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申
>
まを
ふりがな文庫
“
申
(
まを
)” の例文
色
(
いろ
)
と
言
(
い
)
ひ、また
雪
(
ゆき
)
の
越路
(
こしぢ
)
の
雪
(
ゆき
)
ほどに、
世
(
よ
)
に
知
(
し
)
られたと
申
(
まを
)
す
意味
(
いみ
)
ではないので——
此
(
これ
)
は
後言
(
くりごと
)
であつたのです。……
不具
(
かたは
)
だと
言
(
い
)
ふのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
川口
(
かはぐち
)
の、
葦
(
あし
)
のたくさん
生
(
は
)
えてゐる、その
葦
(
あし
)
の
先
(
さき
)
の
葉
(
は
)
が、みんなとれてゐる。これは、
誰
(
たれ
)
が
折
(
を
)
つたのかと
申
(
まを
)
しますと、それは、
私
(
わたし
)
です。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
僞
(
いつは
)
りでは
無
(
な
)
けれど
隱
(
か
)
くすとは
何
(
なに
)
を、デハ
私
(
わた
)
しから
申
(
まを
)
しませう
深山
(
みやま
)
がくれの
花
(
はな
)
のお
心
(
こゝろ
)
と
云
(
い
)
ひさして
莞爾
(
につこ
)
とすれば、アレ
笑
(
わら
)
ふては
云
(
い
)
はぬぞよ
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
拗
(
す
)
ねて、どうすかしても、
叱
(
しか
)
つても
逢
(
あ
)
はうとしませんので、
女官
(
じよかん
)
は
面目
(
めんぼく
)
なさそうに
宮中
(
きゆうちゆう
)
に
立
(
た
)
ち
歸
(
かへ
)
つてそのことを
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
實
(
じつ
)
を
申
(
まを
)
すと
私
(
わたし
)
も
疑
(
うたが
)
つてゐるのです。
然
(
しか
)
し
尤
(
もつと
)
も、
私
(
わたくし
)
は
或時
(
あるとき
)
は
死
(
し
)
なん
者
(
もの
)
のやうな
感
(
かんじ
)
もするですがな。
其
(
そ
)
れは
時時
(
とき/″\
)
恁
(
か
)
う
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
があるです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
『
痴人
(
ばか
)
め!』
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
焦心
(
ぢれ
)
ッたさうに
御自身
(
ごじしん
)
の
頭
(
あたま
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
して
申
(
まを
)
されました、それから
愛
(
あい
)
ちやんに
振向
(
ふりむ
)
いて、『
何
(
なん
)
と
申
(
まを
)
す
名
(
な
)
ぢや?
子供
(
こども
)
』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
今夜
(
こんや
)
は
御誘
(
おさそ
)
ひ
申
(
まを
)
しますから、
是
(
これ
)
から
夕方
(
ゆふがた
)
迄
(
まで
)
しつかり
御坐
(
おすわ
)
りなさいまし」と
眞面目
(
まじめ
)
に
勸
(
すゝ
)
めたとき、
宗助
(
そうすけ
)
は
又
(
また
)
一種
(
いつしゆ
)
の
責任
(
せきにん
)
を
感
(
かん
)
じた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いくら
拷問
(
がうもん
)
にかけられても、
知
(
し
)
らない
事
(
こと
)
は
申
(
まを
)
されますまい。その
上
(
うへ
)
わたしもかうなれば、
卑怯
(
ひけふ
)
な
隱
(
かく
)
し
立
(
だ
)
てはしないつもりです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
現在
(
げんざい
)
わが
國
(
くに
)
にある
博物館
(
はくぶつかん
)
はその
數
(
すう
)
が
少
(
すくな
)
いばかりでなく、
殘念
(
ざんねん
)
ながら
世界
(
せかい
)
に
押
(
お
)
し
