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見事
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みごと
ふりがな文庫
“
見事
(
みごと
)” の例文
もっとも、かように
大
(
おほ
)
きいものは、さうたくさんはありませんが、そのうちもっとも
見事
(
みごと
)
なのは、
北朝鮮
(
きたちようせん
)
の
平安南道
(
へいあんなんどう
)
にあるものです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
其処
(
そこ
)
へ
懸
(
か
)
けては
我等
(
わしら
)
が
鮒
(
ふな
)
ぢや。
案山子
(
かゝし
)
が
簑
(
みの
)
を
捌
(
さば
)
いて
捕
(
と
)
らうとするなら、ぴち/\
刎
(
は
)
ねる、
見事
(
みごと
)
に
泳
(
およ
)
ぐぞ。
老爺
(
ぢい
)
が
広言
(
くわうげん
)
を
吐
(
は
)
くではねえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つづいて同じようにおどりかかっていったホールも、ものの
見事
(
みごと
)
に
投
(
な
)
げとばされ、
腰
(
こし
)
の
骨
(
ほね
)
をしたたかうって起きあがれなくなった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
で、
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
い
切
(
き
)
ってその
門
(
もん
)
をくぐって
行
(
ゆ
)
きましたが、
門内
(
もんない
)
は
見事
(
みごと
)
な
石畳
(
いしだた
)
みの
舗道
(
ほどう
)
になって
居
(
お
)
り、あたりに
塵
(
ちり
)
一
(
ひと
)
つ
落
(
お
)
ちて
居
(
お
)
りませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
大佐閣下
(
たいさかつか
)
、
鐵車
(
てつしや
)
も
見事
(
みごと
)
に
出來
(
でき
)
ましたれば、
善
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げで
今
(
いま
)
から
直
(
す
)
ぐと
紀念塔
(
きねんたふ
)
を
建
(
た
)
てに
出發
(
しゆつぱつ
)
しては
如何
(
どう
)
でせう、すると
氣
(
き
)
も
晴々
(
はれ/″\
)
しますから。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
誰
(
だれ
)
にいうともない
独言
(
ひとりごと
)
ながら、
吉原
(
よしわら
)
への
供
(
とも
)
まで
見事
(
みごと
)
にはねられた、
版下彫
(
はんしたぼり
)
の
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
は、
止度
(
とめど
)
なく
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
が
沸
(
に
)
えくり
返
(
かえ
)
っているのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
棚
(
たな
)
の
上
(
うへ
)
に
見事
(
みごと
)
な
白
(
しろ
)
い
牡丹
(
ぼたん
)
が
活
(
い
)
けてあつた。その
外
(
ほか
)
机
(
つくゑ
)
でも
蒲團
(
ふとん
)
でも
悉
(
こと/″\
)
く
綺麗
(
きれい
)
であつた。
坂井
(
さかゐ
)
は
始
(
はじ
)
め
暗
(
くら
)
い
入口
(
いりくち
)
に
立
(
た
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
さ
)
れど瀧口、口にくはへし松が枝の
小搖
(
こゆる
)
ぎも見せず。
見事
(
みごと
)
振鈴
(
しんれい
)
の響に耳を
澄
(
す
)
まして、
含識
(
がんしき
)
の
流
(
ながれ
)
