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こ
ふりがな文庫
“
兒
(
こ
)” の例文
新字:
児
『
皆樣
(
みなさま
)
は、
其樣
(
そんな
)
にあの
兒
(
こ
)
を
可愛
(
かあい
)
がつて
下
(
くだ
)
さつたのですか。
妾
(
わたくし
)
は
何
(
なん
)
と
御禮
(
おれい
)
の
言葉
(
ことば
)
もございません。』と
雪
(
ゆき
)
のやうなる
頬
(
ほう
)
に
微※
(
えくぼ
)
の
波
(
なみ
)
を
湛
(
たゝ
)
えて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
およぎの出來る
兒
(
こ
)
にはもつて來いの遊び場だつた。舟を
繋
(
つな
)
いでおくにもよかつた。
川蝉
(
かわせみ
)
が居る、
鷺
(
さぎ
)
が居る、岸には水あふひが浮いてゐる。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
子守
(
こもり
)
がまた
澤山
(
たくさん
)
寄
(
よ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
其中
(
そのなか
)
に
年嵩
(
としかさ
)
な、
上品
(
じやうひん
)
なのがお
守
(
もり
)
をして
六
(
むつ
)
つばかりの
女
(
むすめ
)
の
兒
(
こ
)
が
着附
(
きつけ
)
萬端
(
ばんたん
)
姫樣
(
ひいさま
)
といはれる
格
(
かく
)
で
一人
(
ひとり
)
居
(
ゐ
)
た。
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
親
(
おや
)
に
似
(
に
)
ない
兒
(
こ
)
だが、
成長
(
せいてう
)
したらアノ
通
(
とほ
)
りの
獰惡振
(
だうあくぶ
)
りを
相續
(
さうぞく
)
するに
違
(
ちが
)
ひない、
環境
(
かんけう
)
の
罪
(
つみ
)
だいつそ
家
(
うち
)
に
飼
(
か
)
つてやらうかと
思
(
おも
)
つて、また
躊躇
(
ちうちよ
)
した。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
『
知
(
し
)
つてるわよ、
私
(
わたし
)
、
卵
(
たまご
)
を
食
(
た
)
べたわ、
眞箇
(
ほんとう
)
よ』と
極
(
きは
)
めて
正直
(
しやうぢき
)
な
愛
(
あい
)
ちやんが
云
(
い
)
ひました、『
小
(
ちひ
)
さな
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
だつて
蛇
(
へび
)
のやうに
矢張
(
やツぱり
)
卵
(
たまご
)
を
食
(
た
)
べるわ、けど』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
……(奧に向ひて)もしえ、
羊兒
(
こひつじ
)
さん! もしえ、
姫鳥
(
ひめどり
)
さん!……
鶴龜々々
(
つるかめ/\
)
!……あのお
兒
(
こ
)
は
何處
(
どこ
)
へ
往
(
ゆ
)
かッしゃったか!……もしえ、ヂュリエットさま!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
よし
産婆
(
さんば
)
の
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
に
間違
(
まちがひ
)
があつて、
腹
(
はら
)
の
兒
(
こ
)
の
發育
(
はついく
)
が
今迄
(
いままで
)
のうちに
何處
(
どこ
)
かで
止
(
とま
)
つてゐたにした
所
(
ところ
)
で、それが
直
(
すぐ
)
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
されない
以上
(
いじやう
)
、
母體
(
ぼたい
)
は
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
平氣
(
へいき
)
に
持
(
も
)
ち
應
(
こた
)
へる
譯
(
わけ
)
がなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
處
(
ところ
)
が
或日
(
あるひ
)
のこと、やはり
學校
(
がくかう
)
の
歸途
(
かへり
)
に
庄園
(
しやうゑん
)
の
壁
(
かべ
)
の
上
(
うへ
)
でラクダルを
揄揶
(
からか
