トップ
>
家族
>
かぞく
ふりがな文庫
“
家族
(
かぞく
)” の例文
糟谷
(
かすや
)
は
次男
(
じなん
)
芳輔
(
よしすけ
)
三
女
(
じょ
)
礼
(
れい
)
の
親子
(
おやこ
)
四人の
家族
(
かぞく
)
であるが、その四人の生活が、いまの
糟谷
(
かすや
)
の
働
(
はたら
)
きでは、なかなかほねがおれるのであった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
茶屋
(
ちゃや
)
の
主人
(
しゅじん
)
は、
家族
(
かぞく
)
のものをみんな
山
(
やま
)
から
下
(
お
)
ろしてしまって、
自分
(
じぶん
)
だけが
残
(
のこ
)
り、あとかたづけをしてから
山
(
やま
)
をおりようとしていました。
深山の秋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「いや、
昼間
(
ひるま
)
はそんなことはありません。昼間なら、じぶんをも
家族
(
かぞく
)
をもまもれます。」と、牡羊は
角
(
つの
)
をふりながら言いました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
家族
(
かぞく
)
と
共
(
とも
)
に
能
(
よ
)
く
遊
(
あそ
)
びに
行
(
ゆ
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
其時
(
そのとき
)
に、
今
(
いま
)
は
故人
(
こじん
)
の
谷活東子
(
たにくわつとうし
)
が、
畑
(
はたけ
)
の
中
(
なか
)
から
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
を
一箇
(
ひとつ
)
拾
(
ひろ
)
ひ
出
(
だ
)
して、
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
した。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
坐
(
すわ
)
つて五
分
(
ふん
)
と
立
(
た
)
たないうちに、
先刻
(
さつき
)
の
笑聲
(
わらひごゑ
)
は、
此
(
この
)
變
(
へん
)
な
男
(
をとこ
)
と
坂井
(
さかゐ
)
の
家族
(
かぞく
)
との
間
(
あひだ
)
に
取
(
と
)
り
換
(
か
)
はされた
問答
(
もんだふ
)
から
出
(
で
)
る
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
真理
(
しんり
)
は我と我の
家族
(
かぞく
)
より大なり、
此
(
この
)
決心
(
けつしん
)
を
実行
(
じつこう
)
あらん
乎
(
か
)
、
教会
(
けうくわい
)
は
直
(
たゞち
)
に
復興
(
ふくこう
)
し
始
(
はじ
)
むべし、
是
(
こ
)
れなからん乎、復興は
世
(
よ
)
の
終
(
おはり
)
まで
待
(
ま
)
つも
来
(
きた
)
らざるべし。
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
『さう、
眞箇
(
ほんとう
)
に!』
怖
(
おそ
)
れて
尻尾
(
しツぽ
)
の
先
(
さき
)
までも
顫
(
ふる
)
へてゐた
鼠
(
ねずみ
)
が
叫
(
さけ
)
びました。』
若
(
も
)
し
私
(
わたし
)
が
斯麽
(
こんな
)
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
したが
最期
(
さいご
)
!