、さすがに濁らず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
この男は村一番の
強者
(
つわもの
)
で、ある時村の一番強い牛と
喧嘩
(
けんか
)
をして、その牛の角をへし
折
(
お
)
り、あばら
骨
(
ぼね
)
を
蹴破
(
けやぶ
)
って
見事
(
みごと
)
に
倒
(
たお
)
してしまったことのある男であった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
そしていかにも
易々
(
やすやす
)
と
脚
(
あし
)
の
下
(
した
)
に
水
(
みず
)
を
掻
(
か
)
き
分
(
わ
)
けて、
見事
(
みごと
)
に
泳
(
およ
)
ぎ
廻
(
まわ
)
るのでした。そしてあのぶきりょうな
子家鴨
(
こあひる
)
もみんなと
一緒
(
いっしょ
)
に
水
(
みず
)
に入り、
一緒
(
いっしょ
)
に
泳
(
およ
)
いでいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
マーキュ
昔話
(
むかしばなし
)
の
猫王
(
チッバルト
)
ぢゃと
思
(
おも
)
うたら
當
(
あて
)
が
違
(
ちが
)
はう。
見事
(
みごと
)
武士道
(
ぶしだう
)
の
式作法
(
しきさはふ
)
に
精通
(
せいつう
)
遊
(
あそ
)
ばしたお
達人
(
たつじん
)
さまぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
二人
(
ふたり
)
の
關係
(
くわんけい
)
の
眞相
(
しんさう
)
が、どんなものであつたかは
誰
(
たれ
)
も
知
(
し
)
らない。
恐
(
おそ
)
らくは
彼女自身
(
かのぢよじしん
)
にもわからなかつたことであらう。
彼女
(
かのぢよ
)
は
見事
(
みごと
)
に
誘惑
(
いうわく
)
の
甘
(
あま
)
い
毒氣
(
どくけ
)
に
盲
(
めし
)
ひたのである。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
其れについて幸い
木目
(
もくめ
)
見事
(
みごと
)
の
欅板
(
けやきいた
)
があるので、戦役記念の題字を書いてくれと先日村の
甲乙
(
たれかれ
)
が彼に持込んで来たが、書くが職業と云う条あまりの
名筆故
(
めいひつゆえ
)
彼は辞退した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
こう
言
(
い
)
って、
魔女
(
まじょ
)
はラプンツェルの
美
(
うつく
)
しい
髪
(
かみ
)
を
攫
(
つか
)
んで、
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
へぐるぐると
巻
(
ま
)
きつけ、
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
に
剪刀
(
はさみ
)
を
執
(
と
)
って、ジョキリ、ジョキリ、と
切
(
き
)
り
取
(
と
)
って、その
見事
(
みごと
)
な
辮髪
(
べんぱつ
)
を
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
馬に
鞭
(
むち
)
うち全速力で狼群の中を駈け抜けて逃れたが、そのとき、李陵の馬の
尻
(
しり
)
に飛びかかった一匹を、後ろに駈けていた青年左賢王が
彎刀
(
わんとう
)
をもって
見事
(
みごと
)
に
胴斬
(
どうぎ
)
りにした。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
墓
(
はか
)
へ
這入
(
はい
)
るまで八
圓
(
ゑん
)
の
月給
(
げつきう
)
では
有
(
あ
)
るまいと
思
(
おも
)
ひますに、
其邊
(
そのへん
)
格別
(
かくべつ
)
の
御心配
(
ごしんぱい
)
なくと
見事
(
みごと
)
に
言
(
い
)
へば、
母親
(
はゝおや
)
はまだらに
殘
(
のこ
)
る
黒
(
くろ
)
き
齒
(
は
)
を
出
(
だ
)
して、
成
(
な
)
るほど/\
宜
(
よ
)
く
立派
(
りつぱ
)
に
聞
(
きこ
)