)
つて
居
(
ゐ
)
た
少年
(
こども
)
の中に、
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つたか
甚
(
ひど
)
く
感心
(
かんしん
)
して
了
(
しま
)
ひ
自分
(
じぶん
)
も
是非
(
ぜひ
)
怠惰屋
(
なまけや
)
にならうと
決心
(
けつしん
)
した
兒
(
こ
)
が
一人
(
ひとり
)
あつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
弱氣の榮右衞門は、
惡戯
(
いたづら
)
つ
兒
(
こ
)
が、惡戯を見付けられでもしたやうに小さくなるのです。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
父ありというや。父はあり。愛する父はあり。さりながら
家
(
うち
)
が世界の女の
兒
(
こ
)
には、五人の父より
一人
(
ひとり
)
の母なり。その母が、その母がこの通りでは、十年の間には癖もつくべく、
艶
(
つや
)
も
失
(
う
)
すべし。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
喰
(
くら
)
ふの勢ひ
有
(
あり
)
とか寶澤は心中に
偖々
(
さて/\
)
此
婆
(
ばゝ
)
めが
善
(
よき
)
貨物
(
しろもの
)
を持て居ることよ此二品を手に入て我こそ天下の
落胤
(
らくいん
)
と
名乘
(
なのつ
)
て出なば分地でも
御
(
ご
)
三
家
(
け
)
位
(
ぐらゐ
)
萬一
(
もし
)
極運
(
きやくうん
)
に
適
(
かな
)
ふ時はと
漸
(
やつ
)
と當年十一の
兒
(
こ
)
が
爰
(
こゝ
)
に
惡念
(
あくねん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我
汝
(
なんぢ
)
を愛す、我汝を
招
(
まね
)
ぐ、
嗚呼
(
あゝ
)
、わが
兒
(
こ
)
、善惡の名によりて。
母
(旧字旧仮名)
/
アダ・ネグリ
(著)
妙
(
たへ
)
に清らの、あゝ、わが
兒
(
こ
)
よ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
鼻
(
はな
)
じろみ、
面隱
(
おもがく
)
す
兒
(
こ
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
兒
(
こ
)
や
生
(
あ
)
るる、——
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「ちつとも
此邊
(
このへん
)
ぢやあ
見掛
(
みか
)
けない
兒
(
こ
)
ですからね、だつて、さう
遠方
(
ゑんぱう
)
から
來
(
く
)
るわけはなしさ、
誰方
(
どなた
)
か
御存
(
ごぞん
)
じぢやありませんか。」
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
獰惡
(
だうあく
)
な
野良猫
(
のらねこ
)
、お
隣
(
とな
)
りの
鷄
(
とり
)
を
全滅
(
ぜんめつ
)
させた
惡
(
わる
)
いヤツ、
家
(
うち
)
の
鯛
(
たひ
)
をさらつた
盜癖
(
とうへき
)
のある
畜生
(
ちくせう
)
、それが
産
(
う
)
んだ
兒
(
こ
)
は、このやさしい
美
(
うつく
)
しいニヤン
公
(
こう
)
である。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
お
前
(
まへ
)
が
小
(
ちひ
)
さな
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
であらうと、
假令
(
よし
)
又
(
また
)
蛇
(
へび
)
であらうと、それは一
向
(
かう
)
差支
(
さしつか
)
へないやうなものだが!と
云
(
い
)
ひ
續
(
つゞ
)
けました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
無論
(
むろん
)
、
妻
(
つま
)
は
大佐
(
たいさ
)
の
病氣
(
びやうき
)
次第
(
しだい
)
で
早
(
はや
)
かれ
遲
(
おそ
)
かれ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
ますが、
兒
(
こ
)
は
永
(
なが
)
く/\——
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