私
(
わたし
)
の一
家族
(
かぞく
)
は
殘
(
のこ
)
らず
猫
(
ねこ
)
を
仇敵
(
かたき
)
に
念
(
おも
)
ふ。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その
知
(
し
)
らせがあったとき、
家族
(
かぞく
)
をはじめ、
慶応義塾
(
けいおうぎじゅく
)
の
人々
(
ひとびと
)
は、
諭吉
(
ゆきち
)
の
考
(
かんが
)
えをよくしっていましたので、そうだんのうえ、それをことわりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「何だ、ただ三つじゃないか。
長官
(
ちょうかん
)
は六人もご
家族
(
かぞく
)
をつれていらっしゃるんだ。三つじゃ
仕方
(
しかた
)
ない、お一人十ずつとしても六十なくちゃだめだ。」
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
主人
(
しゆじん
)
の
内儀
(
かみ
)
さんは一
應
(
おう
)
被害者
(
ひがいしや
)
へ
噺
(
はなし
)
をつけて
見
(
み
)
た。
被害者
(
ひがいしや
)
の
家族
(
かぞく
)
は
律義者
(
りちぎもの
)
で
皆
(
みな
)
激
(
げき
)
し
切
(
き
)
つて
居
(
ゐ
)
る。七十ばかりに
成
(
な
)
る
被害者
(
ひがいしや
)
の
老人
(
ぢいさん
)
が
殊
(
こと
)
に
頑固
(
ぐわんこ
)
に
主張
(
しゆちやう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
元來
(
ぐわんらい
)
自分
(
じぶん
)
は
大
(
だい
)
の
無性者
(
ぶしやうもの
)
にて
思
(
おも
)
ひ
立
(
たつ
)
た
旅行
(
りよかう
)
もなか/\
實行
(
じつかう
)
しないのが
今度
(
こんど
)
といふ
今度
(
こんど
)
は
友人
(
いうじん
)
や
家族
(
かぞく
)
の
切
(
せつ
)
なる
勸告
(
くわんこく
)
でヤツと
出掛
(
でか
)
けることになつたのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
著者
(
ちよしや
)
は
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
の
調査日記
(
ちようさにつき
)
に
於
(
おい
)
て、
大地震後
(
だいぢしんご
)
家族
(
かぞく
)
と
共
(
とも
)
に
自宅
(
じたく
)
に
安眠
(
あんみん
)
し、
一回
(
いつかい
)
も
野宿
(
のじゆく
)
しなかつたことを
記
(
しる
)
した。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
夫
(
そ
)
れが
實際問題
(
じつさいもんだい
)
になると、
土地
(
とち
)
の
状態
(
じやうたい
)
風土
(
ふうど
)
の
關係
(
くわんけい
)
、
住者
(
ぢうしや
)
の
身分
(
みぶん
)
、
境遇
(
きやうぐう
)
、
趣味
(
しゆみ
)
、
性癖
(
せいへき
)
、
資産
(
しさん
)
、
家族
(
かぞく
)
、
職業
(
しよくげふ
)
その
他
(
た
)
種々雜多
(
しゆ/″\ざつた
)
の
素因
(
そいん
)
が
混亂
(
こんらん
)
して
互
(
たがひ
)
に
相
(
あい
)
交渉
(
かうせう
)
するので
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
地蔵行者
(
じぞうぎょうじゃ
)
の
菊村宮内
(
きくむらくない
)
と、坂東巡礼のお時とであった。ほんの
旅先
(
たびさき
)
の道づれであるが、ふたりの仲のよいことは、おなじ家にすむ
家族
(
かぞく
)
といえどもない美しさだった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家族
(
かぞく
)
は
一統
(
いつとう
)
、
加持
(
かぢ
)
よ
祈祷
(
きたう
)
よ、と
青
(
あを
)
くなつて
騷
(
さわ
)
いだが、
私
(
わたし
)
に
似
(
に
)
ない
其主人
(
そのしゆじん
)
、
膽
(
たん
)
が
据
(
すわ
)
つて
聊
(
いさゝ
)
かも
騷
(
さわ
)
がない。
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
住居
(
ぢうきよ
)
の大小は
家族
(
かぞく
)
の多少に因る事
勿論
(
もちろん
)
なれど
塲合
(
ばあひ
)
に由つては
一個
(
いつこ
)
の大部屋を
設
(
もう
)
くる代りに
數個
(
すうこ
)
の小部屋を作る事も有りしと思はる。
瓢形
(
ひやうかた