えました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『ほう、ほう!』と彼等は叫びました、『あいつはメヅサの蛇に
見事
(
みごと
)
に咬まれてしまうぜ!』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
噴煙
(
ふんえん
)
が
間歇的
(
かんけつてき
)
に
起
(
おこ
)
ると、
時々
(
とき/″\
)
見事
(
みごと
)
な
煙輪
(
えんわ
)
が
出來
(
でき
)
る。
丁度
(
ちようど
)
石油發動機
(
せきゆはつどうき
)
の
煙突上
(
えんとつじよう
)
に
見
(
み
)
るように。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
『
何
(
なん
)
と
此程
(
これほど
)
見事
(
みごと
)
な
物
(
もの
)
があらうぞや。それから
又
(
また
)
——「フイと
恁麽
(
こんな
)
氣
(
き
)
になつたのも——」そんな
氣
(
き
)
になる
筈
(
はづ
)
はないが、え、なつたのではなからうが?』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
三
月
(
がつ
)
の
雪
(
ゆき
)
が
綿
(
わた
)
のように
町
(
まち
)
へ
来
(
き
)
て、
一晩
(
ひとばん
)
のうちに
見事
(
みごと
)
に
溶
(
と
)
けてゆく
頃
(
ころ
)
には、
袖子
(
そでこ
)
の
家
(
いえ
)
ではもう
光子
(
みつこ
)
さんを
呼
(
よ
)
ぶ
声
(
こえ
)
が
起
(
お
)
こらなかった。それが「
金之助
(
きんのすけ
)
さん、
金之助
(
きんのすけ
)
さん」に
変
(
か
)
わった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この
人
(
ひと
)
の
歌
(
うた
)
は、
自然物
(
しぜんぶつ
)
を
寫
(
うつ
)
す
場合
(
ばあひ
)
にも、
自分
(
じぶん
)
の
感情
(
かんじよう
)
を
述
(
の
)
べる
敍情詩
(
じよじようし
)
といふものゝ
場合
(
ばあひ
)
にも、
實
(
じつ
)
に
見事
(
みごと
)
に
出來
(
でき
)
てゐるので、どちらがよいといひ
切
(
き
)
ることは
出來
(
でき
)
ませんが、
世間
(
せけん
)
では
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
今日のお働き実に
見事
(
みごと
)
。まさに大円満の明鏡は
研
(
みが
)
き出されんとす。さりながら血気にはやる暴勇。功を急ぐの短所。ともすると一点の
瑕瑾
(
かきん
)
たらんかをおそる。自愛一層の精進せられよ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実
(
じつ
)
に
見事
(
みごと
)
にはなりましたがまたおかしかったのです。
第一
(
だいいち
)
萱が
倒
(
たお
)
れていましたしきのこのちぎれた脚も見えていました。私どもは笑って見ていますと黒服の役人がむずかしい顔をして云いました。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
見物人達は、余りに
見事
(
みごと
)
な不具者の演戯に、暫くはため息をつくばかりだった。当の手品使いさえもが、目をみはって、声を呑んでいた。が、やがて、ワーッというときの声が、小屋をゆすった。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
先方
(
せんぱう
)
では
大
(
おほい
)
に
恐縮
(
きようしゆく
)
して、いろ/\
相談
(
さうだん
)
の
末
(
すゑ
)
、
或
(
あ
)
る
名高
(
なだか
)
い
針醫
(
はりい
)
が
亡
(
なくな
)
つて、
其
(
そ
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
の
不用
(
ふよう
)
になつてゐたのを
買
(
か
)
ひ
取
(
と
)
り、それを
療法
(
れうはふ
)
の
禮
(
れい
)
として
贈
(
おく
)
つて
來
(
き
)
たのが、この
藥箱
(
