相手あひて)” の例文
ぼくおもふに、いつたい僕等ぼくら日本人にほんじん麻雀マージヤンあそかた神經質しんけいしつぎる。あるひ末梢的まつせうてきぎる。勿論もちろんあらそひ、とらへ、相手あひてねら勝負事しようぶごとだ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
大豆打でえづぶちにかつころがつたてえに面中つらぢうめどだらけにしてなあ」剽輕へうきん相手あひてます/\惡口あくこうたくましくした。群衆ぐんしふ一聲ひとこゑをはごとわらひどよめいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何遍なんべんいたしましても、おなじことでござります。』と、玄竹げんちくはこの潔癖けつぺき殿樣とのさま相手あひてをしてゐるのが、すこ迷惑めいわくになつてた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
そのうちたけまばらになると、何本なんぼんすぎならんでゐる、——わたしは其處そこるがはやいか、いきなり相手あひてせました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それがぼく出身しゆつしん學校がくかうなのです、四十幾歳いくさい屈強くつきやう體躯からだをした校長かうちやう大島氏おほしましは、四五にん教員けうゐん相手あひてに二百餘人よにん生徒せいと教鞭けふべんつてられます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
と、アンドレイ、エヒミチはかしらりながら、相手あひてずに徐々のろ/\話出はなしだす。かれはなしをするときひとぬのがくせ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
時に嘉川主税之助は我が實子じつし愛欲あいよくまなこくらみて家のみだれは一向構はず彼安間平左衞門始め新參の家來を相手あひて只管ひたすら惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
本目ほんめ無理むりんだ。三本目ぼんめにもへなかつた。宗助そうすけかべたして、つて相手あひてのないひとやうをして、ぼんやり何處どこかを見詰みつめてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あるひは足下おぬしいろ榛色はしばみいろぢゃによって、そこで相手あひてはしばみ噛割かみわったとふだけのことで、鬪爭けんくわひかねぬ。
A それだからいけないよ、きみは。なんでも相手あひてにさせるんだよ。相手あひてにしなけりや承知しようちしないとふんだよ。それが政治機關せいぢきくわん改造かいざうする所以ゆゑんなんだらうぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
一人住居ひとりずまゐ相手あひてなしに毎日まいにち毎夜まいやさびしくくらしてるなればすきのときにはあそびにもくだされ、わたし此樣こんながらがらしたなればきつちやんのやうなあばれさんが大好だいす
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此時このとき夫人ふじん少年せうねんひざせて、その良君をつとほか三人みたり相手あひて談話はなしをしてつたが、わたくし姿すがたるより
そして、相手あひてとりしたほうへとだんだんちひさくなつてちてゆき、えなくなつてしまふと、そのときこそ得意とくいさうにはねらして、カラカラとそらのまんなかで、わらふのだつた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
さてうたは、どこまでも、自分じぶんこゝろくはしく、相手あひてこゝろくようにいひすものであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
ト、ひとひとつ、自分じぶんまつげが、かみうへへばら/\とこぼれた、ほんの、片假名かたかなまじりに落葉おちばする、やまだの、たにだのをそのまゝのを、じつ相手あひてませて、傍目わきめらずたのが。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じつはね情死しんぢゆうそこなひました、相手あひて本町ほんちやう薬屋くすりやの息子さんで、二人とも助かりまして品川溜しながはだめあづけられて、すんでに女太夫をんなたいふに出るところをいゝあんばいにけてこゝにてゐますが。
此間このあひだ望蜀生ばうしよくせい故郷こきやうかへり、活東子くわつとうしまたふるはず。幻花子げんくわし相變あひかはらず。それと玄川子げんせんし相手あひてにぼつ/\つて、到頭たうとう鷄屋とりやへいしたまですゝんで、なつころには場所ばしよくなつた。
うしはだまりこみました。あぶはあいかわらず。そしてひど相手あひてはらをたてました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
勿論もちろん』と海龜うみがめつて、『二すゝんで、相手あひて打棄放うつちやりぱなしにする——』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
技法ぎはふ尖鋭せんえい慧敏けいびんさは如何いかほどまでもたふとばれていいはずだが、やたらに相手あひて技法ぎはふ神經しんけいがらして、惡打あくだいかのゝしり、不覺ふかくあやまちをとが
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「どうれ、けえつて牛蒡ごぼうでもこせえべえ、明日あした天秤棒てんびんぼうかついで支障さはりにならあ」剽輕へうきん相手あひておもしたやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
まちではじつにもう退屈たいくつです。だれ相手あひてはなしするものもなし。はなしものもなし。あたらしい人間にんげんはなし。しか此頃このころハヾトフとわか醫者いしやまちにはたですが。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
とはんに然樣の事覺えなし又不義仕掛たる事も候はずといふときは互ひに水掛論みづかけろんにて證據なければ主人を相手あひて公事くじをなすのみならず奉公人の方より主人へ無理暇むりいとま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
