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亂
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みだ
ふりがな文庫
“
亂
(
みだ
)” の例文
新字:
乱
しばらくすると、
此
(
こ
)
の
毛蟲
(
けむし
)
が、
盡
(
こと/″\
)
く
眞白
(
まつしろ
)
な
蝶
(
てふ
)
になつて、
枝
(
えだ
)
にも、
葉
(
は
)
にも、
再
(
ふたゝ
)
び
花片
(
はなびら
)
を
散
(
ち
)
らして
舞
(
ま
)
つて
亂
(
みだ
)
るゝ。
幾千
(
いくせん
)
とも
數
(
かず
)
を
知
(
し
)
らない。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女同士
(
をんなどうし
)
はわあと
只
(
たゞ
)
笑
(
わら
)
ひ
聲
(
ごゑ
)
を
發
(
はつ
)
して
各自
(
てんで
)
に
對手
(
あひて
)
を
突
(
つ
)
いたり
叩
(
たゝ
)
いたりして
亂
(
みだ
)
れつゝ
騷
(
さわ
)
いだ。
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
がおつぎの
髮
(
かみ
)
へひよつと
手
(
て
)
を
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
本艦
(
ほんかん
)
は
一令
(
いちれい
)
の
下
(
した
)
に
推進螺旋
(
スクルー
)
波
(
なみ
)
を
蹴
(
け
)
つて
進航
(
しんかう
)
を
始
(
はじ
)
めた。
規律
(
きりつ
)
正
(
たゞ
)
しき
軍艦
(
ぐんかん
)
の
甲板
(
かんぱん
)
、かゝる
活劇
(
さわぎ
)
の
間
(
あひだ
)
でも
决
(
けつ
)
して
其
(
その
)
態度
(
たいど
)
を
亂
(
みだ
)
す
樣
(
やう
)
な
事
(
こと
)
はない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
が、
暫
(
しばら
)
くすると
中根
(
なかね
)
の
話
(
はなし
)
にも
倦
(
あ
)
きが
來
(
き
)
た。そして、三十
分
(
ぷん
)
も
經
(
た
)
たない
内
(
うち
)
にまた
兵士達
(
へいしたち
)
の
歩調
(
ほてう
)
は
亂
(
みだ
)
れて
來
(
き
)
た。ゐ
眠
(
ねむ
)
りが
始
(
はじ
)
まつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
さて
其外
(
そのほか
)
では、
何
(
なん
)
であらうか?
性根
(
しゃうね
)
の
亂
(
みだ
)
れぬ
亂心
(
らんしん
)
……
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
をも
杜
(
と
)
むる
苦
(
にが
)
い
物
(
もの
)
。……
命
(
いのち
)
を
砂糖漬
(
さとうづけ
)
にする
程
(
ほど
)
の
甘
(
あま
)
い
物
(
もの
)
。さらば。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
亂
(
みだ
)
るゝ
心
(
こゝろ
)
を
流石
(
さすが
)
に
靜
(
しづ
)
めて
花子
(
はなこ
)
さま
仰
(
おほ
)
せまだ
私
(
わたし
)
には
呑込
(
のみこ
)
めませぬお
答
(
こた
)
へも
何
(
なに
)
も
追
(
おつ
)
てのこと
今日
(
けふ
)
は
先
(
ま
)
づお
暇
(
いとま
)
と
立
(
た
)
たんとするを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
聞
(
きゝ
)
しなれば少しは心の
亂
(
みだ
)
れもせん此度吾助が兄君を
害
(
がい
)
せしは
皆
(
みな
)
我身
(
わがみ
)
より起りしことと思はるゝなり其の
譯
(
わけ
)
は
日外
(
いつぞや
)
よりして吾助事我が身に
度々
(
たび/\
)
不義を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
はかばかしき
下人
(
げにん
)
もなきに、かかる
亂
(
みだ
)
れたる世に、
此殿
(
このとの
)
をつかはされたる
心
(
こゝろ
)
ざし、
大地
(
たいち
)
よりもあつし、
地神
(
ちじん
)
もさだめてしりぬらん。
虚空
(
こくう
)
よりもたかし。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
其内
(
そのうち
)
、
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
の
日
(
ひ
)
は、
一日々々
(
いちにち/\
)
と
經
(
た
)
つた。
御米
(
およね
)
からは
可
(
か
)
なり
長
(
なが
)
い
手紙
(
てがみ
)
がもう二
本
(
ほん
)
來
(
き
)
た。
尤
(
もつと
)
も二
本
(
ほん
)
とも
新
(
あら
)
たに
宗助
(
そうすけ
)
の
心
(
こゝろ
)
を
亂