出
(
だ
)
して
優
(
すぐ
)
れた
博物館
(
はくぶつかん
)
とは
申
(
まを
)
すことが
出來
(
でき
)
ません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「
只今
(
たゞいま
)
御門
(
ごもん
)
の
前
(
まへ
)
へ
乞食坊主
(
こじきばうず
)
がまゐりまして、
御主人
(
ごしゆじん
)
にお
目
(
め
)
に
掛
(
か
)
かりたいと
申
(
まを
)
しますがいかがいたしませう」と
云
(
い
)
つた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
古
(
ふる
)
いも
新
(
あた
)
らしいも、
愚老
(
ぐらう
)
は
洒落
(
しやれ
)
なんぞを
申
(
まを
)
すことは
嫌
(
きら
)
ひでございます。
江戸
(
えど
)
つ
子
(
こ
)
のよくやります、
洒落
(
しやれ
)
とかいふ
言葉
(
ことば
)
の
戲
(
ざ
)
れ
遊
(
あそ
)
びは、
厭
(
いや
)
でございます。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
次
(
つぎ
)
に
申
(
まを
)
したいのは
責任
(
せきにん
)
を
自
(
みづ
)
から
知
(
し
)
るといふの
點
(
てん
)
であります。
英學塾
(
えいがくじゆく
)
の
寄宿舍
(
きしゆくしや
)
には
唯今
(
たゞいま
)
五十
名
(
めい
)
足
(
た
)
らずの
生徒
(
せいと
)
が
居
(
ゐ
)
ます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
『お
師匠
(
ししやう
)
さま、
孫子
(
まごこ
)
に
傳
(
つた
)
はることでございますから、どうかまあ
私共
(
わたしども
)
にも
好
(
よ
)
ささうな
苗字
(
めうじ
)
を一つお
願
(
ねが
)
ひ
申
(
まを
)
します。』
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
親
(
おや
)
のげ
食
(
か
)
あせんの
惜
(
をし
)
いなんち
野郎
(
やらう
)
は
突
(
つ
)
つ
刺
(
ぷ
)
したつて
申
(
まを
)
し
開
(
ひら
)
き
立
(
た
)
つとも、
俺
(
お
)
らだら
立派
(
りつぱ
)
に
立
(
た
)
てゝ
見
(
み
)
せらな、
卯平
(
うへい
)
確乎
(
しつかり
)
しろ、
俺
(
お
)
らだら
勘次等
(
かんじら
)
位
(
ぐれえ
)
なゝ
又
(
また
)
うんち
目
(
め
)
に
逢
(
あ
)
あせらな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ナント
異
(
おつ
)
に
出来
(
でか
)
したでは
厶
(
ござ
)
らぬか、
此詩
(
このし
)
を
懐中
(
くわいちう
)
したれば、
門
(
もん
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
驚
(
おどろ
)
かし
申
(
まを
)
さんかとは思ひしが、
夢中
(
むちう
)
感得
(
かんとく
)
の
詩
(
し
)
なれば、
何時
(
いつ
)
何処
(
どこ
)
にても、またやらかすと
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
には
行
(
ゆ
)
かず
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
寺寺
(
てらでら
)
の
女餓鬼
(
めがき
)
申
(
まを
)
さく
大神
(
おほみわ
)
の
男餓鬼
(
をがき
)
賜
(
たば
)
りて
其
(
そ
)
の
子
(
こ
)
生
(
う
)
まはむ 〔巻十六・三八四〇〕 池田朝臣
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
有志
(
いうし
)
の
學生
(
がくせい
)
は
毎日
(
まいにち
)
一
枚
(
まい
)
づつ
教頭
(
けうとう
)
に
宛
(
あ
)
てゝ
辭職勸告
(
じしよくくわんこく
)
の
葉書
(
はがき
)
を
出
(
だ
)
さうと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
に
申
(
まを
)
し
合
(
あは
)
せた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
月滿御前
(