相手あひてをんなとしは、むつばかりえた。あかはゞのあるリボンを蝶々てふ/\やうあたまうへ喰付くつつけて、主人しゆじんけないほどいきほひで、ちひさなにぎかためてさつとまへした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よわものいぢめは此方こつちはぢになるから三五らう美登利みどり相手あひてにしても仕方しかたい、正太しようた末社まつしやがついたら其時そのときのこと、けつして此方こつちから手出てだしをしてはならないととゞめて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その太刀打たちうちがどうなつたかは、まをげるまでもありますまい。わたしの太刀たちは二十三がふに、相手あひてむねつらぬきました。二十三がふに、——どうかそれをわすれずにください。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
りの玄竹げんちく相手あひてに、けるのをわすれてゐた但馬守たじまのかみは、いくんでもはぬさけに、便所べんじよへばかりつてゐたが、座敷ざしきもどたびに、かほいろあをみがしてくるのを
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
武村たけむらしからんな、わが軍艦ぐんかん」の道塲破だうじやうやぶりをやつたな、よし、乃公おれ相手あひてにならう。』と突然とつぜん大檣だいしやうかげからあらはれてたのは、いろ黒々くろ/″\とした、筋骨きんこつたくましい年少ねんせう少尉せうゐ
意氣地いくぢなしども! そんなら一昨年おととしの二百十のやうに、また一とあわかしてくれやうか」と怒鳴どなりつけやうとはおもつたが、なにをいふにも相手あひてはたか のしれた人間にんげんだとおもひなほして
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
B しかぼくなんどが相談さうだんしかけたつてだれ相手あひてになつてれないだらう。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
各々おの/\ぴきえび相手あひてに!』とグリフォンがさけびました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
勘次かんじはおつぎを相手あひて井戸端ゐどばた青菜あをな始末しまつをしてる。つてをけあらつた青菜あをなは、べたへよこたへた梯子はしごうへに一まいはづしてつてせたその戸板といたまれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
せんものと未明みめいより下男げなん善助相手あひてとし寶澤にも院内ゐんない掃除さうぢさせけるがやゝ片付かたづきて暮方になりはやのこる方なく掃除さうぢ仕舞しまひければ善助は食事しよくじ支度したくをなし寶澤は神前の油道具あぶらだうぐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
形容けいようすればみづやうあさあはいものであつた。かれ今日こんにちまで路傍ろばう道上だうじやうおいて、なにかのをりれて、らないひと相手あひてに、是程これほど挨拶あいさつをどのくらゐかへしてたかわからなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
宮苑きうゑん奧深おくふかくおりの嬪妾ひんせう嬖臣達へいしんたち相手あひてもすもす麻雀マアジヤンふけたのしんでゐたとふ。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
くれは日曜にちえう終日ひねもすてもとがむるひとし、まくら相手あひて芋虫いもむし眞似まねびて、おもて格子こうしにはでうをおろしたまゝ、人訪ひとゝへともおともせず、いたづらに午後ごゝといふころなりぬれば
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
アンドレイ、エヒミチは依然やはり相手あひてかほずに、知識ちしきあるもの話計はなしばかりをつゞける、ミハイル、アウエリヤヌヰチは注意ちゆういしていてゐながら『れは眞實まつたくです。』と、ばかりを繰返くりかへしてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うらゝかに、かぜきよ甲板かんぱんで、大佐たいさや、濱島はまじまや、春枝夫人はるえふじんや、轟大尉とゞろきたいゐや、其他そのた乘組のりくみ士官しくわん水兵等すいへいら相手あひてに、わたくし小説せうせつにもたる經歴談けいれきだんは、印度洋インドやうなみのごとく連綿れんめんとしてくるときもなかつた。
玄竹げんちく病家廻びやうかまはりのせはしい時間じかんいて、れるまで、但馬守たじまのかみ相手あひてをしてゐた。酒肴しゆかうて、さけ不調法ぶてうほふ玄竹げんちくも、無理むりから相手あひてをさせられたさかづきふたつばかりに、ほんのりとかほめてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ものいはゞ振切ふりきらんずそでがまへあざけるやうな尻目遣しりめづか口惜くちをしとるもこゝろひがみか召使めしつかひのもの出入でいりのものゆびればすくなからぬ人數にんずながら一人ひとりとして相談さうだん相手あひてにと名告なのりづるものなし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此方こつちらうが先方さきるからうが喧嘩けんくわ相手あひてるといふことい、謝罪わび謝罪わび途方とほうやつだと我子わがこしかりつけて、長吉ちようきちがもとへあやまりにられること必定ひつぢやうなれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なに女郎めらうの一ひきぐらゐ相手あひてにして三五らうなぐりたいことかつたけれど、萬燈まんどう振込ふりこんでりやあたゞかへれない、ほんの附景氣つけけいきつまらないことをしてのけた、りやあれが何處どこまでもるいさ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
口惜くちをしげに相手あひてにらみしこともありしがそれは無心むしんむかしなり性來せいらい虚弱きよじやくとて假初かりそめ風邪ふうじやにも十日とをか廿日はつか新田につた訪問はうもんおこたれば彼處かしこにもまた一人ひとり病人びやうにん心配しんぱい食事しよくじすゝまず稽古けいこごとにきもせぬとか
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そとことといふとすこしもかせてくださらぬ、それはおへだごゝろだとつてうらみますると、なにそんな水臭みづくさことはしない、なにかせるではないかとおつしやつて相手あひてにせずにわらつていらつしやるのです
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あはせておはな相手あひてるべきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しくれぞ相手あひて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)