“御府内”の読み方と例文
読み方割合
ごふない100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
御府内ごふないには随分名高い松の木があるようで御座いますがやはりあの首尾の松にとどめを刺しますかな。」と答えたのは鶴屋喜右衛門つるやきうえもんである。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
笠森かさもりのおせんは、江戸えどばん縹緻佳きりょうよしだ。おいらがまずなんぞにかないでも、きゃく御府内ごふない隅々すみずみから、ありのようにってくるわな。——いいたくなけりゃ、かずにいようよ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
いってい、てめえなんざ、御府内ごふないへつんだす面じゃねえ。ねえ、旦那、気味が悪いじゃありませんか。あッしはね、こいつの面を見ると、きまってその晩、瓢箪の夢を見てうなされるんです
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)