(
みだ
)
す
樣
(
やう
)
な
心配事
(
しんぱいごと
)
は
書
(
か
)
いてなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「…………」周三は蒼白い顏をねぢ曲げながら視線を
亂
(
みだ
)
しておど/\した。それがいかにもあどけなくまた
意氣地
(
いくぢ
)
なく、生れつきのひもらしい感じであつた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
しかし
實際
(
じつさい
)
は、
海
(
うみ
)
や
山
(
やま
)
が
不規則
(
ふきそく
)
に
入
(
い
)
り
亂
(
みだ
)
れてゐますから、その
水平的森林帶
(
すいへいてきしんりんたい
)
も、ところ/″\で
中斷
(
ちゆうだん
)
し、また
氣候
(
きこう
)
にも
影響
(
えいきよう
)
されて
不規則
(
ふきそく
)
な
帶
(
おび
)
となつてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
さうして
家
(
いへ
)
の
潰
(
つぶ
)
れ
方
(
かた
)
が
圖
(
ず
)
に
示
(
しめ
)
された
通
(
とほ
)
りであつたならば、
生徒中
(
せいとちゆう
)
に
一人
(
ひとり
)
の
負傷者
(
ふしようしや
)
も
出來
(
でき
)
ず、「しやがんだまゝ
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
よ」との
第二號令
(
だいにごうれい
)
で、
全員
(
ぜんいん
)
秩序
(
ちつじよ
)
を
亂
(
みだ
)
さず
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
冷靜なのは、さう言つた和泉屋皆吉だけ、平次はさすがにとり
亂
(
みだ
)
しもしませんが、主人庄司三郎兵衞は申す迄もなく、内儀お輝の驚きやうも大變なものでした。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
轟
(
とゞろ
)
く胸を
抑
(
おさ
)
へつゝ、
朱雀
(
すざく
)
の
方
(
かた
)
に來れば、向ひより
形
(
かたち
)
亂
(
みだ
)
せる二三人の女房の
大路
(
おほぢ
)
を北に急ぎ行くに、瀧口呼留めて事の由を尋ぬれば、一人の女房立留りて悲しげに
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
夕方
(
ゆふがた
)
の
空
(
そら
)
には、
一
(
いつ
)
ぱい
雲
(
くも
)
が
亂
(
みだ
)
れてゐて、あちらこちらに
早
(
はや
)
く
飛
(
と
)
び
廻
(
まは
)
つてゐる
時
(
とき
)
に
吹
(
ふ
)
きおろす
山風
(
やまかぜ
)
が、あら/\しく
吹
(
ふ
)
いてゐる。その
目
(
め
)
にも
耳
(
みゝ
)
にも、すさまじい
景色
(
けしき
)
。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
反
(
かへ
)
つて
(四八)
浮淫
(
ふいん
)
の
蠧
(
と
)
を
擧
(
あ
)
げて・
之
(
これ
)
を
(四九)
功實
(
こうじつ
)
の
上
(
うへ
)
に
加
(
くは
)
ふるを
疾
(
うれ
)
へ、
以爲
(
おも
)
へらく、
(五〇)
儒者
(
じゆしや
)
は
文
(
ぶん
)
を
用
(
もつ
)
て
法
(
はふ
)
を
亂
(
みだ
)
し、
而
(
しかう
)
して
(五一)
侠者
(
けふしや
)
は
武
(
ぶ
)
を
以
(
もつ
)
て
禁
(
きん
)
を
犯
(
をか
)
す。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
〔譯〕賢者は
※
(
ぼつ
)
するに
臨
(
のぞ
)
み、
理
(
り
)
の
當
(
まさ
)
に然るべきを見て、以て
分
(
ぶん
)
と爲し、死を
畏
(
おそ
)
るゝを
恥
(
は
)
ぢて、死を
安
(
やす
)
んずるを
希
(
こひねが
)
ふ、故に
神氣
(
しんき
)
亂
(
みだ
)
れず。又
遺訓
(
いくん
)
あり、以て
聽
(
ちやう
)
を
聳
(
そびや
)
かすに足る。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
春
(
はる
)
の
野路
(
のぢ
)
をガタ
馬車
(
ばしや
)
が
走
(
はし
)
る、
野
(
の
)
は
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
き
亂
(
みだ
)
れて
居
(
ゐ
)
る、フワリ/\と
生温
(
なまぬる
)
い
風
(
かぜ
)
が
吹
(
ふ
)
ゐて
花
(
はな
)
の
香
(
かほり
)
が
狹
(
せま
)
い
窓
(
まど
)
から
人
(
ひと
)
の
面
(
おもて
)
を
掠
(
かす
)
める、
此時
(
このとき
)
御者
(
ぎよしや
)
が
陽氣
(
やうき
)
な
調子
(
てうし
)
で
喇叭
(
らつぱ
)
を
吹
(
ふ
)
きたてる。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
...