天晴
(
あつぱ
)
れ
軍人
(
ぐんじん
)
として
世
(
よ
)
に
立
(
た
)
つまでは、
芙蓉
(
ふよう
)
の
峯
(
みね
)
の
麓
(
ふもと
)
を
去
(
さ
)
らせぬ
積
(
つもり
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
マーキュ さもさうず、
夢
(
ゆめ
)
の
話
(
はなし
)
ぢゃ。
夢
(
ゆめ
)
は
空想
(
くうさう
)
の
兒
(
こ
)
で、
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たぬ
腦
(
なう
)
から
生
(
うま
)
るゝ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
薔薇色
(
ばらいろ
)
の
裸形
(
らぎやう
)
の
兒
(
こ
)
——
哀
(
かなし
)
いかな——
或
(
ある
)
は
惱
(
なやみ
)
の
床
(
とこ
)
に
母
(旧字旧仮名)
/
アダ・ネグリ
(著)
『
是非
(
ぜひ
)
さうして
下
(
くだ
)
さい。』と
兒
(
こ
)
は二つ
返事
(
へんじ
)
。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
赤外套
(
あかまんと
)
の
兒
(
こ
)
」も見えない。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
近所
(
きんじよ
)
には、
六歳
(
ろくさい
)
かに
成
(
な
)
る
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
で、
恐怖
(
きようふ
)
の
餘
(
あま
)
り
氣
(
き
)
が
狂
(
くる
)
つて、
八疊
(
はちでふ
)
二間
(
ふたま
)
を、
縱
(
たて
)
とも
言
(
い
)
はず
横
(
よこ
)
とも
言
(
い
)
はず、くる/\
駈𢌞
(
かけまは
)
つて
留
(
と
)
まらないのがあると
聞
(
き
)
いた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『おゝ、
可愛
(
かあい
)
らしい
兒
(
こ
)
ですな。』と
親切
(
しんせつ
)
に
其
(
その
)
頭
(
かしら
)
を
撫
(
な
)
でつゝ、
吾等
(
われら
)
の
傍
(
かたわら
)
に
勇
(
いさ
)
ましき
面
(
おもて
)
して
立
(
た
)
てる
水兵
(
すいへい
)
を
顧
(
かへり
)
み
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ま、いかなこと、
此
(
この
)
お
兒
(
こ
)
がいの、ふいと
啼止
(
なきやま
)
っしゃって、「
唯
(
あい
)
」ぢゃといの。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
わが
兒
(
こ
)
のむすめ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
これから
出掛
(
でか
)
ける
西片町
(
にしかたまち
)
には、
友染
(
いうぜん
)
のふつくりした、
人形
(
にんぎやう
)
のやうな
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
が
二人
(
ふたり
)
ある、それへ
土産
(
みやげ
)
にと
思
(
おも
)
つた。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
馬鹿
(
ばか
)
にしてるよ、こんな
兒
(
こ
)
にお
前
(
まへ
)
さん、
札
(
ふだ
)
をつけとかないつて
奴
(
やつ
)
があるもんか。うつかりだよ、
眞個
(
ほんたう
)
にさ。」
迷子
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
氷々
(
こほり/\
)
、
雪
(
ゆき
)
の
氷
(
こほり
)
と、こも
俵
(
だはら
)
に
包
(
つゝ
)
みて
賣
(
う
)
り
歩
(
ある
)
くは
雪
(
ゆき
)
をかこへるものなり。
鋸
(
のこぎり
)
にてザク/\と
切
(
き
)
つて
寄越
(
よこ
)
す。
日盛
(
ひざかり
)
に、
町
(
まち
)
を
呼
(
よ
)
びあるくは、
女
(
をんな
)
や
兒
(
こ
)
たちの
小遣取
(
こづかひとり
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
