“嗅付”の読み方と例文
読み方割合
かぎつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忌々いま/\しく思ひ仁田村の八と云ふ獵人かりうどたく引越ひつこしる處へ手先のかう八と云ふ者此事を嗅付かぎつ郡代役所ぐんだいやくしよへ引行入牢させけるをあに九郎右衞門聞こみ流石さすが憫然あはれに思ひ内々ない/\取繕とりつくろひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分の子が関係した女——それを豊世が何時いつの間にか嗅付かぎつけていて、人知れずその為に苦みつつある様子を見ると、お種は若い時の自分を丁度眼前めのまえに見せつけられるような心地こころもちがした。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
が、這麼事こんなこと女主人をんなあるじにでも嗅付かぎつけられたら、なに良心りやうしんとがめられることがあるとおもはれやう、那樣疑そんなうたがひでもおこされたら大變たいへんと、かれはさうおもつて無理むり毎晩まいばんふりをして、大鼾おほいびきをさへいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)