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殘
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のこ
ふりがな文庫
“
殘
(
のこ
)” の例文
新字:
残
内
(
うち
)
より
明
(
あ
)
けて
面
(
おもて
)
を
出
(
いだ
)
すは
見違
(
みちが
)
へねども
昔
(
むかし
)
は
殘
(
のこ
)
らぬ
芳之助
(
よしのすけ
)
の
母
(
はゝ
)
が
姿
(
すがた
)
なり
待
(
ま
)
つ
人
(
ひと
)
ならで
待
(
ま
)
たぬ
人
(
ひと
)
の
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らず
佇
(
たゝず
)
むかげに
驚
(
おどろ
)
かされて
物
(
もの
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
えゝも、
乳母
(
うば
)
めは
跛足
(
ちんば
)
ぢゃ!
戀
(
こひ
)
の
使者
(
つかひ
)
には
思念
(
おもひ
)
をこそ、
思念
(
おもひ
)
は
殘
(
のこ
)
る
夜
(
よる
)
の
影
(
かげ
)
を
遠山蔭
(
とほやまかげ
)
に
追退
(
おひの
)
ける
旭光
(
あさひ
)
の
速
(
はや
)
さよりも十
倍
(
ばい
)
も
速
(
はや
)
いといふ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
これが
西暦
(
せいれき
)
千八百八十三年
(
せんはつぴやくはちじゆうさんねん
)
に
大爆裂
(
だいばくれつ
)
をなして、
島
(
しま
)
の
大半
(
たいはん
)
を
噴
(
ふ
)
き
飛
(
と
)
ばし、
跡
(
あと
)
には
高
(
たか
)
さ
僅
(
わづか
)
に
八百十六米
(
はつぴやくじゆうろくめーとる
)
の
小火山島
(
しようかざんとう
)
を
殘
(
のこ
)
したのみである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
殆
(
ほとん
)
ど
危
(
あやふ
)
かつたその時、私達は自ら
救
(
すく
)
ふために、十
分
(
ぶん
)
にその
力
(
ちから
)
に
疑
(
うたが
)
ひを
殘
(
のこ
)
しながらも、愛とその結婚に
隱
(
かく
)
れ
家
(
が
)
を求めようとしました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
自分
(
じぶん
)
の
同年齡
(
おないどし
)
で
自分
(
じぶん
)
の
知
(
し
)
つてる
子供
(
こども
)
を
殘
(
のこ
)
らず
片
(
かた
)
ッ
端
(
ぱし
)
から
考
(
かんが
)
へ
始
(
はじ
)
めました、
若
(
も
)
しも
自分
(
じぶん
)
が
其中
(
そのかな
)
の
誰
(
だれ
)
かと
變
(
か
)
へられたのではないかと
思
(
おも
)
つて。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
南
(
みなみ
)
へ
廻
(
まは
)
すと、
玄關
(
げんくわん
)
からの
入口
(
いりぐち
)
を
半分
(
はんぶん
)
塞
(
ふさ
)
いで
仕舞
(
しま
)
ふし、
東
(
ひがし
)
へ
出
(
だ
)
すと
暗
(
くら
)
くなる、と
云
(
い
)
つて、
殘
(
のこ
)
る
一方
(
いつぽう
)
へ
立
(
た
)
てれば
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
を
隱
(
かく
)
すので、
宗助
(
そうすけ
)
は
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小學校へはひつて文字を習ひ
覺
(
おぼ
)
え、
幼
(
をさな
)
い頭にも自分の
想
(
さう
)
を
表
(
あらは
)
すことを知つて、初めて書き上げた作文に
若
(
も
)
し思ひ出が
殘
(
のこ
)
るならば
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
棟近
(
むねちか
)
き
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
かけて、
一陣
(
いちぢん
)
風
(
かぜ
)
が
渡
(
わた
)
つて、まだ
幽
(
かすか
)
に
影
(
かげ
)
の
殘
(
