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集
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あつ
ふりがな文庫
“
集
(
あつ
)” の例文
こうした
人
(
ひと
)
たちの
集
(
あつ
)
まるところは、いつも
笑
(
わら
)
い
声
(
ごえ
)
のたえるときがなければ、
口笛
(
くちぶえ
)
や、ジャズのひびきなどで、
煮
(
に
)
えくり
返
(
かえ
)
っています。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それで赤貝姫が
汁
(
しる
)
を
搾
(
しぼ
)
り
集
(
あつ
)
め、蛤貝姫がこれを受けて母の乳汁として塗りましたから、りつぱな男になつて
出歩
(
である
)
くようになりました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「おれは内地の
農林
(
のうりん
)
学校の
助手
(
じょしゅ
)
だよ、だから
標本
(
ひょうほん
)
を
集
(
あつ
)
めに来たんだい。」私はだんだん雲の
消
(
き
)
えて青ぞらの出て来る空を見ながら
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
一
本
(
ぽん
)
の大きな木の、うつろになった中に
入
(
はい
)
って、
犬
(
いぬ
)
どもを木のまわりに
集
(
あつ
)
めて、たくさんたき
火
(
び
)
をして、その
晩
(
ばん
)
は
眠
(
ねむ
)
ることにしました。
忠義な犬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
つい
二三日前
(
にさんちまへ
)
迄
(
まで
)
其所
(
そこ
)
へ
立
(
た
)
てゝ
置
(
お
)
いたのですが、
例
(
れい
)
の
子供
(
こども
)
が
面白
(
おもしろ
)
半分
(
はんぶん
)
にわざと
屏風
(
びやうぶ
)
の
影
(
かげ
)
へ
集
(
あつ
)
まつて、
色々
(
いろ/\
)
な
惡戲
(
いたづら
)
をするものですから
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
抱上
(
いだきあ
)
げ今日より後は如何にせん
果報
(
くわはう
)
拙
(
つた
)
なき
乳呑子
(
ちのみご
)
やと聲を
放
(
はな
)
つて
悲
(
かな
)
しむを近所の人々聞知りて
追々
(
おひ/\
)
集
(
あつ
)
まり入來り
悔
(
くや
)
み
言
(
いひ
)
つゝ吉兵衞に力を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
柿
(
かき
)
の
木
(
き
)
はまた
梨
(
なし
)
や
桐
(
きり
)
の
木
(
き
)
とちがつて、にぎやかな
木
(
き
)
で、
父
(
とう
)
さんが
遊
(
あそ
)
びに
行
(
ゆ
)
く
度
(
たび
)
に
何
(
なに
)
かしら
集
(
あつ
)
めたいやうなものが
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
先
(
ま
)
づ
検疫船
(
けんえきせん
)
が
来
(
き
)
て
検疫医
(
けんえきい
)
が
乗
(
の
)
り
込
(
こ
)
む。一
等
(
とう
)
船客
(
せんかく
)
一
同
(
どう
)
大食堂
(
だいしよくだう
)
に
呼
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
められて、
事務長
(
じむちやう
)
が
変
(
へん
)
な
所
(
ところ
)
にアクセントをつけて
船客
(
せんかく
)
の
名
(
な
)
を
読
(
よ
)
み
上
(
あ
)
げる。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
晴
(
は
)
れのあしたを前にして、なにを
密議
(
みつぎ
)
するのか、その
晩
(
ばん
)
、
徳川
(
とくがわ
)
ばたけの者ばかりが、首を
集
(
あつ
)
めておそくまで声をひそめていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たとへば
昆蟲
(
こんちゆう
)
の
標本室
(
ひようほんしつ
)
にはひつて
見
(
み
)
ますと、
珍
(
めづら
)
しい
蝶々
(
ちよう/\
)
や
甲蟲
(
かぶとむし
)
などの
變
(
かは
)
つた
種類
(
しゆるい
)
のものが
驚
(
おどろ
)
く
程
(
ほど
)
たくさんに
集
(
あつ
)
めてあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
A ハガキ
文學
(
ぶんがく
)
は
好
(
い
)
いね。ソラよく
雜誌社
(
ざつししや
)
などで
原稿
(
げんかう
)
を
集
(
あつ
)
める一
手段
(
しゆだん
)
として、
諸名士
(
しよめいし
)
に
往復葉書
(
わうふくはがき
)
を
出
(
だ
)
したりするぢやないか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
