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移
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うつ
ふりがな文庫
“
移
(
うつ
)” の例文
糺
(
たゞ
)
しけるに
渠
(
かれ
)
は當四月同人店へ引
移
(
うつ
)
り夫婦
共
(
とも
)
三州者の由にて
隨分
(
ずゐぶん
)
實體
(
じつてい
)
らしく相見え候へ共女房は此節
煩
(
わづら
)
ひ居るとの事に付早速甚兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
眞紅
(
しんく
)
へ、ほんのりと
霞
(
かすみ
)
をかけて、
新
(
あたら
)
しい
火
(
ひ
)
の
𤏋
(
ぱつ
)
と
移
(
うつ
)
る、
棟瓦
(
むねがはら
)
が
夕舂日
(
ゆふづくひ
)
を
噛
(
か
)
んだ
状
(
さま
)
なる
瓦斯暖爐
(
がすだんろ
)
の
前
(
まへ
)
へ、
長椅子
(
ながいす
)
を
斜
(
なゝめ
)
に、ト
裳
(
もすそ
)
を
床
(
ゆか
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「あたしは、すみれを
鉢
(
はち
)
に
移
(
うつ
)
してやりましょう。」と、
竹子
(
たけこ
)
さんはいって、すみれをば
地面
(
じめん
)
から
離
(
はな
)
して、
素焼
(
すや
)
きの
鉢
(
はち
)
の
中
(
なか
)
に
移
(
うつ
)
しました。
つばきの下のすみれ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勘次
(
かんじ
)
はひつそりとした
家
(
いへ
)
のなかに
直
(
すぐ
)
に
蒲團
(
ふとん
)
へくるまつて
居
(
ゐ
)
るお
品
(
しな
)
の
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
た。それからお
品
(
しな
)
の
足
(
あし
)
を
揣
(
さす
)
つて
居
(
ゐ
)
るおつぎに
目
(
め
)
を
移
(
うつ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さて
引金
(
ひきがね
)
を引きたれども火
移
(
うつ
)
らず。
胸騒
(
むなさわ
)
ぎして銃を検せしに、
筒口
(
つつぐち
)
より
手元
(
てもと
)
のところまでいつのまにかことごとく土をつめてありたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
『あの
人
(
ひと
)
にはあの
人
(
ひと
)
としての
仕事
(
しごと
)
があり、めいめい
為
(
す
)
ることが
異
(
ちが
)
います。
良人
(
おっと
)
を
招
(
よ
)
ぶのは
海辺
(
うみべ
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
へ
移
(
うつ
)
ってからのことじゃ……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
暫
(
しばら
)
く
立
(
た
)
ち
止
(
と
)
まつて
見
(
み
)
てゐるうちに、
石
(
いし
)
の
壁
(
かべ
)
に
沿
(
そ
)
うて
造
(
つく
)
り
附
(
つ
)
けてある
卓
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
で
大勢
(
おほぜい
)
の
僧
(
そう
)
が
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
鍋釜
(
なべかま
)
から
移
(
うつ
)
してゐるのが
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
た。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今日
(
こんにち
)
、ひのき、すぎ
等
(
など
)
の
林
(
はやし
)
をこの
帶
(
たい
)
の
中
(
なか
)
に
見
(
み
)
るのは、
人
(
ひと
)
が
移
(
うつ
)
し
植
(
う
)
ゑたもので、もと/\ひのき、すぎ
等
(
など
)
は
温帶林
(
おんたいりん
)
に
生育
(
せいいく
)
してゐたものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
さうして
學者
(
がくしや
)
も
文學者
(
ぶんがくしや
)
も、かならずしも
上流社會
(
じようりうしやかい
)
の
人々
(
ひと/″\
)
ばかりでなく、かへって
低
(
ひく
)
い
位置
(
いち
)
の
人
(
ひと
)
の
方
(
ほう
)
に
中心
(
ちゆうしん
)
が
移
(
うつ
)
つて
來
(
く
)
るようになりました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
それでヨーロッパの
諸國
(
しよこく
)
や
支那
(
しな
)
のように
青銅器
(