のこ
)
つた
裏櫺子
(
うられんじ
)
の
竹
(
たけ
)
がさら/\と
立騷
(
たちさわ
)
ぎ、
前庭
(
ぜんてい
)
の
大樹
(
たいじゆ
)
の
楓
(
かへで
)
の
濃
(
こ
)
い
緑
(
みどり
)
を
壓
(
おさ
)
へて
雲
(
くも
)
が
黒
(
くろ
)
い。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其麽時は、孝子は用もない帳簿などを
弄
(
いぢく
)
つて、
人後
(
ひとあと
)
まで
殘
(
のこ
)
つた。月給を貰つた爲めに
怡々
(
いそ/\
)
して早く歸るなどと、思はれたくなかつたのだ。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お
品
(
しな
)
が
表
(
おもて
)
の
大戸
(
おほど
)
を
開
(
あ
)
けさせた
時
(
とき
)
は
日
(
ひ
)
がきら/\と
東隣
(
ひがしどなり
)
の
森
(
もり
)
越
(
ご
)
しに
庭
(
には
)
へ
射
(
さ
)
し
掛
(
か
)
けてきつかりと
日蔭
(
ひかげ
)
を
限
(
かぎ
)
つて
解
(
と
)
け
殘
(
のこ
)
つた
霜
(
しも
)
が
白
(
しろ
)
く
見
(
み
)
えて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
もちろんこの
小屋
(
こや
)
は
燒
(
や
)
けたり
壞
(
こわ
)
れたりして、
今日
(
こんにち
)
まったく
殘
(
のこ
)
つてをりませんが、その
土臺
(
どだい
)
の
杙
(
くひ
)
だけが
水
(
みづ
)
の
中
(
なか
)
に
遺
(
のこ
)
つてゐるのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
留守
(
るす
)
に
殘
(
のこ
)
しいよ/\天一坊樣御出張の
節
(
せつ
)
は斯樣々々と紅屋庄藏大和屋三郎兵衞の兩人に萬端頼み置き常樂院には大坂を發足し道を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
木曾
(
きそ
)
の
人
(
ひと
)
は
昔
(
むかし
)
からお
伽話
(
とぎばなし
)
が
好
(
す
)
きだつたと
見
(
み
)
えますね。
岩
(
いは
)
にも、
池
(
いけ
)
にも、
釣竿
(
つりざを
)
にも、こんなお
伽話
(
とぎばなし
)
が
殘
(
のこ
)
つて、それを
昔
(
むかし
)
から
言
(
い
)
ひ
傳
(
つた
)
へて
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
實
(
じつ
)
に
非常
(
ひじやう
)
の
手段
(
しゆだん
)
ではあるが、
※日
(
くわじつ
)
、
自動鐵車
(
じどうてつしや
)
が
砂
(
すな
)
すべりの
谷
(
たに
)
に
陷落
(
かんらく
)
した
時
(
とき
)
、
君等
(
きみら
)
を
救
(
すく
)
はんが
爲
(
ため
)
に
製作
(
せいさく
)
した
大輕氣球
(
だいけいきゝゆう
)
が、
今
(
いま
)
も
猶
(
な
)
ほ
殘
(
のこ
)
つて
居
(
を
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
拾得
(
じつとく
)
が
食器
(
しよくき
)
を
滌
(
あら
)
ひます
時
(
とき
)
、
殘
(
のこ
)
つてゐる
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
を
竹
(
たけ
)
の
筒
(
つゝ
)
に
入
(
い
)
れて
取
(
と
)
つて
置
(
お
)
きますと、
寒山
(
かんざん
)
はそれを
貰
(
もら
)
ひに
參
(
まゐ
)
るのでございます。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
海岸
(
かいがん
)
に
近
(
ちか
)
き
山
(
やま
)
、
山
(
やま
)
には
松柏
(
しようはく
)
茂
(
しげ
)
り、
其頂
(
そのいたゞき
)
には
古城
(
こじやう
)
の
石垣
(
いしがき
)
を
殘
(
のこ
)
したる、
其麓
(
そのふもと
)
の
小高
(
こだか
)
き
處
(
ところ
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
るのが
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
