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とちう
温泉に
行かうとして、
菊屋の
廣袖に
着換へるに
附けても、
途中の
胴震ひの
留まらなかつたまで、
彼は
少なからず
怯かされたのである。
砧村の
途中で
磨石斧を
拾ひ、それから
小山の
上り
口で、
破片を
拾つたが、
既う
此所までに五
里近く
歩いたので、
余は
少しく
參つて
來た。
御
墓は府にちかき四ツ辻といふ所に定め、 御
棺をいだしけるに
途中にとゞまりてうごかず、
則その所に葬り奉る、今の
神庿是なり。
郡奉行へ相談の上
見知人の爲江戸表へ
連行事と定めけれど
老人なれば
途中覺束なしと甚左衞門をも
見知人に出府致す樣申渡し直に
先觸を
『あゝ、
今迄何の
音沙汰も
無いのは、
稻妻も
途中で
死んでしまつたのでせう。』と、
日出雄少年は
悄然として、
武村兵曹の
顏を
眺めた。
「ええ、
馬鹿つくせえ。
何とでもなるやうになれだ」と、
途中で、あらうことかあるまいことか
女の
癖に、
酒屋へその
足ではいりました。
お
猿さん、これは
祖母さんがおせんべつに
呉れてよこしたのです。
途中で
退屈した
時におあがりと
言つて、
祖母さんが
呉れてよこした
金米糖です。
あの
死骸の
男には、
確かに
昨日遇つて
居ります。
昨日の、——さあ、
午頃でございませう。
場所は
關山から
山科へ、
參らうと
云ふ
途中でございます。
...
貴樣達も
知つとる
通り
中根はあの
行軍の
途中過つて
川へ
落ちた‥‥」と、
軍曹はジロりと
中根を
見た。「クスつ‥‥」と、
誰かが
同時に
吹き
出した。
「おつうも
大かくなつたな、
途中でなんぞ
行逢つちや
分んねえな、そんだが
汝りや
有繋俺れこた
忘れなかつたつけな」
帰る
途中も不愉快で
堪らなかつた。
此間三千代に
逢つて以後、味はう事を知つた心の平和を、
父や
嫂の態度で幾分か破壊されたと云ふ心持が
路々募つた。
私は
途中I
子の
宿の
近くで
自動車を
乗棄てた。そしてI
子の
宿へ
寄つた。I
子は
洋服姿で
独りでゐた。
見るに
毒の
氣なるは
雨の
中の
傘なし、
途中に
鼻緒を
踏み
切りたるばかりは
無し、
美登利は
障子の
中ながら
硝子ごしに
遠く
眺めて、あれ
誰れか
鼻緒を
切つた
人がある
且つ
茫漠たる
原野のことなれば、如何に歩調を
進むるも
容易に之を
横ぎるを
得ず、日亦暮れしを以て
遂に側の
森林中に
入りて露泊す、此夜
途中探集せし「まひ
茸」汁を
作る
少し
重いけれど、かうして
歩けば
途中が
威張れて
安全だといふので、
下男は
勇み
立つて
歩き
出した。
成るほど
葵の
紋と『
多田院御用』の
木札は、
行き
逢ふ
人々に
皆々路を
讓らせた。
山の中は歩きつけて
居ります、
又私は力がありますから、
途中で
追剥が五人や六人出ても大丈夫でございます、
富山の
薬屋は
風呂敷を前で
本当に結んでは
居りませぬ、
追剥にでも
逢ふと
乘るのがうまいと
言ふ
下から、
落ちることもよく
落ちた。
本郷の
菊坂の
途中で
徐々と
横に
落ちたが
寺の
生垣に
引掛つた、
怪我なし。
御
墓は府にちかき四ツ辻といふ所に定め、 御
棺をいだしけるに
途中にとゞまりてうごかず、
則その所に葬り奉る、今の
神庿是なり。
致し罷り在候處
去ぬる十二月中私し儀上野の大師へ
參詣の
途中上野車坂下にて大橋文右衛門に
廻り逢ひ夫れより同人宅へ參り樣子を
「それだからね、
翼の
弱いものや
體の
壯健でないものは、みんな
途中で、かわいさうに
海に
落ちて
死んでしまふのよ」
途中、
武村兵曹は
大得意で、ヤンヤ/\の
喝釆の
眞中に
立つて、
手を
振り
口沫を
飛して、
今回の
冐險譚をはじめた。
「どうせ
此處らの
始末もしねえで
行つたんだから、
一遍は
途中で
歸つて
見なくつちや
成らねえのがだから
同じ
事だよ」
勘次はお
品を
覗き
込やうにしていつた。
けれども、大体に於て、舞台にはもう
厭が
来てゐた。
幕の
途中でも、双眼鏡で、
彼方を見たり、
此方を見たりしてゐた。双眼鏡の
向ふ所には芸者が沢山ゐた。
それに
余は
蠻勇を
以て
任じて
居るので、一
度採集した
物は、いくら
途中で
持重りがしても、それを
捨てるといふ
事を
爲ぬ。
肩の
骨が
折れても、
持つて
歸らねば
承知せぬ。
寒い、
寒い
日に、この
生徒が
遠路を
通つて
行きますと、
途中で
知らないお
婆さんに
逢ひました。