せいどうき
)
の
時代
(
じだい
)
といふものを
區別
(
くべつ
)
するほどの
間
(
あひだ
)
もなく、すぐに
鐵器
(
てつき
)
の
時代
(
じだい
)
に
移
(
うつ
)
つてしまつたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
話
(
はなし
)
は
夫
(
それ
)
から
前
(
まへ
)
の
家
(
うち
)
を
離
(
はな
)
れて、
家主
(
やぬし
)
の
方
(
はう
)
へ
移
(
うつ
)
つた。
是
(
これ
)
は、
本多
(
ほんだ
)
とは
丸
(
まる
)
で
反對
(
はんたい
)
で、
夫婦
(
ふうふ
)
から
見
(
み
)
ると、
此上
(
このうへ
)
もない
賑
(
にぎ
)
やかさうな
家庭
(
かてい
)
に
思
(
おも
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
早々
(
そうそう
)
蚊帳
(
かや
)
に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
むと、
夜半
(
よなか
)
に雨が降り出して、
頭
(
あたま
)
の上に
漏
(
も
)
って来るので、
遽
(
あわ
)
てゝ
床
(
とこ
)
を
移
(
うつ
)
すなど、わびしい旅の第一夜であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
新小川町のとにかく
中流
(
ちゅうりゅう
)
の
住宅
(
じゅうたく
)
をいでて、
家賃
(
やちん
)
十円といういまの家へ
移
(
うつ
)
ってきたについては、一
場
(
じょう
)
の
悲劇
(
ひげき
)
があった
結果
(
けっか
)
である。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そして女が両側の店を覗き覗き、きよろ/\してゐるやうだつたら、その女は屹度
移
(
うつ
)
り
気
(
き
)
だから、
迚
(
とて
)
も
不在
(
るす
)
勝
(
がち
)
な海員の女房には出来かねる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ジエィン、あなたは
淑
(
しと
)
やかで勤勉で無慾で、誠實で、
移
(
うつ
)
り氣な所がなく、而も勇敢です。實に
優
(
やさ
)
しくまた實に
雄々
(
をゝ
)
しいのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
四六
版
(
ばん
)
から四六
倍
(
ばい
)
の雑誌に
移
(
うつ
)
る
迄
(
まで
)
には
大分
(
だいぶ
)
沿革
(
えんかく
)
が有るのですが、今は
能
(
よ
)
く覚えません、
印刷所
(
いんさつじよ
)
も
飯田町
(
いひだまち
)
の
中坂
(
なかさか
)
に
在
(
あ
)
る
同益社
(
どうえきしや
)
と
云
(
い
)
ふのに
易
(
か
)
へて
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
然
(
しか
)
るに
彼
(
かれ
)
は
毎晩
(
まいばん
)
眠
(
ねむ
)
らずして、
我儘
(
わがまゝ
)
を
云
(
い
)
つては
他
(
ほか
)
の
患者等
(
くわんじやら
)
の
邪魔
(
じやま
)
をするので、
院長
(
ゐんちやう
)
のアンドレイ、エヒミチは
彼
(
かれ
)
を六
號室
(
がうしつ
)
の
別室
(
べつしつ
)
へ
移
(
うつ
)
したのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
殺された娘お玉の死體は、隣りの六疊に
移
(
うつ
)
され、母親の時代と、その義妹でお玉には叔母に當るお近が、涙ながらに
死裝束
(
しにしやうぞく
)
の世話をしてをりました。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兒
(
ちご
)
を
靜
(
しづ
)
かに
寢床
(
ねどこ
)
に
移
(
うつ
)
して
女子
(
をなご
)
はやをら
立上
(
たちあが
)
りぬ、
眼
(
まな
)
ざし
定
(
さだ
)
まりて
口元
(
くちもと
)
かたく
結
(
むす
)
びたるまゝ、
疊
(
たゝみ
)
の
破
(
やぶ
)
れに
足
(
あし
)
を
取
(
と
)
られず
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そして、その
墨染
(
すみぞめ
)
の袖に沁みている
香
(
こう
)
の
匂
(
におい
)
に、遠い昔の
移
(
うつ
)
り
香
(
が
)
を再び想い起しながら、まるで甘えているように、母の
袂
(
たもと
)
で涙をあまたゝび押し
拭
(
ぬぐ
)
った。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
太夫
(
たゆう
)
が
締
(
し
)
めて
踊
(
おど
)
ったとて、おせんの
色香
(
いろか
)
が
移
(
うつ
)
るという
訳
(
わけ
)
じゃァなし、
芸人
(
げいにん
)
のつれあいが、そんな
狭
(
