大變たいへん)” の例文
新字:大変
ところかほわりあたまうすくなりぎたふとつたをとこて、大變たいへん丁寧ていねい挨拶あいさつをしたので、宗助そうすけすこ椅子いすうへ狼狽あわてやうくびうごかした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
少年せうねんゆびさかたながめると如何いかにも大變たいへん! 先刻せんこく吾等われら通※つうくわして黄乳樹わうにうじゆはやしあひだより、一頭いつとう猛獸まうじういきほいするどあらはれてたのである。
りますとも、だい一、品川しながはちかくでは有名ゆうめい權現臺ごんげんだいといふところります。其所そこなんぞは大變たいへんです、んな破片はへんやまやうんでります
大變たいへん差支さしつかへるわ』とあいちやんはいそいでつて、『たまごなどねらつちやなくつてよ、そんな、そんなたまごなんてしかないわ。なまなものいやなこッた』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
見て長八貴樣きさまいづれへ行しやどうもらひはありしかと云ば否先生御戯談所では御座りませんじつ大變たいへんが出來ましたといふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さくらかはむかされては大變たいへんと、兒童こども早速さつそく親父おやぢとほりになつてその翌日よくじつから平常いつもごと學校がくかうふううちた。けれどもけつして學校がくかうにはかない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
おどろいたのは御亭主ごていしゆでした。大變たいへんなことになつたものです。天地てんちが、ひつくりかえつたやうです。そんながそれ以來いらい幾日いくにち幾日いくにちつゞきました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「ぢやあ、わたしをしへてあげます。」とかへるがいひました。牝牛めうし小鳥ことり大變たいへんよろこんで、かへる子守歌こもりうたをしへてもらひました。
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
「おゝえや、たえしたもんだね、しほだんべけまあ、てえたつてらつるもんぢやねえよ、かうえものあねえ、くまあつて勘次かんじさん大變たいへんだ」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
近所きんじよでは、三人さんにんにましたさうですね、どくはひつた井戸水ゐどみづんで……大變たいへんことりましたなあ。」
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大隈侯おほくまこうひとりのぶんがそれだけあるとすれば、日本全國にほんぜんこく使つかはれる年始ねんし葉書はがき大變たいへんかずだらうなア。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
たぬき毛皮けがは大變たいへんやくつもので、値段ねだんたかいのです。きつねたぬきむかしひとばかすものとしんじられたりしましたが、けつしてそんなばかげたことがありるわけもありません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
小利口こりこうなるはるき性根せうねをやしなうてめんかぶりの大變たいへんものになるもあり、しやんとせし氣性きせうありて人間にんげんたち正直せうぢきなるは、すねもの部類ぶるいにまぎれて其身そのみれば生涯せうがいそんおもふべし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此の風では、街頭まちすなほこり大變たいへんなものだらうな。いや、東京とうきやうの空氣は混濁こんだくしてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
が、這麼事こんなこと女主人をんなあるじにでも嗅付かぎつけられたら、なに良心りやうしんとがめられることがあるとおもはれやう、那樣疑そんなうたがひでもおこされたら大變たいへんと、かれはさうおもつて無理むり毎晩まいばんふりをして、大鼾おほいびきをさへいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
またその神のおきさきスセリ姫の命は、大變たいへん嫉妬深しつとぶかかたでございました。
侍童 大變たいへんぢゃ、たゝかうてぢゃ! はや夜番よばんしゅうんでよう。
すつかり奇麗きれいりあげるのはなか/\大變たいへん仕事しことでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
中途ちゆうとからかほした宗助そうすけには、くもせなかつたけれども、講者かうじや能辯のうべんはうで、だまつていてゐるうちに、大變たいへん面白おもしろところがあつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あいちやんはこれを哄笑おほわらひしました、しかし其聲そのこゑきつけられては大變たいへんだとおもつていそいでもりなかもどりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
これは大變たいへんと、總掛そうがゝりでならしをして、今度こんどまたおもおもひにぢんり、西にしからひがしむかつて坑道こうだうすゝけた。
たまらねえ、こりや大變たいへん日南水ひなたみづだ。行水盥ぎやうずゐだらひどぢやうかうとふんだ、後生ごしやうしてくんねえ、番頭ばんツさん。」
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それは大變たいへんよ。」といひました。なに大變たいへんなのか牝牛めうし小鳥ことり心配しんぱいさうにきくと、かへるはいひました。
お母さん達 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
聞長兵衞夫は何が大變たいへんだと云に長八まことに大變なり親分に御相談申さねばならずそれつけても是まで親分にはかくし御咄おはなし申さざりしが私し共夫婦はかねて御存じの通り國元くにもと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぎに草原くさはら濕地しつちは『腐植土ふしよくど』といつて、植物しよくぶつれて、えだくさつた肥料こやしになつてゐるようなつちみ、水分すいぶんおほいので、植物しよくぶつ生育せいいくには大變たいへん都合つごうがよいため
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
