“内府”の読み方と例文
読み方割合
ないふ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小松こまつ内府ないふなぞは利巧なだけに、天下を料理するとなれば、浄海入道より数段下じゃ。内府も始終病身じゃと云うが、平家一門のためをはかれば、一日も早く死んだがい。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
入道相國にふだうしやうこく非道ひだう擧動ふるまひ御恨おんうらみを含みて時のみだれを願はせ給ふ法住寺殿ほふぢゆうじでんゐんと、三代の無念を呑みてひたすら時運の熟すを待てる源氏の殘黨のみ、内府ないふ遠逝ゑんせいを喜べりとぞ聞えし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
一門のたより、天下の望みをつなぐ御身なれば、さすがの横紙よこがみやぶりける入道にふだうも心を痛め、此日あさまだき西八條より遙々はる/″\の見舞に、内府ないふも暫く寢處しんじよを出でて對面あり、半晌計はんときばかて還り去りしが
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)