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或
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あるひ
ふりがな文庫
“
或
(
あるひ
)” の例文
或
(
あるひ
)
は
屹度
(
きつと
)
、及第の通知が間違つてゐたのではないかと、
愬
(
うつた
)
へるやうにして父兄席を見ると、木綿の
紋付袴
(
もんつきはかま
)
の父は人の肩越しに
爪立
(
つまだ
)
ち
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
僕
(
ぼく
)
思
(
おも
)
ふに、いつたい
僕等
(
ぼくら
)
日本人
(
にほんじん
)
の
麻雀
(
マージヤン
)
の
遊
(
あそ
)
び
方
(
かた
)
は
神經質
(
しんけいしつ
)
過
(
す
)
ぎる。
或
(
あるひ
)
は
末梢的
(
まつせうてき
)
過
(
す
)
ぎる。
勿論
(
もちろん
)
技
(
ぎ
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
機
(
き
)
を
捉
(
とら
)
へ、
相手
(
あひて
)
を
覘
(
ねら
)
ふ
勝負事
(
しようぶごと
)
だ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は八
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
へて
茶
(
ちや
)
を
呑
(
の
)
み、
其
(
そ
)
れから
書齋
(
しよさい
)
に
入
(
はひ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
行
(
ゆ
)
くかである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
(ハリスを英人だと言へば
或
(
あるひ
)
は
憤
(
おこ
)
り出すかも知れない、生れは
愛蘭
(
アイルランド
)
で今は
亜米利加
(
アメリカ
)
にゐるが、自分では
巴里人
(
パリジヤン
)
の積りでゐるらしいから)
茶話:01 大正四(一九一五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
第六
毎日
(
まいにち
)
一度
(
いちど
)
は
冷水
(
ひやみづ
)
或
(
あるひ
)
は
微温湯
(
ぬるゆ
)
にて
身體
(
からだ
)
を
清潔
(
きれい
)
に
拭
(
ぬぐ
)
ひとり、
肌着
(
はだぎ
)
を
着替
(
きかへ
)
べし。
入浴
(
ふろ
)
は六七
日目
(
にちめ
)
毎
(
ごと
)
に
成
(
なる
)
たけ
熱
(
あつ
)
からざる
湯
(
ゆ
)
に
入
(
い
)
るべき
事
(
こと
)
。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
▼ もっと見る
即
(
すなは
)
ち
一時
(
いちじ
)
活動
(
かつどう
)
した
後
(
のち
)
は、
暫時
(
ざんじ
)
休息
(
きゆうそく
)
して、
或
(
あるひ
)
は
硫氣孔
(
りゆうきこう
)
の
状態
(
じようたい
)
となり、
或
(
あるひ
)
は
噴氣孔
(
ふんきこう
)
となり、
或
(
あるひ
)
はそのような
噴氣
(
ふんき
)
も
全
(
まつた
)
くなくなることがある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
と、あはれや
夕飯
(
ゆふめし
)
兼帶
(
けんたい
)
の
臺
(
だい
)
の
笊
(
ざる
)
に
箸
(
はし
)
を
投
(
な
)
げた。
地
(
ぢ
)
ものだと、
或
(
あるひ
)
はおとなしく
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
たらう。が、
對手
(
あひて
)
がばらがきだから
堪
(
たま
)
らない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
☆
昨七日
(
さくなぬか
)
イ便の葉書にて(
飯田町
(
いいだまち
)
局消印)美人クリイムの語にフエアクリイム
或
(
あるひ
)
はベルクリイムの
傍訓有度
(
ぼうくんありたく
)
との
言
(
げん
)
を
貽
(
おく
)
られし読者あり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
併
(
しか
)
し特に
下婢
(
かひ
)
などの
寡
(
すくな
)
い、
或
(
あるひ
)
は
全
(
まつた
)
く
其
(
それ
)
等の者を有して居ない
処
(
ところ
)
の一婦人に於て家庭の仕事を節減する方法が
何
(
ど
)
うして有りませうか。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
然うしたら社會の人として、
或
(
あるひ
)
は
安楽
(
あんらく
)
な
生活
(
せいくわつ
)
を
爲
(
な
)
し
得
(
う
)
るかも知れない。
併
(
しか
)
し精神
的
(
てき
)
には、
全
(
まつた
)
く
死
(
し
)
んで了ツたのも
同
(
おな
)
じことなんだ!