村民を
集
(
あつ
)
めて文珠菩薩の
祭礼
(
さいれい
)
を
行
(
おこな
)
ひ、
併
(
あは
)
せて此一行をも
招待
(
せうたい
)
すべし、而して漸次道路を
開通
(
がいつう
)
し
爰
(
ここ
)
に
達
(
たつ
)
し、世人をして
参詣
(
さんけい
)
するを得せしめんと
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
それで
彼等
(
かれら
)
は
夜
(
よる
)
の
時刻
(
じこく
)
が
來
(
く
)
ると、
目明
(
めあき
)
の
手曳
(
てびき
)
がだんだんと
其
(
そ
)
の
家々
(
いへ/\
)
に
配
(
くば
)
つて
歩
(
ある
)
く。さうしては
復
(
ま
)
た
手曳
(
てびき
)
がそれを
集
(
あつ
)
めて
打
(
う
)
ち
連
(
つ
)
れて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
く
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
廻
(
まわ
)
れ/\
水車
(
みづぐるま
)
を
小音
(
こおん
)
に
唱
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
す、
美登利
(
みどり
)
は
衆人
(
おほく
)
の
細螺
(
きしやご
)
を
集
(
あつ
)
めて、さあ
最
(
も
)
う一
度
(
ど
)
はじめからと、これは
顏
(
かほ
)
をも
赤
(
あか
)
らめざりき。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこにはロシヤのいはゆる「千八百八十年
代
(
だい
)
の
知識階級
(
インテリゲンチヤ
)
」である
處
(
ところ
)
のラアネフスカヤを
初
(
はじ
)
め、
老若
(
ろうじやく
)
の男女
達
(
たち
)
の十
余
(
よ
)
人が
集
(
あつ
)
まつて
舞踏
(
ぶとう
)
に
興
(
けう
)
じてゐる。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
主墳
(
しゆふん
)
では
有
(
あ
)
るまいが、
人氣
(
にんき
)
の
緩
(
ゆる
)
んで
居
(
ゐ
)
る
折柄
(
をりがら
)
とて、
學者
(
がくしや
)
も、
記者
(
きしや
)
も、
高等野次馬
(
かうとうやじうま
)
も、
警官
(
けいくわん
)
も、
悉
(
こと/″\
)
く
此所
(
こゝ
)
へ
集
(
あつ
)
まつて、
作業
(
さくげふ
)
の
邪魔
(
じやま
)
となる
事
(
こと
)
夥多
(
おびたゞ
)
しい。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
然
(
しか
)
し、
夫人
(
ふじん
)
は
氣
(
き
)
を
鎭
(
しづ
)
めて、
近
(
ちか
)
くにゐる
同志
(
どうし
)
の
婦人達
(
ふじんたち
)
を
招
(
よ
)
び
集
(
あつ
)
めた。
近所
(
きんじよ
)
から
醫師
(
いし
)
も
來
(
き
)
て、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
應急手當
(
おふきふてあて
)
が
施
(
ほどこ
)
された。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
そして
永劫
(
えいがふ
)
の或期間だけ蓋の形を保續して來た、要するに
集
(
あつ
)
まツた人の力が
歳月
(
さいげつ
)
と
闘
(
たゝか
)
ツて來たのだ。雖然戰ツた
痕跡
(
こんせき
)
は、都て埃の爲に消されて了ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
余
(
よ
)
六十一
還暦
(
くわんれき
)
の時年賀の
書画
(
しよぐわ
)
を
集
(
あつ
)
む。
吾国
(
わがくに
)
はさらなり、諸国の
文人
(
ぶんじん
)
三
都
(
と
)
の
名家
(
めいか
)
妓女
(
きぢよ
)
俳優
(
はいいう
)
来舶清人
(
らいはくせいひと
)
の一
絶
(
ぜつ
)
をも
得
(
え
)
たり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
シューラは、新しい歌を
集
(
あつ
)
めた
本
(
ほん
)
を持って
来
(
き
)
てやると、きのうクルイニンに
約束
(
やくそく
)
したのを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
した。ポケットへ手を
突
(
つ
)
っこんでみたが、本はなかった。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
彼
(
か
)
れもし行きめぐりて人を
執
(
とら
)
えて
召
(
めし
)
集
(
あつ
)
め(すなわち裁判官が巡回して犯罪人を捕え集めて裁判する如くし)給う時は誰かよくこれを
阻
(
はば
)
まんや、彼は偽る人を
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
