふ
)
されしにぞ
其間
(
そのひま
)
に又七と共に殘り二人の
惡者
(
わるもの
)
を
散々
(
さん/″\
)
に打叩きける故
皆
(
みな
)
叶
(
かな
)
はじと
散々
(
ちり/″\
)
に
迯
(
にげ
)
行けり
然
(
され
)
ば金は取られず
先
(
まづ
)
無事に其場を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
雲はその平地の向うの果である雑木山の上に
横
(
よこ
)
たわっていた。雑木山では絶えず
杜鵑
(
ほととぎす
)
が鳴いていた。
蒼穹
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
それは
気持
(
きもち
)
が悪かった。何か
横
(
よこ
)
っ
腹
(
ぱら
)
の
辺
(
へん
)
で
皺
(
しわ
)
くちゃになったと思うと——やがてその
中
(
うち
)
にシャツが
破
(
やぶ
)
れて、もみくたになったという
感覚
(
かんかく
)
が、もっとはっきりして来た。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
娘を夜の冒険に送り出して、引返した彦兵衛、
行灯
(
あんどん
)
の
灯
(
あかり
)
の中に、動物のように乱酔した身体を
横
(
よこ
)
たえた東作を、憎々しく見詰めましたが、いきなりハタと枕を蹴って
銭形平次捕物控:075 巾着切りの娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
受
(
う
)
け
答
(
こた
)
へて、
茶色
(
ちやいろ
)
のスエエタアを
着
(
き
)
た、まるまる
肥
(
ふと
)
つた
體
(
からだ
)
をよちよちさせながら、
敏樹
(
としき
)
は
別
(
べつ
)
の
小
(
ちひ
)
さな
鞠
(
まり
)
を
投
(
な
)
げた。が、
見當
(
けんたう
)
はづれて、それは
夫
(
をつと
)
の
横
(
よこ
)
へそれてしまつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
しかし
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
の
暮
(
く
)
れ
方
(
かた
)
、おれは
帰
(
かへ
)
りゆく
労働者
(
らうどうしや
)
のすべての
拳
(
こぶ
)
しの
中
(
うち
)
に
握
(
にぎ
)
り
占
(
し
)
められたビラの
端
(
はし
)
を
見
(
み
)
た
電柱
(
でんちう
)
の
前
(
まへ
)
に、
倉庫
(
さうこ
)
の
横
(
よこ
)
に、
風
(
かぜ
)
にはためく
伝単
(
でんたん
)
を
見
(
み
)
た、
同志
(
どうし
)
よ
安
(
やす
)
んぜよ
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
あの
貧乏
(
びんぼう
)
な
百姓
(
ひゃくしょう
)
の、やさしい、まるで
母親
(
ははおや
)
のようなほほえみだの、お
祈
(
いの
)
りの十
字
(
じ
)
のしるしや、あの
首
(
くび
)
を
横
(
よこ
)
にふりながら、「ほんに、さぞたまげたこったろうになあ、なあ
坊
(
ぼう
)
」
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
船橋
(
せんけう
)
の
上
(
うへ
)
から
一心
(
いつしん
)
に
双眼鏡
(
そうがんきやう
)
を
我
(
わ
)
が
船
(
ふね
)
に
向
(
む
)
けて
居
(
を
)
つたが、
不思議
(
ふしぎ
)
だ、
私
(
わたくし
)
の
視線
(
しせん
)
と
彼方
(
かなた
)
の
視線
(
しせん
)
とが
端
(
はし
)
なくも
衝突
(
しようとつ
)
すると、
忽
(
たちま
)
ち
彼男
(
かなた
)
は
双眼鏡
(
そうがんきやう
)
をかなぐり
捨
(
す
)
てゝ、
乾顏
(
そしらぬかほ
)
に
横
(
よこ
)
を
向
(
む
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
しかも消えるように所在知れずになったそれらと、ここにこうして着座したものとに、どれだけの差があるというのか。彼らの前にも同じ道が
横
(
よこ
)
たわっているのではないか。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
さては
横
(
よこ
)
にひく
車戸
(
くるまど
)
かと、
諸手
(
もろて
)
をかけて
試
(
こころ
)
みたが、ぎしッといっただけで一
寸
(
すん
)
も
開
(
ひら
)
かばこそ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
製作形状
(
せいさくけいじやう
)
等に付ては土器の事を言ふ
折
(
お
)
りに
細説
(
さいせつ
)
すべけれど、
大概
(
たいがい
)
を述ぶれば其
全体
(
ぜんたい
)
は大なる
算盤玉
(
そろばんだま
)
の如くにして
横
(
よこ
)
に
卷煙草
(
まきたばこ
)
のパイプを
短
(
みぢか
)
くせし如き形の
注
(
つ
)
ぎ出し口付きたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
孰
(
いづ
)
れも
渋々
(
しぶ/\
)
食堂
(
しよくだう
)
に
下
(
お
)
りて、
例
(
れい
)
に
依
(
よ
)
つて
旨
(
うま
)
くも
何
(
なん
)
ともない
晩餐
(
ばんさん
)
の
卓子
(
テーブル
)
に
就
(
つ
)
く。
食事
(
しよくじ
)
がすんで
又
(
また
)
甲板
(
かんぱん
)
に
出
(
で
)
ると、
日
(
ひ
)
は
既
(
すで
)
にとツぷりと
暮
(
く
)
れて、やツとのことで
船
(
ふね
)
は
桟橋
(
さんばし
)
に
横
(
よこ
)
づけになつたらしい。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
人車
(
じんしや
)
は
徐々
(
じよ/\
)
として
小田原
(
をだはら
)
の
町
(
まち
)
を
離
(
はな
)
れた。
僕
(
ぼく
)
は
窓
(
まど
)
から
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
る。
忽
(
たちま
)
ちラツパを
勇
(
いさ
)
ましく
吹
(
ふ
)
き
立
(
た
)
てゝ
車
(
くるま
)
は
傾斜
(
けいしや
)
を
飛
(
と
)
ぶやうに
滑
(
すべ
)
る。
空
(
そら
)
は
名殘
(
なごり
)
なく
晴
(
は
)
れた。
海風
(
かいふう
)
は
横
(
よこ
)
さまに
窓
(
まど
)
を
吹
(
ふ
)
きつける。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
“横”の意味
《名詞》
(よこ)左右の方向。水平の方向。
(よこ)東西の方向。
(よこ)側面。
(よこ)傍ら。
(よこ)同列の関係。
(出典:Wiktionary)
“横(縦と横)”の解説
縦(たて)は主に垂直や前後の方向を、横(よこ)は主に水平や左右の方向を指す語である。
縦と横は対義語である。
(出典:Wikipedia)
横
常用漢字
小3
部首:⽊
15画
“横”を含む語句
横面
横顔
横臥
横川
横町
横腹
横倒
縦横
横着
横道
横行
横頬
横合
横手
横綴
横仆
横啣
横笛
横道者
横浜
...