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
噂
(
うは
)
さが
先
(
さ
)
きか、
或
(
あるひ
)
は
事實
(
じじつ
)
が
先
(
さ
)
きか——それはとにかく
魔
(
ま
)
がさしたのだと
彼女
(
かのぢよ
)
はあとで
恥
(
は
)
ぢつゝ
語
(
かた
)
つた——
間
(
ま
)
もなく
彼女
(
かのぢよ
)
が
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
と
共
(
とも
)
に
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
魚雷は発射されてから、命中するまで、やゝ長い時間がかゝるので、その間に敵が気づいて、
艦
(
ふね
)
の
向
(
むき
)
を変へたら、
或
(
あるひ
)
は
外
(
そ
)
れるかも知れない。
怪艦ウルフ号
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
『
然
(
しか
)
らば、
天下
(
てんか
)
二
品
(
ひん
)
なんだ。まア
好
(
い
)
いです』と
余
(
よ
)
は
慰
(
なぐさ
)
めたが、
或
(
あるひ
)
は
又
(
また
)
兒島氏
(
こじまし
)
や
大瀧氏
(
おほたきし
)
の
處
(
ところ
)
にも、
天下
(
てんか
)
一
品
(
ぴん
)
が
屆
(
とゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
はせぬか?
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
或
(
あるひ
)
はまた西洋においでになる時にも
門司
(
もじ
)
でお逢ひになつた妹さんの口から何事もあなたへ伝へられなかつたかも知れません。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
毎年
(
まいねん
)
、
田
(
た
)
の
穫
(
と
)
り
入
(
い
)
れがすむと、やはり
家
(
いへ
)
を
作
(
つく
)
りかへ、
或
(
あるひ
)
は
屋根
(
やね
)
を
葺
(
ふ
)
き
替
(
か
)
へたりして、おなじく、
新室
(
にひむろ
)
のうたげを
行
(
おこな
)
ひました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
唐土
(
もろこし
)
には此火を
火井
(
くわせい
)
とて、
博物志
(
はくぶつし
)
或
(
あるひ
)
は
瑯瑘代酔
(
らうやたいすゐ
)
に見えたる
雲台山
(
うんたいさん
)
の火井も此地獄谷の火のごとくなれども、事の
洪大
(
こうだい
)
なるは此谷の火に
勝
(
まさ
)
らず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
或
(
あるひ
)
は夫婦づれの、或は独身者らしい
脛
(
すね
)
一本の労働者が、青服の着流しで、手荷物を振分に背負つて、ぼつ/\
桟橋
(
さんばし
)
から上陸して来るのを見ると
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
巻中の画、老人が
稿本
(
かうほん
)
の
艸画
(
さうぐわ
)
を
真
(
しん
)
にし、
或
(
あるひ
)
は京水が越地に
写
(
うつし
)
し
真景
(
しんけい
)
、或
里人
(
さとびと
)
の
話
(
はなし
)
を
聞
(
きゝ
)
て
図
(
づ
)
に作りたるもあり、其地に
照
(
てら
)
して
誤
(
あやまり
)
を
責
(
せむ
)
ることなかれ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
表坊主に横井榮伯があつて、氏名が
稍
(
やゝ
)
似てゐるが、これは別人であらう。
或
(
あるひ
)
は想ふに、永井氏は諸侯の
抱
(
かゝへ
)
醫師
若
(
もし
)
くは江戸の町醫ではなからうか。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
小賢
(
こざか
)
しい
鴉
(
からす
)
はそれをよく
知
(
し
)
つてゐました。それだから、その
頭
(
あたま
)
や
肩
(
かた
)
の
上
(
うへ
)
で、ちよつと
翼
(
はね
)
を
休
(
やす
)
めたり。
或
(
あるひ
)
は一
夜
(
よ
)
の
宿
(
やど
)
をたのまうとでもすると、まづ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
或
(
あるひ
)
はラブがなかつた
故
(
せい
)
かも
知
(
し
)
れぬ。
妻
(
つま
)
が
未
(
ま
)
だ
心
(
しん
)
から
私
(
わたし
)
に
触
(
ふ
)
れて
来
(
く
)
るほど、
夫婦
(
ふうふ
)
の
愛情
(
あいじやう
)
に
脂
(
あぶら
)
が
乗
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
ない
故
(
せい
)
かも
知
(
し
)
れぬ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
解禁後
(
かいきんご
)
の
爲替相場
(
かはせさうば
)
は四十九
弗
(
ドル
)
四
分
(
ぶん
)
