だい)” の例文
「さあ、今度こんどは、よくていてください。」と、おんなはいって、だい二、だい三、だい四、というふうに、一ぴきずつたいをうみはなしました。
女の魚売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
「よろしゅうございます。南十字サウザンクロスきますのは、つぎだい三時ころになります」車掌しゃしょうは紙をジョバンニにわたしてこうへ行きました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
公爵夫人こうしやくふじんそのだいせつうたも、えず赤子あかごひどゆすげたりゆすおろしたりしたものですから、可哀相かあいさうちひさなのがさけぶので
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
油煙ゆえんがぼうつとあがるカンテラのひかりがさういふすべてをすゞしくせてる。ことつた西瓜すゐくわあかきれちひさなみせだい一のかざりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
りますとも、だい一、品川しながはちかくでは有名ゆうめい權現臺ごんげんだいといふところります。其所そこなんぞは大變たいへんです、んな破片はへんやまやうんでります
この豐玉姫様とよたまひめさまわれる御方おかたは、だい一の乙姫様おとひめさまとして竜宮界りゅうぐうかい代表だいひょうあそばされる、とうと御方おかただけに、矢張やはりどことなく貫禄おもみがございます。
だい三に、十ばかりの偉人いじん伝記でんきがあり、そのなかで、ベートーヴェンとミケランゼロとトルストイとの三つの伝記でんきは、もっとも有名ゆうめいです。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
そこで衆人みんな心持こゝろもちは、せめてでなりと志村しむらだい一として、岡本をかもと鼻柱はなばしらくだいてやれといふつもりであつた。自分じぶんはよくこの消息せうそくかいしてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
おもてむきは何處どこまでも田舍書生いなかじよせい厄介者やつかいものひこみて御世話おせわ相成あいなるといふこしらへでなくてはだい一に伯母御前おばごぜ御機嫌ごきげんむづかし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ロレ 手前てまへこそは、力量りきりゃういっ不足ふそくながら、ときところ手前てまへ不利ふりでござるゆゑ、このおそろしい殺人ひとごろしだいばん嫌疑者けんぎしゃでござりませう。
これにてつみ成立せいりつし、だいくわい以後いごはそのつみによりていかなる「ばつ精神的せいしんてきばつ心中しんちうおに穿うがでゝます/\せいます/\めうなり。多言たげんするをこのまず。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
だい一、お医師様いしやさまも、七ツ八ツのおちひさいときからおかゝりつけのかたをお一人ひとりだけ……もつと有名いうめい博士はかせかたださうですけれど——
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だい四には、国民こくみんだ。士族しぞくはもちろん、ひゃくしょうや町人ちょうにんどもでも、すこしばかり文字もじがわかるやつは、みんな役人やくにんになりたがっている。
なんでもだい奉直戰爭ほうちよくせんさうときなどは自分じぶんはう旗色はたいろがよかつたせゐもあつただらうが、戰線せんせんのことは部下任ぶかまかせにしていて
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
王樣わうさま御殿ごてんかもしれねえ、自分じぶんはあそこへくのだらう。きつと王樣わうさま自分じぶんをおしになつたんだ。おかゝつたらなにだい一にはう。そうだ。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
これが、いのきちがおぼえている、だいばんめのおどろきであった。つづいて、日本海にほんかいの石におどろいたのがだいばんめ—。
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
雪中だい一の用具ようぐなれば、山中の人これを作りてさとうる家毎いへごとたくはへざるはなし。雪を状態ありさまにあらはしたるがごとし。
ところ或時あるときの事でシヽリーのうちで、だいばん学者がくしやといふ、シロクシナスといふお精霊様しやうりやうさま茄子なすのやうな人がまゐりまして、わうにお目通めどほりを願ひますると
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
勿論もちろんわたくし不束ふつゝかながらも一個いつこ日本男子につぽんだんしであれば、そのくにたいしても、かゝ塲合ばあひだい一に逃出にげだこと出來できぬのである。
しからばだいあん外國ぐわいこく日本にほんかねりることが出來できるかとふと、遺憾ゐかんながら外國ぐわいこくではかねりることが出來できない。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
和尚をしやうさん、和尚をしやうさん、こちらは大層たいそういお住居すまゐですね。このむら澤山たくさんうちがありましても、こちらにかなふところはありません。村中むらぢうだい一の建物たてものです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
夕食ゆふめしはずに倒れたなりうごかずにゐた。其時おそるべき日は漸くちて、夜が次だいほしいろくした。代助はくらさと涼しさのうちに始めて蘇生よみがへつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
だい二には、えら婦人ふじん傳記でんきである。從來じうらい婦人ふじん讀物よみものといへば、ジヤン・ダークでんとか、ナイチンゲールでんとか、さういふものを推薦すゐせんするひとすくなくない。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けれどこれははじめで、そんなにいいものとはへない。だい一、ほんたかすぎる。それに童謠うただつて、まだほんとうにきみたちにかれないかもれない。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
やがて井口警部いぐちけいぶは、だい三の容疑者ようぎしゃしたが、それは皮肉ひにくなことに、あのんでいたランチュウを、刈谷老人かりやろうじんうちつてきたという金魚屋きんぎょやである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