つきまろごぜん
)
と
申
(
まを
)
すべし。
其上
(
そのうへ
)
、此國の
主
(
ぬし
)
八幡大菩薩は
卯月
(
うづき
)
八
日
(
か
)
にうまれさせ
給
(
たま
)
ふ。
娑婆世界
(
さばせかい
)
の教主
釋尊
(
しやくそん
)
も、又卯月八日に御誕生なりき。
今
(
いま
)
の
童女
(
どうによ
)
、又月は替れども、八日にうまれ給ふ。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
右エナ大学植物学研究室へ御
寄贈
(
きそう
)
下さつたに就きましては厚くお礼を
申
(
まを
)
し
陳
(
の
)
べます。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
われは
日頃
(
ひごろ
)
約翰様
(
ヨハネさま
)
に
帰依信仰
(
きえしんかう
)
してゐる。
此御方
(
このおかた
)
もやはり
浮浪
(
ふらう
)
の
身
(
み
)
にあらせられて、
接続
(
つゞき
)
の
無
(
な
)
いお
言葉
(
ことば
)
を
申
(
まを
)
されたでは
無
(
な
)
いか。
嘸
(
さぞ
)
かし
温
(
あたゝ
)
かいお
言葉
(
ことば
)
であつたらう。さう
言
(
い
)
へば、
今年
(
ことし
)
の
春
(
はる
)
も
実
(
じつ
)
に
温和
(
をんわ
)
だ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
みな
樣
(
さま
)
、まあご
覧
(
らん
)
遊
(
あそ
)
ばせ、あれを。あれでも
着物
(
きもの
)
と
申
(
まを
)
すのでせうか。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
其
(
それ
)
では
種
(
たね
)
あかしの
手品
(
てじな
)
同樣
(
どうやう
)
慰
(
なぐさみ
)
になりません、お
願
(
ねがひ
)
と
申
(
まを
)
しましたのは
爰
(
こゝ
)
の
事
(
こと
)
、
御新造樣
(
ごしんぞさま
)
一
(
ひと
)
つ
何
(
ど
)
うぞ
何
(
なん
)
でもお
教
(
をし
)
へなさつて
遣
(
つか
)
はさりまし。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
指折
(
ゆびを
)
り
屈
(
かゞ
)
めて
勘定
(
かんじよう
)
して、
今晩
(
こんばん
)
は、
夜
(
よる
)
で
申
(
まを
)
せば、
九晩
(
こゝのばん
)
。
晝
(
ひる
)
で
申
(
まを
)
せば、
十日
(
とをか
)
を
經過
(
けいか
)
いたしましたことよ。かういふお
答
(
こた
)
へをしたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
事
(
こと
)
の
大小
(
だいせう
)
に
拘
(
かゝは
)
らず、
總
(
すべ
)
ての
困難
(
こんなん
)
を
解决
(
かいけつ
)
する
唯一
(
ゆゐいつ
)
の
方法
(
はうはふ
)
を
御存
(
ごぞん
)
じでした。『
彼
(
か
)
れの
頭
(
あたま
)
を
刎
(
は
)
ねよ!』と
四邊
(
あたり
)
も
見
(
み
)
ずに
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
この
八月
(
はちがつ
)
の
十五日
(
じゆうごにち
)
には
天
(
てん
)
から
迎
(
むか
)
への
者
(
もの
)
が
來
(
く
)
ると
申
(
まを
)
してをりますが、その
時
(
とき
)
には
人數
(
にんず
)
をお
遣
(
つか
)
はしになつて、
月
(
つき
)
の
都
(
みやこ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
を
捉
(
つかま
)
へて
下
(
くだ
)
さいませ
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
口
(
くち
)
に
出
(
だ
)
して
私
(
わたし
)
が
我子
(
わがこ
)
が
可愛
(
かあい
)
いといふ
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
したら、
嘸
(
さぞ
)
皆樣
(
みなさま
)
は
大笑
(
おほわら
)
ひを
遊
(
あそ
)
ばしましやう、それは
何方
(
どなた
)
だからとて
我子
(
わがこ
)
の
憎
(
にく
)
いはありませぬもの