の一か
或
(
あるひ
)
は四十九
弗
(
ドル
)
八
分
(
ぶん
)
の三であらうから、これに
此
(
く
)
らぶれば一
割
(
わり
)
一
分
(
ぶ
)
餘
(
よ
)
下
(
さが
)
つて
居
(
を
)
り
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
それ以来、月に数回、
或
(
あるひ
)
は一二回ぐらゐづつお邪魔に参上して先生から教を受け、終戦の年までつづいたのであつた。
露伴先生
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
すると、
先
(
ま
)
づ
裁縫
(
さいほう
)
の
本
(
ほん
)
とか、
料理
(
れうり
)
の
本
(
ほん
)
とか、
或
(
あるひ
)
は
又
(
また
)
育兒
(
いくじ
)
に
關
(
くわん
)
する
本
(
ほん
)
とかいふものがある。
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
これは、
大抵
(
たいてい
)
の
場合
(
ばあひ
)
、
婦人
(
ふじん
)
のみに
用
(
よう
)
のある
書物
(
しよもつ
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然
(
しか
)
し
或
(
あるひ
)
はこれが
僕
(
ぼく
)
の
幸
(
さいはひ
)
であるかも
知
(
し
)
れない、たゞ
僕
(
ぼく
)
の
今
(
いま
)
の
心
(
こゝろ
)
は
確
(
たし
)
かに
不幸
(
ふかう
)
と感じて
居
(
を
)
るのである、これを
幸
(
さいはひ
)
であつたと知ることは
今後
(
こんご
)
のことであらう。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
かうした淋しいやうな、なつかしいやうな、一種絶望的な、
或
(
あるひ
)
は落ちつき払つた考が私の心を私の歩みにつれて
牽
(
ひ
)
いた。次第に私の眼には涙が浮んだ。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
吾人は断言せんと欲す、
曰
(
いは
)
く、世に罪過なくして不幸の末路に終るものは之れなしと。人
或
(
あるひ
)
は曰はん、キリストは罪過なくして無惨の死を遂げたりと。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
と
語
(
かた
)
り
終
(
をは
)
ると、
聽
(
き
)
く
三人
(
みたり
)
は
或
(
あるひ
)
は
驚
(
おどろ
)
き
或
(
あるひ
)
はよろこび。
大佐
(
たいさ
)
は
相變
(
あひかは
)
らず
鼻髯
(
びぜん
)
を
捻
(
ひね
)
りつゝ。
豪壯
(
がうさう
)
なる
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
は
胸
(
むね
)
を
叩
(
たゝ
)
いて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
瓦解
(
ぐわかい
)
の
際
(
さい
)
、
駿府
(
すんぷ
)
へ
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げなかつたんだとか、
或
(
あるひ
)
は
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げて
又
(
また
)
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たんだとか
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
も
耳
(
みゝ
)
にした
樣
(
やう
)
であるが、それは
判然
(
はつきり
)
宗助
(
そうすけ
)
の
頭
(
あたま
)
に
殘
(
のこ
)
つてゐなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
(四二)
或
(
あるひ
)
は
曰
(
いは
)
く、
(四三)
天道
(
てんだう
)
は
親
(
しん
)
無
(
な
)
く、
常
(
つね
)
に
善人
(
ぜんにん
)
に
與
(
くみ
)
すと。
伯夷
(
はくい
)
・
叔齊
(
しゆくせい
)
の
若
(
ごと
)
きは、
善人
(
ぜんにん
)
と
謂
(
い
)
ふ
可
(
べ
)
き
者
(
もの
)
か
非
(
ひ
)
か。
仁
(
じん
)
を
積
(
つ
)
み
行
(
おこなひ
)
を
潔
(
いさぎよ
)
うし、
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
餓死
(
がし
)
せり。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
或
(
あるひ
)
は余りに自己を説くに急なるふしもありしならん、或は辞藻やゝ繁くして、意義明瞭ならざるふしもありしならん、いづれは予が筆の至らざる所と
諒
(
りやう
)
し給ふべし。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
夫
(
それ
)
より
後
(
のち
)
に
鹿野武左衛門
(
しかのぶざゑもん
)
といふ者が、
鹿
(
しか
)
の
巻筆
(
まきふで
)
といふものを
拵
