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獨
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ひと
ふりがな文庫
“
獨
(
ひと
)” の例文
新字:
独
惜
(
をし
)
まず
嘆
(
なげ
)
きしが偖ては前夜の夢は此
前兆
(
ぜんてう
)
にて有りけるか然し憑司殿か案内こそ心得ぬ豫て役人を
拵
(
こしら
)
へての
惡巧
(
わるだく
)
みか如何せんと
獨
(
ひと
)
り氣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
本當
(
ほんたう
)
に
好
(
い
)
い
御天氣
(
おてんき
)
だわね」と
半
(
なか
)
ば
獨
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
の
樣
(
やう
)
に
云
(
い
)
ひながら、
障子
(
しやうじ
)
を
開
(
あ
)
けた
儘
(
まゝ
)
又
(
また
)
裁縫
(
しごと
)
を
始
(
はじ
)
めた。すると
宗助
(
そうすけ
)
は
肱
(
ひぢ
)
で
挾
(
はさ
)
んだ
頭
(
あたま
)
を
少
(
すこ
)
し
擡
(
もた
)
げて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
淋
(
さび
)
しきまゝに
琴
(
こと
)
取出
(
とりいだ
)
し
獨
(
ひと
)
り
好
(
この
)
みの
曲
(
きよく
)
を
奏
(
かな
)
でるに、
我
(
わ
)
れと
我
(
わ
)
が
調
(
てう
)
哀
(
あは
)
れに
成
(
な
)
りて、いかにするとも
彈
(
ひ
)
くに
得
(
え
)
堪
(
た
)
えず、
涙
(
なみだ
)
ふりこぼして
押
(
おし
)
やりぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あゝ
幸
(
さち
)
多き女等よ、彼等は一人だにその墓につきて恐れず、また未だフランスの故によりて
獨
(
ひと
)
り
臥床
(
ふしど
)
に殘されず 一一八—一二〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「はい。そればかりではありません。
世界
(
せかい
)
には
私
(
わたし
)
どもの
知
(
し
)
らないことが
數限
(
かずかぎ
)
りなくあります。——
小
(
ちひ
)
さなところで
獨
(
ひと
)
り
威張
(
ゐば
)
つてゐることの」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
▼ もっと見る
去
(
さる
)
十三
日
(
にち
)
の
夜
(
よ
)
、
僕
(
ぼく
)
は
獨
(
ひと
)
り
机
(
つくゑ
)
に
倚掛
(
よりかゝ
)
つてぼんやり
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
た。十
時
(
じ
)
を
過
(
す
)
ぎ
家
(
いへ
)
の
者
(
もの
)
は
寢
(
ね
)
てしまひ、
外
(
そと
)
は
雨
(
あめ
)
がしと/\
降
(
ふ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで
可笑
(
をかし
)
くて
堪
(
たま
)
りませんでした、が
皆
(
みん
)
な
揃
(
そろ
)
ひも
揃
(
そろ
)
つて
眞面目
(
まじめ
)
くさつてるので、
眞逆
(
まさか
)
自分
(
じぶん
)
獨
(
ひと
)
り
笑
(
わら
)
ふ
譯
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
きませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
父
(
とう
)
さんもその
書院
(
しよゐん
)
に
寢
(
ね
)
ましたが、
曾祖母
(
ひいおばあ
)
さんが
獨
(
ひと
)
りで
寂
(
さび
)
しいといふ
時
(
とき
)
には
離
(
はな
)
れの
隱居部屋
(
ゐんきよべや
)
へも
泊
(
とま
)
りに
行
(
い
)
くことが
有
(
あ
)
りました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
此
(
こ
)
の
野郎
(
やらう
)
こんな
忙
(
せは
)
しい
時
(
とき