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
まで
申
(
まを
)
しました
石器
(
せつき
)
は、
刃物
(
はもの
)
か、それに
類似
(
るいじ
)
のものでありますが、なほ
他
(
ほか
)
に
刃物以外
(
はものいがい
)
のものもあります。その
中
(
なか
)
でも
面白
(
おもしろ
)
いのは、
石棒
(
せきぼう
)
です。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
同時
(
どうじ
)
に、
今
(
いま
)
迄
(
まで
)
世間
(
せけん
)
に
向
(
むか
)
つて、
積極的
(
せききよくてき
)
に
好意
(
かうい
)
と
親切
(
しんせつ
)
を
要求
(
えうきう
)
する
勇氣
(
ゆうき
)
を
有
(
も
)
たなかつた
彼
(
かれ
)
は、
突然
(
とつぜん
)
此
(
この
)
主人
(
しゆじん
)
の
申
(
まを
)
し
出
(
いで
)
に
逢
(
あ
)
つて
少
(
すこ
)
し
間誤
(
まご
)
つく
位
(
くらゐ
)
驚
(
おど
)
ろいた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
昨年
(
さくねん
)
の
秋
(
あき
)
鳥部寺
(
とりべでら
)
の
賓頭盧
(
びんづる
)
の
後
(
うしろ
)
の
山
(
やま
)
に、
物詣
(
ものまう
)
でに
來
(
き
)
たらしい
女房
(
にようぼう
)
が
一人
(
ひとり
)
、
女
(
め
)
の
童
(
わらは
)
と一しよに
殺
(
ころ
)
されてゐたのは、こいつの
仕業
(
しわざ
)
だとか
申
(
まを
)
して
居
(
を
)
りました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
料理番
(
れうりばん
)
に
申
(
まを
)
しつけて、
玄竹
(
げんちく
)
に
馳走
(
ちそう
)
をして
取
(
と
)
らせい。
余
(
よ
)
もともに一
獻
(
こん
)
酌
(
く
)
まう。』と、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
紀
(
こつな
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
らせた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
私
(
わたくし
)
は
父
(
ちゝ
)
には
酷
(
ひど
)
く
仕置
(
しおき
)
をされました。
私
(
わたくし
)
の
父
(
ちゝ
)
は
極
(
ご
)
く
苛酷
(
かこく
)
な
官員
(
くわんゐん
)
で
有
(
あ
)
つたのです。が、
貴方
(
あなた
)
の
事
(
こと
)
を
申
(
まを
)
して
見
(
み
)
ませうかな。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「なる
程
(
ほど
)
。それでは
強
(
し
)
ひては
申
(
まを
)
しますまい。あなたはどちらのお
方
(
かた
)
か、それを
伺
(
うかゞ
)
つて
置
(
お
)
きたいのですが。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
斯樣
(
かやう
)
な
事柄
(
ことがら
)
を一々
申
(
まを
)
せば
限
(
かぎ
)
りのない
事
(
こと
)
で、
居家處世
(
きよかしよせい
)
の
上
(
うへ
)
に
種々
(
しゆ/″\
)
間違
(
まちがひ
)
が
多
(
おほ
)
く、さればと
言
(
い
)
つて、これを一々
前以
(
ぜんもつ
)
て
命令
(
めいれい
)
するといふは
實際
(
じつさい
)
に
行
(
おこな
)
はれ
難
(
がた
)
い
事
(
こと
)
であるから
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
『
澁
(
しぶ
)
い
柿
(
かき
)
は
何時
(
いつ
)
までたつても
澁
(
しぶ
)
いと
言
(
い
)
ひますよ。さういへば
節分
(
せつぶん
)
の
日
(
ひ
)
に、
棒
(
ぼう
)
を
持
(
も
)
つた
人
(
ひと
)
が
來
(
き
)
て、『さあ、
生
(
な
)
ると
申
(
まを
)
すか、
生
(
な
)
らぬと
申
(
まを
)
すか』と
言
(
い
)
つて、
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
を
打