否
(
いゝ
)
え!』と
痛
(
いた
)
ましげな
聲
(
こゑ
)
で
愛
(
あい
)
ちやんが
叫
(
さけ
)
びました、『
又
(
また
)
氣
(
き
)
に
觸
(
さは
)
つたかしら!』
鼠
(
ねずみ
)
が
池
(
いけ
)
の
水
(
みづ
)
を
攪
(
か
)
き
亂
(
みだ
)
し、一
生懸命
(
しやうけんめい
)
に
泳
(
およ
)
ぎ
去
(
さ
)
らうとするのを、
愛
(
あい
)
ちやんは
靜
(
しづ
)
かに
呼
(
よ
)
び
止
(
と
)
めました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
もう
去
(
さ
)
つてくれ、
無邪氣
(
むぢやき
)
ないたづらをして、その
邊
(
へん
)
をかき
亂
(
みだ
)
すのは
辛抱
(
しんぼう
)
するが、
不潔
(
ふけつ
)
なことをする
虞
(
おそれ
)
がある、
追
(
お
)
つても
去
(
さ
)
らない、そのまゝ
默認
(
もくにん
)
してゐるうちに、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
に、またたれた。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
『
規律
(
きりつ
)
を
亂
(
みだ
)
す
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ません、
可
(
い
)
けません!』とニキタは
諭
(
さと
)
すやうな
調子
(
てうし
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
伏葉
(
ふしば
)
の
亂
(
みだ
)
れ、
魂合
(
たまあ
)
へる
美
(
うま
)
し
睦
(
むつ
)
びに
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
亂
(
みだ
)
れな、
騷
(
わさ
)
ぐな、あわてるな
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
亂
(
みだ
)
れてものに狂ひよる
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
梭
(
をさ
)
と
飛
(
と
)
び
交
(
か
)
ひ
箭
(
や
)
と
亂
(
みだ
)
れ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
櫻
(
さくら
)
の
樹
(
き
)
の
梢
(
うら
)
を、ぱつと
照
(
て
)
らして、
薄明
(
うすあか
)
るく
掛
(
かゝ
)
るか、と
思
(
おも
)
へば、
颯
(
さつ
)
と
墨
(
すみ
)
のやうに
曇
(
くも
)
つて、
月
(
つき
)
の
面
(
おもて
)
を
遮
(
さへぎ
)
るや
否
(
いな
)
や、むら/\と
亂
(
みだ
)
れて
走
(
はし
)
る……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
蒲團
(
ふとん
)
も
持
(
も
)
てらば
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
た
方
(
はう
)
がえゝな」
南
(
みなみ
)
の
亭主
(
ていしゆ
)
の
聲
(
こゑ
)
は
段々
(
だん/\
)
に
大粒
(
おほつぶ
)
に
成
(
な
)
つて
飛
(
と
)
んで
居
(
ゐ
)
る
雪
(
ゆき
)
の
亂
(
みだ
)
れの
中
(
なか
)
に
消
(
き
)
え
行
(
ゆ
)
く
勘次
(
かんじ
)
の
後
(
あと
)
から
追
(
お
)
ひ
掛
(
か
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
誰
(
たれ
)
もが
體
(
からだ
)
をぐらつかせながら、まるで
出來
(
でき
)
の
惡
(
わる
)
い
機械人形
(
きかいにんぎやう
)
のやうな
足
(
あし
)
を
運
(
はこ
)
んでゐたのだつた。
隊列
(
たいれつ
)
も
可成
(
かな
)
り
亂
(
みだ
)
れてゐた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
時に嘉川主税之助は我が
實子
(
じつし
)
の
愛欲
(
あいよく
)
に
眼
(
まなこ
)
闇
(
くら
)
みて家の
亂
(
みだ
)
れは一向構はず彼安間平左衞門始め新參の家來を
相手
(
あひて
)
に
只管
(
ひたすら
)
惡事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
誰
(
た
)
れが
爲
(
ため
)
の
色
(
いろ
)
ならず
君
(
きみ
)
におくれて
鏡
(
かゞみ
)
の
影
(
かげ
)
に
合
(
あは
)
す
面
(
おもて
)
つれなしとて
伽羅
(
きやら
)
の
油
(
あぶら
)
の
香
(
かを
)
りも
留
(
と
)
めず
亂
(
みだ
)
れ
次第
(
しだい
)
の
花
(
はな
)
の
姿
(
すがた
)
やつれる
身
(
み