)
に
轉
(
ころ
)
がり
込
(
こ
)
みやがつてくたばる
積
(
つもり
)
でもあんべえ」と
卯平
(
うへい
)
は
平生
(
へいぜい
)
になく
恁
(
こ
)
んなことをいつた。
勘次
(
かんじ
)
は
後
(
あと
)
で
獨
(
ひと
)
り
泣
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
果然
(
くわぜん
)
彼
(
か
)
れは
幾
(
いく
)
ばくもなくして
漢族
(
かんぞく
)
のために
亡
(
ほろ
)
ぼされた。
獨
(
ひと
)
り
拓拔氏
(
たくばつし
)
のみならず
支那塞外
(
しなさくぐわい
)
の
蠻族
(
ばんぞく
)
は
概
(
おほむ
)
ねその
轍
(
てつ
)
を
履
(
ふ
)
んでゐる。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
此間
(
このあひだ
)
ロミオは
道外假面
(
だうけめん
)
を
被
(
かぶ
)
ったるまゝ
獨
(
ひと
)
り
離
(
はな
)
れて
見
(
み
)
てゐる。
其中
(
そのうち
)
ヂュリエットと一
武官
(
ナイト
)
と
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りあうて
舞踏
(
をど
)
りはじむる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
子
(
し
)
の
言
(
い
)
ふ
所
(
ところ
)
の
者
(
もの
)
は
其人
(
そのひと
)
と
骨
(
ほね
)
と
皆
(
みな
)
已
(
すで
)
に
朽
(
く
)
ちたり、
獨
(
ひと
)
り
其言
(
そのげん
)
在
(
あ
)
る
耳
(
のみ
)
。
且
(
か
)
つ
君子
(
くんし
)
は、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
う
)
れば
則
(
すなは
)
ち
(二)
駕
(
が
)
し、
其時
(
そのとき
)
を
得
(
え
)
ざれば
則
(
すなは
)
ち
(三)
蓬累
(
ほうるゐ
)
して
行
(
さ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
夢
(
ゆめ
)
から
覺
(
さ
)
めた
思
(
おも
)
ひで、
厚
(
あつ
)
ぼつたかつた
顏
(
かほ
)
を
撫
(
な
)
でた、
其
(
そ
)
の
掌
(
て
)
を
膝
(
ひざ
)
に
支
(
つ
)
いて、
氣
(
き
)
も
判然
(
はつきり
)
と
向直
(
むきなほ
)
つた
時
(
とき
)
、
彼
(
かれ
)
は
今
(
いま
)
までの
想像
(
さうざう
)
の
餘
(
あま
)
りな
癡
(
たは
)
けさに
又
(
また
)
獨
(
ひと
)
りで
笑
(
わら
)
つた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「では何ですか、」と彼は
訊
(
き
)
いた、「あなたはまつたくすべてのかゝり合ひから
獨
(
ひと
)
りぽつちだと云ふのですか?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
これは、
獨
(
ひと
)
り
讀書
(
どくしよ
)
の
上
(
うへ
)
ばかりではない。
何
(
な
)
んでも、
自己
(
じこ
)
に
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑて
掛
(
かゝ
)
らなければ、
男
(
をとこ
)
でも
女
(
をんな
)
でも、一
生
(
しやう
)
、
精神上
(
せいしんじやう
)
の
奴隷
(
どれい
)
となつて
死
(
し
)
んで
行
(
ゆ
)
く
他
(
ほか
)
は
無
(
な
)
いのだ。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
こんなことのあつた昔を思ひ出してから、
小池
(
こいけ
)
は、自分に離れて
獨
(
ひと
)
り
水屋
(
みづや
)
で手を洗つてゐるお
光
(
みつ
)
に聲をかけて
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
伊藤公追弔演説會以來の
獨
(
ひと
)
り
激昂
(
げきかう
)
を思はずまた參禪論に於いてした爲め、神經が再び非常に過敏になつてゐるのが、今、路上の放浪者として、
初冬
(
はつふゆ
)