)
の
竪穴
(
たてあな
)
の如き即ち其例なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
初
(
はじめ
)
から
気質
(
きしつ
)
の
合
(
あ
)
はない
家族
(
かぞく
)
との
折合
(
をりあひ
)
は
日
(
ひ
)
を
追
(
お
)
ふに
従
(
したが
)
つて
円滑
(
ゑんくわつ
)
には
行
(
ゆ
)
かなくなり、
何
(
なに
)
かにつけてお
互
(
たがひ
)
に
顔
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
らめ
言葉
(
ことば
)
を
荒
(
あら
)
くするやうな
事
(
こと
)
が
毎日
(
まいにち
)
のやうになつて
来
(
き
)
たので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
或
(
あ
)
る
農村
(
のうそん
)
にびんぼうなお
百姓
(
ひやくせう
)
がありました。びんぼうでしたが
深切
(
しんせつ
)
で
仲
(
なか
)
の
善
(
よ
)
い、
家族
(
かぞく
)
でした。そこの
鴨居
(
かもゐ
)
にことしも
燕
(
つばめ
)
が
巣
(
す
)
をつくつてそして四五
羽
(
は
)
の
雛
(
ひな
)
をそだててゐました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
さて
一同
(
いちどう
)
で
裏庭
(
にわ
)
に
着
(
つ
)
いてみますと、そこでは
今
(
いま
)
、
大騒
(
おおさわ
)
ぎの
真
(
ま
)
っ
最中
(
さいちゅう
)
です。
二
(
ふた
)
つの
家族
(
かぞく
)
で、
一
(
ひと
)
つの
鰻
(
うなぎ
)
の
頭
(
あたま
)
を
奪
(
うば
)
いあっているのです。そして
結局
(
けっきょく
)
、それは
猫
(
ねこ
)
にさらわれてしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
元來
(
がんらい
)
以前
(
いぜん
)
は
一
(
ひと
)
つの
塚
(
つか
)
には
一人
(
ひとり
)
しか
葬
(
はうむ
)
らなかつたのが、この
石室
(
せきしつ
)
を
造
(
つく
)
る
時代
(
じだい
)
になつてからは、
一人
(
ひとり
)
だけを
葬
(
はうむ
)
る
場合
(
ばあひ
)
もありましたが、
家族
(
かぞく
)
の
者
(
もの
)
をも
一
(
ひと
)
つの
石室
(
せきしつ
)
に
葬
(
はうむ
)
る
風
(
ふう
)
が
出來
(
でき
)
たかと
思
(
おも
)
はれます。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
しかし有り難いことに、普通の義務教育の小学校は、決して乱臣賊子の
家族
(
かぞく
)
をも拒否しないのである。日本に生れて幸だと思った。それで
順当
(
じゅんとう
)
に進むかと思っていると、その中戦争は
苛烈
(
かれつ
)
になった。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
周三は
奈何
(
いか
)
なる場合にも「自己」を忘れなかツた。そして何處までも自己の權利を
主張
(
しゆちやう
)
して、家または
家族
(
かぞく
)
に就いて少しも考へなかツた。無論家の
興廢
(
こうはい
)
などゝいふことは
頭
(
てん
)
で
眼中
(
がんちゆう
)
に置いてゐなかた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
が
時々
(
とき/″\
)
、もっとよい
暮
(
くら
)
しがしたいといふ
氣持
(
きも
)
ちが
起
(
おこ
)
らなくもありません。それは
多
(
おほ
)
くは
家族
(
かぞく
)
のものたちが、
主人
(
しゆじん
)
に
訴
(
うつた
)
へる
場合
(
ばあひ
)
、
或
(
あるひ
)
はさういふ
心持
(
こゝろも
)
ちを
顏
(
かほ
)
に
現
(
あらは
)
してゐる
場合
(
ばあひ
)
に
起
(
おこ
)
つて
來
(
く
)
る
氣持
(
きも
)
ちなのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
その舟の芝居もどりの
家族
(
かぞく
)
を眠らす。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
家族
(
かぞく
)
といっては、ほかに
年
(
とし
)
とった、
雇
(
やと
)
いのおばあさんがいるばかり、
広
(
ひろ
)
い
庭
(
にわ
)
には、いっぱい
草花
(
くさばな
)
を
植
(
う
)
えて、これを
愛
(
あい
)
していました。