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ロミオ おゝ、いでさらば、
我
(
わが
)
聖者
(
せいじゃ
)
よ、
手
(
て
)
の
爲
(
な
)
す
所爲
(
わざ
)
を
唇
(
くちびる
)
に
爲
(
な
)
さしめたまへ。
唇
(
くちびる
)
が
祈
(
いの
)
りまする、
聽
(
ゆる
)
したまへ、さもなくば、
信心
(
しんじん
)
も
破
(
やぶ
)
れ、
心
(
こゝろ
)
も
亂
(
みだ
)
れまする。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
龐涓
(
はうけん
)
、
果
(
はた
)
して
夜
(
よる
)
、
斫木
(
しやくぼく
)
の
下
(
もと
)
に
至
(
いた
)
り、
白書
(
はくしよ
)
を
見
(
み
)
、
乃
(
すなは
)
ち
(五五)
火
(
ひ
)
を
鑽
(
き
)
りて
之
(
これ
)
を
燭
(
てら
)
す。
其書
(
そのしよ
)
を
讀
(
よ
)
み
未
(
いま
)
だ
畢
(
をは
)
らざるに、
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
萬弩
(
ばんど
)
倶
(
とも
)
に
發
(
はつ
)
す。
魏
(
ぎ
)
の
軍
(
ぐん
)
大
(
おほひ
)
に
亂
(
みだ
)
れ、
(五六)
相失
(
あひしつ
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がつて、
座敷
(
ざしき
)
の
雨戸
(
あまど
)
を
引
(
ひ
)
きに
縁側
(
えんがは
)
へ
出
(
で
)
た。
孟宗竹
(
まうそうちく
)
が
薄黒
(
うすぐろ
)
く
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
を
亂
(
みだ
)
す
上
(
うへ
)
に、
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つの
星
(
ほし
)
が
燦
(
きら
)
めいた。ピヤノの
音
(
ね
)
は
孟宗竹
(
まうそうちく
)
の
後
(
うしろ
)
から
響
(
ひゞ
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
おきみは頬に
亂
(
みだ
)
れ下つた結ひ綿の髮を、小さな唇でなぶりながら、深い溜息をついてゐた。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
これはちょっと
見
(
み
)
ると、「
雲
(
くも
)
飛
(
と
)
び
亂
(
みだ
)
れ」、「
荒
(
あ
)
れて
吹
(
ふ
)
く」などいふ
言葉
(
ことば
)
が、ごた/\してゐるようであるが、
私
(
わたし
)
の
解釋
(
かいしやく
)
したように
荒
(
あ
)
れて
吹
(
ふ
)
くから、
別
(
べつ
)
に
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると、
空模樣
(
そらもよう
)
に
更
(
さら
)
に
加
(
くは
)
へて
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
時
(
とき
)
に
神學
(
しんがく
)
の
議論
(
ぎろん
)
まで
現
(
あら
)
はれて一しきりはシガーの
煙
(
けむ
)
を
熢々濛々
(
ぼう/\もう/\
)
たる
中
(
なか
)
に
六
(
ろく
)
七
(
しち
)
の
人面
(
じんめん
)
が
隱見
(
いんけん
)
出沒
(
しゆつぼつ
)
して、
甲走
(
かんばし
)
つた
肉聲
(
にくせい
)
の
幾種
(
いくしゆ
)
が
一高一低
(
いつかういつてい
)
、
縱横
(
じゆうわう
)
に
入
(
い
)
り
亂
(
みだ
)
れ、これに
伴
(
ともな
)
ふ
音樂
(
おんがく
)
はドスンと
卓
(
たく
)
を
打
(
う
)
つ
音
(
おと
)
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
艦長松島海軍大佐
(
かんちやうまつしまかいぐんたいさ
)
、
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
、
其他
(
そのた
)
同席
(
どうせき
)
の二三
士官等
(
しくわんら
)
は、
凛々
(
りゝ
)
たる
面
(
おもて
)
に
微笑
(
びせう
)
を
浮
(
うか
)
べて、
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
す
時
(
とき
)
、
軍艦
(
ぐんかん
)
「
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
」の
右舷
(
うげん
)
左舷
(
さげん
)
には、
潮
(
うしほ
)
の
花
(
はな
)
は
玉
(
たま
)
と
亂
(
みだ
)
れて、
艦
(
かん
)
の
速力
(
そくりよく
)
は
飛
(
と
)
ぶが
樣
(
やう
)
であつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