せま
)
い
考
(
かんが
)
えじゃ、
所詮
(
しょせん
)
うだつは
揚
(
あ
)
がらないというものだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そして、
勝負
(
せうふ
)
をしながら
畫談
(
ぐわだん
)
を
聞
(
き
)
かせて
頂
(
いたゞ
)
いたりするのも、
私
(
わたし
)
には一つの
樂
(
たのし
)
みだつた。
然
(
しか
)
し、赤
阪
(
さか
)
に
移
(
うつ
)
り住んでからは、
全
(
まつた
)
く先生とも
會戰
(
くわいせん
)
の
機
(
き
)
を
得
(
え
)
ない。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
然
(
しか
)
し
村民
(
そんみん
)
の
間
(
あひだ
)
にはかういふ
非常時
(
ひじようじ
)
に
對
(
たい
)
する
訓練
(
くんれん
)
がよく
行屆
(
ゆきとゞ
)
いてゐたと
見
(
み
)
え、
老幼男女
(
ろうようだんじよ
)
第一
(
だいいち
)
に
火災防止
(
かさいぼうし
)
に
力
(
つと
)
め、
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
さず
人命救助
(
じんめいきゆうじよ
)
に
從事
(
じゆうじ
)
したのであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
(
一瞬
(
いっしゅん
)
百
由旬
(
ゆじゅん
)
を飛んでいるぞ。けれども見ろ、少しも
動
(
うご
)
いていない。少しも動かずに
移
(
うつ
)
らずに変らずにたしかに一瞬百由旬ずつ翔けている。実にうまい。)
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
予
再
(
ふたた
)
び家を東京に
移
(
うつ
)
すに及び、先生
直
(
ただ
)
ちに
駕
(
が
)
を
抂
(
まげ
)
られ、いわるるよう、
鄙意
(
ひい
)
、君が何事か
不慮
(
ふりょ
)
の
災
(
さい
)
あらん時には、
一臂
(
いっぴ
)
の力を出し
扶助
(
ふじょ
)
せんと思い
居
(
お
)
りしが
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
此事をはればきよめたる火を
四隅
(
よすみ
)
より
移
(
うつ
)
す、
油滓
(
あぶらかす
)
など火のうつり
易
(
やす
)
きやうになしおくゆゑ
煓々
(
たん/\
)
熾々
(
しゝ
)
と
然
(
もえ
)
あがる
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
血を見て
凶暴
(
きょうぼう
)
になったかれらは、かねての計画を実行に
移
(
うつ
)
した、まもなくベン夫妻と、一等運転手がたおされた。
悪漢
(
あっかん
)
どもは完全にセルベン号を
占領
(
せんりょう
)
した。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「ええ、わけはないのですとも、今度はほかのことに
移
(
うつ
)
ります。では犬といっしょに番をするのはだれです」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
彼
(
かれ
)
は
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
しました、
福鼠
(
ふくねずみ
)
が
其後
(
そのあと
)
に
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
きました、三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
は
福鼠
(
ふくねずみ
)
の
居
(
ゐ
)
た
場所
(
ばしよ
)
へ
移
(
うつ
)
りました、
愛
(
あい
)
ちやんは
厭々
(
いや/\
)
ながら三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
の
居
(
ゐ
)
た
所
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
夜
(
よる
)
の
色
(
いろ
)
にその
葉
(
は
)
の
緑
(
みどり
)
は
黒
(
くろ
)
ずみ、
可愛
(
かあい
)
らしい
珊瑚珠
(
さんごじゆ
)
のやうな
赤
(
あか
)
い
實
(
み
)
も
眠
(
ねむ
)
たげではあるけれど、
荒涼
(
くわうりやう
)
たる
冬
(
ふゆ
)
に
於
(
お
)
ける
唯
(
ゆゐ
)
一の
彩
(
いろど
)
りが、
自然
(
しぜん
)
の
野
(
の
)
からこの
部屋
(
へや
)
に
移
(
うつ
)
されて
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
道子
(
みちこ
)
は
橋
(
はし
)
の
欄干
(
らんかん
)
に
身
(
み
)
をよせると
共
(
とも
)
に、
真暗
(
まつくら
)
な
公園
(
こうゑん
)
の
後
(