今日貴樣達を
此處へ
集めたのは
外でもない。この
間N
原へ
行く
途中に
起つた
一つの
出來事に
對する
己の
所感を
話して
聞かせたいのだ。それは
其處にゐる
中根二
等卒のことだ。
堪忍をし、
何と
思つても
先方は
大勢、
此方は
皆よわい
者ばかり、
大人でさへ
手が
出しかねたに
叶はぬは
知れて
居る、
夫れでも
怪我のないは
仕合、
此上は
途中の
待ぶせが
危ない
それは彼の
足を止めたところが
郊外にあつたからで、そこは平野神社から銀閣寺へ
行く
途中に
見える衣笠山の
夷かな姿が
直ぐ
簷の下から望まれるやうな場所にある、
貧しい家であつた。
途中大なる
蝮蛇の路傍に
蜿蜒たるあり、之を
逐へば忽ち
叢中に
隠る、警察署の小使某
独り叢中に
分け
入り、
生擒して右手に
提げ
来る、衆其
巧に
服す、此に於て河岸に出でて火を
焚き蝮の
皮を
剥ぎ
聞與惣次は大いに喜び然ば御
途中に
待受て直に願はゞ萬一傳吉が助かることもあらんか
且はお專が氣をも
取直させんと其のことを
……
此處へ
來ます
途中でも、
出して
手に
持てば
人が
見る……
袂の
中で
兩手で
裂けば、
裂けたのが
一層、
一片でも
世間へ
散つて
出さうでせう。
若し
運惡く、お
前が
途中で
死んでしまつたなら、
私も
追付け
彼世で、お
前の
顏を
見るやうになりませうよ。
うむ、そんなら
貴樣がこないだ
途中で、
南京米をぬき
盗つたのを
巡査に
告げるがいいかと
言ふんです
そらなあ、
幾ら
勤めたつて
途中で
厭だからなんて
出つちめえば、
借りた
丈の
給金はみんな
取つくる
返えされんのよ、なあ、それから
泣き/\も
居なくつちやなんねえのよ
父さんのお
家のお
墓は
永昌寺まで
登る
坂の
途中を
左の
方へ
曲つて
行つたところにありました。
何しろ
腕力があるから
敵ひませんね。それに
兇器ももつてゐるやうです。
洋行するときの
護身用にと
買つたものです。一
緒にあるいてゐると、
途中時々ぬかれるんでね。あの
目も
無気味です。
其時私は七つであつたれど
家の
内の
樣子、
父母の
心をも
知れてあるにお
米は
途中で
落しましたと
空の
味噌こしさげて
家には
歸られず、
立てしばらく
泣いて
居たれど
何うしたと
問ふて
呉れる
人もなく
「
別に
何でもありませんが、
一寸御注意までに
申さうと
思つて、
今ね、
貴女が
行らつしやらうと
云ふ
病院の
途中ですがね。」
友達と
思はずは
口を
利くも
入らぬ
事と
美登利少し
疳にさはりて、
用の
無ければ
摺れ
違ふても
物いふた
事なく、
途中に
逢ひたりとて
挨拶など
思ひもかけず、
唯いつとなく
二人の
中に
大川一つ
横たはりて
然まで
案ずる
事はあるまい。
交際のありがちな
稼業の
事、
途中で
友だちに
誘はれて、
新宿あたりへぐれたのだ、と
然う
思へば
濟むのであるから。
「はあ、……」と、
聞くのに
氣の
入つた
婦の
顏は、
途中が
不意に
川に
成つたかと
思ふ、
涼しけれども
五月半ばの
太陽の
下に、
偶と
寂しい
影が
映した。
其の
替り、
今ね、
寢ながら
本を
讀んで
居て、
面白い
事があつたから、お
話をして
上げようと
思つて、
故々遊びに
來たんぢやないか。
途中が
寒かつたよ。
今度は
買物に
出る
時は、それに
鑑みて、
途中からでは
足許を
見られるといふので、
宿車に
乘つて
家を
飛び
出した。
途中で
出あつたと
言つて、
吉井勇さんが
一所に
見えた。これは、
四谷に
居て
無事だつた。が、
家の
裏の
竹藪に
蚊帳を
釣つて
難を
避けたのださうである——
書肆へ
前借に
行く
途中ででもあつて
見たが
可い、
氣の
弱い
嫁が、
松葉で
燻されるくらゐに
涙ぐみもしかねまい。
太鼓の
音の、のびやかなあたりを、
早足に
急いで
歸るのに、
途中で
橋を
渡つて
岸が
違つて、
石垣つゞきの
高塀について、
打つかりさうに
大な
黒い
門を
見た。
言の
下より、
其處に、
話の
途中から、さめ/″\と
泣いて
居た
婦は、
悄然として、しかも、すらりと
立つた。
それからもし
其のお
雑巾次手にづツぷりお
絞んなすつて
下さると
助ります、
途中で
大変な
目に
逢ひましたので
体を
打棄りたいほど
気味が
悪うございますので
途中お
納戸町邊の
狹い
道で、
七八十尺切立ての
白煉瓦に、
崖を
落ちる
瀑のやうな
龜裂が、
枝を
打つて、
三條ばかり
頂邊から
走りかゝつて
居るのには
肝を
冷した。