のしめツぽさと冷氣とに當つて
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
獨
(
ひと
)
り謫天
情仙
(
じやうせん
)
のみ舊に
依
(
よ
)
りて、言ふこと
稀
(
まれ
)
なれども、
中
(
あた
)
ること多からむことを求むるに似たり。この間別に注目すべき批評家二人を
獲
(
え
)
つ。そを
誰
(
たれ
)
とかする。
逍遙子
(
せうえうし
)
と露伴子と
即
(
すなはち
)
是
(
これ
)
なり。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
獨
(
ひと
)
り、かの
畏
(
おそれ
)
も悔も無く眠る人こそ善けれ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
さこそは
獨
(
ひと
)
り
野木
(
のぎ
)
の
枝
(
え
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
獨
(
ひと
)
りあやふく限ある
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
重四郎は
是
(
これ
)
幸
(
さひは
)
ひと娘の
部屋
(
へや
)
を
覗
(
のぞ
)
き見れば
折節
(
をりふし
)
お浪は
只
(
たゞ
)
獨
(
ひと
)
り
裁縫
(
ぬひもの
)
をなし居たるにぞ
頓
(
やが
)
て
件
(
くだ
)
んの
文
(
ふみ
)
を取出しお浪の
袖
(
そで
)
へ
密
(
そつ
)
と
入
(
いれ
)
何喰
(
なにくは
)
ぬ
顏
(
かほ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されど汝の
眼前
(
めのまへ
)
に今なほ横たはる一の路あり、こはいと
難
(
かた
)
き路なれば汝
獨
(
ひと
)
りにてはこれを出でざるさきに疲れむ 九一—九三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
おつぎは
自分
(
じぶん
)
も
毎日
(
まいにち
)
行
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
たので
開墾地
(
かいこんち
)
から
運
(
はこ
)
んだ
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
は
皆
(
みな
)
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
る。おつぎは
其
(
そ
)
の
櫟
(
くぬぎ
)
の
根
(
ね
)
を
獨
(
ひと
)
りで
竊
(
ひそか
)
に
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
宗助
(
そうすけ
)
と
一所
(
いつしよ
)
になつて
以來
(
いらい
)
、
御米
(
およね
)
の
毎日
(
まいにち
)
膳
(
ぜん
)
を
共
(
とも
)
にしたものは、
夫
(
をつと
)
より
外
(
ほか
)
になかつた。
夫
(
をつと
)
の
留守
(
るす
)
の
時
(
とき
)
は、たゞ
獨
(
ひと
)
り
箸
(
はし
)
を
執
(
と
)
るのが
多年
(
たねん
)
の
習慣
(
ならはし
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんな
眞似
(
まね
)
をして、もう
我儘
(
わたまゝ
)
一
(
いつ
)
ぱいに
振舞
(
ふるま
)
つて
居
(
を
)
りますうちに、だん/″\
私
(
わたし
)
は
獨
(
ひと
)
りぼつちに
成
(
な
)
つてしまひました。
誰
(
たれ
)
も
私
(
わたし
)
とは
交際
(
つきあ
)
はなくなりました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
時
(
とき
)
は
夏
(
なつ
)
の
最中
(
もなか
)
自分
(
じぶん
)
はたゞ
畫板
(
ゑばん
)
を
提
(
ひつさ
)
げたといふばかり、
何
(
なに
)
を
書
(
か
)
いて
見
(
み
)
る
氣
(
き
)
にもならん、
獨
(
ひと
)
りぶら/\と
野末
(
のずゑ
)
に
出
(
で
)
た。
曾
(
かつ
)
て
志村
(
しむら
)
と
共
(
とも
)
に
能
(
よ
)
く
寫生
(
しやせい
)
に
出
(
で
)
た
野末
(
