しゆ)” の例文
王侯将相何ぞしゆあらんや。平民から一躍して大臣の印綬をつかむ事の出来る今日ぢやぞ。なア亀井、筆なんぞは折つぺしッて焼いて了へ。
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
あらそ將棋せうきやぶれていて死ぬなどは一しゆ悲壯ひそう美をかんじさせるが、迂濶うくわつに死ぬ事も出來ないであらうげん代のせん棋士きしは平ぼん
見れば、自分の爲に新しい茶碗ちやわんかくはしまでが用意されてあツた。周三は一しゆあつたか情趣じやうしゆを感じて、何といふ意味も無くうれしかつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その輕氣球けいきゝゆう飛揚ひやうして、だれか一二めい印度インドのコロンボ其他そのた大陸地方たいりくちほう都邑とゆうたつし、其處そこで、電光艇でんくわうていえうする十二しゆ藥液やくえき買整かひとゝの
勘次かんじ小屋こや卯平うへい鹽鮭しほざけにほひいでは一しゆ刺戟しげきかんずるととも卯平うへいにくむやうな不快ふくわいねんがどうかするとつひおこつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
併し疾病絶滅の道の個人的の部分を論ずれば、猶其の上にしゆの善良なるものを傳ふる事を當然の義務として希望するの念を持續することを要する。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
およしん化物ばけものといふものは、何處どこ部分ぶぶんはなしても、一しゆ異樣いやう形相げうさうで、全體ぜんたいとしては渾然こんぜんしゆまとまつたかたちしたものでなければならない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
われ/\はこのしゆ火山かざん死火山しかざんあるひ舊火山きゆうかざんづけて、有史以來ゆうしいらい噴火ふんかした歴史れきしつてゐる活火山かつかざん區別くべつしてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それは、あるしゆの作家たちが書くやうな、附燒刃つけやきばでなく、作者の身についた物であるからである。(何と、近頃は、附燒刃の作品のおほすぎることよ。)
「鱧の皮 他五篇」解説 (旧字旧仮名) / 宇野浩二(著)
先生せんせい其一間そのひとま書齋しよさいとしてられましたが、書籍しよせき學校用がくかうようほか新刊物しんかんものが二三しゆとこうへいてあるばかりでした。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
蔵石ざうせきに名の高き人近年おびたゝし、も諸家の奇石きせきを見しに皆一家のをさむる処三千五千しゆにいたる、五日十日の日をつくしてやう/\をふる㕝をるにいたる
かれ其眼中そのがんちゆう社會しやくわい人々ひと/″\たゞしゆ區別くべつしてゐる、義者ぎしやと、不義者ふぎしやと、さうして婦人ふじんこと戀愛れんあいこといては、いつみづかふかかんつてくのであるが
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
八〇白江しらえ熊谷くまがへの両士、きみ八一大御酒おほみきすすめたてまつるとて八二まめやかなるに、臣も八三あざら(け)き物一しゆ調てうじまゐらせんため、御従みともおくれたてまつりぬとまうす。
私共わたしどもはこのしゆ土器どき彌生式土器やよひしきどきんでをりますが、それは最初さいしよ東京とうきよう本郷ほんごう帝國大學ていこくだいがくうらところあた彌生町やよひちようにあつた貝塚かひづかから土器どきからつたのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ふた突起つまみついては、中央ちうわう一箇ひとつ突起つまみゆうするのと、二箇ふたつ突起つまみゆうするのと、二箇ふたつ突起つまみ上部じやうぶおいがつるのと、大概だいがいこのしゆ區別くべつすること出來できるとおもふ。
またあのドイツしゆの大きな犬が絶えずその若い美しい夫人を護衛して進んで行つてゐるさまを想像した。
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
よしさりとも、ひとたび同胞はらから睦合むつみあへりし身の、弊衣へいいひるがへして道にひ、流車を駆りて富におごれる高下こうげ差別しやべつおのづかしゆ有りてせるに似たる如此かくのごときを、彼等は更に更にゆめみざりしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ほゝかみ其処そこにはむかしこひゆめのこつてゐるやうである。わたしは一しゆ美感びかんゑはされると同時どうじに、はげしいねたましさにむねむしられてゐる。可愛かあゆくもあるがにくくもおもつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
