“晩年”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばんねん66.7%
イリマヘ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうして、かれは、晩年ばんねんおくりました。そして、高齢こうれいでこのなかからったのであります。かれが、なくなっても、そのさかずきだけは、完全かんぜん姿すがたのちまでのこりました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また思出おもひだことがある。故人こじん谷活東たにくわつとうは、紅葉先生こうえふせんせい晩年ばんねん準門葉じゆんもんえふで、肺病はいびやうむねいたみつゝ、洒々落々しや/\らく/\とした江戸えどであつた。(かつぎゆく三味線箱さみせんばこ時鳥ほとゝぎす)となかちやうとともにいた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だから、此楽しげな様子を見て、彼のよい晩年イリマヘを喜ぶ心で、一ぱいになつた。あれだけむつかしい気性であり乍ら、正しい、其から閑雅なよさに幸せられて、よい一生を完結しようとしてゐる。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)