のずゑ
)
に。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
まだ私は、誰にも話もしなければ、また誰も私に注意するでもなかつたから、全く
獨
(
ひと
)
りぽつちで立つてゐた。しかし可成り孤獨のこのわびしさには慣れてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
櫻
(
さくら
)
の
花
(
はな
)
に
梅
(
うめ
)
が
香
(
か
)
とめて
柳
(
やなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
にさく
姿
(
すがた
)
と、
聞
(
き
)
くばかりも
床
(
ゆか
)
しきを
心
(
こヽろ
)
にくき
獨
(
ひと
)
りずみの
噂
(
うはさ
)
、たつ
名
(
な
)
みやび
男
(
を
)
の
心
(
こヽろ
)
を
動
(
うご
)
かして、
山
(
やま
)
の
井
(
ゐ
)
のみづに
浮岩
(
あくが
)
るヽ
戀
(
こひ
)
もありけり
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
東京
(
とうきやう
)
の
區
(
く
)
到
(
いた
)
る
處
(
ところ
)
にいづれも
一二
(
いちに
)
の
勸工場
(
くわんこうば
)
あり、
皆
(
みな
)
入口
(
いりぐち
)
と
出口
(
でぐち
)
を
異
(
こと
)
にす、
獨
(
ひと
)
り
牛込
(
うしごめ
)
の
勸工場
(
くわんこうば
)
は
出口
(
でぐち
)
と
入口
(
いりぐち
)
と
同一
(
ひとつ
)
なり、「だから
不思議
(
ふしぎ
)
さ。」と
聞
(
き
)
いて
見
(
み
)
れば
詰
(
つま
)
らぬこと。
神楽坂七不思議
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
且
(
か
)
つ
(四四)
七十
子
(
し
)
の
徒
(
と
)
、
(四五)
仲尼
(
ちうぢ
)
獨
(
ひと
)
り
顏淵
(
がんえん
)
を
(四六)
薦
(
すす
)
め、
學
(
がく
)
を
好
(
この
)
むと
爲
(
な
)
す。
然
(
しか
)
れども
(四七)
回
(
くわい
)
や
屡〻
(
しばしば
)
空
(
むな
)
しく、
糟糠
(
さうかう
)
にだも
厭
(
あ
)
かず、
而
(
しかう
)
して
卒
(
つひ
)
に
(四八)
蚤夭
(
さうえう
)
せり。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
ところがね、それが
出來
(
でき
)
ないの。なぜつて、
誰
(
だれ
)
も
彼
(
かれ
)
も
自分
(
じぶん
)
獨
(
ひと
)
りがやつとなのよ。みんな
一生懸命
(
いつしやうけんめい
)
ですもの。ひとを
助
(
たす
)
けやうとすれば
自分
(
じぶん
)
もともども
死
(
し
)
んでしまはねばならない。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
底を
籠
(
かご
)
にして、上の方は
鹽瀬
(
しほぜ
)
の鼠地に白く
蔦模樣
(
つたもやう
)
の
刺繍
(
ぬひ
)
をした
手提
(
てさ
)
げの
千代田袋
(
ちよだぶくろ
)
を取り上げて、お光は見るともなく見入りながら、
潤
(
うるほ
)
ひを含んだ眼をして、
獨
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
のやうに言つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
陪審官等
(
ばいしんくわんら
)
は
些
(
や
)
や
身體
(
からだ
)
の
顫
(
ふる
)
えが
止
(
とま
)
るや
否
(
いな
)
や、
再
(
ふたゝ
)
び
石盤
(
せきばん
)
と
鉛筆
(
えんぴつ
)
とを
渡
(
わた
)
されたので、
皆
(
みん
)
な一
心
(
しん
)
に
事
(
こと
)
の
始末
(
しまつ
)
を
書
(
か
)
き
出
(
だ
)
しました、
獨
(
ひと
)
り
蜥蜴
(
とかげ
)
のみは
其口
(
そのくち
)
を
開
(
あ
)
いたまゝ、
徒
(
いたづ
)
らに
法廷
(
はふてい
)
の
屋根
(
やね
)
を
見上
(
みあ
)
げて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
獨