博勞等ばくらうらぞろ/\つながつてんだから、みねはうでも谷底たにそこはうでも一大變たいへんだあ、さうすつとこま子奴等こめらひゝんなんてあばさけてぱか/\ぱか/\とはこびがちがつてらな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくし神樣かみさまちかつてまうしますよ、貴方あなたはまだ御存ごぞんじはありますまいが、大變たいへんことがあります。
今日けふわすれないでなさい如何どうじや大變たいへんかほいろわるいやうじやがそんな元氣げんきのない顏色かほいろをしててはなかわたれるものではない、一同いつしよをがんだも目出度めでたえんじや
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
むゝ美登利みどりさんはないまさきれのうちまへとほつて揚屋町あげやまち刎橋はねばしから這入はいつてゆつた、本當ほんとうしやうさん大變たいへんだぜ、今日けふはね、かみういふふうにこんな島田しまだつてと、へんてこなつきをして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「おやそうさん、少時しばらく御目おめゝらないうちに、大變たいへん御老おふけなすつたこと」といふ一句いつくであつた。御米およね其折そのをりはじめて叔父をぢ夫婦ふうふ紹介せうかいされた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
四邊あたり其香そのにほひで大變たいへんでした。公爵夫人こうしやくふじんでさへも、ッちやんとほとんどかはる/″\くさめをして、せるくるしさにたがひ頻切しツきりなしにいたりわめいたりしてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
うした地主ぢぬしにばかり出會であはしてれば文句もんくいなどたはむれつゝ、其方そのはう發掘はつくつかゝつたが、此所こゝだ三千年せんねんらいのつかぬところであつて、貝層かひそう具合ぐあひ大變たいへんい。
あゝ、だまだまり。——あの高橋たかばし汽船きせん大變たいへん混雜こんざつですとさ。——この四五年しごねん浦安うらやすつりがさかつて、沙魚はぜがわいた、まこはひつたと、乘出のりだすのが、押合おしあひ、へしあひ
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『やア、大變たいへんだ/\。』とさけびつゝわたくし本船ほんせん右舷うげん左舷さげんながめた。ふねには當番たうばん水夫すゐふあり。
かけたりける折節をりふし山風はげしくしてほのほは所々へ燃移もえうつれば三十一人の小賊共スハ大變たいへんなりと慌騷あわてさわぐもどく酒に五體のきかざればあはれむべし一人ひとりも殘らず燒燗やけたゞれ死亡しばうに及ぶを強惡がうあくの三人は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そんだが怪我けが大變たいへんなこたねえのか」みなみ亭主ていしゆはそれも義理ぎりだといふやうにいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しかおな針葉樹しんようじゆなかにもまつとひのきの大變たいへんちがつてゐますし、濶葉樹かつようじゆなかにもあをぎりのようなひろおほきい、もみぢののように掌状しようじようかれた、やなぎのように細長ほそなががあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
今夜こんやはおきやく大變たいへんひましたからおにかゝつたとておはなしも出來できませぬとことはつておくれ、あゝこまつたひとだねとまゆせるに、おまへそれでもいのかへ、はあいのさとてひざうへばちもてあそべば
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたし大變たいへんきました。大船おほふなでおべんひましよう。』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
いくらつても望生ぼうせいもどつてぬ。これに心配しんぱいしながら二人ふたりつてると、大變たいへんだ。殺氣立さつきだつてる。
意氣込いきごんではなしをすると——道理だうりこそ……三光社さんくわうしや境内けいだい大變たいへん赤蜻蛉あかとんぼで、あめ水溜みづたまりのあるところへ、びながらすい/\とりるのが一杯いつぱいで、うへ乘越のりこしさうでらなかつた。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
火事かじところもありいくさところもあり、ぼく大變たいへんきなれば、姉樣ねえさま御覽ごらんにならば吃度きつときならん、大姉樣おほねえさま上野うへののも淺草あさくさのも方々はう/″\のを幾度いくどしに、中姉樣ちうねえさま一度いちどれてかぬは意地いぢわるではきか
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大變たいへんはやいこと!』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
なんだ。なんだ。地震ぢしん火事くわじか、とさわぐと、うまだ、うまだ。なんだ、うまだ。ぬしのないうまだ。はなれうまか、そりや大變たいへんと、屈竟くつきやうなのまで、軒下のきしたへパツと退いた。はなうまには相違さうゐない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これに出迎でむかへの村長そんちやう地主ぢぬし有志家等いうしかとう大變たいへん人數にんずである。
大變たいへんだ、大變たいへんだ、材木ざいもくけたんだぜ、小屋こや材木ざいもくしげつた、大變たいへんだ、えだ出來できた。」
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此奴こいつなぐられては大變たいへんだとはコソ/\とした。
わたし身體からだかまはないが、もしか、世間せけんれるやうなことがあると、先方さきひと大變たいへんなんです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大變たいへんです。」「……」「ばけものがます。」「……」「先生せんせいかべのわきの、あの小窓こまどところつくゑいて、勉強べんきやうをしてりますと……う、じり/\とあかりくらりますから、 ...
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おや。」「どうも、なんだつて大變たいへんひとで、とてもうちへははひれません。」「はてな、へい?……」いかに見舞客みまひきやく立込たてこんだつて、まはりまはつて、いへはひれないとはへんだ、とおもふと
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)