(
う
)
ちませう。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
我
(
わ
)
が
蔵
(
ざう
)
する
菊塢
(
きくう
)
の手紙には、
梅
(
うめ
)
一枝
(
いつし
)
画
(
ゑが
)
きて
其上
(
そのうへ
)
に
園
(
その
)
の春をお
分
(
わか
)
ち
申
(
まを
)
すといふ意味の句あり、また
曲亭馬琴
(
きよくていばきん
)
が
明
(
めい
)
を
失
(
しつ
)
してのち、
欝憂
(
うさ
)
を忘るゝために
己
(
おの
)
れと
記臆
(
きをく
)
せし
雑俳
(
ざつぱい
)
を
書
(
かき
)
つらねて、友におくりし
中
(
うち
)
に
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「さればにて
候
(
さふらふ
)
、
別段
(
べつだん
)
是
(
これ
)
と
申
(
まを
)
して
君
(
きみ
)
に
勸
(
すゝ
)
め
奉
(
たてまつ
)
るほどのものも
候
(
さふら
)
はねど
不圖
(
ふと
)
思附
(
おもひつ
)
きたるは
飼鳥
(
かひどり
)
に
候
(
さふらふ
)
、
彼
(
あれ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして
御覽候
(
ごらんさふら
)
へ」といふ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そのことをお
話
(
はなし
)
するのには、
今
(
いま
)
一人
(
ひとり
)
、
赤人
(
あかひと
)
の
先輩
(
せんぱい
)
とも、
先生
(
せんせい
)
ともいはなければならない、
柿本人麿
(
かきのもとのひとまろ
)
のことを
申
(
まを
)
さねばなりません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
王樣
(
わうさま
)
は
其
(
その
)
お
手
(
て
)
を
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
腕
(
かひな
)
にかけされられ、
恐
(
おそ
)
る/\
申
(
まを
)
されました、『
考
(
かんが
)
へても
御覽
(
ごらん
)
なさい、え、
高
(
たか
)
が
一人
(
ひとり
)
の
子供
(
こども
)
ではないか!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
なしお
待遊
(
まちあそ
)
ばせよと
待遇
(
もてなし
)
ぶり
詞
(
ことば
)
滑
(
なめら
)
かの
人
(
ひと
)
とて
中々
(
なか/\
)
に
歸
(
かへ
)
しもせず
枝
(
えだ
)
に
枝
(
えだ
)
そふ
物
(
もの
)
がたり
花子
(
はなこ
)
いとゞ
眞面目
(
まじめ
)
になりて
斯
(
か
)
う
申
(
まを
)
してはを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
またこの
本
(
ほん
)
を
書
(
か
)
くにあたつて、
松本龍太郎
(
まつもとりゆうたろう
)
さんにいろ/\
御厄介
(
ごやつかい
)
になつたことを、こゝで
厚
(
あつ
)
くお
禮
(
れい
)
を
申
(
まを
)
しあげて
置
(
お
)
きます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「
御早
(
おはや
)
う」と
慇懃
(
いんぎん
)
に
禮
(
れい
)
をした。「
先刻
(
さつき
)
御誘
(
おさそ
)
ひ
申
(
まを
)
さうと
思
(
おも
)
ひましたが、よく
御寢
(
おやすみ
)
の
樣
(
やう
)
でしたから、
失禮
(
しつれい
)
して
一人
(
ひとり
)
參
(
まゐ
)
りました」
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
後
(
ご
)
の
事
(
こと
)
は
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げるだけ、
無用
(
むよう
)
の
口數
(
くちかず
)
に
過
(
す
)
ぎますまい。
唯
(
ただ
)
、
都
(
みやこ
)
へはいる
前
(
まへ
)
に、
太刀
(
たち
)
だけはもう
手放
(
てばな
)
してゐました。——わたしの
白状
(
はくじやう
)
はこれだけです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これから
