トップ
>
歩
>
ある
ふりがな文庫
“
歩
(
ある
)” の例文
四国
(
しこく
)
の
島
(
しま
)
へ
渡
(
わた
)
って、
海
(
うみ
)
ばたの
村
(
むら
)
を
托鉢
(
たくはつ
)
して
歩
(
ある
)
いているうちに、ある日いつどこで
道
(
みち
)
を
間違
(
まちが
)
えたか、山の中へ
迷
(
まよ
)
い
込
(
こ
)
んでしまいました。
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
こんな
泣
(
な
)
きんぼうでも、おばあさんだけは、
目
(
め
)
に
入
(
い
)
るほど、かわいいとみえて、
泣
(
な
)
きんぼうの
後
(
あと
)
から、どこへでもついて
歩
(
ある
)
きました。
泣きんぼうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鍬
(
くは
)
を
擔
(
かつ
)
いで
遺跡
(
ゐせき
)
さぐりに
歩
(
ある
)
き、
貝塚
(
かひづか
)
を
泥
(
どろ
)
だらけに
成
(
な
)
つて
掘
(
ほ
)
り、
其
(
その
)
掘出
(
ほりだ
)
したる
土器
(
どき
)
の
破片
(
はへん
)
を
背負
(
せお
)
ひ、
然
(
さ
)
うして
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つて
井戸端
(
ゐどばた
)
で
洗
(
あら
)
ふ。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
で、「
眞平
(
まつぴら
)
御免
(
ごめん
)
なさい。」と
言
(
い
)
ふと、
又
(
また
)
ひよろ/\とそれを
背負
(
しよ
)
つて
歩
(
ある
)
く。
然
(
さ
)
うすると、その
背後
(
うしろ
)
で、
娘
(
むすめ
)
は、クツクツクツクツ
笑
(
わら
)
ふ。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝかしこにたくさんにありますから、これ
等
(
ら
)
を
一
(
ひと
)
とほり
見物
(
けんぶつ
)
して
歩
(
ある
)
くだけでも、ロンドンで
一週間
(
いつしゆうかん
)
ぐらゐは、
大丈夫
(
だいじようぶ
)
かゝるでせう。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
▼ もっと見る
「おい、ぼやぼやするな。しっかりと
荷物
(
にもつ
)
をかかえて
歩
(
ある
)
け。そのノートはだいじなんだ。なくすんじゃないぞ、しっかり持ってろ!」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
ミハイル、アウエリヤヌイチは
一人
(
ひとり
)
して
元気
(
げんき
)
よく、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
町
(
まち
)
を
遊
(
あそ
)
び
歩
(
ある
)
き、
旧友
(
きゅうゆう
)
を
尋
(
たず
)
ね
廻
(
まわ
)
り、
宿
(
やど
)
には
数度
(
すうど
)
も
帰
(
かえ
)
らぬ
夜
(
よ
)
があった
位
(
くらい
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
もう
好
(
い
)
い
加減
(
かげん
)
歩
(
ある
)
いて
行
(
い
)
つて、
谷
(
たに
)
がお
仕舞
(
しまひ
)
になつたかと
思
(
おも
)
ふ
時分
(
じぶん
)
には、また
向
(
むか
)
ふの
方
(
はう
)
の
谷間
(
たにま
)
の
板屋根
(
いたやね
)
から
煙
(
けむり
)
の
立
(
た
)
ち
登
(
のぼ
)
るのが
見
(
み
)
えました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あたしゃ
気
(
き
)
が
短
(
みじか
)
いから、どこへ
行
(
ゆ
)
くにしても、とても
歩
(
ある
)
いちゃ
行
(
い
)
かれない。千
吉
(
きち
)
つぁん、
直
(
す
)
ぐに
駕籠
(
かご
)
を
呼
(
よ
)
んでもらおうじゃないか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
夜
(
よる
)
は
戸毎
(
こごと
)
の
瓦斯
(
がす
)
と
電燈
(
でんとう
)
を
閑却
(
かんきやく
)
して、
依然
(
いぜん
)
として
暗
(
くら
)
く
大
(
おほ
)
きく
見
(
み
)
えた。
宗助
(
そうすけ
)
は
此
(
この
)
世界
(
せかい
)
と
調和
(
てうわ
)
する
程
(
ほど
)
な
黒味
(
くろみ
)
の
勝
(
か
)
つた
外套
(
ぐわいたう
)
に
包
(
つゝ
)
まれて
歩
(
ある