石棒に粗製のものと精製せい/\のものとの二しゆ有り、長さはともに二三尺の間をつねとすれど、粗製そせいの方はふとくして精製せい/\の方は細し。圖中上にゑがきしは、第一種、しもに畫きしは第二種の石棒いしばうなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
うだか』とつてはとは、『うなら、彼等かれらへびの一しゆだ、さうだらう』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
だから、このしゆ書物以外しよもついぐわいに、婦人向ふじんむきの書物しよもつかんがへて必要ひつえうがある。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これは四乃至ないし輸入關税ゆにふくわんぜい同樣どうやう保護ほごしゆ工業こうげふたいしてあたへつゝあつたもので、金解禁きんかいきんによつて爲替相場かはせさうば騰貴とうきまたていするめに過去くわこ數年間すうねんかんつゝありしこの保護ほごうしなふことゝなるが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
雜阿含經ざうあごんきやうにも四しゆうまかれ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
彼等もまた貴いしゆみや
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
しゆやすほか
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
楠殿が高時のさけこんさかなしゆを用ゆるを聞いて驕奢おごりの甚だしいのを慨嘆したといふは、失敬ながら田舎侍の野暮な過言いひすぎだ子。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
だいちうせう、三十七しゆ齒輪車しりんしやたがひ噛合かみあひ、吸鍔桿ピストン曲肱クンク方位盤ダイレクターたる諸種しよしゆ器械きかい複雜ふくざつきはめ、あだか聯成式れんせいしき蒸氣機關じようききくわんるやうである。
勘次かんじはおしなのことをいはれるたびに、おつぎの身體からだをさうおもつては熟々つく/″\たびに、おしな記憶きおく喚返よびかへされて一しゆがた刺戟しげきかんぜざるをない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
蔵石ざうせきに名の高き人近年おびたゝし、も諸家の奇石きせきを見しに皆一家のをさむる処三千五千しゆにいたる、五日十日の日をつくしてやう/\をふる㕝をるにいたる
眼には一しゆひとチヤームする強い力があツた………とは謂へ他の胸を射すやうなはげしいひかりひらめくのでも何でもない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
發見はつけんしたのはこのしゆ例外れいぐわいで、突起つまみいのである。其代そのかはり、兩端りやうたん二箇宛ふたつづゞ小孔せうこう穿うがつてある。ひもるゐしたものとほして、それをつまやうにしたのかもれぬ。
かれには悲愴ひさうかんほかに、だ一しゆ心細こゝろぼそかんじが、こと日暮ひぐれよりかけて、しんみりとみておぼえた。これ麥酒ビールと、たばことが、しいのでつたとかれつひ心着こゝろづく。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
これは無論むろん作者さくしやに對する一しゆ僻見へきけんかも知れませんが、事實じじつに於ては、私も氏の作品さくひんに強く心をかれ乍らも、どこかにまだ心持こゝろもちにぴつたり來ない點がないではありません。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
活動中かつどうちゆうあるひ活動かつどうてんじそうな火山かざんのぼるものは、このしゆ火山特性かざんとくせい注意ちゆういする必要ひつようがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
新石器時代しんせつきじだい舊石器時代きゆうせつきじだいくらべて、人種じんしゆうへにも文化ぶんかうへにも餘程よほどちがつたものがあり、この時代じだいになると、人種じんしゆはもちろん現在げんざい世界せかい人種じんしゆとまったくおなしゆぞくしてゐるし
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
これ權化ごんげして千しゆ萬樣ばんやう變化へんくわこゝろみる。ガネーシヤすなは聖天樣せうてんさま人身じんしん象頭ざうづで、惡神あくしん魔羅まら隨分ずゐぶんおもつた不可思議ふかしぎ相貌さうぼうものばかりである。埃及えじぷとのスフインクスは獅身ししん人頭じんとうである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