(
ひと
)
りし
居
(
ゐ
)
れば、
姫
(
ひめ
)
は
來
(
き
)
て
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
立んとて此大雪に出で行きたれ
共
(
ども
)
何
(
なん
)
の
甲斐
(
かひ
)
やあらん
骨折損
(
ほねをりぞん
)
の
草臥
(
くたびれ
)
所得
(
まうけ
)
今に
空手
(
からて
)
で歸り
來
(
こ
)
んアラ
笑止
(
せうし
)
の事やと
獨
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
留守
(
るす
)
してこそは居たりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
村落
(
むら
)
に
居
(
ゐ
)
あんさ、
何處
(
どこ
)
つちつたつて
行
(
ゆ
)
き
場所
(
ばしよ
)
はねえんですから、なあに
獨
(
ひと
)
りでせえありや
却
(
けえ
)
つて
懷
(
ふところ
)
はえゝんでがすから」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
汝よく我を視、汝の求むる眞理にむかひてわがこの處を過ぎ行くさまに心せよ、さらばこの後
獨
(
ひと
)
りにて淺瀬を渡るをうるにいたらむ 一二四—一二六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
その
邊
(
へん
)
は、どつちを
向
(
む
)
いても
深
(
ふか
)
い
山
(
やま
)
ばかりで、
爺
(
ぢい
)
やにでも
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
かなければ、とても
幼少
(
ちひさ
)
な
時分
(
じぶん
)
の
父
(
とう
)
さんが
獨
(
ひと
)
りで
行
(
ゆ
)
かれるところではありませんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
然
(
しか
)
し
宗助
(
そうすけ
)
には
丸
(
まる
)
で
時間
(
じかん
)
を
潰
(
つぶ
)
しに
來
(
き
)
た
樣
(
やう
)
な
自覺
(
じかく
)
が
明
(
あき
)
らかにあつた。それを
斯
(
か
)
う
取
(
と
)
り
繕
(
つく
)
ろつて
云
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
ふのも、
自分
(
じぶん
)
の
腑甲斐
(
ふがひ
)
なさからであると、
獨
(
ひと
)
り
耻
(
は
)
ぢ
入
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
最早
(
もう
)
〆
(
しめ
)
たものと、今度は
客間
(
きやくま
)
に石を
置
(
お
)
かず、
居間
(
ゐま
)
の
床
(
とこ
)
に
安置
(
あんち
)
して何人にも
祕
(
かく
)
して、只だ
獨
(
ひと
)
り
樂
(
たのし
)
んで居た。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「結局、大して重要なことではないかも知れない、」と
獨
(
ひと
)
り呟いた。「そして、やがて私が
快
(
よ
)
くなる、そして、彼女の前に自分を
賤
(
いや
)
しいものにするのはたまらない。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
獨
(
ひと
)
りで
苦笑
(
にがわら
)
ひして、
迫上
(
せりあが
)
つた
橋掛
(
はしがか
)
りを
練
(
ね
)
るやうに、
谿川
(
たにがは
)
に
臨
(
のぞ
)
むが
如
(
ごと
)
く、
池
(
いけ
)
の
周圍
(
まはり
)
を
欄干
(
らんかん
)
づたひ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
車
(
くるま
)
の
門
(
かど
)
に
止
(
と
)
まりて
優
(
やさ
)
しき
駒下駄
(
こまげた
)
の
音
(
おと
)
の
聞
(
きこ
)
ゆるを、
論
(
ろん
)
なく
夫
(
そ
)
れとは
知
(
し
)
れども
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
に
虚寢
(
そらね
)
を
作
(
つく
)
れば、
美尾
(
みを
)
は
格子
(
こうし
)
を
押
