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幸
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さいは
ふりがな文庫
“
幸
(
さいは
)” の例文
幸
(
さいは
)
ひお前の
文身
(
ほりもの
)
を洗ひ落す
序
(
ついで
)
に、一皮
剥
(
は
)
いでやらうぢやないか、石原の利助を三助にするなんざア、お前に取つちや一代のほまれだ
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
近所
(
きんじよ
)
の
女房
(
にようばう
)
が
見
(
み
)
に
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れたのを
幸
(
さいは
)
ひに
自分
(
じぶん
)
も
後
(
あと
)
から
走
(
はし
)
つて
行
(
い
)
つた。
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
渡
(
わたし
)
の
船
(
ふね
)
で
先刻
(
さつき
)
の
使
(
つか
)
ひと
行違
(
ゆきちがひ
)
に
成
(
な
)
つた。
船
(
ふね
)
から
詞
(
ことば
)
が
交換
(
かうくわん
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
手本
(
てほん
)
を
本
(
もと
)
にして
生意氣
(
なまいき
)
にも
實物
(
じつぶつ
)
の
寫生
(
しやせい
)
を
試
(
こゝろ
)
み、
幸
(
さいは
)
ひ
自分
(
じぶん
)
の
宅
(
たく
)
から一丁ばかり
離
(
はな
)
れた
桑園
(
くはゞたけ
)
の
中
(
なか
)
に
借馬屋
(
しやくばや
)
があるので、
幾度
(
いくたび
)
となく
其處
(
そこ
)
の
廐
(
うまや
)
に
通
(
かよ
)
つた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
してたもれと言れて
乳母
(
うば
)
は
實
(
げ
)
にもと思ひ
暫
(
しば
)
し工夫に
暮
(
くれ
)
居
(
ゐ
)
たり
折柄
(
をりから
)
媒人
(
なかうど
)
の富右衞門來りしにより
是
(
これ
)
幸
(
さいは
)
ひと乳母は彼の艷書を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幸
(
さいは
)
ひに
一人
(
ひとり
)
も怪我はしなかつたけれど、借りたボオトの
小舷
(
こべり
)
をば散々に
破
(
こは
)
してしまつた上に
櫂
(
かい
)
を一本折つてしまつた。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
が、あの
盜人
(
ぬすびと
)
に
奪
(
うば
)
はれたのでせう、
太刀
(
たち
)
は
勿論
(
もちろん
)
弓矢
(
ゆみや
)
さへも、
藪
(
やぶ
)
の
中
(
なか
)
には
見當
(
みあた
)
りません。しかし
幸
(
さいは
)
ひ
小刀
(
さすが
)
だけは、わたしの
足
(
あし
)
もとに
落
(
お
)
ちてゐるのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
不幸
(
ふかう
)
なる
小
(
ちひ
)
さな
甚公
(
じんこう
)
は、
何
(
なん
)
にも
痕跡
(
あと
)
の
殘
(
のこ
)
らぬのを
知
(
し
)
つて、一
本指
(
ぽんゆび
)
で
石盤
(
せきばん
)
へ
書
(
か
)
くことを
止
(
や
)
めました、ところで、その
顏
(
かほ
)
からインキの
垂
(
た
)
れてるのを
幸
(
さいは
)
ひ
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
しかし
幸
(
さいは
)
ひ
美術
(
びじゆつ
)
や
自然科學
(
しぜんかがく
)
のお
話
(
はなし
)
は、
別
(
べつ
)
に
諸先生
(
しよせんせい
)
が
筆
(
ふで
)
を
執
(
と
)
られてゐることゝ
思
(
おも
)
ひますから、
私
(
わたし
)
は
博物館
(
はくぶつかん
)
のうち
考古學
(
こうこがく
)
の
博物館
(
はくぶつかん
)
のことだけを
書
(
か
)
くことにし
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
ロミオ
幸
(
さいは
)
ひ
夜
(
よる
)
の
衣
(
ころも
)
を
被
(
き
)
てゐる、
見附
(
みつ
)
けらるゝ
筈
(
はず
)
はない。とはいへ
卿
(
そもじ
)
に
愛
(
あい
)
せられずば、
立地
(
たちどころ
)
に
見附
(
みつ
)
けられ、
憎
(
にく
)
まれて、
殺
(
ころ
)
されたい、
愛
(
あい
)
されぬ
苦
(
くるし
)
みを
延
(
のば
)
さうより。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
叱
(
しつ
)
!