うしろ
)
に
聳
(
そび
)
えてゐる
松屋
(
まつや
)
の
建物
(
たてもの
)
の
屋根
(
やね
)
や
窓
(
まど
)
を
色取
(
いろど
)
る
燈火
(
とうくわ
)
を
見上
(
みあ
)
げる
眼
(
め
)
を、すぐ
様
(
さま
)
橋
(
はし
)
の
下
(
した
)
の
桟橋
(
さんばし
)
から
河面
(
かはづら
)
の
方
(
はう
)
へ
移
(
うつ
)
した。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
ロミオ
何
(
なに
)
、わたしの
罪
(
つみ
)
が
移
(
うつ
)
った? おゝ、
嬉
(
うれ
)
しうもお
咎
(
とが
)
めなされた! では、
其
(
その
)
罪
(
つみ
)
を
戻
(
もど
)
して
下
(
くだ
)
され。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
大長谷皇子
(
おおはつせのおうじ
)
は、まもなく
雄略天皇
(
ゆうりゃくてんのう
)
としてご
即位
(
そくい
)
になり、
大和
(
やまと
)
の
朝倉宮
(
あさくらのみや
)
にお
移
(
うつ
)
りになりました。皇后には、
例
(
れい
)
の
大日下王
(
おおくさかのみこ
)
のお妹さまの
若日下王
(
わかくさかのみこ
)
をお立てになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
『では、
貴君
(
きくん
)
は、
若
(
も
)
しや
我
(
わ
)
が
娚
(
おい
)
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
の
安否
(
あんぴ
)
を——。』と
言
(
い
)
ひかけて、
急
(
いそ
)
ぎ
艦尾
(
かんび
)
なる
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
と
春枝夫人
(
はるえふじん
)
とに
眸
(
ひとみ
)
を
移
(
うつ
)
すと、
彼方
(
かなた
)
の
二人
(
ふたり
)
も
忽
(
たちま
)
ち
私
(
わたくし
)
の
姿
(
すがた
)
を
見付
(
みつ
)
けた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
千八百八十三
年
(
ねん
)
、ペテルブルグの
師範学校
(
しはんがっこう
)
を
卒業
(
そつぎょう
)
したソログーブは、
各地
(
かくち
)
に
移
(
うつ
)
り
住
(
す
)
みながら、
教師
(
きょうし
)
を
勤
(
つと
)
め、
傍
(
かたわ
)
ら
詩
(
し
)
を
作
(
つく
)
っていたが、
間
(
ま
)
もなく
長篇小説
(
ちょうへんしょうせつ
)
『
重苦
(
おもくる
)
しい
夢
(
ゆめ
)
』
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
漠々然
(
ばく/\ぜん
)
何時
(
いつし
)
か
義母
(
おつかさん
)
の
氣
(
き
)
が
自分
(
じぶん
)
に
乘
(
の
)
り
移
(
うつ
)
つて
血
(
ち
)
の
流動
(
ながれ
)
が
次第々々
(
しだい/\
)
にのろくなつて
行
(
ゆ
)
くやうな
氣
(
き
)
がした。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
すなわち『万葉集』巻四の「念はじと曰ひてしものを
唐棣花色
(
はねずいろ
)
の、
変
(
うつろ
)
ひやすきわが心かも」、同巻八の「夏まけて咲きたる
唐棣花
(
はねず
)
久方
(
ひさかた
)
の、雨うち降らば
移
(
うつ
)
ろひなむか」
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
坂上田村麻呂
(
さかのうえのたむらまろ
)
は
今
(
いま
)
から千
年余
(
ねんあま
)
りも
昔
(
むかし
)
、
桓武天皇
(
かんむてんのう
)
が
京都
(
きょうと
)
にはじめて
御所
(
ごしょ
)
をお
造
(
つく
)
りになったころ、
天子
(
てんし
)
さまのお
供
(
とも
)
をして
奈良
(
なら
)
の
都
(
みやこ
)
から
京
(
きょう
)
の
都
(
みやこ
)
へ
移
(
うつ
)
って
来
(
き
)
たうちの
一人
(
ひとり
)
でした。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
わたしはまだ、グリンミンゲ城へは
移
(
うつ
)
らずに、あいかわらずポンメルンに住んでいるんですよ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
……もう、もう、そんな
愚痴
(
ぐち
)
はやめ……星も出よ、あらしも吹けよ、唯ひとすぢに、あの人を思ふわが身には、どうでもよい。ある日マノンの歌ふには「
移
(
うつ
)
ろひやすい
人心
(
ひとごゝろ
)
」
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ひとりで火の中に飛びこんで死ぬのを
抱
(
だ
)