まあ
那樣事
(
そんなこと
)
は
措
(
お
)
いて、
其時
(
そのとき
)
船
(
ふね
)
の
中
(
なか
)
で、
些
(
ちつ
)
とも
騷
(
さわ
)
がぬ、いやも
頓
(
とん
)
と
平氣
(
へいき
)
な
人
(
ひと
)
が
二人
(
ふたり
)
あつた。
美
(
うつく
)
しい
娘
(
むすめ
)
と
可愛
(
かはい
)
らしい
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
ぢや。
※弟
(
きやうだい
)
と
見
(
み
)
えてな、
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
手足
(
てあし
)
をぴち/\と
撥
(
は
)
ねる、
二歳
(
ふたつ
)
ぐらゐの
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
を、
筋鐵
(
すぢがね
)
の
入
(
はひ
)
つた
左
(
ひだり
)
の
腕
(
うで
)
に、
脇
(
わき
)
へ
挾
(
はさ
)
んで、やんはりと
抱
(
だ
)
いた
處
(
ところ
)
は、
挺身
(
ていしん
)
倒
(
さかさま
)
に
淵
(
ふち
)
を
探
(
さぐ
)
つて
鰌
(
どぢやう
)
を
生捉
(
いけど
)
つた
體
(
てい
)
と
見
(
み
)
える。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
途端
(
とたん
)
に「
綺麗
(
きれい
)
だわ」「
綺麗
(
きれい
)
だわ」と
言
(
い
)
ふ
幼
(
いとけな
)
い
聲
(
こゑ
)
を
揃
(
そろ
)
へて、
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
が
三人
(
さんにん
)
ほど、ばら/\と
駈
(
か
)
け
寄
(
よ
)
つた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
誰方
(
どなた
)
の
兒
(
こ
)
たちでも、
小兒
(
こども
)
で
此
(
これ
)
が
好
(
す
)
きだと
言
(
い
)
ふのは
餘
(
あま
)
りなからう。十四五ぐらゐの
少年
(
せうねん
)
で、
僕
(
ぼく
)
は
湯
(
ゆ
)
どうふが
可
(
い
)
いよ、なぞは——
説明
(
せつめい
)
に
及
(
およ
)
ばず——
親
(
おや
)
たちの
注意
(
ちうい
)
を
要
(
えう
)
する。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
間
(
あひだ
)
約
(
やく
)
十分間
(
じつぷんかん
)
。
恁
(
か
)
うまで
大切
(
たいせつ
)
にすると
云
(
い
)
ふのが、
恩人
(
おんじん
)
の
遺兒
(
わすれがたみ
)
でも
何
(
なん
)
でもない、
我
(
わ
)
が
兒
(
こ
)
なのである。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
船藏
(
ふなぐら
)
がつい
近
(
ちか
)
くつて、
安宅丸
(
あたかまる
)
の
古跡
(
こせき
)
ですからな。いや、
然
(
さ
)
ういへば、
遠目鏡
(
とほめがね
)
を
持
(
も
)
つた
氣
(
き
)
で……あれ、ご
覽
(
ろう
)
じろ——と、
河童
(
かつぱ
)
の
兒
(
こ
)
が
囘向院
(
ゑかうゐん
)
の
墓原
(
はかばら
)
で
惡戲
(
いたづら
)
をしてゐます。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おくんな。」と
言
(
い
)
つて、
藪
(
やぶ
)
の
下
(
した
)
をちよこ/\と
出
(
で
)
た、
九
(
こゝの
)
ツばかりの
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
。
脊丈
(
せたけ
)
より
横幅
(
よこはゞ
)
の
方
(
はう
)
が
廣
(
ひろ
)
いほどな、
提革鞄
(
さげかばん
)
の
古
(
ふる
)
いのを、
幾處
(
いくところ
)
も
結目
(
むすびめ
)
を
拵
(
こしら
)
へて
肩
(
かた
)
から
斜
(
なゝ
)
めに
脊負
(
せお
)
うてゐる。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは
彌六
(
やろく
)
といつて、
與吉
(
よきち
)
の
父翁
(
ちゝおや