であります。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そして
殘
(
のこ
)
つた
四分
(
しぶん
)
の
三
(
さん
)
の
雨
(
あめ
)
が
葉
(
は
)
から
枝
(
えだ
)
、
枝
(
えだ
)
から
幹
(
みき
)
へ
流
(
なが
)
れて、
徐々
(
じよ/\
)
に
地面
(
じめん
)
に
落
(
お
)
ち、そこにある
落
(
お
)
ち
葉
(
ば
)
に
吸
(
す
)
ひ
取
(
と
)
られるのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
是等
(
これら
)
は肉の大部分を
取
(
と
)
りたる後、尚ほ
殘
(
のこ
)
りて
付着
(
ふちやく
)
し居る部分をば骨と共に前述の土器に入れて煮たる事を示すものの如し。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
眞ん中に皿を
殘
(
のこ
)
したかつぱ頭を、柔かな春風になぶられながら、私達は
土手
(
どて
)
を東へ、小貝川の野地を駈け下りた。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
それから
殘
(
のこ
)
りの
斷面貝層
(
だんめんかひそう
)
(一
丈餘
(
じやうよ
)
)三
方
(
ぱう
)
を
隈
(
くま
)
なく
見廻
(
みまは
)
つたが、
何處
(
どこ
)
に一
片
(
ぺん
)
の
土器破片
(
どきはへん
)
、
其他
(
そのた
)
を
見出
(
みいだ
)
さなかつた。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
誰
(
だれ
)
もおいては
行
(
ゆ
)
きません。ひとり
殘
(
のこ
)
らず
行
(
ゆ
)
くのです。でもね、いいですか、それまでに
大
(
おほ
)
きくそして
立派
(
りつぱ
)
に
育
(
そだ
)
つことですよ。
壯健
(
たつしや
)
な
體
(
からだ
)
と
強
(
つよ
)
い
翼
(
はね
)
! わかつて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
アメリカの
資本家
(
しほんか
)
に
搾取
(
さくしゆ
)
されるのも、
日本
(
にほん
)
の
資本家
(
しほんか
)
に
搾取
(
さくしゆ
)
されるのも
同
(
おな
)
じわけだが、
日本
(
にほん
)
の
勞働者
(
らうどうしや
)
としては、
全
(
まつた
)
く『
同
(
おな
)
じわけ』に
行
(
ゆ
)
かない
心理
(
しんり
)
が
殘
(
のこ
)
つてゐる。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
アンドレイ、エヒミチは
今
(
いま
)
初
(
はじ
)
めて
氣
(
き
)
が
着
(
つ
)
いたが、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
前
(
さき
)
に
大地主
(
おほぢぬし
)
で
有
(
あ
)
つた
時
(
とき
)
の、
餘
(
あま
)
り
感心
(
かんしん
)
せぬ
風計
(
ふうばか
)
りが
今
(
いま
)
も
殘
(
のこ
)
つてゐると
云
(
い
)
ふことを。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
こんな
歌
(
うた
)
をあげて
來
(
く
)
ると、
人麿
(
ひとまろ
)
といふ
人
(
ひと
)
は、かなしい
歌
(
うた
)
ばかり
詠
(
よ
)
んでゐた
人
(
ひと
)
のようですが、なか/\どうして、どっしりとした
強
(
つよ
)
い
歌
(
うた
)
を、たくさん
殘
(
のこ
)
してゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
私
(
わたし
)
、
北海道
(
ほくかいだう
)
に
行
(
い
)
つても、
誰
(
た
)
れにも
知
(
し
)
つた
人
(
ひと
)
に
逢
(
あ
)
はふとは
思
(
おも
)
ひませんわ。
私
(
わたし
)
はたゞそつと
自分
(
じぶん
)
が
前
(
まへ
)
に
殘
(
のこ
)
した
足跡
(
あしあと
)
を、
車
(
くるま
)
の
幌
(
ほろ
)
の
間
(
あひだ
)
からでも
見
(
み
)
てくれゝばいゝんですもの。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
