種々しゆ/″\)” の例文
可笑をかしなお話をいたしましたが、策伝さくでんの話より、一そう御意ぎよいかなひ、其後そののち数度たび/\御前ごぜんされて新左衛門しんざゑもんが、種々しゆ/″\滑稽雑談こつけいざつだんえんじたといふ。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
可笑をかしき可憐あはれなる事可怖おそろしき事種々しゆ/″\さま/″\ふでつくしがたし。やう/\東雲しのゝめころいたりて、水もおちたりとて諸人しよにん安堵あんどのおもひをなしぬ。
これにはいし大小だいしよう種々しゆ/″\ありますが、おほきなものになるとえん直徑ちよつけい一町いつちようくらゐもあり、いしたかさは二三十尺にさんじつしやくおよぶものもあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
れがしきりに交代かうたいされるので、卯平うへいは一しか郷里きやうりつちまなくても種々しゆ/″\變化へんくわみゝにした。かれは一ばんおつぎのことが念頭ねんとううかぶ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わづらひ漸く全快はなしたれども足腰あしこしよわ歩行事あゆむことかなはず日々身代に苦勞なすと雖種々しゆ/″\物入ものいりかさみ五年程に地面も賣拂うりはらひ是非なく身上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たゞ此斥候このせつこう報告書ほうこくしよともづくべきものは、たん地震波ぢしんぱ種々しゆ/″\形式けいしきのみであるから、これを書取かきと其上そのうへにそれをることを必要ひつようとする。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
つたはる攝養法せつやうはふ種々しゆ/″\ありといへども、實驗じつけんれば、もつと簡易かんいにしてもつと巧驗こうけんあるものは冷水浴れいすゐよくにあらざるし。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
(一)の神佛しんぶつはまとものものもあるが、異形いげうのものもおほい。そして神佛しんぶつ往々わう/\種々しゆ/″\變相へんさうするからこれわかつて正體しやうたい權化ごんげの二とすることが出來できる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
ところ/″\に温帶林おんたいりん特徴樹とくちようじゆであるぶなの巨木きよぼくしげり、したには種々しゆ/″\灌木かんぼく草本そうほん蔓生植物まんせいしよくぶつさかんにえてゐるのをることが出來できます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
しかねえさんはあいちやんがつてしまつても、頬杖ほゝづゑついてしづみゆく夕日ゆふひながら、可愛かあいあいちやんのことから、またその種々しゆ/″\不思議ふしぎ冐險談ばうけんだんかんがへながら
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
いままたざつと一にち、五ばかり、わたしども一かうたいし……申尽まをしつくせませんまで、種々しゆ/″\こゝろづかひをくださいましたのも、たゞ御礼おれい申上まをしあげるだけではみません。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども先生せんせい其家そのいへかこ幾畝いくせかの空地くうちみづからたがやして菜園さいゑんとし種々しゆ/″\野菜やさいゑてます。また五六羽ごろつぱにはとりふて、一もちゆるだけのたまごつてます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
だれでも左樣さうだが、非常ひじやううれしいときにはとても睡眠すいみんなどの出來できるものでない。で、いへかへつたる吾等われら仲間なかまは、それからまた一室ひとまあつまつて、種々しゆ/″\雜談ざうだんふけつた。
かん金解禁きんかいきん計畫けいくわくをしたのは一さいとゞまらなかつたが、種々しゆ/″\事情じじやうめに實現じつげん出來できなかつた。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
勿論其の住民の階級職業によつて路地は種々しゆ/″\異つた体裁をなしてゐる。日本橋ぎは木原店きはらだな軒並のきなみ飲食店の行灯あんどうが出てゐる処から今だに食傷新道しよくしやうじんみちの名がついてゐる。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
斯樣かやう事柄ことがらを一々まをせばかぎりのないことで、居家處世きよかしよせいうへ種々しゆ/″\間違まちがひおほく、さればとつて、これを一々前以ぜんもつ命令めいれいするといふは實際じつさいおこなはれがたことであるから