くすりばこ
)
で、
見事
(
みごと
)
な
彫刻
(
てうこく
)
がしてあつて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
見事
(
みごと
)
見事
(
みごと
)
とほめそやし
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
床
(
とこ
)
にも
座敷
(
ざしき
)
にも
飾
(
かざり
)
といつては
無
(
な
)
いが、
柱立
(
はしらだち
)
の
見事
(
みごと
)
な、
畳
(
たゝみ
)
の
堅
(
かた
)
い、
炉
(
ろ
)
の
大
(
おほい
)
なる、
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
鯉
(
こひ
)
は
鱗
(
うろこ
)
が
黄金造
(
こがねづくり
)
であるかと
思
(
おも
)
はるる
艶
(
つや
)
を
持
(
も
)
つた
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
昨夜
(
さくや
)
以來
(
いらい
)
我
(
わが
)
朝日島
(
あさひじま
)
の
海岸
(
かいがん
)
は、
手
(
て
)
の
及
(
およ
)
ぶ
限
(
かぎ
)
り
裝飾
(
さうしよく
)
された。
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
は
隙間
(
すきま
)
もなく
日
(
ひ
)
の
丸
(
まる
)
の
國旗
(
こくき
)
に
取卷
(
とりま
)
かれて、
其
(
その
)
正面
(
せうめん
)
には、
見事
(
みごと
)
な
緑門
(
アーチ
)
も
出來
(
でき
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
『まあ
見事
(
みごと
)
な
百合
(
ゆり
)
の
花
(
はな
)
……。』
私
(
わたくし
)
は
覚
(
おぼ
)
えずそう
叫
(
さけ
)
んで、
巌間
(
いわま
)
から
首
(
くび
)
をさし
出
(
だ
)
していた
半開
(
はんかい
)
の
姫百合
(
ひめゆり
)
を
手折
(
たお
)
り、
小娘
(
こむすめ
)
のように
頭髪
(
かみ
)
に
挿
(
さ
)
したりしました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「此はお嬢様に」と婦人が
取出
(
とりだ
)
したのは、十七八ずつも
実
(
な
)
った
丹波酸漿
(
たんばほおずき
)
が二本。いずれも
紅
(
あか
)
いカラのまゝ虫一つ喰って居ない。「まあ
見事
(
みごと
)
な」と主婦が歎美の声を放つ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
見事
(
みごと
)
圖星
(
づぼし
)
を
射中
(
いあ
)
てたといふ
彼
(
あ
)
の
弓取
(
ゆみと
)
りのキューピッドに
何
(
なん
)
とか
綽號
(
あだな
)
でも
附
(
つ
)
けさっしゃい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
火口近
(
かこうちか
)
くにゐてこの
波動
(
はどう
)
に
直面
(
ちよくめん
)
したものは、
空氣
(
くうき
)
の
大
(
おほ
)
きな
槌
(
つち
)
を
以
(
もつ
)
て
擲
(
なぐ
)
られたことになるので、
巨大
(
きよだい
)
な
樹木
(
じゆもく
)
が
見事
(
みごと
)
に
折
(
を
)
れ、
或
(
あるひ
)
は
根
(
ね
)
こぎにされて
遠方
(
えんぽう
)
へ
運
(
はこ
)
ばれる。
勿論
(
もちろん
)
家屋
(
かおく
)
などは
一溜
(
ひとたま
)
りもない。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
お
前達
(
まへたち
)
はそこいらに
居
(
ゐ
)
る
蜂
(
はち
)
が
庭
(
には
)
なぞへ
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て
花
(
はな
)
の
蕋
(
しべ
)
を
出
(
で
)
たり
入
(
はい
)
つたりするのを