五月蠅うるさいね』とつて公爵夫人こうしやくふじんは、『そんなことかまつてはられない!』そこ夫人ふじんふたゝ其子供そのこどもちゝませはじめました、一しゆ子守歌こもりうたうたひながら、一ふしへるとは其子そのこゆすげて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
し、諸君しよくんにして中江兆民なかえてうみん先生せんせいどうしゆであつて、十八零圍氣れいゐき振舞ふりまはして滿足まんぞくしてるならば、諸君しよくんなん權威けんゐあつて、『はるみじかなに不滅ふめついのちぞと』云々うん/\うたひと自由じいう干渉かんせふるぞ。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
病理学者びやうりがくしや心理学者しんりがくしやでない竹村たけむらには、組織立そしきだつてそれを説明せつめいすることは困難こんなんであつたが、とにかく奈美子なみこたいしてふるまうたかれ色々いろ/\行為かうゐだけでは、かれもまた一しゆ変態性慾者へんたいせいよくしやだとおもはれた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
同時に何か黒いものが一つ畠の隅へころげ落ちた。Kさんはそちらを見る拍子ひやうしに「又庭鳥にはとりがやられたな」と思つた。それは実際黒い羽根はねに青い光沢くわうたくを持つてゐるミノルカしゆの庭鳥にそつくりだつた。
素描三題 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
彼等かれら他人ひと自分じぶん同等どうとう以下いかくるしんでるとおもつてあひだ相互さうごくるしんでることに一しゆ安心あんしんかんずるのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
橄欖島かんらんたう荒凉くわうりやうたるしま、とてもそのしゆ發動藥液はつどうやくえきこと出來できず、其他そのた諸島しよたうまた大陸たいりく通信つうしんして、供給きようきふあほぐといふことも、けつして出來できことではいのです。
また土偶どぐうあし半磨石斧はんませきふ、三ぐわつ二十二にち獸牙製曲玉じふがせいまがたまの一しゆりやくしてキバマガ(第二圖ハ參照)をし、同月どうげつ二十六にちに、鹿角製浮袋ろくかくせいうきぶくろくち(第二圖イ參照)を
かれ何時いつ囚人しうじん出會でつくわせば、同情どうじやう不愉快ふゆくわいかんたれるのであるが、其日そのひまた奈何云どういふものか、なんともはれぬ一しゆ不好いや感覺かんかくが、つねにもあらずむら/\といて
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
たいわたしは、このころりう行のいはゆる藝術寫眞げいじゆつしやしんには、何の感興かんけうも持たない。あのへん氣取きとつた、いかにもおもはせぶりな、しかも一しゆかたにはまつた印畫いんぐわのとこがいゝといふのであらう?
このスエーデンの北方博物館ほつぽうはくぶつかんとまつたくおなじような博物館はくぶつかんさらきたくに、ノールウエのオスロにもありますし、近頃ちかごろこのしゆ博物館はくぶつかん各國かつこくまうけられて傾向けいこうになつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
また玄鶴が源内にまさりたる事は、玄鶴は火浣布の外に火浣紙くはくわんし火浣墨くはくわんぼくの二しゆつくれり。
自體國家こくかとは動く人間につて組織そしきされるのであるから、國家はいさゝかも此のしゆ不生産的ふせいさんてきの人間を要しない。國家の要しないやうな人間は、何所の家庭にだツて餘り歡迎くわんげいされるはずが無い。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
むかし支那しなにおいて塞外さくぐわい鮮卑族せんひぞくの一しゆなる拓拔氏たくばつし中國ちうごく侵入しんにふし、黄河流域こうかりうゐき全部ぜんぶ占領せんれうしてくにせうしたが、漢民族かんみんぞく文化ぶんくわ溺惑できわくして、みづか自國じこく風俗ふうぞく慣習くわんしふをあらため、胡語こごきん
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
それ憶浮おもひうかべると同時どうじに、わたしむねにはめうな一しゆ好奇心かうきしんきてた。し、わたしつまたいして不満足ふまんぞくいだいてゐたとすれば、其不満足そのふまんぞくは、いましゆ猜疑心さいぎしんとなつたのであらう。わたし無論むろんつましんじてゐた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)