默
(
だま
)
つて/\と、
目
(
め
)
くばせして、
衣紋坂
(
えもんざか
)
より
土手
(
どて
)
に
出
(
い
)
でしが、
幸
(
さいは
)
ひ
神田
(
かんだ
)
の
伯父
(
をぢ
)
に
逢
(
あ
)
はず、
客待
(
きやくまち
)
の
車
(
くるま
)
と、
烈
(
はげ
)
しい
人通
(
ひとどほり
)
の
眞晝間
(
まつぴるま
)
、
露店
(
ほしみせ
)
の
白
(
しろ
)
い
西瓜
(
すゐくわ
)
、
埃
(
ほこり
)
だらけの
金鍔燒
(
きんつばやき
)
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
幸
(
さいは
)
ひ
妻
(
つま
)
の
兄
(
あに
)
は
本國
(
ほんこく
)
で
相當
(
さうたう
)
の
軍人
(
ぐんじん
)
であれば、
其人
(
そのひと
)
の
手許
(
てもと
)
に
送
(
おく
)
つて、
教育
(
けういく
)
萬端
(
ばんたん
)
の
世話
(
せわ
)
を
頼
(
たの
)
まうと、
餘程
(
よほど
)
以前
(
いぜん
)
から
考
(
かんが
)
へて
居
(
を
)
つたのですが、どうも
然
(
しか
)
る
可
(
べ
)
き
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
なかつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それから三
代目
(
だいめ
)
四
代目
(
だいめ
)
とは、
無關係
(
むくわんけい
)
で、
構内
(
こうない
)
へは一
歩
(
ぽ
)
も
足
(
あし
)
を
踏入
(
ふみい
)
れなかつたが、
到頭
(
たう/\
)
その
鷄屋
(
とりや
)
は
亡
(
ほろ
)
びて
了
(
しま
)
つたので、これを
幸
(
さいは
)
ひと
佛骨子
(
ぶつこつし
)
をかたらひ、
又
(
また
)
少
(
すこ
)
し
掘
(
ほ
)
つて
見
(
み
)
た。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
幸
(
さいは
)
ひ
頭
(
あたま
)
と
違
(
ちが
)
つて、
身体
(
からだ
)
の方は善く
動
(
うご
)
くので、代助はそこを大いに重宝がつてゐる。代助ばかりではない、従来からゐる婆さんも
門野
(
かどの
)
の御蔭で此頃は大変助かる様になつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その時つい気のついたは
小
(
こ
)
むろ
山
(
さん
)
から
頂
(
いたゞ
)
いて
来
(
き
)
た
毒消
(
どくけし
)
の
御封
(
ごふう
)
、これ
幸
(
さいは
)
ひと
懐中
(
ふところ
)
に手を入れましたが
包
(
つゝ
)
みのまゝ口へ
入
(
い
)
れて雪をつかんで
入
(
い
)
れて
呑
(
の
)
みましたが、
毒消
(
どくけし
)
の
御利益
(
ごりやく
)
か
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幸
(
さいは
)
ひ
海軍
(
かいぐん
)
の
鳥居
(
とりゐ
)
が
知人
(
ちじん
)
の
子
(
こ
)
に
素性
(
すぜう
)
も
惡
(
わ
)
るからで
利發
(
りはつ
)
に
生
(
うま
)
れつきたる
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
あるよし、
其方
(
そなた
)
に
異存
(
いぞん
)
なければ
其
(
そ
)
れを
貰
(
もら
)
ふて
丹精
(
たんせい
)
したらばと
思
(
おも
)
はるゝ、
悉皆
(
しつかい
)
の
引受
(
ひきう
)
けは
鳥居
(
とりゐ
)
がして
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
幸
(
さいは
)
ひに
大
(
たい
)
