)” の例文
新字:
ことしは芳之助よしのすけもはや廿歳はたちいま一兩年いちりやうねんたるうへおほやけつまとよびつまばるゝぞとおもへばうれしさにむねをどりて友達ともだちなぶりごともはづかしく
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
心なき里人も世に痛はしく思ひて、色々の物など送りてなぐさむるうち、かの上﨟はおもひおもりてや、みつきて程もず返らぬ人となりぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
後また光より光に移りつゝ天をてわが知るをえたる事を我もし語らば、そは多くの人にとりてあぢはひ甚だからかるべし 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
にちて、アンドレイ、エヒミチは埋葬まいさうされた。祈祷式きたうしきあづかつたのは、たゞミハイル、アウエリヤヌヰチと、ダリユシカとで。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
令史れいしけたことおびたゞし。あきれてあかすに、やまふかうしてひとず。みちたづぬればいへることまさ八百里程はつぴやくりてい三十日さんじふにちからうじてかへる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それが年月としつきるにしたがつていしくづれたり、そのなかたねちてしたりして、つかうへ樹木じゆもくしげつてたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
し今日露顯ろけんに及ばんとする事衆怨しうゑんの歸する所にして就中なかんづく道十郎が無念むねん魂魄こんぱくとお光が貞心ていしんを神佛の助け給ふ所ならん恐るべしつゝしむべし。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さうして、透明とうめいこゑが、二人ふたり未來みらいを、うしてあゝ眞赤まつかに、けたかを不思議ふしぎおもつた。いまではあかいろむかしあざやかさをうしなつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そののちなが歳月としつきておしなはゝんだとき以前いぜんはなしたりいたりしてものあひだにのみわづか記憶きおくかへされた。おしなはゝこし病氣びやうきつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大體だいたい太平洋沿岸地方たいへいようえんがんちほう火山かざんれつもつ連絡れんらくつてゐるので、わがくに火山列かざんれつも、千島ちしま、アレウト群島ぐんとうてアメリカの火山列かざんれつにつながつてゐるのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
彼等かれらはこのつぎなにをするだらう!しやうがあるものなら屋根やね取除とりのけるやうな莫迦ばかはしないだらう』ほど彼等かれらふたゝうごしました、あいちやんはうさぎ
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
深さは通例五六尺位なりおほくの年月をかる有樣と成りしもの故其始めは更にひろく更にふかかりしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
戰爭せんさうむと翌年よくねんからふたゝ輸入超過ゆにふてうくわへん經濟界けいざいかい状勢じやうせいは一ぺんしたるにかゝはらず戰後せんご數年すうねん今日こんにちおいてもさら改善かいぜん曙光しよくくわうみとむることをざる状態じやうたいにある。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
あなたが一つの家に一つの家族とおだやかに過してゐる間に、私は樣々の國の樣々の人と數々の經驗をて戰つて來て、地球の上を半分位も歩き𢌞つて來たといふことに。
このつの毎年まいねんほゞきまつた時期じき一囘いつかいち、翌年よくねんまたえます。としるにしたがつて叉状またじようにわかれますが三本角さんぼんづの以上いじようにはなりません。また鹿しかはるあきとの二囘にかいをかへます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
「八五郎の嫁になりたいといふ茶汲女でもあるのかい。こふたのはいけないよ」
きてゐるやうなら……ときときところところはかはかとし埋葬所はふむりどころなんねん其間そのあひだ先祖せんぞほね填充つまってあり、まだ此間このあひだめたばかりののチッバルトもまぶれの墓衣はかぎのまゝで
しかし、濱島氏はまじましけつして虚名きよめいむさぼひとでない、このかれもとめたではいのです、すべて本國はんごく政府せいふ任意にんゐさだめたことで、軍艦命名式ぐんかんめいめいしき嚴肅げんしゆくなる順序じゆんじよくだされたのが「」の三です。
(八三)殷紂いんちうくに(八四)孟門まうもんひだりにし(八五)太行たいかうみぎにし、常山じやうざん其北そのきたり、大河たいか其南そのみなみしが、まつりごとをさむることとくならず、武王ぶわうこれころせり。これつてこれれば、とくりてけんらず。
そよそよ風の手枕たまくらに、はや日數ひかずしけふの日や
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
毎食後まいしよくご三十ぷん白湯さゆにてもちゆかね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
『おもひ』はつや荊棘いばらみちを、今し
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
守りて靜かに小夜さよまし。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
處女をとめぬるおほかたの
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
としたる顏なり。
佐藤春夫詩集 (旧字旧仮名) / 佐藤春夫(著)
これより、「ぢゞ茶屋ぢやや」「箱根はこね」「原口はらぐちたき」「南瓜軒なんくわけん」「下櫻山しもさくらやま」をて、倒富士さかさふじ田越橋たごえばしたもとけば、すぐにボートを眞帆まほ片帆かたほのぞむ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