四番
(
よばん
)
めの
大伴
(
おほとも
)
の
大納言
(
だいなごん
)
は、
家來
(
けらい
)
どもを
集
(
あつ
)
めて
嚴命
(
げんめい
)
を
下
(
くだ
)
し、
必
(
かなら
)
ず
龍
(
たつ
)
の
首
(
くび
)
の
玉
(
たま
)
を
取
(
と
)
つて
來
(
こ
)
いといつて、
邸内
(
やしきうち
)
にある
絹
(
きぬ
)
、
綿
(
わた
)
、
錢
(
ぜに
)
のありたけを
出
(
だ
)
して
路用
(
ろよう
)
にさせました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
尠
(
すくな
)
くとも、さうして
落
(
お
)
ちついて
宴會
(
えんかい
)
を
開
(
ひら
)
く
數時間
(
すうじかん
)
前
(
ぜん
)
までは、
皆
(
みんな
)
で
苦勞
(
くろう
)
して、かやを
刈
(
か
)
り
集
(
あつ
)
めてゐたのです。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
今度
(
こんど
)
は一つ
日本男兒
(
につぽんだんじ
)
の
腕前
(
うでまへ
)
を
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れんと、うまく
相撲
(
すまう
)
の
事
(
こと
)
を
發議
(
はつぎ
)
すると、
忽
(
たちま
)
ち
彌次連
(
やじれん
)
は
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其夜
(
そのよ
)
大雨
(
たいう
)
が
降
(
ふ
)
り
出
(
だ
)
したので、これ
迄
(
まで
)
野營
(
やえい
)
を
續
(
つゞ
)
けてゐた
附近
(
ふきん
)
の
被害民
(
ひがいみん
)
は、
皆
(
みな
)
此
(
こ
)
の
潰
(
つぶ
)
れ
殘
(
のこ
)
りの
家
(
いへ
)
に
集
(
あつ
)
まつて
來
(
き
)
て
餘
(
あま
)
り
大勢
(
おほぜい
)
でありし
爲
(
ため
)
、
混雜
(
こんざつ
)
はしたけれども、
皆
(
みな
)
口々
(
くち/″\
)
に
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
大島小學校
(
おほしませうがくかう
)
に
居
(
ゐ
)
たものが、
今
(
いま
)
東京
(
とうきやう
)
に
三人
(
さんにん
)
居
(
ゐ
)
ます。これが
僕
(
ぼく
)
の
同窓
(
どうさう
)
です。
此三人
(
このさんにん
)
が
集
(
あつ
)
まる
會
(
くわい
)
が
僕等
(
ぼくら
)
の
同窓會
(
どうさうくわい
)
です。
其一人
(
そのひとり
)
は
三田
(
みた
)
を
卒業
(
そつげふ
)
して
今
(
いま
)
は
郵船會社
(
いうせんぐわいしや
)
に
出
(
で
)
て
居
(
ゐ
)
ます。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(
舞踏室
(
ぶたふしつ
)
又
(
また
)
は
客室
(
きゃくしつ
)
の
床上
(
ゆかうへ
)
に
刈
(
か
)
り
集
(
あつ
)
めたるばかりの
燈心草
(
とうしんぐさ
)
(
藺
(
ゐ
)
)を
敷
(
し
)
きしは
當時
(
たうじ
)
の
上流
(
じゃうりう
)
の
習
(
なら
)
はしなり。)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
屹度
(
きつと
)
持參
(
ぢさん
)
の
事
(
こと
)
、と
言
(
い
)
ふ……
蓋
(
けだ
)
し
發會
(
はつくわい
)
第一番
(
だいいちばん
)
の——お
當
(
たう
)
めでたうござる——
幹事
(
かんじ
)
の
弴
(
とん
)
さんが……
實
(
じつ
)
は
剩錢
(
つりせん
)
を
集
(
あつ
)
める
藁人形
(
わらにんぎやう
)
に
鎧
(
よろひ
)
を
着
(
き
)
せた
智謀
(
ちぼう
)
計數
(
けいすう
)
によつたのださうである。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
処女作
(
しよぢよさく
)
が
市場
(
しぢやう
)
に
出
(
で
)
たとき、まだ
年
(
とし
)
の
少
(
すくな
)
いこの
天才
(
てんさい
)
の
出現
(
しゆつげん
)
に
驚
(
おどろ
)
かされて、
集
(
あつ
)
まつて
来
(
き
)
た
多
(
おほ
)
くの
青年
(
せいねん
)
も、そろ/\
彼
(
かれ
)
の
実質
(
じつしつ
)
が
疑
(
うたが
)
はれて
来
(
き
)
たやうに、
二人
(
ふたり
)
去
(
さ
)
り三
人
(
にん
)
離
(
はな
)
れして
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
岸
(
きし
)
の
上
(
うへ
)
に
集
(
あつ
)
まつた一
隊
(
たい
)
は、それこそ
滑稽
(
こつけい
)
で
觀物
(
みもの
)
でした——
鳥
(
とり
)
の
諸羽
(
もろは
)
は