見
(
み
)
かけるでせう。それからあの
黄色
(
きいろ
)
い
蓋
(
ふた
)
のしてある
蜂
(
はち
)
の
巣
(
す
)
の
見事
(
みごと
)
に
出來
(
でき
)
たのを
見
(
み
)
かけることも
有
(
あ
)
るでせう。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
三十
圓
(
ゑん
)
どりの
會社員
(
くわいしやゐん
)
の
妻
(
つま
)
が
此形粧
(
このげうそう
)
にて
繰廻
(
くりまわ
)
しゆく
家
(
いゑ
)
の
中
(
うち
)
おもへば
此女
(
このをんな
)
が
小利口
(
こりこう
)
の
才覺
(
さいかく
)
ひとつにて、
良人
(
おつと
)
が
箔
(
はく
)
の
光
(
ひか
)
つて
見
(
み
)
ゆるやら
知
(
し
)
らねども、
失敬
(
しつけい
)
なは
野澤桂次
(
のざわけいじ
)
といふ
見事
(
みごと
)
立派
(
りつぱ
)
の
名前
(
なまへ
)
ある
男
(
をとこ
)
を
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
恐
(
いか
)
りにもえた声がして、
警官
(
けいかん
)
はものの
見事
(
みごと
)
に、その場になぐりたおされた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
其内
(
そのうち
)
薄
(
うす
)
い
霜
(
しも
)
が
降
(
お
)
りて、
裏
(
うら
)
の
芭蕉
(
ばせう
)
を
見事
(
みごと
)
に
摧
(
くだ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は
崖上
(
がけうへ
)
の
家主
(
やぬし
)
の
庭
(
には
)
の
方
(
はう
)
で、
鵯
(
ひよどり
)
が
鋭
(
する
)
どい
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てた。
夕方
(
ゆふがた
)
には
表
(
おもて
)
を
急
(
いそ
)
ぐ
豆腐屋
(
とうふや
)
の
喇叭
(
らつぱ
)
に
交
(
まじ
)
つて、
圓明寺
(
ゑんみやうじ
)
の
木魚
(
もくぎよ
)
の
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
えた。
日
(
ひ
)
は
益
(
ます/\
)
短
(
みじ
)
かくなつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おはもじながらここもとは、そもじ
思
(
おも
)
うて
首
(
くび
)
ッたけ、
烏
(
からす
)
の
鳴
(
な
)
かぬ
日
(
ひ
)
はあれど、そもじ
見
(
み
)
ぬ
日
(
ひ
)
は
寝
(
ね
)
も
寝
(
ね
)
つかれぬ。
雪駄
(
せった
)
ちゃらちゃら
横眼
(
よこめ
)
で
見
(
み
)
れば、
咲
(
さ
)
いた
桜
(
さくら
)
か
芙蓉
(
ふよう
)
の
花
(
はな
)
か、さても
見事
(
みごと
)
な
富士
(
ふじ
)
びたえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
見事
(
みごと
)
な、
見
(
み
)
い——ごとな
肉汁
(
スープ
)
!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
『
見事
(
みごと
)
、斬るか』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唯
(
と
)
見
(
み
)
ると、
何
(
ど
)
うしたことかさ、
今
(
いま
)
いふ
其
(
その
)
檜
(
ひのき
)
ぢやが、
其処
(
そこ
)
らに
何
(
なんに
)
もない
路
(
みち
)
を
横截
(
よこぎ
)
つて
見果
(
みはて
)
のつかぬ
田圃
(
たんぼ
)
の
中空
(
なかそら
)
へ
虹
(
にじ
)
のやうに
突出
(
つきで
)
て
居
(
ゐ
)
る、
見事
(
みごと
)
な。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
見事
(
みごと
)
!