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
若い人は、いせいよく声をかけながら、新しい
麻裏
(
あさうら
)
ぞうりで要吉のまいた水の上を、ひょいひょいと
拾
(
ひろ
)
い
歩
(
ある
)
きにとんでいきました。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
人
(
ひと
)
と
人
(
ひと
)
との
間
(
あひだ
)
に
少
(
すこ
)
しでも
隙間
(
すきま
)
が
出来
(
でき
)
ると
見
(
み
)
ると
歩
(
ある
)
いてゐるものがすぐ
其跡
(
そのあと
)
に
割込
(
わりこ
)
んで
河水
(
かはみづ
)
の
流
(
なが
)
れと、それに
映
(
うつ
)
る
灯影
(
ほかげ
)
を
眺
(
なが
)
めるのである。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
王子
(
おうじ
)
はこういう
憐
(
あわ
)
れな
有様
(
ありさま
)
で、
数年
(
すうねん
)
の
間
(
あいだ
)
、
当
(
あて
)
もなく
彷徨
(
さまよ
)
い
歩
(
ある
)
いた
後
(
のち
)
、とうとうラプンツェルが
棄
(
す
)
てられた
沙漠
(
さばく
)
までやって
来
(
き
)
ました。
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
何
(
ど
)
うかすると自分の
履
(
は
)
いてゐる草履がペツタ/\いふのに、飛上るやうに
吃驚
(
びつくり
)
して
冷汗
(
ひやあせ
)
を出しながら、足の續く限り早足に
歩
(
ある
)
いた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ひとりで
夜
(
よ
)
みちを
歩
(
ある
)
きながら、
海蔵
(
かいぞう
)
さんは
思
(
おも
)
いました。——こりゃ、ひとにたよっていちゃだめだ、じぶんの
力
(
ちから
)
でしなけりゃ、と。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
平生
(
へいぜい
)
は一
本
(
ぽん
)
きり
帶
(
さ
)
してゐないけれども、二
本帶
(
ほんさ
)
して
歩
(
ある
)
く
資格
(
しかく
)
を
有
(
も
)
つてゐて、
與力
(
よりき
)
や
京武士
(
みやこぶし
)
の
後
(
あと
)
へ
廻
(
まは
)
らなくてもいいだけの
地位
(
ちゐ
)
になつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
ロミオ いや/\、
滅相
(
めっさう
)
な。
足下
(
きみ
)
の
舞踏靴
(
をどりぐつ
)
の
底
(
そこ
)
は
輕
(
かる
)
いが、
予
(
わし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
は
鉛
(
なまり
)
のやうに
重
(
おも
)
いによって、
踊
(
をど
)
ることはおろか、
歩
(
ある
)
きたうもない。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
夜
(
よる
)
になると
方々
(
ほう/″\
)
を
歩
(
ある
)
き
廻
(
まは
)
つて、
筍
(
たけのこ
)
、
松茸
(
まつたけ
)
、
芋
(
いも
)
、
稻
(
いね
)
、
大豆等
(
だいずなど
)
の
農作物
(
のうさくぶつ
)
をあらしたり、
木
(
き
)
の
實
(
み
)
を
食
(
く
)
ひ、
野鼠
(
のねずみ
)
、
兎
(
うさぎ
)
なども
捕
(
とら
)
へて
餌食
(
ゑじき
)
にします。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
浪打際
(
なみうちぎわ
)
を
歩
(
ある
)
いたように
感
(
かん
)
じたのはホンの一
瞬間
(
しゅんかん
)
、
私達
(
わたくしたち
)
はいつしか
電光
(
でんこう
)
のように
途中
(
とちゅう
)
を
飛
(
と
)
ばして、
例
(
れい
)
のお
宮
(
みや
)
の
社頭
(
しゃとう
)
に
立
(
た
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
甚あわれになった。天狗犬は訴うる様な
眼付
(
めつき
)
をしてしば/\彼を見上げ、上高井戸に
往
(
い
)
って
復
(
かえ
)
るまで、始終彼にくっついて
歩
(
ある
)
いた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
フランスのある学者が『若し
倒立
(
さかだち
)
して
歩
(
ある
)
くことが「
流行
(
モード
)
」となつたとしたら、欧羅巴の婦人は些の躊躇もなく、みなそれを真似るだらう』
東西ほくろ考
(新字旧仮名)
/
堀口九万一
(著)
話
(
はな
)
さないでもお