衰破すゐは斷滅だんめつし其屋敷あとはたとなりてのこれり其中に少しのをかありて時々とき/″\ぜに又は其外そのほか種々いろ/\器物きぶつなど掘出ほりだす事ある由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いままをしたように、日本につぽん青銅器せいどうきがはひつてたのは支那しなからでありまして、それは多分たぶん滿洲朝鮮まんしゆうちようせん海岸かいがんてはひつてたものとおもはれますから
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
週間しうかんてアンドレイ、エヒミチは、病院びやうゐんから辭職じしよく勸告くわんこくけたが、かれれにたいしてはいたつて平氣へいきであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これは文化ぶんかひらけてからあまおほくの年數ねんすうない場所ばしよたとへば北海道ほつかいどうなどの死火山しかざんにはありべきことである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
此年このとしをして人樣ひとさま口入くちいれやら手傳てつだひやら、老耻おひはぢながらもせんまする、れどもしに苦勞くらう出來できぬもの、つく/″\おまへ夫婦ふうふはたらきをるに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
貝塚かいづか即ち石器せきき時代人民のめより宗教上しうけふじやうの物を發見はつけんすとは如何にも誠しからず聞こゆべしと雖も、一定いつていの時日をたる後、或は一定の祭祀さいしを終りたる後は
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
一門のたより、天下の望みをつなぐ御身なれば、さすがの横紙よこがみやぶりける入道にふだうも心を痛め、此日あさまだき西八條より遙々はる/″\の見舞に、内府ないふも暫く寢處しんじよを出でて對面あり、半晌計はんときばかて還り去りしが
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
まつた水泡すいほうしたとおもはれたので、いまは、その愛兒あいじをばくにさゝぐること出來できかはりに、せめては一艘いつそう軍艦ぐんかん獻納けんなうして、くにつく日頃ひごろこゝろざしげんものと、その財産ざいさん一半いつぱんき、三年さんねん日月じつげつ
「止してくれ。俺はまだ人に拜まれるほどごふちや居ねえ」
さても事無ことなをし
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
のくらゐの間違まちがひのないことを、ひとをしへたことはないとおもつた。おもつたなりでとした。實際じつさいとした。ついちかころである。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うばひ酒色にふけいそがぬ道も日數ひかずやうやく江戸へ近づき神奈川宿の龜屋徳右衞門かめやとくゑもんといふ旅籠屋はたごやへ泊りとなり座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あるあきあさのこと、イワン、デミトリチは外套ぐわいたうえりてゝ泥濘ぬかつてゐるみちを、横町よこちやう路次ろじて、町人ちやうにんいへ書付かきつけつてかねりにつたのであるが
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それゆゑ日本につぽん支那しなかゞみは、朝鮮ちようせんないでおそらく南支那邊みなみしなへんから、直接ちよくせつたものとおもはれます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
旦那だんなさまへたいして何事なにごとうらみもい、あのやうにくるしませてくださつたゆゑ今日けふたのしみがたのしいので、わたしがいくらかものわかるやうにつたもあゝいふなかゆゑであらう
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何にかけてやつなぐらんと思ひきや、四五日て瀧口が顏に憂の色漸く去りて、今までの如く物につけ事に觸れ、思ひ煩ふさまも見えず、胸の嵐はしらねども、表面うはべまきの梢のさらとも鳴らさず
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
類品るゐひん諸所しよ/\より出でたり。これを作るには火山石の適宜てきぎの大さのものをえらび凹み石を作ると同樣どうやう順序じゆんじよて、一めんに大なる凹みをまふけ、此凹みの内部ないぶをばの石を以てらしたるものなるべし
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
それより漂流中へうりうちういろ/\の艱難かんなんて、やうやこのしま漂着へうちやくしたまで有樣ありさま脱漏おちもなくかたると、ひとあるひおどろき、あるひたんじ、武村兵曹たけむらへいそう木像もくぞうのやうになつて、巨大おほきくして、いきをもかずいて
てさぶる酒甕もたひには
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
利根川とねがはながれ汎濫はんらんして、に、はたけに、村里むらざとに、みづ引殘ひきのこつて、つきとしぎてもれないで、のまゝ溜水たまりみづつたのがあります。……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すでにそれはひとつてことなり遺書ゐしよによつてあきらかではないか、かんがなほして正氣しやうきになつて、其後そのごことはおまへこゝろまかせるからおもふまゝのるがい、御兩親ごりやうしんのあることわすれないで
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
七春ななはるたる樟樹くすのき
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あゝ此行このかう氷川ひかはみやはいするより、谷中やなかぎ、根岸ねぎし歩行あるき、土手どてより今戸いまどで、向島むかうじまいたり、淺草あさくさかへる。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ことならば薄暗うすくら部屋へやのうちにれとて言葉ことばをかけもせずかほながむるものなしに一人ひとりまゝの朝夕てうせきたや、さらば此樣このひやうことありとも人目ひとめつゝましからずはくまでものおもふまじ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)