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
貝塚發掘かひづかはつくつために、種々しゆ/″\遭難そうなんかさねるけれど、此時このときごと惡難あくなんおそらく前後ぜんごからうである。
バルヂピエロの紹介状が用に立つて、己は種々しゆ/″\の立派な人達に交際することが出来た。己は昏迷のうちに日を送つて、ヱネチアの事やそこの友達の事を忘れてしまつた。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
さうして自分じぶんあたゝかしづかところして、かねめ、書物しよもつみ、種々しゆ/″\屁理窟へりくつかんがへ、またさけを(かれ院長ゐんちやうあかはなて)んだりして、樂隱居らくいんきよのやうな眞似まねをしてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
食物しよくもつことついて、すこかんじたことりますから貴婦人方あなたがた御噺おはないたしますが、いま宮本みやもとさんから、段々だん/\御噺おはなしがツて、兒護婦こもり不注意ふちういより、子供こども種々しゆ/″\もの
(に)腰のへんに一段の仕切りを爲して此中に種々しゆ/″\の小模樣を畫きたるもの。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
かれ書生しよせいとして京都きやうとにゐる時分じぶん種々しゆ/″\口實こうじつもとに、ちゝから臨時りんじ隨意ずゐい多額たがく學資がくし請求せいきうして、勝手かつて次第しだい消費せうひしたむかしをよくおもして、いま身分みぶん比較ひかくしつゝ、しきりに因果いんぐわ束縛そくばくおそれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
(あたゝかなるやうに土中にうづめ又はわらにつゝみ桶に入れてこほらざらしむ)其外雪の用意ようい種々しゆ/″\造作ざうさをなす事ふでつくしがたし。
博物館はくぶつかんにはみなさんのつてゐるように、種々しゆ/″\品物しなものならべてありますが、たいていはある種類しゆるいのものばかりをえらんで、陳列ちんれつしてあるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
またこれ瓦斯がす或物あるもの凝結ぎようけつして種々しゆ/″\鹽類えんるいとなつて沈積ちんせきしてゐることがある。外國がいこくある火山かざんからはヘリウム瓦斯がす採集さいしゆうされたといはれてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
はいつひに其夜の九ツ時に感應院はあさましき最期さいごをこそとげたりける名主を始め種々しゆ/″\詮議せんぎすれば煤掃すゝはき膳部ぜんぶより外に何にもたべずとの事なりよつて膳部を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
みな其処そこに寄り集まつておとほりの時刻じこくつてりますので、うちもくずしが出たり種々しゆ/″\御馳走ごちそうますうちにチヨン/\と拍子木ひやうしぎを打つてまゐりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
無邪氣むじやきなる水兵等すいへいら想像さうぞうするがごとく、其時そのとき光景くわうけいはまあどんなであらう。電光艇でんくわうてい評判ひやうばん櫻木大佐さくらぎたいさ榮譽ほまれ各自めい/\むねにある種々しゆ/″\たのしみ、それ管々くだ/\しくふにおよばぬ。
年齡ねんれいも十六七以上いじやう、一とほ學問がくもんをして學問がくもん家政かせいなり、なになり日常にちじやう處世しよせいうへ應用おうようがしてけるはづでありますが、實際じつさいつきますると種々しゆ/″\遺憾ゐかんてんがあるやうです。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
しかもこれはをんなはうから種々しゆ/″\問題もんだい持出もちだしてるやうだそして多少いくらうるさいといふ氣味きみをとこはそれに説明せつめいあたへてたが隨分ずゐぶん丁寧ていねいものけつして『ハア』『そう』のではない。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
う、わたし恁麽こんな奇妙きめうゆめてよ!』とつてあいちやんは、ねえさんにおぼえてたゞけを悉皆すつかりはなしました。それはみなさんが是迄これまでんでところの、種々しゆ/″\不思議ふしぎ冐險談ばうけんだんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