(
こしら
)
へ、
又
(
また
)
露野五郎兵衛
(
つゆのごろべゑ
)
といふものが
出
(
で
)
て、
露物語
(
つゆものがたり
)
でござりますの、
或
(
あるひ
)
は
露
(
つゆ
)
の
草紙
(
さうし
)
といふものが
出来
(
でき
)
ました。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ブラ/\と
面白
(
おもしろ
)
き空想を
伴
(
つれ
)
にして
堤
(
どて
)
を
北頭
(
きたがしら
)
に
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を
歩
(
あゆ
)
ませながら、
見送
(
みおく
)
り
果
(
はて
)
てドヤ/\と帰る人々が
大尉
(
たいゐ
)
の
年
(
とし
)
は
幾
(
いく
)
つならんの、
何処
(
いづこ
)
の
出生
(
しゆつしやう
)
ならんの、
或
(
あるひ
)
は
短艇
(
ボート
)
の
事
(
こと
)
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「
宜
(
よろ
)
しい、御飯を食べるのは生きてゐる証拠、
打
(
ぶ
)
てば泣くのは、神経のある証拠。
或
(
あるひ
)
は大和尚になるかも知れない。ここへ
伴
(
つ
)
れていらつしやい。
私
(
わたし
)
の弟子にしてあげる。」
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
或
(
あるひ
)
は何処へも抜けられず
行止
(
ゆきどま
)
りになつてゐるものか否か、それは蓋し其の路地に住んで始めて判然するので、一度や二度通り抜けた
位
(
くらゐ
)
では容易に判明すべきものではない。
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
礼助は京見台からの目が、
何
(
ど
)
の程度の大きさに、
或
(
あるひ
)
は小ささに、京の町町を見得るのかをも知らないうちから、実枝の日傘だけははつきりと見える気がしてならなかつた。
曠日
(新字旧仮名)
/
佐佐木茂索
(著)
或
(
あるひ
)
は
其頃
(
そのころ
)
の
威勢
(
めをひ
)
は
素晴
(
すばら
)
しきものにて、いまの
華族
(
くわぞく
)
何
(
なん
)
として
足下
(
あしもと
)
へも
依
(
よ
)
らるゝ
物
(
もの
)
でなしと、
口
(
くち
)
濘
(
すべ
)
らして
遽
(
あわたゞ
)
しく
唇
(
くちびる
)
かむもをかし、
夫
(
それ
)
に
比
(
くら
)
べて
今
(
いま
)
の
活計
(
くらし
)
は、
火
(
ひ
)
の
消
(
きえ
)
しも
同
(
おな
)
じことなり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
堀
(
ほり
)
には
動
(
うご
)
かない
水
(
みづ
)
が
空
(
そら
)
を
映
(
うつ
)
して
湛
(
たゝ
)
へて
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
がある。さうかと
思
(
おも
)
へば
或
(
あるひ
)
は
水
(
みづ
)
は一
滴
(
てき
)
もなくて
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
を
筋
(
すぢ
)
のやうに
流
(
なが
)
れた
砂
(
すな
)
の
趾
(
あと
)
がちら/\と
春
(
はる
)
の
日
(
ひ
)
を
僅
(
わづか
)
に
反射
(
はんしや
)
して
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
がある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
文句
(
もんく
)
は
色々
(
いろ/\
)
に
變
(
か
)
へて、
或
(
あるひ
)
は
強
(
つよ
)
く、
或
(
あるひ
)
は
弱
(
よわ
)
く、
或
(
あるひ
)
は
罵
(
のゝし
)
り、
或
(
あるひ
)
はふざけ、
種々樣々
(
しゆ/″\さま/″\
)
の
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
いてやつた。
中途
(
ちうと
)
で
凹
(
へた
)
たれては
全
(
まつた
)
く
敵
(
てき
)
に
降伏
(
かうふく
)
する
譯
(
わけ
)
だから、
例
(
れい
)
の
持藥
(
ぢやく
)
のつもりで
毎日
(
まいにち
)
書
(
か
)
いた。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
自然界
(
しぜんかい
)
の
現象
(
げんしやう
)
を
見
(
み
)
ると、
或
(
あ
)
るものは
非常
(
ひぜう
)
に
美
(
うつく
)
しく、
或
(
あ
)
るものは
非常
(
ひぜう
)
に
恐
(
おそ
)
ろしい。
或
(
あるひ
)
は
神祕的
(
しんぴてき
)
なものがあり、
或
(
あるひ
)
は
怪異
(
くわいい
)
なものがある。
之
(
これ
)
には
何
(
なに
)
か
其
(
その
)
奧
(
おく
)
に
偉大
(
ゐだい
)
な
力
(
ちから
)
が
潜
(
ひそ
)
んで
居
(
ゐ
)
るに
相違
(
さうゐ
)