したことはございませんでしたけれど。」
彼女
(
かのぢよ
)
は
内輪
(
うちわ
)
に
話
(
はな
)
すのであつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ところが
丁度
(
ちやうど
)
玄竹
(
げんちく
)
に
取
(
と
)
つて
幸
(
さいは
)
ひなことには、
多田院別當
(
ただのゐんべつたう
)
英堂和尚
(
えいだうをしやう
)
が
病氣
(
びやうき
)
になつて、
開帳中
(
かいちやうちう
)
のことだから、
早
(
はや
)
く
本復
(
ほんぷく
)
させないと
困
(
こま
)
るといふので、
玄竹
(
げんちく
)
のところへ
見舞
(
みまひ
)
を
求
(
もと
)
むる
別人
(
べつじん
)
が
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
加
(
くわ
)
ふるに寒肌
粟
(
あは
)
を生じ沼気
沸々
(
ふつ/\
)
鼻を
衝
(
つ
)
く、
幸
(
さいは
)
ひに前日来
身躰
(
しんたい
)
を
鍛錬
(
たんれん
)
せしが為め
瘧疫
(
ぎやくえき
)
に
罹
(
かか
)
るものなかりき、沼岸の
屈曲
(
くつきよく
)
出入は
実
(
じつ
)
に犬牙の如く、之に
沿
(
そ
)
うて
渉
(
わた
)
ることなれば
進退
(
しんたい
)
容易
(
やうゐ
)
に
捗取
(
はかど
)
らず
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
和尚
(
おしよう
)
如何
(
どう
)
だナ
抔
(
など
)
と
扶持
(
ふち
)
でもして
置
(
お
)
くやうに
巾
(
はゞ
)
を
利
(
き
)
かせて、茶の
呑倒
(
のみたふ
)
しを、コレハ先生よくこそ
御来臨
(
ごらいりん
)
、
幸
(
さいは
)
ひ
左
(
さ
)
る
方
(
かた
)
より
到来
(
たうらい
)
の
銘酒
(
めいしゆ
)
、これも先生に口を
切
(
きつ
)
て
頂
(
いただ
)
くは、
青州
(
せいしう
)
従事
(
じゆうじ
)
が
好造化
(
かうざうくわ
)
などゝ
聞
(
きゝ
)
かぢりと
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「それから、あの猫又法印は威張り返つて、自分の部屋の押入を開けさせませんよ。
幸
(
さいは
)
ひ、財布を投げ出してあつたので、念入りに調べましたが」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
他
(
ほか
)
の
者
(
もの
)
らは
好
(
い
)
い
幸
(
さいは
)
ひに
其
(
そ
)
れを
坐布團
(
ざぶとん
)
にして
其上
(
そのうへ
)
に
彼等
(
かれら
)
の
肘
(
ひぢ
)
を
載
(
の
)
せ、
其頭
(
そのあたま
)
を
越
(
こ
)
えて
向
(
むか
)
ひ
合
(
あは
)
せになつて
話
(
はな
)
してゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
憎み給ふゆゑ
何
(
どう
)
幸
(
さいは
)
ひのあるべきや
偖
(
さて
)
又
(
また
)
庄兵衞
(
しやうべゑ
)
は
傘谷
(
からかさだに
)
に
桂山道宅
(
かつらやまだうたく
)
と云醫師ありて毎日雇れ居たり此醫者隨分小金を
持
(
もつ
)
たる樣子を見
請
(
うけ
)
奪
(
うば
)
ひ取んと
爰
(
こゝ
)
に
惡念
(
あくねん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こゝも
生活
(
くらし
)
には
困
(
こま
)
つてゐたので、
母
(
はゝ
)
の
食料
(
しよくれう
)
をかせぐため、
丁度
(
ちやうど
)
十八になつてゐたのを
幸
(
さいは
)
ひ、
周旋屋
(
しうせんや
)
の
世話
(
せわ
)
で、その
頃
(
ころ
)
新
(
あらた
)
にできた
小岩