前
(
まへ
)
は
大抵
(
たいてい
)
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
るだらうけれど
今
(
いま
)
の
傘屋
(
かさや
)
に
奉公
(
ほうこう
)
する
前
(
まへ
)
は
矢張
(
やつぱり
)
己
(
お
)
れは
角兵衞
(
かくべゑ
)
の
獅子
(
しゝ
)
を
冠
(
かぶ
)
つて
歩
(
ある
)
いたのだからと
打
(
うち
)
しをれて
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
趣
(
おもむ
)
きを
如何
(
どう
)
いふ
風
(
ふう
)
に
畫
(
か
)
いたら、
自分
(
じぶん
)
の
心
(
こゝろ
)
を
夢
(
ゆめ
)
のやうに
鎖
(
と
)
ざして
居
(
ゐ
)
る
謎
(
なぞ
)
を
解
(
と
)
くことが
出來
(
でき
)
るかと、それのみに
心
(
こゝろ
)
を
奪
(
と
)
られて
歩
(
ある
)
いた。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
の
夜中
(
よなか
)
に
彼等
(
かれら
)
は
立
(
た
)
つた。
勘次
(
かんじ
)
は
自分
(
じぶん
)
も
急
(
いそ
)
ぐし
使
(
つかひ
)
を
疲
(
つか
)
れた
足
(
あし
)
で
歩
(
ある
)
かせることも
出來
(
でき
)
ないので
霞
(
かすみ
)
ヶ
浦
(
うら
)
を
汽船
(
きせん
)
で
土浦
(
つちうら
)
の
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
おなじ
宿場
(
しゅくば
)
の
軒
(
のき
)
をながしていた
坂東巡礼
(
ばんどうじゅんれい
)
の三十七、八ぐらいな女——わが子をたずねて坂東めぐりをして
歩
(
ある
)
くお
時
(
とき
)
という
女房
(
にょうぼう
)
が
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三人は
順々
(
じゅんじゅん
)
にならんで、
威
(
い
)
ばってねり
歩
(
ある
)
き、めいめい自分の
行進曲
(
マーチ
)
をもっていた。もちろん、いちばん
立派
(
りっぱ
)
なのがクリストフのものだった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そこで
嘉十
(
かじふ
)
はちよつとにが
笑
(
わら
)
ひをしながら、
泥
(
どろ
)
のついて
穴
(
あな
)
のあいた
手拭
(
てぬぐひ
)
をひろつてじぶんもまた
西
(
にし
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
きはじめたのです。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
『オヤ、
其處
(
そこ
)
に
彼
(
か
)
れの
大事
(
だいじ
)
な
鼻
(
はな
)
が
歩
(
ある
)
いて
行
(
い
)
つてよ』
通常
(
なみ/\
)
ならぬ
大
(
おほ
)
きな
肉汁
(
スープ
)
鍋
(
なべ
)
が
其
(
そ
)
の
側
(
そば
)
に
飛
(
と
)
んで
來
(
き
)
て、
正
(
まさ
)
にそれを
取
(
と
)
つて
去
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つたのです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
子供
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
いて
明
(
あか
)
るい
通
(
とほ
)
りから
折
(
を
)
れて、
暗
(
くら
)
い
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いた。
暗
(
くらい
)
い
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
ても、
銀座
(
ぎんざ
)
の
明
(
あか
)
るみを
歩
(
ある
)
く
人
(
ひと
)
の
足音
(
あしおと
)
は
聞
(
きこ
)
えた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
「はあ」と
言
(
い
)
つて、
閭
(
りよ
)
は
二足
(
ふたあし
)
三足
(
みあし
)
歩
(
ある
)
いてから
問
(
と
)
うた。「それから
唯今
(
たゞいま
)
寒山
(
かんざん
)
と
仰
(
おつ
)
しやつたが、それはどう
云
(
い
)
ふ
方
(
かた
)
ですか。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
母馬
(
おやうま
)
は
煩
(
うるさ
)
さにがつかりして