三つのお人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
その
)
悲劇
(
ひげき
)
が
又
(
また
)
何時
(
いつ
)
如何
(
いか
)
なる
形
(
かたち
)
で、
自分
(
じぶん
)
の
家族
(
かぞく
)
を
捕
(
とら
)
へに
來
(
く
)
るか
分
(
わか
)
らないと
云
(
い
)
ふ、ぼんやりした
掛念
(
けねん
)
が、
折々
(
をり/\
)
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
のなかに
霧
(
きり
)
となつて
懸
(
か
)
かつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
江連
(
えづれ
)
は
当時
(
とうじ
)
、
榎本
(
えのもと
)
の
家族
(
かぞく
)
といっしょに
静岡
(
しずおか
)
にすんでいたのですが、
手紙
(
てがみ
)
には、つぎのようにかいてありました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
隣
(
となり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
家族
(
かぞく
)
は
長屋門
(
ながやもん
)
の一
部
(
ぶ
)
に
疊
(
たゝみ
)
を
敷
(
し
)
いて
假
(
かり
)
の
住居
(
すまゐ
)
を
形
(
かたち
)
づくつて
居
(
ゐ
)
た。
主人夫婦
(
しゆじんふうふ
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
目
(
め
)
からは
有繋
(
さすが
)
に
災厄
(
さいやく
)
の
後
(
あと
)
の
亂
(
みだ
)
れた
容子
(
ようす
)
が
少
(
すこ
)
しも
發見
(
はつけん
)
されなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
悉
(
くはし
)
い
事
(
こと
)
は
預
(
あづか
)
るが、
水上
(
みなかみ
)
さんは、
先月
(
せんげつ
)
三十一
日
(
にち
)
に、
鎌倉
(
かまくら
)
稻瀬川
(
いなせがは
)
の
別莊
(
べつさう
)
に
遊
(
あそ
)
んだのである。
別莊
(
べつさう
)
は
潰
(
つぶ
)
れた。
家族
(
かぞく
)
の
一人
(
いちにん
)
は
下敷
(
したじき
)
に
成
(
な
)
んなすつた。が、
無事
(
ぶじ
)
だつたのである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その日の
晩方
(
ばんがた
)
おそく私たちはひどくまわりみちをしてうちへ帰りましたが
東北長官
(
とうほくちょうかん
)
はひるころ野原へ
着
(
つ
)
いて夕方まで
家族
(
かぞく
)
と
一緒
(
いっしょ
)
に大へん
面白
(
おもしろ
)
く
遊
(
あそ
)
んで帰ったということを聞きました。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
また
丹後大地震
(
たんごだいぢしん
)
の
時
(
とき
)
は、
九歳
(
きゆうさい
)
になる
茂籠傳一郎
(
もかごでんいちろう
)
といふ
山田小學校
(
やまだしようがつこう
)
二年生
(
にねんせい
)
は
一家
(
いつか
)
八人
(
はちにん
)
と
共
(
とも
)
に
下敷
(
したじき
)
になり、
家族
(
かぞく
)
は
屋根
(
やね
)
を
破
(
やぶ
)
つて
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
したに
拘
(
かゝは
)
らず、
傳一郎君
(
でんいちろうくん
)
は
倒潰家屋内
(
とうかいかおくない
)
に
踏
(
ふ
)
み
留
(
とゞ
)
まり
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
暑
(
しよ
)
を山上に
避
(
さ
)
けながら
眼下
(
がんか
)
に
群住
(
ぐんぢう
)
する
憐
(
あは
)
れなる数万の
異教徒
(
ゐけうと
)
の
為
(
た
)
めに
祈願
(
きぐわん
)
を
込
(
こ
)
めるも
無益
(
むえき
)
なり、
教会
(
けうくわい
)
復興
(
ふくこう
)
の
方策
(
はうさく
)
とは
教導師
(
けうだうし
)
先
(
ま
)
づ
躬
(
みづ
)
から
身
(
み
)
を
捐
(
す
)
つるにあり、
彼
(
か
)
の
家族
(
かぞく
)
の
安楽
(
あんらく
)
を
犠牲
(
ぎせい
)
に
供
(
きやう
)
するにあり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
母がひとり子ども三人、
夫婦