(
こいは
)
の
売笑窟
(
ばいせうくつ
)
へ
身売
(
みう
)
りをしたのである。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
私
(
わたし
)
の
眞鍮
(
しんちう
)
の
迷子札
(
まひごふだ
)
を
小
(
ちひ
)
さな
硯
(
すゞり
)
の
蓋
(
ふた
)
にはめ
込
(
こ
)
んで、
大切
(
たいせつ
)
にしたのを、
幸
(
さいは
)
ひに
拾
(
ひろ
)
つて、これを
袂
(
たもと
)
にした。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
與吉
(
よきち
)
は
幸
(
さいは
)
ひにぐつたりと
成
(
な
)
つてお
袋
(
ふくろ
)
の
懷
(
ふところ
)
から
離
(
はな
)
れるのも
知
(
し
)
らないのでおつぎが
小
(
ちひ
)
さな
手
(
て
)
で
抱
(
だ
)
いた。お
品
(
しな
)
は
段々
(
だん/\
)
と
身體
(
からだ
)
が
暖
(
あたゝ
)
まるに
連
(
つ
)
れて
始
(
はじ
)
めて
蘇生
(
いきかへ
)
つたやうに
恍惚
(
うつとり
)
とした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
墓
(
はか
)
は
形
(
かたち
)
も
大
(
おほ
)
きく
大
(
たい
)
さう
岩乘
(
がんじよう
)
に
造
(
つく
)
られてありますから、
千年
(
せんねん
)
二千年後
(
にせんねんご
)
の
今日
(
こんにち
)
まで、
幸
(
さいは
)
ひ
元
(
もと
)
のまゝで
遺
(
のこ
)
つてゐるものがたくさんあり、
古
(
ふる
)
く
日本人
(
につぽんじん
)
が
住
(
す
)
んでゐたところは
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
然
(
しか
)
し
自分
(
じぶん
)
は
未
(
いま
)
だ
嘗
(
かつ
)
て
參禪
(
さんぜん
)
といふ
事
(
こと
)
をした
經驗
(
けいけん
)
がないと
自白
(
じはく
)
した。もし
詳
(
くは
)
しい
話
(
はなし
)
が
聞
(
き
)
きたければ、
幸
(
さいは
)
ひ
自分
(
じぶん
)
の
知
(
し
)
り
合
(
あひ
)
によく
鎌倉
(
かまくら
)
へ
行
(
ゆ
)
く
男
(
をとこ
)
があるから
紹介
(
せうかい
)
してやらうと
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
アヽ
云
(
い
)
ふ
奴
(
やつ
)
は
屹度
(
きつと
)
物
(
もの
)
を
喰
(
く
)
はうとするとボーと火か
何
(
なに
)
か
燃上
(
もえあが
)
るに
違
(
ちげ
)
えねえ、一
番
(
ばん
)
見たいもんだな、
食物
(
くひもの
)
から
火
(
ひ
)
の
燃
(
もえ
)
る
処
(
ところ
)
を、ウム、
幸
(
さいは
)
ひ
壁
(
かべ
)
が少し破れてる、
斯
(
か
)
うやつて
火箸
(
ひばし
)
で
突
(
つ
)
ツついて、ブツ
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お
邸
(
やしき
)
彼方
(
かなた
)
へ
建築
(
たて
)
られしを
幸
(
さいは
)
ひ、
开處
(
そこ
)
の
女中頭
(
ぢよちうがしら
)
として
勤
(
つと
)
めは
生涯
(
しようがい
)
のつもり、
老
(
おひ
)
らくをも
養
(
やしな
)
ふて
給
(
たま
)
はるべき
約束
(
やくそく
)
さだまりたれば、
最
(
も
)
う
此地
(
このち
)
には
居
(
い
)
ませぬ、
又
(
また
)
來
(
く
)
る
事
(
こと
)
があらば一
泊
(
ぱく
)
はさせて
下
(
くだ
)
され
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