歸路
(
きろ
)
につきました。
町
(
まち
)
はづれまでくると、
仔馬
(
こうま
)
は
急
(
きふ
)
に
歩
(
ある
)
きだしました。はやく
家
(
いへ
)
へかへつてお
乳
(
ちゝ
)
をねだらうとおもつて。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
まず、自分は右か左かに、どのくらいまがるくせがあるか、それをたしかめて、それから目かくしをした時は、それだけ
逆
(
ぎゃく
)
にまがる
気持
(
きもち
)
で
歩
(
ある
)
く……。
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
このにぎやかな町にはいってから、五、六
町
(
ちょう
)
歩
(
ある
)
くうちに清造はどこの店も、自分にはまるで
用
(
よう
)
のないものだということを、小さな頭にさとりました。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
指揮刀
(
しきたう
)
の
鞘
(
さや
)
の
銀色
(
ぎんいろ
)
を
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
閃
(
ひらめ
)
かしてゐる
小隊長
(
せうたいちやう
)
の
大島少尉
(
おほしませうゐ
)
さへよろけながら
歩
(
ある
)
いてゐるのが、五六
歩
(
ほ
)
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
えた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
わが
身
(
み
)
はちやうど
蝗虫
(
いなご
)
のやうだ、こゝよ、かしこよと
跳回
(
はねまは
)
る、
唸
(
うな
)
つて
歩
(
ある
)
く、また
或時
(
あるとき
)
は
色入
(
いろいり
)
の
翅
(
はね
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
小
(
ちひ
)
さな
頸
(
くび
)
の
透
(
す
)
きとほつて、
空
(
から
)
な
処
(
ところ
)
をみせもする。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
伯母は臺所に何か働いて居つたので、自分が『何處の女客ぞ』と怪しみ乍ら取次に出ると、『腹が減つて腹が減つて
一足
(
ひとあし
)
も
歩
(
ある
)
かれなエハンテ、
何卒
(
どうか
)
何
(
なに
)
か……』
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
乗物
(
のりもの
)
の
支度
(
したく
)
もなかつたので、
私達
(
わたくしたち
)
はぞろ/\
打揃
(
うちそろ
)
うて
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。そして
円
(
えん
)
タクでも
通
(
とお
)
りかゝつたらばと
思
(
おも
)
つて、
寂
(
さび
)
しいN
町
(
まち
)
の
通
(
とお
)
りを、Tホテルの
方
(
ほう
)
へと
歩
(
ある
)
いた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
蚯蚓
(
みヽず
)
が土を出て炎天の砂の上をのさばる様に、かんかんと日の照る
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いてづぶ濡れに冷え切つた
身体
(
からだ
)
なり心なりを
燬
(
や
)
け
附
(
つ
)
かせ度く成つたので、書院の庭の
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
余は之を以て極めて大なる
足跡
(
そくせき
)
の如きもの即ち竪穴に類したるものとなす。余は釧路貝塚の近傍に於て實に大人の
歩
(
ある
)
きたる跡とも
形容
(
けいよう
)
すべき數列の竪穴を見たり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
こうのとりは
長
(
なが
)
い
赤
(
あか
)
い
脚
(
あし
)
で
歩
(
ある
)
きまわりながら、
母親
(
ははおや
)
から
教
(
おそ
)
わった
妙
(
みょう
)
な
言葉
(
ことば
)
でお
喋
(
しゃべ
)
りをしていました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
このスクナビコナの神のことを申し上げたクエ彦というのは、今いう山田の
案山子
(
かかし
)
のことです。この神は足は
歩
(
ある
)
きませんが、天下のことをすつかり知つている神樣です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
そして
暗
(
くら
)
がりから
明
(
あか
)
るくなつて
來