見事
(
みごと
)
! イヤ
實
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
大發明
(
だいはつめい
)
だよ。』と
私
(
わたくし
)
は
膝
(
ひざ
)
の
進
(
すゝ
)
むを
覺
(
おぼ
)
えなかつた。
兵曹
(
へいそう
)
は
猶
(
なほ
)
も
威勢
(
ゐせい
)
よく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
寸志の一包と、吾れながら
見事
(
みごと
)
に出来た
聖護院
(
しょうごいん
)
大根
(
だいこ
)
を三本
提
(
さ
)
げて、挨拶に行く。
禾場
(
うちば
)
には祝入営の旗が五本も
威勢
(
いせい
)
よく立って、広くもあらぬ家には
人影
(
ひとかげ
)
と
人声
(
ひとごえ
)
が一ぱいに溢れて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
パリス
姫
(
ひめ
)
よりも
若
(
わか
)
うて、
見事
(
みごと
)
、
母親
(
はゝおや
)
になってゐるのがござるのに。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
それは
丁度
(
ちょうど
)
人間
(
にんげん
)
が
平地
(
へいち
)
を
駆
(
か
)
けると
同
(
おな
)
じく、
指端
(
ゆびさき
)
一
(
ひと
)
つ
触
(
ふ
)
れずに、
大木
(
たいぼく
)
の
幹
(
みき
)
をば
蹴
(
け
)
って、
空
(
そら
)
へ
向
(
む
)
けて
駆
(
か
)
け
上
(
あが
)
るのでございますが、その
迅
(
はや
)
さ、
見事
(
みごと
)
さ、とても
筆
(
ふで
)
や
言葉
(
ことば
)
につくせる
訳
(
わけ
)
のものではありませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
見事
(
みごと
)
な、
見事
(
みごと
)
な、
肉汁
(
スープ
)
!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
大
(
おほき
)
な
蛤
(
はまぐり
)
、
十
(
と
)
ウばかり。(
註
(
ちう
)
、ほんたうは
三個
(
さんこ
)
)として、
蜆
(
しゞみ
)
も
見事
(
みごと
)
だ、
碗
(
わん
)
も
皿
(
さら
)
もうまい/\、と
慌
(
あわ
)
てて
瀬戸
(
せと
)
ものを
噛
(
かじ
)
つたやうに、
覺
(
おぼ
)
えがきに
記
(
しる
)
してある。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
金
(
かね
)
の
力
(
ちから
)
と
權威
(
けんゐ
)
を
以
(
もつ
)
て、
見事
(
みごと
)
に
此
(
こ
)
の
女
(
もの
)
祕藏
(
ひざう
)
し
見
(
み
)
すべし、
再
(
ふたゝ
)
び
是
(
これ
)
を
阿母
(
おふくろ
)
の
胎内
(
たいない
)
に
戻
(
もど
)
すことこそ
叶
(
かな
)
はずとも、などか
其
(
そ
)
の
術
(
すべ
)
のなからんや、いで
立處
(
たちどころ
)
に
驗
(
しるし
)
を
見
(
み
)
せう。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それよりも、
見事
(
みごと
)
なのは、
釣竿
(
つりざを
)
の
上下
(
あげおろし
)
に、
縺
(
もつ
)
るゝ
袂
(
たもと
)
、
飜
(
ひるがへ
)
る
袖
(
そで
)
で、
翡翠
(
かはせみ
)
が
六
(
むつ
)
つ、十二の
翼
(
つばさ
)
を
飜
(
ひるがへ
)
すやうなんです。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
少
(
わか
)
いものを
唆
(
そゝの
)
かして、
徒労力
(
むだぼね
)
を
折
(
を
)
らせると
何故
(
あぜ
)
で
言
(
い
)
ふのぢや。
御坊
(
ごばう
)
、
飛騨山
(
ひだやま
)
の
菊松
(
きくまつ
)
が、
烏帽子
(
えばうし
)
を
冠
(
かぶ
)
つて、
向顱巻
(
むかふはちまき
)
を
為
(
し
)
て
手伝
(
てつだ
)
つて、
見事
(
みごと
)
に
仕上
(
しあ
)
げさせたら
何
(
なん
)
とする。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
丈
(
たけ
)
より
高
(
たか
)
い一
面
(
めん
)
の
雑草
(
ざつさう
)
の
中
(
なか
)
に、
三本
(
みもと
)
、
五本
(
いつもと
)
また
七本
(
なゝもと
)
、
淡
(
あは
)
い
紫
(
むらさき
)
の
露
(
つゆ
)
の
流
(
なが
)
るゝばかり、
且
(
かつ
)
飛
(
と
)
ぶ
処
(
ところ
)
に、
茎
(
くき
)
の
高
(
たか
)
い
見事
(
みごと
)
な
桔梗
(
ききやう
)
が、——まことに、
桔梗色
(
ききやういろ
)
に
咲
(
さ
)
いたのであつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“見”で始まる語句
見
見惚
見出
見物
見下
見上
見送
見透
見做
見当