)” の例文
新字:
皆樣みなさまは、其樣そんなにあの可愛かあいがつてくださつたのですか。わたくしなん御禮おれい言葉ことばもございません。』とゆきのやうなるほう微※えくぼなみたゝえて
およぎの出來るにはもつて來いの遊び場だつた。舟をつないでおくにもよかつた。川蝉かわせみが居る、さぎが居る、岸には水あふひが浮いてゐる。
筑波ねのほとり (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
子守こもりがまた澤山たくさんつてた。其中そのなか年嵩としかさな、上品じやうひんなのがおもりをしてむつつばかりのむすめ着附きつけ萬端ばんたん姫樣ひいさまといはれるかく一人ひとりた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おやないだが、成長せいてうしたらアノとほりの獰惡振だうあくぶりを相續さうぞくするにちがひない、環境かんけうつみだいつそうちつてやらうかとおもつて、また躊躇ちうちよした。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
つてるわよ、わたしたまごべたわ、眞箇ほんとうよ』ときはめて正直しやうぢきあいちやんがひました、『ちひさなをんなだつてへびのやうに矢張やツぱりたまごべるわ、けど』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
……(奧に向ひて)もしえ、羊兒こひつじさん! もしえ、姫鳥ひめどりさん!……鶴龜々々つるかめ/\!……あのお何處どこかッしゃったか!……もしえ、ヂュリエットさま!
よし産婆さんばこと間違まちがひがあつて、はら發育はついく今迄いままでのうちに何處どこかでとまつてゐたにしたところで、それがすぐされない以上いじやう母體ぼたい今日こんにちまで平氣へいきこたへるわけがなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところ或日あるひのこと、やはり學校がくかう歸途かへり庄園しやうゑんかべうへでラクダルを揄揶からかつて少年こどもの中に、なんおもつたかひど感心かんしんしてしま自分じぶん是非ぜひ怠惰屋なまけやにならうと決心けつしんした一人ひとりあつた。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
弱氣の榮右衞門は、惡戯いたづらが、惡戯を見付けられでもしたやうに小さくなるのです。
父ありというや。父はあり。愛する父はあり。さりながらうちが世界の女のには、五人の父より一人ひとりの母なり。その母が、その母がこの通りでは、十年の間には癖もつくべく、つやすべし。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
くらふの勢ひありとか寶澤は心中に偖々さて/\ばゝめがよき貨物しろものを持て居ることよ此二品を手に入て我こそ天下の落胤らくいん名乘なのつて出なば分地でもぐらゐ萬一もし極運きやくうんかなふ時はとやつと當年十一のこゝ惡念あくねん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なんぢを愛す、我汝をまねぐ、嗚呼あゝ、わが、善惡の名によりて。
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
たへに清らの、あゝ、わが
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
はなじろみ、面隱おもがく
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
るる、——
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
「ちつとも此邊このへんぢやあ見掛みかけないですからね、だつて、さう遠方ゑんぱうからるわけはなしさ、誰方どなた御存ごぞんじぢやありませんか。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
獰惡だうあく野良猫のらねこ、おとなりのとり全滅ぜんめつさせたわるいヤツ、うちたひをさらつた盜癖とうへきのある畜生ちくせう、それがんだは、このやさしいうつくしいニヤンこうである。
ねこ (旧字旧仮名) / 北村兼子(著)
まへちひさなをんなであらうと、假令よしまたへびであらうと、それは一かう差支さしつかへないやうなものだが!とつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
無論むろんつま大佐たいさ病氣びやうき次第しだいはやかれおそかれかへつてますが、ながく/\——日本帝國につぽんていこく天晴あつぱ軍人ぐんじんとしてつまでは、芙蓉ふようみねふもとらせぬつもりです。
マーキュ さもさうず、ゆめはなしぢゃ。ゆめ空想くうさうで、やくたぬなうからうまるゝ。
薔薇色ばらいろ裸形らぎやう——かなしいかな——あるなやみとこ
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
是非ぜひさうしてください。』とは二つ返事へんじ
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
赤外套あかまんと」も見えない。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
近所きんじよには、六歳ろくさいかにをとこで、恐怖きようふあまくるつて、八疊はちでふ二間ふたまを、たてともはずよこともはず、くる/\駈𢌞かけまはつてまらないのがあるといた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『おゝ、可愛かあいらしいですな。』と親切しんせつそのかしらでつゝ、吾等われらかたわらいさましきおもてしててる水兵すいへいかへり
ま、いかなこと、このがいの、ふいと啼止なきやまっしゃって、「あい」ぢゃといの。
わがのむすめ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
これから出掛でかける西片町にしかたまちには、友染いうぜんのふつくりした、人形にんぎやうのやうなをんな二人ふたりある、それへ土産みやげにとおもつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
馬鹿ばかにしてるよ、こんなにおまへさん、ふだをつけとかないつてやつがあるもんか。うつかりだよ、眞個ほんたうにさ。」
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