直
(
す
)
ぐお
見舞申
(
みまひまを
)
さうと
申
(
まを
)
しますと、いや
明日
(
あす
)
でよい、
當方
(
たうはう
)
から
迎
(
むか
)
へをよこすと、
辻褄
(
つじつま
)
の
合
(
あ
)
はぬことを
言
(
い
)
うて、さツさと
歸
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
かれるのでござります。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
寢食
(
しんしよく
)
の
事
(
こと
)
は
申
(
まを
)
すに
及
(
およ
)
ばず、
器物
(
きぶつ
)
の
取扱
(
とりあつかひ
)
、
火
(
ひ
)
の
事
(
こと
)
、
水
(
みづ
)
の
事
(
こと
)
、
掃除
(
さうぢ
)
の
事
(
こと
)
、
其外
(
そのほか
)
一
體
(
さい
)
の
仕事
(
しごと
)
に
關
(
くわん
)
して
皆
(
みん
)
な
銘々
(
めい/\
)
の
獨立心
(
どくりつしん
)
に
依
(
よ
)
つて
行
(
おこな
)
へば
自然
(
しぜん
)
と
責任
(
せきにん
)
を
重
(
おも
)
んずるやうになる。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
寒山
(
かんざん
)
でございますか。これは
當寺
(
たうじ
)
から
西
(
にし
)
の
方
(
はう
)
の
寒巖
(
かんがん
)
と
申
(
まを
)
す
石窟
(
せきくつ
)
に
住
(
す
)
んでをりますものでございます。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
一方
(
いつぽう
)
勅使
(
ちよくし
)
は
宮中
(
きゆうちゆう
)
に
參上
(
さんじよう
)
して、その
夜
(
よ
)
の
一部始終
(
いちぶしじゆう
)
を
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げて、かの
手紙
(
てがみ
)
と
藥
(
くすり
)
をさし
上
(
あ
)
げました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『まだ
榎木
(
えのき
)
の
實
(
み
)
は
澁
(
しぶ
)
くて
食
(
た
)
べられません。もう
少
(
すこ
)
しお
待
(
ま
)
ちなさい。』とさう
申
(
まを
)
しました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『だから
總計
(
そうけい
)
八十六
圓
(
ゑん
)
と
申
(
まを
)
してゐるのです。
其切
(
それぎ
)
り
私
(
わたし
)
は一
文
(
もん
)
も
所有
(
も
)
つちや
居
(
を
)
らんので。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
つい
此
(
こ
)
のお
酒
(
さけ
)
と
言
(
い
)
ひますものが、
得
(
え
)
て
其
(
そ
)
の
素直
(
すなほ
)
に
内
(
うち
)
へお
歸
(
かへ
)
りになり
憎
(
にく
)
いものでござりまして、
二次會
(
にじくわい
)
とか
何
(
なん
)
とか
申
(
まを
)
しますんで、えへゝ
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
左樣
(
さやう
)
ならばと
挨拶
(
あいさつ
)
すれば
録之助
(
ろくのすけ
)
は
紙
(
かみ
)
づゝみを
頂
(
いたゞ
)
いて、お
辭儀
(
じぎ
)
申
(
まを
)
す
筈
(
はづ
)
なれど
貴孃
(
あなた
)
のお
手
(
で
)
より
下
(
くだ
)
されたのなれば、あり
難
(
がた
)
く
頂戴
(
ちようだい
)
して
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
にしまする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“申”の解説
申(さる、しん)は、十二支のひとつ。通常十二支の中で第9番目に数えられる。
前は未、次は酉である。
(出典:Wikipedia)
申
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
“申”を含む語句
申出
申候
申上
申合
申聞
申付
申刻
可申
申込
申分
申立
申渡
申開
見申
申来
申訳
庚申
不申
申兼
可申上
...