頗
(
すこぶ
)
る
失望
(
しつばう
)
して
誰
(
だれ
)
かに
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
はうと
思
(
おも
)
つてた
矢先
(
やさき
)
でしたから
兎
(
うさぎ
)
が
傍
(
そば
)
へ
來
(
き
)
たのを
幸
(
さいは
)
ひ、
低
(
ひく
)
い
怕々
(
おど/\
)
した
聲
(
こゑ
)
で、『
萬望
(
どうぞ
)
、
貴方
(
あなた
)
——』と
云
(
い
)
ひかけました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「私の部屋に逃げ込んだのを
幸
(
さいは
)
ひ、道づれになつて、親分の氣を
外
(
そ
)
らせようとしましたが、親分の目は一刻半刻も、六千兩の荷から離れることではございません」
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嫌
(
きら
)
ひて幼年なれば今四五年も
相待
(
あひまつ
)
べしと
止
(
とゞ
)
め候故
本意
(
ほんい
)
なくは思へども師匠の仰せ
默止難
(
もだしがた
)
く是迄は
打過
(
うちすぎ
)
候なり此度こそ
幸
(
さいは
)
ひに日頃の
宿願
(
しゆくぐわん
)
を
果
(
はた
)
すべき時なり何卒
此儀
(
このぎ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幸
(
さいは
)
ひ
美少年録
(
びせうねんろく
)
も
見着
(
みつ
)
からず、
教師
(
けうし
)
は
細君
(
さいくん
)
を
連
(
つ
)
れて
別室
(
べつしつ
)
に
去
(
さ
)
り、
音
(
おと
)
も
其
(
それ
)
ツ
切
(
きり
)
聞
(
きこ
)
えずに
濟
(
す
)
んだ。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
卯平
(
うへい
)
は
夏
(
なつ
)
になれば
何處
(
どこ
)
でも
忙
(
いそが
)
しい
麥扱
(
むぎこき
)
や
陸稻
(
をかぼ
)
の
草取
(
くさとり
)
に
傭
(
やと
)
はれた。
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
村落
(
むら
)
を
離
(
はな
)
れて五
日
(
か
)
も六
日
(
か
)
も
泊
(
とま
)
つて
居
(
ゐ
)
て
歸
(
かへ
)
らぬことがある。
卯平
(
うへい
)
には
先
(
さき
)
から
先
(
さき
)
と
歩
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
ることが
却
(
かへつ
)
て
幸
(
さいは
)
ひであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
家内
(
うち/\
)
の
揉
(
もめ
)
て
居
(
ゐ
)
るに
其
(
その
)
やうの
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
す
餘地
(
よち
)
もなく、
言
(
い
)
つて
面白
(
おもしろ
)
くない
御挨拶
(
ごあいさつ
)
を
聞
(
き
)
くよりか
默
(
だま
)
つて
居
(
ゐ
)
た
方
(
はう
)
がよつぽど
洒落
(
しやれ
)
て
居
(
ゐ
)
るといふ
位
(
くらゐ
)
な
考
(
かんが
)
へで、
幸
(
さいは
)
ひに
賄賂
(
わいろ
)
の
汚
(
けが
)
れは
受
(
う
)
けないで
濟
(
す
)
んだけれど
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お福が江戸一番の蓮葉娘で、大勢の馬鹿な男に騷がれて居るのを
幸
(
さいは
)