種々しゆ/″\の楽器を弄することが上手なので、その音色で己の鬱を散じてくれようとした。己とレオネルロとは相変らず毎日逢つてゐる。此男を疑ふ念は一たびも己には萌さなかつた。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
恁云かうい學説がくせつは、たゞ種々しゆ/″\學説がくせつあつめて研究けんきうしたり、比較ひかくしたりして、これ自分じぶん生涯しやうがい目的もくてきとしてゐる、きはめて少數せうすう人計ひとばかりにおこなはれて、多數たすうものれを了解れうかいしなかつたのです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ことくだんやしきいては、種々しゆ/″\はなしがあるが、かへつて拵事こしらへごとじみるからいふまい。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
莫遮それはさうと現今げんこん建築けんちく本義ほんぎとか理想りさうとかについ種々しゆ/″\なる異論ゐろんのあることはまこと結構けつこうなことである。建築界けんちくかいにはへず何等なんらかの學術的風波がくじゆつてきふうはがなければならぬ、しからざれば沈滯ちんたい結果けつくわ腐敗ぶはいするのである。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
此土器このどきほかに、種々しゆ/″\しなるのですが、土偶どぐうなんかべつして珍品ちんぴんです
既に服飾ふくしよくの部に於てもべしが如く、土器どき表面ひやうめん押紋おしもんを撿すれば、コロボツクルが種々しゆ/″\み物、織り物、及びひもの類を有せしことあきらかにして、從つてふくろせいする事抔も有りしならんと想像そうざうせらる。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
かゝる光景ありさまは雪にまれなるだん国の風雅人ふうがじんに見せたくぞおもはるゝ。およそちゞみをさらすには種々しゆ/″\所為しわざあれども、こゝには其大略たいりやくをしるすのみ。
また石器せつきかたち大體だいたいまへ時代じだいよりは小形こがたのものがおほく、しかも石器せつき使つかみちによつて種々しゆ/″\ことなつたかたちのものがわかれて發達はつたつしてました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ころして我も死ぬ覺悟かくごなりとよばはらせ其處へ我々駈込かけこみ種々しゆ/″\詮議せんぎして菊が口より云々しか/″\いはせんは如何にやと申ければ三人是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
鎔岩ようがん種々しゆ/″\形體けいたいとなつて噴出ふんしゆつせられる。火山灰かざんばひほかに、大小だいしよう破片はへんされる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あすの晩には、庭の岩窟いはむろに蝋燭を焚いて舞踏会をして、それから鏡の広間で宴会をしようと云ふので、己は君達と種々しゆ/″\の評議をして、今宵は明かりの工合を試験して置くと云ふことになつた。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
それより海岸かいがんいへくがごとさわぎで、種々しゆ/″\評議ひやうぎ結果けつくわこの危急ききふすくふには、輕氣球けいきゝゆうばすよりほかさくいといふことさだまつたが、氣球ききゆうつくこと容易ようゐわざではない、さひはひにも、材料ざいれうかつ
以上いじやう……滋養じやう灌腸くわんちやうなぞは、絶対ぜつたいきらひますから、湯水ゆみづとほらないくらゐですのに、意識いしき明瞭めいれうで、今朝こんてう午前ごぜんいき引取ひきとりました一寸前ちよつとぜんにも、種々しゆ/″\細々こま/″\と、わたしひざかほをのせてはなしをしまして。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかもこの鎔岩ようがん流動りゆうどうして種々しゆ/″\奇觀きかんていするので、觀光客かんこうきやくえずひきつけてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
しかれども熊はたけく、かつありてるにやすからず。雪中の熊はかはきもも常にばいす、ゆゑに雪に穴居けつきよするをたづさがし、猟師れふしどもちからあはせてこれをるに種々しゆ/″\じゆつある事初編しよへんしるせり。
これが氣附きづかれたときは、一旦いつたん集合しゆうごうしてゐた消防隊しようぼうたい解散かいさんしたのちであり、また氣附きづかれたのち倒潰家屋とうかいかおくみちふさがれて火元ひもとちかづくことが困難こんなんであつたなどの不利益ふりえき種々しゆ/″\かさなつて
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)