)
が
年來
(
ねんらい
)
の
友達
(
ともだち
)
で、
孝行
(
かうかう
)
な
兒
(
こ
)
が
仕事
(
しごと
)
をしながら、
病人
(
びやうにん
)
を
案
(
あん
)
じて
居
(
ゐ
)
るのを
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るから、
例
(
れい
)
として
毎日
(
まいにち
)
今時分
(
いまじぶん
)
通
(
とほ
)
りがかりに
其
(
その
)
消息
(
せうそく
)
を
傳
(
つた
)
へるのである。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
これ
)
だけを
心遣
(
こゝろや
)
りに、
女房
(
にようばう
)
は、
小兒
(
こども
)
たちに、まだ
晩
(
ばん
)
の
御飯
(
ごはん
)
にもしなかつたので、
坂
(
さか
)
を
駈
(
か
)
け
上
(
あが
)
るやうにして、
急
(
いそ
)
いで
行願寺内
(
ぎやうぐわんじない
)
へ
歸
(
かへ
)
ると、
路地口
(
ろぢぐち
)
に、
四
(
よつ
)
つになる
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
と、
五
(
いつ
)
つの
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
と
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
客
(
きやく
)
は
私
(
わたし
)
のほかに
三人
(
さんにん
)
あつた。
其
(
そ
)
の
三人
(
さんにん
)
は、
親子
(
おやこ
)
づれで、
九
(
こゝの
)
ツばかりの、
絣
(
かすり
)
の
羽織
(
はおり
)
に
同
(
おな
)
じ
衣服
(
きもの
)
を
着
(
き
)
た
優
(
おとな
)
しらしい
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
。——
見習
(
みなら
)
へ、
奴
(
やつこ
)
、と
背中
(
せなか
)
を
突
(
つゝ
)
いて
遣
(
や
)
りたいほどな、
人柄
(
ひとがら
)
なもので。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十度
(
とたび
)
、これを
洗
(
あら
)
ひたるものは、
生
(
うま
)
れし
兒
(
こ
)
清秀
(
せいしう
)
にして
貴
(
たつと
)
し。
洗
(
あら
)
ふこと
二三度
(
にさんど
)
なるものは、
尋常
(
じんじやう
)
中位
(
ちうゐ
)
の
人
(
ひと
)
、まるきり
洗濯
(
せんたく
)
をしないのは、
昏愚
(
こんぐ
)
、
穢濁
(
あいだく
)
にして、
然
(
しか
)
も
淫亂
(
いんらん
)
だ、と
教
(
をし
)
へたのである。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
坊
(
ばう
)
やはいゝ
兒
(
こ
)
だ
寢
(
ねん
)
ねしな。」……と
口
(
くち
)
の
裡
(
うち
)
で
子守唄
(
こもりうた
)
は、
我
(
われ
)
ながら
殊勝
(
しゆしよう
)
である。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
、どうかすると十六七の
妙齡
(
めうれい
)
なるも、
自分
(
じぶん
)
の
事
(
こと
)
をタアと
言
(
い
)
ふ。
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
は、ワシは
蓋
(
けだ
)
しつい
通
(
とほ
)
りか。たゞし
友達
(
ともだち
)
が
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
すのに、ワシは
居
(
ゐ
)
るか、と
言
(
い
)
ふ。
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
はどつちもワシなり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
近所
(
きんじよ
)
で、
小
(
ちひ
)
さな
兒
(
こ
)
が、おもちやに
小庭
(
こには
)
にこしらへた、
箱庭
(
はこには
)
のやうな
築山
(
つきやま
)
がある。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今朝
(
けさ
)