(
ふうふ
)
をあわせて六人の
家族
(
かぞく
)
、
妻君
(
さいくん
)
というのは、同業者のむすめで花前の
恋女房
(
こいにょうぼう
)
であった。
地所
(
じしょ
)
などもすこしは
所有
(
しょゆう
)
しておって、六人の家族は
豊
(
ゆた
)
かにたのしく生活しておった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
伸一先生
(
しんいちせんせい
)
は
給料
(
きふれう
)
を
月
(
つき
)
十八
圓
(
ゑん
)
しか
受取
(
うけと
)
りません、それで
老母
(
らうぼ
)
と
妻子
(
さいし
)
、一
家
(
か
)
六
人
(
にん
)
の
家族
(
かぞく
)
を
養
(
やしな
)
ふて
居
(
ゐ
)
るのです。
家産
(
かさん
)
といふは
家屋敷
(
いへやしき
)
ばかり、これを
池上權藏
(
いけがみごんざう
)
の
資産
(
しさん
)
と
比
(
くら
)
べて
見
(
み
)
ると
百分一
(
ひやくぶんのいち
)
にも
當
(
あた
)
らないのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
一
家族
(
かぞく
)
が
無人島
(
むじんたう
)
へ
漂着
(
へうちやく
)
した
樣
(
やう
)
な
氣持
(
きもち
)
である。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
炎
(
ほのお
)
の
家族
(
かぞく
)
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おり
悪
(
あ
)
しく、その
晩
(
ばん
)
に、ひどいあらしが
吹
(
ふ
)
いて、
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
は、さながら
渦巻
(
うずま
)
きかえるように
見
(
み
)
られたのでした。
家族
(
かぞく
)
のものは
心配
(
しんぱい
)
しました。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もし
嫂
(
あによめ
)
が此方面に向つて代助に肉薄すればする程、代助は漸々
家族
(
かぞく
)
のものと疎遠にならなければならないと云ふ恐れが、代助の
頭
(
あたま
)
の
何処
(
どこ
)
かに
潜
(
ひそ
)
んでゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
口々
(
くち/″\
)
に
言
(
い
)
ひ
交
(
かは
)
して、
寂然
(
しん
)
とした
道
(
みち
)
ながら、
往來
(
ゆきき
)
の
慌
(
あわたゞ
)
しい
町
(
まち
)
を、
白井
(
しらゐ
)
さんの
家族
(
かぞく
)
ともろともに
立退
(
たちの
)
いた。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
段々
(
だん/\
)
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
に
向
(
むか
)
つて
以前
(
いぜん
)
の
如
(
ごと
)
くこせ/\と
徒
(
いたづ
)
らに
遠慮
(
ゑんりよ
)
した
態度
(
たいど
)
がなくなつた。
彼
(
かれ
)
は
村落
(
むら
)
の
凡
(
すべ
)
てに
向
(
むか
)
つて
拂
(
はら
)
つた
恐怖
(
きようふ
)
の
念
(
ねん
)
を
悉
(
ことごと
)
く
東隣
(
ひがしどなり
)
の
家族
(
かぞく
)
にのみ
捧
(
さゝ
)
げて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「そんなら、
S町
(
エスまち
)
の
夜店
(
よみせ
)
へいってごらん。あのへんには、
外人
(
がいじん
)
の
家族
(
かぞく
)
が、たくさんきているから、
出
(
で
)
ないともかぎらない。」
緑色の時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
塾生
(
じゆくせい
)
と
家族
(
かぞく
)
とが
住
(
す
)
んで
使
(
つか
)
つてゐるのは
三室
(
みま
)
か
四室
(
よま
)
に
過
(
す
)
ぎない。
玄關
(
げんくわん
)
を
入
(
はひ
)
ると
十五六疊
(
じふごろくでふ
)
の
板敷
(
いたじき
)
、
其
(
それ
)
へ
卓子
(
テエブル
)
椅子
(
いす
)
を
備
(
そな
)
へて
道場
(
だうぢやう
)
といつた
格
(
かく
)
の、
英漢數學
(
えいかんすうがく
)
の
教場
(
けうぢやう
)
になつて
居
(
ゐ
)
る。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨日