ひ、親分に頼んで見代りの聟を仕立てて貰ひ、俺はそつと此處へ來て、お福を殺す工夫をした。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
最
(
も
)
う
恁
(
か
)
う
成
(
な
)
れば
度胸
(
どきよう
)
を
据
(
す
)
ゑて、
洒落
(
しや
)
れて
乘
(
の
)
る。……
室
(
しつ
)
はいづれも、
舞臺
(
ぶたい
)
のない、
大入
(
おほいり
)
の
劇場
(
げきぢやう
)
ぐらゐに
籠
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
たが、
幸
(
さいは
)
ひに、
喜多八
(
きたはち
)
懷中
(
くわいちう
)
も
輕
(
かる
)
ければ、
身
(
み
)
も
輕
(
かる
)
い。
荷物
(
にもつ
)
はなし、お
剩
(
まけ
)
に
洋杖
(
ステツキ
)
が
細
(
ほそ
)
い。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幸
(
さいは
)
ひの
巡査
(
おまわり
)
さまに
家
(
うち
)
まで
見
(
み
)
て
頂
(
いたゞ
)
かば
我々
(
われ/\
)
も
安心
(
あんしん
)
、
此通
(
このとほ
)
りの
子細
(
しさい
)
で
御座
(
ござ
)
ります
故
(
ゆゑ
)
と
筋
(
すぢ
)
をあら/\
折
(
をり
)
からの
巡査
(
じゆんさ
)
に
語
(
かた
)
れば、
職掌
(
しよくしよう
)
がらいざ
送
(
おく
)
らんと
手
(
て
)
を
取
(
と
)
らるゝに、いゑ/\
送
(
おく
)
つて
下
(
くだ
)
さらずとも
歸
(
かへ
)
ります
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
幸
(
さいは
)
ひ、主人、大場石見は大の馬好き、近頃手に入れた『
東雲
(
しのゝめ
)
』といふ名馬、南部産
八寸
(
やき
)
に餘る
逸物
(
いちもつ
)
に、
厩中間
(
うまやちうげん
)
の黒助といふ、若い威勢の好い男を附けて貸してくれました。
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……たとへば、
地震
(
ぢしん
)
から、
水道
(
すゐだう
)
が
斷水
(
だんすゐ
)
したので、
此邊
(
このへん
)
、
幸
(
さいは
)
ひに
四五箇所
(
しごかしよ
)
殘
(
のこ
)
つた、むかしの
所謂
(
いはゆる
)
、
番町
(
ばんちやう
)
の
井戸
(
ゐど
)
へ、
家毎
(
いへごと
)
から
水
(
みづ
)
を
貰
(
もら
)
ひに
群
(
むれ
)
をなして
行
(
ゆ
)
く。……
忽
(
たちま
)
ち
女
(
をんな
)
には
汲
(
く
)
ませないと
言
(
い
)
ふ
邸
(
やしき
)
が
出來
(
でき
)
た。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幸
(
さいは
)
ひ行き止りの二方口の部屋ですから、廊下には信用の出來る子分を二人張り込ませ、自分は日本橋からやつて來た大番頭の嘉七、寮の番人夫婦などと一緒に、次の部屋に陣取つて
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
般若湯
(
はんにやたう
)
を
少
(
すこ
)
しばかり、
幸
(
さいは
)
ひ
腥
(
なまぐさ
)
を
口
(
くち
)
にせぬ
場合
(
ばあひ
)
で、
思出
(
おもひだ
)
すに
丁
(
ちやう
)
ど
可
(
い
)
い。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“幸”の意味
《名詞》
さいわいであること。
しあわせ。
産物。特に、天恵による産物。
(出典:Wiktionary)
幸
常用漢字
小3
部首:⼲
8画
“幸”を含む語句
幸福
不幸
幸福者
幸運
行幸
幸子
御幸
幸若
還幸
梅幸
大原御幸
幸先
幸手
幸甚
幸田露伴
欣幸
幸若舞
幸徳
天幸
幸堂得知
...