-
トップ
>
-
男兒
鐵車は
再び
猛烈なる
勢をもつて
木の
根を
噛み、
岩石を
碎いて
突進する。あゝ
好漢、
此男は
實に
壯快な
男兒だが、
惜むらくば
少しく
無鐵砲に
※ぎるので、
萬一の
※失が
無ければよいがと
思ふ
途端、
忽ち
沈光頂よりひつくりかへりざまに
梯子を
控へたる
綱を
握り、
中空より
一たび
跳返りて
劍を
揮ふと
云へり。それ
飛燕は
細身にしてよく
掌中に
舞ふ、
絶代の
佳人たり。
沈光は
男兒のために
氣を
吐くものか。
父君が
甞て
望める
如き
海軍々人風の
男兒となりて、
毎日/\
賢こく、
勇ましく、
日を
送つて
居る
有樣をば
目に
見る
如くに
語り、
大佐よ、
濱島君よ、
春枝夫人よ、されば
吾等は
今や
天運開けて