(
きのう
)
行方不明
(
ゆくえふめい
)
になった、三
人
(
にん
)
のものの
家族
(
かぞく
)
や、たくさんの
群集
(
ぐんしゅう
)
が、五つの
赤
(
あか
)
いそりが、
捜索
(
そうさく
)
に
出
(
で
)
かけるのを
見送
(
みおく
)
りました。
黒い人と赤いそり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
固
(
もと
)
より
以前
(
いぜん
)
から、
友造
(
ともざう
)
の
家
(
いへ
)
は、
土地
(
とち
)
でも、
場末
(
ばすゑ
)
の、
町
(
まち
)
はづれの、
舊
(
もと
)
の
足輕町
(
あしがるまち
)
の
破
(
やぶ
)
れ
長屋
(
ながや
)
に、
家族
(
かぞく
)
が
大勢
(
おほぜい
)
で、かびた、
濕
(
しめ
)
つた、じと/\した
貧
(
まづ
)
しい
暮
(
くら
)
しで
居
(
ゐ
)
たのであるから
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いよいよ
戦争
(
せんそう
)
が
終
(
お
)
わって、
空襲
(
くうしゅう
)
の
恐
(
おそ
)
れがなくなると、この
家族
(
かぞく
)
は、
古
(
ふる
)
いすみかへもどっていきました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
白井
(
しらゐ
)
さんの
家族
(
かぞく
)
が
四人
(
よにん
)
、——
主人
(
しゆじん
)
はまだ
燒
(
や
)
けない
家
(
いへ
)
を
守
(
まも
)
つてこゝにはみえない——
私
(
わたし
)
たちと、……
濱野
(
はまの
)
さんは
八千代
(
やちよ
)
さんが
折紙
(
をりがみ
)
をつけた、いゝ
男
(
をとこ
)
ださうだが、
仕方
(
しかた
)
がない。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すると、
疲
(
つか
)
れた
家族
(
かぞく
)
のものは、こちらを
向
(
む
)
いて、ちょっと
躊躇
(
ちゅうちょ
)
しましたが、ついに
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まって
子供と馬の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
雨
(
あめ
)
の
晴
(
は
)
れた
朝
(
あさ
)
である。
修善寺
(
しゆぜんじ
)
の
温泉宿
(
をんせんやど
)
、——
館
(
くわん
)
の
家族
(
かぞく
)
の
一婦人
(
いちふじん
)
と、
家内
(
かない
)
が
桂川
(
かつらがは
)
の
一本橋
(
いつぽんばし
)
向
(
むか
)
うの
花畑
(
はなばたけ
)
へ
連立
(
つれだ
)
つて、
次手
(
ついで
)
に
同家
(
どうけ
)
の
控
(
ひかへ
)
の
別莊
(
べつさう
)
——あき
屋
(
や
)
である——を
見
(
み
)
せて
貰
(
もら
)
つた、と
言
(
い
)
つて
話
(
はな
)
した。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その一
軒
(
けん
)
の
家
(
いえ
)
へ、
戦時中
(
せんじちゅう
)
に、
疎開
(
そかい
)
してきた、
家族
(
かぞく
)
がありました。からだの
弱
(
よわ
)
そうな
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
が、よく二
階
(
かい
)
の
窓
(
まど
)
から、ぼんやりと、
彼方
(
かなた
)
の
山
(
やま
)
をながめて、なにか
考
(
かんが
)
えていました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
みんな
町
(
まち
)
の
魚屋
(
さかなや
)
に
売
(
う
)
ってしまって、その
金
(
かね
)
で
家族
(
かぞく
)
のものを
養
(
やしな
)
わなければならなかったのです。
一本の釣りざお
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“家族”の解説
家族(かぞく、en: family、de: Familie、fr: famille)とは、
夫婦や親子という関係を中心とする近親者によって構成され、相互の感情的きずなに基づいて日常生活を共同に営む最も小さな共同体である。
(出典:Wikipedia)
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
族
常用漢字
小3
部首:⽅
11画
“家族”で始まる語句
家族的
家族史
家族名
家族者
家族万歳
家族雇人