いや、その
内
(
うち
)
どちらにしろ、
生
(
い
)
き
殘
(
のこ
)
つた
男
(
をとこ
)
につれ
添
(
そ
)
ひたい、——さうも
喘
(
あへ
)
ぎ
喘
(
あへ
)
ぎ
云
(
い
)
ふのです。わたしはその
時
(
とき
)
猛然
(
まうぜん
)
と、
男
(
をとこ
)
を
殺
(
ころ
)
したい
氣
(
き
)
になりました。(
陰鬱
(
いんうつ
)
なる
興奮
(
こうふん
)
)
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
日本
(
にほん
)
が
輸出超過
(
ゆしゆつてうくわ
)
の
國
(
くに
)
に
變化
(
へんくわ
)
しない
以上
(
いじやう
)
は
此
(
この
)
買取
(
かひと
)
つた
金
(
かね
)
が
永久
(
えいきう
)
に
吾々
(
われ/\
)
の
手許
(
てもと
)
に
殘
(
のこ
)
らうとは
考
(
かんが
)
へられぬ。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
とおほめになつて、うちに
少々
(
しよう/\
)
殘
(
のこ
)
つてゐた
物
(
もの
)
を
褒美
(
ほうび
)
に
取
(
と
)
らせました。もちろん
姫
(
ひめ
)
の
難題
(
なんだい
)
には
怖
(
お
)
じ
氣
(
け
)
を
振
(
ふる
)
ひ、「
赫映姫
(
かぐやひめ
)
の
大
(
おほ
)
がたりめ」と
叫
(
さけ
)
んで、またと
近寄
(
ちかよ
)
らうともしませんでした。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
『
日
(
ひ
)
』は
殘
(
のこ
)
らめとささやきつ。
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
鳥は青い
叫
(
さけ
)
びを
殘
(
のこ
)
して
翔
(
かけ
)
る。
メランコリア
(旧字旧仮名)
/
三富朽葉
(著)
其處
(
そこ
)
に
殘
(
のこ
)
れるものありて
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
マーキュ
猫王
(
ねこまた
)
どの、
九箇
(
こゝのつ
)
あるといふ
足下
(
おぬし
)
の
命
(
いのち
)
が
只
(
たッた
)
一
(
ひと
)
つだけ
所望
(
しょもう
)
したいが、
其後
(
そののち
)
の
擧動次第
(
しこなししだい
)
で
殘
(
のこ
)
る
八箇
(
やッつ
)
も
叩
(
たゝ
)
き
挫
(
みじ
)
くまいものでもない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
磐梯山破裂
(
ばんだいざんはれつ
)
の
跡
(
あと
)
には
大
(
おほ
)
きな
蒸氣孔
(
じようきこう
)
を
殘
(
のこ
)
し、
火山作用
(
かざんさよう
)
は
今
(
いま
)
もなほ
盛
(
さか
)
んであるが、
眉山
(
まゆやま
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
毫
(
ごう
)
も
右樣
(
みぎよう
)
の
痕跡
(
こんせき
)
を
止
(
とゞ
)
めなかつたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
大
(
おほ
)
きな
眼
(
め
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
襖
(
ふすま
)
の
陰
(
かげ
)
から
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
た
宗助
(
そうすけ
)
の
方
(
はう
)
を
向
(
む
)
いたが、
二人
(
ふたり
)
の
眼元
(
めもと
)
にも
口元
(
くちもと
)
にも、
今
(
いま
)
笑
(
わら
)
つた
許
(
ばかり
)
の
影
(
かげ
)
が、まだゆたかに
殘
(
のこ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(いろは)のことなり、
唯
(
と
)
見
(
み
)
れば
大廈
(
たいか
)
嵬然
(
くわいぜん
)
として
聳
(
そび
)
ゆれども
奧行
(
おくゆき
)
は
少
(
すこ
)
しもなく、
座敷
(
ざしき
)
は
殘
(
のこ
)
らず
三角形
(
さんかくけい
)
をなす、
蓋
(
けだ
)
し
幾何學的