その大きな鏡に 太陽の光をうけさせて光らすと 火星のがはから見るとだい等級とうきふの星の光ほどに光つてみえる……
だれでも實際じつさいあたつて一々いち/\營養えいやう如何いかん吟味ぎんみしてものはない、だい一にあぢ目的もくてきとしてふのである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ところで秀次は累進して、そうして秀吉の後を受けて、関白職に経上って、聚楽じゅらくだいの主人となって、権を揮うようになって以来、ようやく秀吉と不和になった。
血ぬられた懐刀 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
号室ごうしつだい番目ばんめは、元来もと郵便局ゆうびんきょくとやらにつとめたおとこで、いような、すこ狡猾ずるいような、ひくい、せたブロンジンの、利発りこうらしい瞭然はっきりとした愉快ゆかい眼付めつき
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
我はカプレツチイだいを訪ひぬ。昔カプレツチイ、モンテキイの二豪族相爭ひて、少年少女の熱情を遮り斷ちしに、死は能くその合ふべからざるものを合せ得たり。
アナトール・フランスは本名ほんみょうをアナトール・チボーといい、フランスでもだいりゅうの文学者であります。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
さうして挿絵さしゑ桂舟けいしう担当たんとうするなど、前々ぜん/\の紙上から見るとすこぶ異色いしよくを帯びてました、ゆえこれだいる、我楽多文庫がらくたぶんこ生命せいめいだいまたしばら絶滅ぜつめつしたのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それがだい自營獨立じえいどくりつねん薄弱はくじやくにするの原因げんいんで、したがつて日本婦人にほんふじんおほひなる弱點じやくてんであらうとおもひます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
天正の十六年、秀吉が聚楽じゅらくだいを造った其年、氏郷は伊勢の四五百森よいおのもりへ城を築いて、これを松坂と呼んだ。前の居城松ヶ島の松の字を目出度しとして用いたのである。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
また諸所しよしよ修道院しうだうゐんともらつて、もはや此世このよない会友くわいいうためいのりげ、其名そのな巻物まきものきとめて、てらからてらへと其過去帳そのくわこちやう持回もちまはつたなら、みんなさぞよろこことであらうが、だい
掃除そうじわって、いよいよだい二十かい常会じょうかいひらこうとしていると、きこりのようなおとこひとが、かおながい、みみおおきいじいさんを乳母車うばぐるまにのせて、尼寺あまでら境内けいだいにはいってた。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
但馬守たじまのかみ玄竹げんちくあいしたのは、玄竹げんちく岡部美濃守をかべみののかみ頓死とんし披露ひろうするにもつと必要ひつえう診斷書しんだんしよを、なんもとむるところもなく、淡白たんぱくあたへたといふこゝろ潔白けつぱくつたのがだい一の原因げんいんである。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「どちらでもかまうものか」と王子は考えました。そしてまたこう考えました。「高いところへあがるには、まずだい一に、また下へおりられるようなみちをこしらえておかなければいけない」
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
私はこれから一生懸命いつしやうけんめい勉強べんきやうをしようと思つてゐます。私がこんど六十の手習てならひのやうな語學ごがくを初め出しましたのは、そのだいのつもりなんです。私達は決して今のまゝでんではなりません。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
だい三十一だい天子てんしさまを用明天皇ようめいてんのうもうげました。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
兵法大講会へいほうだいこうえだい二日
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聖代せうだいだい一の嘉瑞かずゐなり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
「さあ、そのあなからのぞき。だい一はあねおとうととが、母親ははおやをたずねて旅立たびだつところ。さあさあのぞき。一人ひとりのうちはおあしらない。」
子供の時分の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
んなことで一かう要領えうりやうず、山頂さんてうはうでは、わづかに埴輪はにわ破片はへん雲珠うず鞆等ともなど)を見出みいだしたのみ、それで大發掘だいはつくつだいくわいをはつた。
れいだいでうだいでう口癖くちぐせにする決鬪師けっとうし嫡々ちゃき/\ぢゃ。あゝ、百ぱつちゅうすゝづきとござい! つぎ逆突ぎゃくづき? まゐったかづきとござる!
わたくし最初さいしょ修行場しゅぎょうば——岩屋いわやなかでの物語ものがたりずこのへんでくぎりをつけまして、これからだい二のやま修行場しゅぎょうばほううつることにいたしましょう。
こと自分じぶん投宿とうしゆくした中西屋なかにしやといふは部室數へやかずも三十ぢかくあつてはら温泉をんせんではだい一といはれてながらしか空室あきまはイクラもないほど繁盛はんじやうであつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
だい一、病中びやうちうは、取乱とりみだした姿すがたせるのを可厭いやがつて、見舞みまひくのをことはられた自分じぶんではないか。——これわるい。こんなところを。あゝ、まない。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『さァ、やつだい一のせつへた』と帽子屋ばうしやつて、『其時そのとき女王クイーンあがり、「とき打殺うちころしてるのはれだ!其頭そのあたまねてしまへ!」とさけびました』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
夏蕎麥なつそばでもとれんなかうい鹽梅あんべえぢやつぶえけやうだな」おつたはにはまゝだい一にれる蕎麥そばついていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)