……と
云
(
い
)
ふがお
午
(
ひる
)
ごろ、
炬燵
(
こたつ
)
でうと/\して
居
(
ゐ
)
ると、いつも
來
(
き
)
て
囀
(
さへづ
)
る、おてんばや、いたづらツ
兒
(
こ
)
の
雀
(
すゞめ
)
たちは、
何處
(
どこ
)
へすツ
飛
(
と
)
んだか、ひつそりと
靜
(
しづ
)
まつて、チイ/\と、
甘
(
あま
)
えるやうに
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これは
界隈
(
かいわい
)
の
貧民
(
ひんみん
)
の
兒
(
こ
)
で、つい
此
(
こ
)
の
茗荷谷
(
みやうがだに
)
の
上
(
うへ
)
に
在
(
あ
)
る、
補育院
(
ほいくゐん
)
と
稱
(
とな
)
へて
月謝
(
げつしや
)
を
取
(
と
)
らず、
時
(
とき
)
とすると、
讀本
(
とくほん
)
、
墨
(
すみ
)
の
類
(
るゐ
)
が
施
(
ほどこし
)
に
出
(
で
)
て、
其上
(
そのうへ
)
、
通學
(
つうがく
)
する
兒
(
こ
)
の、
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
暮
(
ぐら
)
しの
親達
(
おやたち
)
、
父親
(
ちゝおや
)
なり、
母親
(
はゝおや
)
なり
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
却説
(
さて
)
——その
白井
(
しらゐ
)
さんの
四歳
(
よツつ
)
に
成
(
な
)
る
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
の、「おうちへ
歸
(
かへ
)
らうよ、
歸
(
かへ
)
らうよ。」と
言
(
い
)
つて、うら
若
(
わか
)
い
母
(
かあ
)
さんとともに、
私
(
わたし
)
たちの
胸
(
むね
)
を
疼
(
いた
)
ませたのも、その
母
(
かあ
)
さんの
末
(
すゑ
)
の
妹
(
いもうと
)
の十一二に
成
(
な
)
るのが
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
又
(
また
)
思出
(
おもひだ
)
す
事
(
こと
)
がある。
故人
(
こじん
)
谷活東
(
たにくわつとう
)
は、
紅葉先生
(
こうえふせんせい
)
の
晩年
(
ばんねん
)
の
準門葉
(
じゆんもんえふ
)
で、
肺病
(
はいびやう
)
で
胸
(
むね
)
を
疼
(
いた
)
みつゝ、
洒々落々
(
しや/\らく/\
)
とした
江戸
(
えど
)
ツ
兒
(
こ
)
であつた。(かつぎゆく
三味線箱
(
さみせんばこ
)
や
時鳥
(
ほとゝぎす
)
)と
言
(
い
)
ふ
句
(
く
)
を
仲
(
なか
)
の
町
(
ちやう
)
で
血
(
ち
)
とともに
吐
(
は
)
いた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
うぬ
勝手
(
かつて
)
にな、
人樣
(
ひとさま
)
に
迷惑
(
めいわく
)
を
懸
(
か
)
けるもんぢやねえ。うめるな、
必
(
かなら
)
ずうめるな。やい、こんな
湯
(
ゆ
)
へ
入
(
へえ
)
れねえぢや、
父
(
ちやん
)
の
子
(
こ
)
とは
言
(
い
)
はせねえ。
髯
(
ひげ
)
の
兒
(
こ
)
にたゝつくれるぞ、さあ、
入
(
へえ
)
れ。
骨
(
ほね
)
は
拾
(
ひろ
)
はい、
奴
(
やつこ
)
。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「へーい。」と
奴
(
やつこ
)
が、
包
(
つゝ
)
んだ
包
(
つゝ
)
みを、ひよいと
女
(
をんな
)
の
兒
(
こ
)
に
渡
(
わた
)
しながら、
手
(
て
)
を
引込
(
ひつこ
)
めず、
背後
(
うしろ
)
の
棚
(
たな
)
に、
煮豆
(
にまめ
)
、
煮染
(
にしめ
)
ものなどを
裝並
(
もりなら
)
べた
棚
(
たな
)
の
下
(
した
)
の、
賣溜
(
うりだ
)
めの
錢箱
(
ぜにばこ
)
をグヮチャリと
鳴
(
な
)
らして、
銅貨
(
どうくわ
)
を
一個
(
ひとつ
)
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兒
部首:⼉
8画
“兒”を含む語句
嬰兒
小兒
幼兒
稚兒
女兒
孤兒
兒童
愛兒
法子兒
赤兒
迷兒
彼兒
此兒
孩兒
兒女
私生兒
遺兒
眞鹿兒矢
猫兒
男兒
...