きとめたり、おたがいに
髪
(
かみ
)
の毛や
袖
(
そで
)
に
移
(
うつ
)
る火を
消
(
け
)
しあったり、そうしては、力をあわせて、けんめいに
戸
(
と
)
を
破
(
やぶ
)
りにかかっているのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
映すことの構造はうつすが示すように
移
(
うつ
)
す、
映
(
うつ
)
す、
覆
(
うつ
)
すなどの等値的射影を意味している。
うつす
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
皆之を
押臥
(
わうぐわ
)
し其上に木葉或は
席
(
むしろ
)
を
布
(
し
)
きて臥床となす、炉を
焚
(
た
)
かんとするに
枯木
(
かれき
)
殆
(
ほとん
)
どなし、立木を
伐倒
(
きりたを
)
して之を
燻
(
くす
)
ふ、火
容易
(
やうゐ
)
に
移
(
うつ
)
らず、
寒気
(
かんき
)
と
空腹
(
くうふく
)
を
忍
(
しの
)
ぶの困難亦甚しと云ふべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
以上の二種の
土器
(
どき
)
は或る
飮料
(
ゐんれう
)
をば飮み手の口に
移
(
うつ
)
す時に用ゐし品の如くなれど、
土瓶
(
どびん
)
或は
急須
(
きうす
)
と
等
(
ひと
)
しく飮料を
貯
(
たくわ
)
へ置き且つ他の器に
灌
(
そそ
)
ぎ
込
(
こ
)
む時に用ゐし品と
思
(
おも
)
はるる土噐も
數種
(
すうしゆ
)
有
(
あ
)
り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
戲
(
たはむ
)
れに
枯草
(
かれくさ
)
へ
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
した
子供等
(
こどもら
)
は、
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
える
大勢
(
おほぜい
)
の
武士
(
ぶし
)
の
姿
(
すがた
)
に
恐
(
おそ
)
れて、
周章
(
あわ
)
てながら
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
さうと、
青松葉
(
あをまつば
)
の
枝
(
えだ
)
で
叩
(
たゝ
)
くやら、
燃
(
も
)
えてゐる
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
へ
轉
(
ころ
)
がるやらして、
頻
(
しき
)
りに
騷
(
さわ
)
いでゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
既
(
すで
)
に
萬人向
(
ばんにんむ
)
きの
書物
(
しよもつ
)
がないとすれば、
問題
(
もんだい
)
は、
讀者自身
(
どくしやじしん
)
の
工夫
(
くふう
)
に
移
(
うつ
)
らなければならぬ。
僕
(
ぼく
)
は、
如何
(
いか
)
なる
本
(
ほん
)
を
讀
(
よ
)
むかといふ
事
(
こと
)
よりも、
寧
(
むし
)
ろ
大事
(
だいじ
)
なのは、
如何
(
いか
)
に
本
(
ほん
)
を
讀
(
よ
)
むかといふ
事
(
こと
)
では
無
(
な
)
いかと
思
(
おも
)
ふ。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
では あの地球からのお
客
(
きやく
)
さんたちは
野外
(
やぐわい
)
病
院
(
ゐん
)
の方へ
移
(
うつ
)
しませう
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
私達
(
わたしたち
)
は
卓子
(
てーぶる
)
を
囲
(
かこ
)
んで、
莨
(
たばこ
)
をふかしながら
漫談
(
まんだん
)
に
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
した。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
幻影
(
まぼろし
)
なれば
移
(
うつ
)
ろひぬ
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
都に
移
(
うつ
)
せ烏瓜
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
“移”の意味
《名詞》
(い) 律令制において、直属関係にない役所間で取り交わす公文書。
(出典:Wiktionary)
“移”の解説
移(い)とは、律令制における公文書の様式の1つで、上下関係にない官司間において相互に授受する文書である。ただし、当事者の一方もしくは双方が令外官であった場合には牒を用いることとなっている。
(出典:Wikipedia)
移
常用漢字
小5
部首:⽲
11画
“移”を含む語句
移転
推移
移住
引移
移植
移轉
移牒
移香
移封
口移
移動
乗移
移徙
御引移
移住民
移歩
飛移
移気
移竹
家移
...