泥塗
(
どろまみ
)
れに、
動物
(
けもの
)
は
毛皮
(
もうひ
)
と
毛皮
(
もうひ
)
と
膠着
(
くツつ
)
かんばかりに
全濡
(
びしよぬれ
)
になり、
雫
(
しづく
)
がたら/\
落
(
お
)
ちるので
體
(
からだ
)
を
横
(
よこ
)
に
捩
(
ひね
)
つて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
湯屋
(
ゆや
)
で
拾
(
ひろ
)
い
集
(
あつ
)
めた
爪
(
つめ
)
じゃァねえよ。
蚤
(
のみ
)
や
蚊
(
か
)
なんざもとよりのこと、
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
まで
凍
(
こお
)
るような
雪
(
ゆき
)
の
晩
(
ばん
)
だって、おいらァじっと
縁
(
えん
)
の
下
(
した
)
へもぐり
込
(
こ
)
んだまま
辛抱
(
しんぼう
)
して
来
(
き
)
た
苦心
(
くしん
)
の
宝
(
たから
)
だ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「この
鐘
(
かね
)
がなしになると、これから
報恩講
(
ほうおんこう
)
のときなんかに、
人
(
ひと
)
を
集
(
あつ
)
めるのに
困
(
こま
)
るわなア。」
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
恁云
(
かうい
)
ふ
學説
(
がくせつ
)
は、
唯
(
たゞ
)
種々
(
しゆ/″\
)
の
學説
(
がくせつ
)
を
集
(
あつ
)
めて
研究
(
けんきう
)
したり、
比較
(
ひかく
)
したりして、
之
(
これ
)
を
自分
(
じぶん
)
の
生涯
(
しやうがい
)
の
目的
(
もくてき
)
としてゐる、
極
(
きは
)
めて
少數
(
せうすう
)
の
人計
(
ひとばか
)
りに
行
(
おこな
)
はれて、
他
(
た
)
の
多數
(
たすう
)
の
者
(
もの
)
は
其
(
そ
)
れを
了解
(
れうかい
)
しなかつたのです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
松崎村の
寒戸
(
さむと
)
というところの民家にて、若き娘
梨
(
なし
)
の
樹
(
き
)
の下に
草履
(
ぞうり
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ置きたるまま
行方
(
ゆくえ
)
を知らずなり、三十年あまり過ぎたりしに、或る日親類知音の人々その家に
集
(
あつ
)
まりてありしところへ
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
委員G「
遮二無二
(
しゃにむに
)
、マライ半島へ
突入
(
とつにゅう
)
するんだ。そしてゴムを
掻
(
か
)
き
集
(
あつ
)
める」
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
糟谷
(
かすや
)
はでるたびにいく
先
(
さき
)
ざきで、村の青年らを
集
(
あつ
)
め、
農耕改良
(
のうこうかいりょう
)
はかならず
畜産
(
ちくさん
)
の
発達
(
はったつ
)
にともなうべき
理由
(
りゆう
)
などを
説
(
と
)
き、文明の農業は
耕牧兼行
(
こうぼくけんこう
)
でなければならぬということなどをしきりに
説
(
と
)
き
聞
(
き
)
かせ
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そう
言
(
い
)
って
子家鴨
(
こあひる
)
の
周
(
まわ
)
りに
集
(
あつ
)
まって
来
(
き
)
ました。
子家鴨
(
こあひる
)
はみんなに
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げ、
出来
(
でき
)
るだけ
恭
(
うやうや
)
しい
様子
(
ようす
)
をしてみせましたが、そう
訊
(
たず
)
ねられた
事
(
こと
)
に
対
(
たい
)
しては
返答
(
へんとう
)
が
出来
(
でき
)
ませんでした。
野鴨達
(
のがもたち
)
は
彼
(
かれ
)
に
向
(
むか
)
って
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ホールはうつろな
目
(
め
)
で、
集
(
あつ
)
まってきた人たちを見ていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
黄金
(
こがね
)
も
宝
(
たから
)
も
何
(
なに
)
しに
集
(
あつ
)
めん
七里ヶ浜の哀歌
(新字新仮名)
/
三角錫子
(著)
集
(
あつ
)
まれ、
子供
(
こども
)
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
ちょうど
私
(
わたし
)
と
同
(
おな
)
じい七つ、八つばかりの
子供
(
こども
)
が、
毎日
(
まいにち
)
五、六
人
(
にん
)
も
寄
(
よ
)
り
集
(
あつ
)
まって
鬼事
(
おにごっこ