氷々こほり/\ゆきこほりと、こもだはらつゝみてあるくはゆきをかこへるものなり。のこぎりにてザク/\とつて寄越よこす。日盛ひざかりに、まちびあるくは、をんなたちの小遣取こづかひとりなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まあ那樣事そんなこといて、其時そのときふねなかで、ちつともさわがぬ、いやもとん平氣へいきひと二人ふたりあつた。うつくしいむすめ可愛かはいらしいをとこぢや。※弟きやうだいえてな、ました。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
手足てあしをぴち/\とねる、二歳ふたつぐらゐのをとこを、筋鐵すぢがねはひつたひだりうでに、わきはさんで、やんはりといたところは、挺身ていしんさかさまふちさぐつてどぢやう生捉いけどつたていえる。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
途端とたんに「綺麗きれいだわ」「綺麗きれいだわ」といとけなこゑそろへて、をんな三人さんにんほど、ばら/\とつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
誰方どなたたちでも、小兒こどもこれきだとふのはあまりなからう。十四五ぐらゐの少年せうねんで、ぼくどうふがいよ、なぞは——説明せつめいおよばず——おやたちの注意ちういえうする。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あひだやく十分間じつぷんかんうまで大切たいせつにするとふのが、恩人おんじん遺兒わすれがたみでもなんでもない、なのである。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
船藏ふなぐらがついちかくつて、安宅丸あたかまる古跡こせきですからな。いや、ういへば、遠目鏡とほめがねつたで……あれ、ごろうじろ——と、河童かつぱ囘向院ゑかうゐん墓原はかばら惡戲いたづらをしてゐます。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おくんな。」とつて、やぶしたをちよこ/\とた、こゝのツばかりのをとこ脊丈せたけより横幅よこはゞはうひろいほどな、提革鞄さげかばんふるいのを、幾處いくところ結目むすびめこしらへてかたからなゝめに脊負せおうてゐる。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これは彌六やろくといつて、與吉よきち父翁ちゝおや年來ねんらい友達ともだちで、孝行かうかう仕事しごとをしながら、病人びやうにんあんじてるのをつてるから、れいとして毎日まいにち今時分いまじぶんとほりがかりにその消息せうそくつたへるのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これだけを心遣こゝろやりに、女房にようばうは、小兒こどもたちに、まだばん御飯ごはんにもしなかつたので、さかあがるやうにして、いそいで行願寺内ぎやうぐわんじないかへると、路地口ろぢぐちに、よつつになるをんなと、いつつのをとこ
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
きやくわたしのほかに三人さんにんあつた。三人さんにんは、親子おやこづれで、こゝのツばかりの、かすり羽織はおりおな衣服きものおとなしらしいをとこ。——見習みならへ、やつこ、と背中せなかつゝいてりたいほどな、人柄ひとがらなもので。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十度とたび、これをあらひたるものは、うまれし 清秀せいしうにしてたつとし。あらふこと二三度にさんどなるものは、尋常じんじやう中位ちうゐひと、まるきり洗濯せんたくをしないのは、昏愚こんぐ穢濁あいだくにして、しか淫亂いんらんだ、とをしへたのである。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ばうやはいゝねんねしな。」……とくちうち子守唄こもりうたは、われながら殊勝しゆしようである。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をんな、どうかすると十六七の妙齡めうれいなるも、自分じぶんことをタアとふ。をとこは、ワシはけだしついとほりか。たゞし友達ともだちすのに、ワシはるか、とふ。はうはどつちもワシなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
近所きんじよで、ちひさなが、おもちやに小庭こにはにこしらへた、箱庭はこにはのやうな築山つきやまがある。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今朝けさ……とふがおひるごろ、炬燵こたつでうと/\してると、いつもさへづる、おてんばや、いたづらツすゞめたちは、何處どこへすツんだか、ひつそりとしづまつて、チイ/\と、あまえるやうに
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは界隈かいわい貧民ひんみんで、つい茗荷谷みやうがだにうへる、補育院ほいくゐんとなへて月謝げつしやらず、ときとすると、讀本とくほんすみるゐほどこして、其上そのうへ通學つうがくするの、ぐらしの親達おやたち父親ちゝおやなり、母親はゝおやなり
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
却説さて——その白井しらゐさんの四歳よツつをとこの、「おうちへかへらうよ、かへらうよ。」とつて、うらわかかあさんとともに、わたしたちのむねいたませたのも、そのかあさんのすゑいもうとの十一二にるのが
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また思出おもひだことがある。故人こじん谷活東たにくわつとうは、紅葉先生こうえふせんせい晩年ばんねん準門葉じゆんもんえふで、肺病はいびやうむねいたみつゝ、洒々落々しや/\らく/\とした江戸えどであつた。(かつぎゆく三味線箱さみせんばこ時鳥ほとゝぎす)となかちやうとともにいた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うぬ勝手かつてにな、人樣ひとさま迷惑めいわくけるもんぢやねえ。うめるな、かならずうめるな。やい、こんなへえれねえぢや、ちやんとははせねえ。ひげにたゝつくれるぞ、さあ、へえれ。ほねひろはい、やつこ
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へーい。」とやつこが、つゝんだつゝみを、ひよいとをんなわたしながら、引込ひつこめず、背後うしろたなに、煮豆にまめ煮染にしめものなどを裝並もりならべたたなしたの、賣溜うりだめの錢箱ぜにばこをグヮチャリとらして、銅貨どうくわ一個ひとつ
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)