(
きかがくてき
)
の
不思議
(
ふしぎ
)
ならむ。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう
幾人
(
いくにん
)
か
歩
(
ある
)
いた
後
(
あと
)
なので、
思
(
おも
)
ふやうには
捌
(
は
)
けなかつたがそれでも
勘次
(
かんじ
)
はお
品
(
しな
)
にひかされて、まだ
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
蒟蒻
(
こんにやく
)
を
擔
(
かつ
)
いで
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たゞ
埴輪
(
はにわ
)
といつて、
人
(
ひと
)
の
像
(
ぞう
)
や
動物
(
どうぶつ
)
の
形
(
かたち
)
や
壺
(
つぼ
)
の
形
(
かたち
)
を
土
(
つち
)
で
造
(
つく
)
つたものが
竝
(
なら
)
べてあつたことは、その
殘
(
のこ
)
り
物
(
もの
)
があるのでわかります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
弦月丸
(
げんげつまる
)
の
運命
(
うんめい
)
は
最早
(
もはや
)
一
分
(
ぷん
)
、二
分
(
ふん
)
、
甲板
(
かんぱん
)
には
殘
(
のこ
)
る
一艘
(
いつそう
)
の
端艇
(
たんてい
)
も
無
(
な
)
い、
斯
(
か
)
くなりては
今更
(
いまさら
)
何
(
なに
)
をか
思
(
おも
)
はん、せめては
殊勝
(
けなげ
)
なる
最後
(
さいご
)
こそ
吾等
(
われら
)
の
望
(
のぞみ
)
である。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
洋卓
(
テーブル
)
の
周圍
(
しうゐ
)
を
殘
(
のこ
)
らず
見廻
(
みまは
)
しましたが、
其上
(
そのうへ
)
には
茶
(
ちや
)
の
他
(
ほか
)
に
何
(
なに
)
もありませんでした。『
酒
(
さけ
)
な
ン
て
無
(
な
)
くッてよ』と
愛
(
あい
)
ちやんが
注意
(
ちうい
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
參詣人
(
さんけいにん
)
へも
愛想
(
あいそ
)
よく
門前
(
もんぜん
)
の
花屋
(
はなや
)
が
口惡
(
くちわ
)
る
嚊
(
かゝ
)
も
兎角
(
とかく
)
の
蔭口
(
かげぐち
)
を
言
(
い
)
はぬを
見
(
み
)
れば、
着
(
き
)
ふるしの
浴衣
(
ゆかた
)
、
總菜
(
そうざい
)
のお
殘
(
のこ
)
りなどおのずからの
御恩
(
ごおん
)
も
蒙
(
かうむ
)
るなるべし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
か
經
(
へ
)
て
衰破
(
すゐは
)
斷滅
(
だんめつ
)
し其屋敷
跡
(
あと
)
は
畑
(
はた
)
となりて
殘
(
のこ
)
れり其中に少しの
丘
(
をか
)
ありて
時々
(
とき/″\
)
錢
(
ぜに
)
又は
其外
(
そのほか
)
種々
(
いろ/\
)
の
器物
(
きぶつ
)
など
掘出
(
ほりだ
)
す事ある由を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
僧
(
そう
)
は
徐
(
しづ
)
かに
鉢
(
はち
)
に
殘
(
のこ
)
つた
水
(
みづ
)
を
床
(
ゆか
)
に
傾
(
かたむ
)
けた。そして「そんならこれでお
暇
(
いとま
)
をいたします」と
云
(
い
)
ふや
否
(
いな
)
や、くるりと
閭
(
りよ
)
に
背中
(
せなか
)
を
向
(
む
)
けて、
戸口
(
とぐち
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
川崎備寛
(
かはさきびくわん
)
、
長尾克
(
ながをこく
)
などの
面面
(
めんめん
)
で、一
筒
(
とう
)
二
筒
(
とう
)
を一
丸
(
まる
)
二
丸
(
まる
)
、一
索
(
さう
)
二
索
(
さう
)
を一
竹
(
たけ
)
二
竹
(
たけ
)
といふ
風
(
ふう
)
に
呼
(
よ
)
び、
三元牌
(
サンウエンパイ
)
を
碰
(
ポン
)
されたあと
殘
(
のこ
)
りの一
枚
(
まい
)
を
捨
(
す
)
てると、それが
槓
(
カン
)