(
き
)
て、
今
(
いま
)
まで
歩
(
ある
)
いてゐた
道
(
みち
)
のほとりに、
鶴
(
つる
)
の
寢泊
(
ねとま
)
りしてゐた
沼地
(
ぬまち
)
のようなものゝあつたことに、
氣
(
き
)
のついた
樣子
(
ようす
)
が、
明
(
あき
)
らかに
感
(
かん
)
ぜられます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
いくら
独
(
ひと
)
り
歩
(
ある
)
きをさせてある妹だからといって、
顔面
(
かお
)
が
粉砕
(
ふんさい
)
してはいるが、身体の其の他の部分に何か見覚えの特徴があったろうし、また衣類や所持品が同じだといっても
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私はまたいろいろの小さなびいどろ罎に薄荷や肉桂水を入れて吸つて
歩
(
ある
)
いた。また
濃
(
こ
)
い液は白紙に垂らし、柔かに揉んで
濕
(
しめ
)
した上その
端々
(
はしばし
)
を小さく引き裂いては唇にあてた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一日
(
いちにち
)
四方八方
(
しほうはつぽう
)
を
走
(
はし
)
り
歩
(
ある
)
いた
爲
(
ため
)
に
酷
(
ひど
)
く
疲
(
つか
)
れて
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て、
私
(
わたくし
)
の
膝
(
ひざ
)
に
恁
(
もた
)
れた
儘
(
まゝ
)
、
二人
(
ふたり
)
暮
(
く
)
れ
行
(
ゆ
)
く
空
(
そら
)
の
景色
(
けしき
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
る
頃
(
ころ
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
、
他
(
ほか
)
一隊
(
いつたい
)
の
水兵
(
すいへい
)
は
今日
(
けふ
)
の
業
(
しごと
)
を
終
(
をは
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
壁
(
かべ
)
の向こうでは、ママが早く家を出ようと思って、せかせかと
歩
(
ある
)
き
廻
(
まわ
)
っている
音
(
おと
)
が
聞
(
きこ
)
える。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
大きい人たちは、つまりお
兄
(
にい
)
さんたちなんですから、
待
(
ま
)
ってやればいいのに、エチエンヌの足にあわせて
歩
(
ある
)
いてやればいいのにと思うでしょう。ところがそれは
駄目
(
だめ
)
なのです。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
村人の為に
使
(
つか
)
い
歩
(
ある
)
きや物の取片付けや、火の番や、
腕
(
うで
)
っ
節
(
ぷし
)
の強いものならば泥棒に対する警固やなどの如き、村人のいやがる職務を引受けて、生活の資を求めて行くに至るのは
来り人の地位と職業:平民申付候事
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
ある
地方
(
ちはう
)
の
郡立病院
(
ぐんりつびやうゐん
)
に、
長年
(
ながねん
)
看護婦長
(
かんごふちやう
)
をつとめて
居
(
を
)
るもとめは、
今日
(
けふ
)
一
日
(
にち
)
の
時間
(
じかん
)
からはなたれると、
急
(
きふ
)
に
心
(
こゝろ
)
も
體
(
からだ
)
も
弛
(
たる
)
んでしまつたやうな
氣持
(
きも
)
ちで、
暮
(
く
)
れて
行
(
ゆ
)
く
廊下
(
らうか
)
を
靜
(
しづ
)
かに
歩
(
ある
)
いてゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
あの
男
(
をとこ
)
は
馬
(
うま
)
に
乘
(
の
)
つた
女
(
をんな
)
と一しよに、
關山
(
せきやま
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
いて
參
(
まゐ
)
りました。
女
(
をんな
)
は
牟子
(
むし
)
を
垂
(
た
)
れて
居
(
を
)
りましたから、
顏
(
かほ
)
はわたしにはわかりません。
見
(
み
)
えたのは
唯
(
ただ
)
萩重
(
はぎがさ
)
ねらしい、
衣
(
きぬ
)
の
色
(
いろ
)
ばかりでございます。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“歩”を含む語句
歩行
徒歩
行歩
歩廊
漫歩
散歩
歩調
御歩行
一歩
進歩
反歩
急歩
歩出
濶歩
歩哨
歩合
出歩行
十歩
速歩
歩板
...