葉
(
は
)
の
亂
(
みだ
)
れ、ひとつびとつ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
さすがに
羽
(
はね
)
は
亂
(
みだ
)
さねど
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
亂
(
みだ
)
れな
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
(ひい。)と
引
(
ひ
)
く
婦
(
をんな
)
の
聲
(
こゑ
)
。
鷺
(
さぎ
)
は
舞上
(
まひあが
)
りました。
翼
(
つばさ
)
の
風
(
かぜ
)
に、
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
のさら/\と
亂
(
みだ
)
るゝのが、
婦
(
をんな
)
が
手足
(
てあし
)
を
畝
(
うね
)
らして、
身
(
み
)
を
踠
(
もが
)
くに
宛然
(
さながら
)
である。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おつぎは
冷
(
つめ
)
たい
雨
(
あめ
)
に
沾
(
ぬ
)
れてさうして
少
(
すこ
)
し
縮
(
ちゞ
)
れた
髮
(
かみ
)
が
亂
(
みだ
)
れてくつたりと
頬
(
ほゝ
)
に
附
(
つ
)
いて
足
(
あし
)
には
朽
(
く
)
ちた
竹
(
たけ
)
の
葉
(
は
)
がくつゝいて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此年
(
このとし
)
三の
酉
(
とり
)
まで
有
(
あ
)
りて
中
(
なか
)
一
日
(
にち
)
はつぶれしかど
前後
(
ぜんご
)
の
上天氣
(
じやうてんき
)
に
大鳥神社
(
おほとりじんじや
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひすさまじく、
此處
(
こゝ
)
かこつけに
檢査塲
(
けんさば
)
の
門
(
もん
)
より
亂
(
みだ
)
れ
入
(
い
)
る
若人達
(
わかうどたち
)
の
勢
(
いきほ
)
ひとては
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
三五郎は心得たりと
受流
(
うけなが
)
し暫時が程は戰ひしが如何で重四郎に敵するを得んや
追々
(
おひ/\
)
太刀筋
(
たちすぢ
)
亂
(
みだ
)
れ
四度路
(
しどろ
)
になる所を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
心
(
こゝろ
)
が
亂
(
みだ
)
れてゐて
善
(
よ
)
う
聽
(
き
)
いてはゐなんだが? ヂュリエットと
此
(
この
)
パリスとが
婚禮
(
こんれい
)
をする
筈
(
はず
)
であったとか
言
(
い
)
うた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
黒
(
くろ
)
い
毛
(
け
)
の
亂
(
みだ
)
れた
所爲
(
せゐ
)
だらうと
思
(
おも
)
つて、わざ/\
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
を
掻
(
か
)
き
上
(
あ
)
げて
遣
(
や
)
つた。さうして
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
曳馬野
(
ひくまの
)
の
木
(
こ
)
の
芽
(
め
)
はり
原
(
はら
)
。
入
(
い
)
り
亂
(
みだ
)
れ、
春日
(
はるひ
)
くらすは、
昔人
(
むかしびと
)
かも
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
亂
(
みだ
)
り
尾
(
を
)
の
苦參
(
くらら
)
こそ
寢
(
ぬ
)
れ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
野
(
の
)
の
草
(
くさ
)
に
亂
(
みだ
)
るゝ
螢
(
ほたる
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
聊
(
いさゝか
)
も
其
(
そ
)
の
平常
(
ふだん
)
の
化粧
(
けしやう
)
と
違
(
たが
)
ふことなかりしとぞ。
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
庇髮
(
ひさしがみ
)
、あの
夥
(
おびたゞ
)
しく
顏
(
かほ
)
に
亂
(
みだ
)
れたる
鬢
(
びん
)
のほつれは
如何
(
いかに
)
、
果
(
はた
)
してこれ
何
(
なん
)
の
兆
(
てう
)
をなすものぞ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
亂
部首:⼄
13画
“亂”を含む語句
攪亂
散亂
亂暴
霍亂
混亂
取亂
亂雜
狂亂
淫亂
亂打
胡亂
紊亂
亂行
亂舞
亂離骨灰
半狂亂
大紛亂
亂心地
亂髮
入亂
...