ない。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
且
(
かつ
)
又
(
また
)
これまでの
暦
(
こよみ
)
にはつまらぬ
吉凶
(
きつきやう
)
を
記
(
しる
)
し
黒日
(
くろび
)
の
白日
(
しろび
)
のとて
譯
(
わけ
)
もわからぬ
日柄
(
ひがら
)
を
定
(
さだめ
)
たれば、
世間
(
せけん
)
に
暦
(
こよみ
)
の
廣
(
ひろ
)
く
弘
(
ひろま
)
るほど、
迷
(
まよひ
)
の
種
(
たね
)
を
多
(
おほ
)
く
増
(
ま
)
し、
或
(
あるひ
)
は
婚禮
(
こんれい
)
の
日限
(
にちげん
)
を
延
(
のば
)
し、
或
(
あるひ
)
は
轉宅
(
てんたく
)
の
時
(
とき
)
を
縮
(
ちゞ
)
め
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
古墳
(
こふん
)
から
銅
(
どう
)
で
作
(
つく
)
つた
鏡
(
かゞみ
)
がたくさん
出
(
で
)
ますが、ことに
古
(
ふる
)
い
時代
(
じだい
)
の
古墳
(
こふん
)
には
多數
(
たすう
)
の
鏡
(
かゞみ
)
を
棺
(
かん
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れてあるのでありまして、
時
(
とき
)
には
一
(
ひと
)
つの
古墳
(
こふん
)
に
十枚
(
じゆうまい
)
二十枚
(
にじゆうまい
)
或
(
あるひ
)
はそれ
以上
(
いじよう
)
あることもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
嘗
(
か
)
つて村田君が持つて行つた「街の手品師」や、松竹の「萩寺心中」が巴里で上映され、
或
(
あるひ
)
は、岡本綺堂氏の「修善寺物語」がそのまゝに日本劇として向うの劇場に、上演されたのに
依
(
よ
)
り
日本趣味映画
(新字旧仮名)
/
溝口健二
(著)
「
必然
(
ひつぜん
)
の
惡
(
あく
)
」を
解釋
(
かいしやく
)
して
遊歩塲
(
いうほぢやう
)
の
一少女
(
いつせうぢよ
)
を
點出
(
てんしゆつ
)
しかの
癖漢
(
へきかん
)
の
正義
(
せいぎ
)
を
狂欲
(
きやうよく
)
する
情
(
じやう
)
を
描
(
えが
)
き、
或
(
あるひ
)
は
故郷
(
こきやう
)
にありしときの
温
(
あたゝ
)
かき
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
せしめ、
又
(
ま
)
た
生活
(
せいくわつ
)
の
苦戰塲
(
くせんぢやう
)
に
入
(
い
)
りて
朋友
(
はうゆう
)
に
一身
(
いつしん
)
を
談
(
だん
)
ずる
處
(
ところ
)
あり。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
是より水上に
到
(
いた
)
らば猶斯の如き所
多
(
おほ
)
きや
必
(
ひつ
)
せり、此に於て往路を
取
(
と
)
りて
帰
(
かへ
)
り、三長沢口に
泊
(
はく
)
し徐計をなすべしと云ひ、
或
(
あるひ
)
は
直
(
ただ
)
ちに此
嶮崖
(
けんがい
)
を
攀
(
よ
)
ぢて山に
上
(
のぼ
)
り、山脈を
伝
(
つた
)
ふて水源に
至
(
いた
)
らんと云ひ
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
但馬守
(
たじまのかみ
)
も
流石
(
さすが
)
に、そんな
些事
(
さじ
)
に
對
(
たい
)
して、一々
死刑
(
しけい
)
を
用
(
もち
)
ゐることは
出來
(
でき
)
なかつたが、
掏摸
(
すり
)
なぞは
從來
(
じうらい
)
三
犯以上
(
ぱんいじやう
)
でなければ
死刑
(
しけい
)
にしなかつたのを、
彼
(
か
)
れは二
犯
(
はん
)
或
(
あるひ
)
は
事
(
こと
)
によると
初犯
(
しよはん
)
から
斬
(
き
)
り
棄
(
す
)
てて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
或
(
あるひ
)
は
愛
(
あい
)
ちやんは
其
(
そ
)
の
者
(
もの
)
を
魚
(
うを
)
と
稱
(
よ
)
んだかも
知
(
し
)
れませんでした
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
女童
(
めわらは
)
に目もくれずとふ
男童
(
をわらべ
)
は
或
(
あるひ
)
はほのに何かおそれし
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
或
(
あるひ
)
は
蓋
(
けだ
)
しわが口は、身に迫り來る不思議をも
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
或
(
あるひ
)
はわが行きて
長久
(
とこしへ
)
の眠に朽ち果つる所は
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
或
漢検準1級
部首:⼽
8画
“或”を含む語句
或時
或夜
或者
或物
或家
或種
或男
或日
或人
或年
或晩
或朝
或処
或侯
天地或問珍
或程
或個処
雑笈或問
或値怨賊遶
或作用
...