)
をしたり、こまをまわしたりして
遊
(
あそ
)
んでいました。
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
またすぐ
眼
(
め
)
の下のまちまでが、やっぱりぼんやりしたたくさんの星の
集
(
あつ
)
まりか一つの大きなけむりかのように見えるように思いました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのうちに
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けてしまったので、こんなに
大
(
おお
)
ぜい
集
(
あつ
)
まっているところをうっかり
猫
(
ねこ
)
に
見
(
み
)
つけられては、それこそたいへんだといって
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
どこの
田圃側
(
たんぼわき
)
へ
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ても、どこの
畠
(
はたけ
)
の
隅
(
すみ
)
へ
行
(
い
)
つて
見
(
み
)
ても、
子供
(
こども
)
といふ
子供
(
こども
)
の
集
(
あつ
)
まつて
居
(
ゐ
)
るところでは、その
遊
(
あそ
)
びが
始
(
はじ
)
まつて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
東隣
(
ひがしどなり
)
の
主人
(
しゆじん
)
の
庭
(
には
)
には
此
(
こ
)
の
日
(
ひ
)
も
村落
(
むら
)
の
者
(
もの
)
が
大勢
(
おほぜい
)
集
(
あつ
)
まつて
大
(
おほ
)
きな
燒趾
(
やけあと
)
の
始末
(
しまつ
)
に
忙殺
(
ばうさつ
)
された。それで
其
(
その
)
人々
(
ひと/″\
)
は
勘次
(
かんじ
)
の
庭
(
には
)
に
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
さうとはしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ローマ
時代
(
じだい
)
の
文化
(
ぶんか
)
を
語
(
かた
)
る
古美術品
(
こびじゆつひん
)
はもとより
支那
(
しな
)
、
日本
(
につぽん
)
のような
東洋
(
とうよう
)
のものを
多數
(
たすう
)
、しかも
優
(
すぐ
)
れたものを
集
(
あつ
)
めてあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
みんな
私
(
わたし
)
の
恩人
(
おんじん
)
といふて
宜
(
よ
)
い、
今
(
いま
)
このやうに
好
(
い
)
い
女中
(
ぢよちゆう
)
ばかり
集
(
あつ
)
まつて、
此方
(
こち
)
の
奧樣
(
おくさま
)
ぐらゐ
人
(
ひと
)
づかひの
宜
(
い
)
い
方
(
かた
)
は
無
(
な
)
いと
嘘
(
うそ
)
にも
喜
(
よろこ
)
んだ
口
(
くち
)
をきかれるは
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
水
(
みづ
)
を
彈
(
はじ
)
いて
二
(
ふた
)
つが
一所
(
いつしよ
)
に
集
(
あつ
)
まつたと
云
(
い
)
ふよりも、
水
(
みづ
)
に
彈
(
はじ
)
かれた
勢
(
いきほひ
)
で、
丸
(
まる
)
く
寄
(
よ
)
り
添
(
そ
)
つた
結果
(
けつくわ
)
、
離
(
はな
)
れる
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
なくなつたと
評
(
ひやう
)
する
方
(
はう
)
が
適當
(
てきたう
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「よウ、京都の
葵祭
(
あおいまつり
)
にも
人出
(
ひとで
)
はあるが、この
甲斐
(
かい
)
の
山奥
(
やまおく
)
へ、こんなに人間が
集
(
あつ
)
まってくるたあ
豪勢
(
ごうせい
)
なもンだなあ……」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余
(
よ
)
六十一
還暦
(
くわんれき
)
の時年賀の
書画
(
しよぐわ
)
を
集
(
あつ
)
む。
吾国
(
わがくに
)
はさらなり、諸国の
文人
(
ぶんじん
)
三
都
(
と
)
の
名家
(
めいか
)
妓女
(
きぢよ
)
俳優
(
はいいう
)
来舶清人
(
らいはくせいひと
)
の一
絶
(
ぜつ
)
をも
得
(
え
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“集”の意味
《名詞》
何かをたくさん集めたもの。 とくに、文章、音楽、絵画、詩などの作品を集めたもの。
(出典:Wiktionary)
集
常用漢字
小3
部首:⾫
12画
“集”を含む語句
群集
集団
集合
集會
蒐集
寄集
集会
蝟集
人集
採集
凝集
蒐集家
召集
古今集
集注
密集
表面採集
募集
集團
撰集
...