になり
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
それからお
隣
(
とな
)
りの
赤
(
あか
)
い
柿
(
かき
)
の
方
(
はう
)
へ
行
(
い
)
つて、たつた
一
(
ひと
)
つだけ
高
(
たか
)
いところに
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
たのを
長
(
なが
)
い
竿
(
さを
)
で
落
(
おと
)
しました。もうお
隣
(
とな
)
りの
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
には一つも
赤
(
あか
)
い
柿
(
かき
)
がありません。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
中
(
なか
)
には
旋頭歌
(
せどうか
)
が、まだ
片歌
(
かたうた
)
の
一組
(
ひとくみ
)
であつた
時
(
とき
)
の
姿
(
すがた
)
を、
殘
(
のこ
)
してゐるものすらあります。やはり
萬葉集
(
まんにようしゆう
)
の
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
砂糖
(
さとう
)
や
澱粉
(
でんぷん
)
といふような
含水炭素
(
がんすいたんそ
)
とよぶ
養分
(
ようぶん
)
を
造
(
つく
)
り、それを
葉
(
は
)
から
枝
(
えだ
)
へ、
枝
(
えだ
)
から
幹
(
みき
)
を
下
(
くだ
)
つて
根
(
ね
)
に
送
(
おく
)
つて、
木全體
(
きぜんたい
)
の
發育
(
はついく
)
のための
養分
(
ようぶん
)
にし、その
殘
(
のこ
)
りは
蓄
(
たくは
)
へておきます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
樂
(
たのし
)
んで
後
(
あと
)
に
殘
(
のこ
)
つた。さうして
新生涯
(
しんしやうがい
)
を
夢
(
ゆめ
)
みながら
彼
(
かれ
)
からのたよりを
待
(
ま
)
ち
暮
(
くら
)
した。一
日
(
にち
)
、一
日
(
にち
)
と
經
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
く。けれどもその
後
(
のち
)
彼
(
かれ
)
からは
何
(
なん
)
の
端書
(
はがき
)
一
本
(
ぽん
)
の
音信
(
おとづれ
)
もなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
斯
(
か
)
くして
嶺千鳥窪
(
みねちどりくぼ
)
の
遺跡
(
ゐせき
)
は、
各部面
(
かくぶめん
)
に
大穴
(
おほあな
)
を
穿
(
うが
)
ち
散
(
ち
)
らした。
今
(
いま
)
でも
其跡
(
そのあと
)
は
生々
(
なま/\
)
しく
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
少
(
すこ
)
し
身體
(
からだ
)
の
工合
(
ぐあひ
)
が
惡
(
わる
)
いから、
今日丈
(
けふだ
)
け
宿
(
やど
)
に
殘
(
のこ
)
つてゐると、
遂
(
つひ
)
に
思切
(
おもひき
)
つて
友
(
とも
)
に
云
(
い
)
ふたので
有
(
あ
)
つた、
然
(
しか
)
るにミハイル、アウエリヤヌヰチは、
其
(
そ
)
れぢや
自分
(
じぶん
)
も
家
(
いへ
)
にゐる
事
(
こと
)
に
爲
(
し
)
やう
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
又
(
また
)
あの
藪
(
やぶ
)
の
茂
(
しげ
)
つてゐるのを
見
(
み
)
ては、さう
云
(
い
)
ふのも
無理
(
むり
)
はありますまい。わたしはこれも
實
(
じつ
)
を
云
(
い
)
へば、
思
(
おも
)
ふ
壺
(
つぼ
)
にはまつたのですから、
女
(
をんな
)
一人
(
ひとり
)
を
殘
(
のこ
)
した
儘
(
まま
)
、
男
(
をとこ
)
と
藪
(
やぶ
)
の
中
(
なか
)
へはひりました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
殘
部首:⽍
12画
“殘”を含む語句
不殘
名殘
殘念
殘酷
殘虐
殘忍
殘滓
殘惜
居殘
消殘
殘害
取殘
殘暑
無殘
殘月
心殘
殘骸
殘黨
殘燈
引殘
...