(
おし
)
て
見
(
み
)
て、これは
如何
(
いか
)
な
事
(
こと
)
、
錠
(
でう
)
がおりてあると
獨
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
をいつて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それが
何
(
なん
)
だかよく
見
(
み
)
もしないで、
仲間
(
なかま
)
に
氣
(
き
)
づかれないやうに、そのまま、そつと
砂
(
すな
)
をかけて、
知
(
し
)
らない
顏
(
かほ
)
をして
引
(
ひ
)
き
返
(
か
)
えしました。あとで
來
(
き
)
て、
獨
(
ひと
)
りでそれを
食
(
た
)
べやうとおもつて。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
子
(
し
)
獨
(
ひと
)
り
(三三)
郊祭
(
かうさい
)
の
犧牛
(
ぎぎう
)
を
見
(
み
)
ざる
乎
(
か
)
。
之
(
これ
)
を
養食
(
やうし
)
すること
數歳
(
すうさい
)
、
衣
(
き
)
するに
(三四)
文繍
(
ぶんしう
)
を
以
(
もつ
)
てし、
以
(
もつ
)
て
(三五)
太廟
(
たいべう
)
に
入
(
い
)
る。
是
(
こ
)
の
時
(
とき
)
に
當
(
あた
)
つて、
(三六)
孤豚
(
ことん
)
たらんと
欲
(
ほつ
)
すと
雖
(
いへど
)
も、
豈
(
あ
)
に
得
(
う
)
可
(
べ
)
けん
乎
(
や
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
斯
(
か
)
う言ひ/\、お光は
獨
(
ひと
)
りで石段を下りて行つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
で、
立騰
(
たちのぼ
)
り、
煽
(
あふ
)
り
亂
(
みだ
)
れる
蚊遣
(
かやり
)
の
勢
(
いきほひ
)
を、ものの
數
(
かず
)
ともしない
工合
(
ぐあひ
)
は、
自若
(
じじやく
)
として
火山
(
くわざん
)
の
燒石
(
やけいし
)
を
獨
(
ひと
)
り
歩行
(
ある
)
く、
脚
(
あし
)
の
赤
(
あか
)
い
蟻
(
あり
)
のやう、と
譬喩
(
たとへ
)
を
思
(
おも
)
ふも、あゝ、
蒸熱
(
むしあつ
)
くて
夜
(
よ
)
が
寢
(
ね
)
られぬ。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
旅
(
たび
)
は
道連
(
みちづれ
)
、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
といふが、
世
(
よ
)
は
情
(
なさけ
)
であらうと
無
(
な
)
からうと
別問題
(
べつもんだい
)
として
旅
(
たび
)
の
道連
(
みちづれ
)
は
難有
(
ありが
)
たい、マサカ
獨
(
ひと
)
りでは
喋舌
(
しやべ
)
れないが
二人
(
ふたり
)
なら
對手
(
あひて
)
が
泥棒
(
どろぼう
)
であつても
喋舌
(
しやべ
)
りながら
歩
(
ある
)
くことが
出來
(
でき
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
不幸
(
ふかう
)
の
由來
(
もと
)
に
悟
(
さと
)
り
初
(
そ
)
めて、
父
(
ちヽ
)
戀
(
こひ
)
し
母
(
はヽ
)
戀
(
こひ
)
しの
夜半
(
よは
)
の
夢
(
ゆめ
)
にも、
咲
(
さ
)
かぬ
櫻
(
さくら
)
に
風
(
かぜ
)
は
恨
(
うら
)
まぬ
獨
(
ひと
)
りずみの
願
(
ねが
)
ひ
固
(
かた
)
くなり、
包
(
つヽ
)
むに
洩
(
もれ
)
ぬ
身
(
み
)
の
素性
(
すじやう
)
、
人
(
ひと
)
しらねばこそ
樣々
(
さま/″\
)
の
傳手
(
つて
)
を
求
(
もと
)
めて、
香山
(
かやま
)
の
令孃
(
ひめ
)
と
立
(
た
)
つ
名
(
な
)
くるしく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
獨
部首:⽝
16画
“獨”を含む語句
獨語
獨言
單獨
獨身
孤獨
獨身者
獨立
獨樂
獨逸
獨特
獨斷
獨鈷
獨木舟
獨占
獨笑
獨活
獨唱
獨酌
獨栖
獨自
...