電車でんしや)” の例文
B また俳句はいくだらう。先年せんねん電車でんしやのストライキのあつたとき、あれはなんとかつたつけな、めう俳句はいくやうなものをいてよこしたぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
此日このひ宗助そうすけかくもとおもつて電車でんしやつた。ところ日曜にちえう好天氣かうてんきにもかゝはらず、平常へいじやうよりは乘客じようきやくすくないのでれいになく乘心地のりごゝちかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この博物館はくぶつかんには電車でんしやのことでも、汽車きしやのことでも、飛行機ひこうきのことでも、潜水艦せんすいかんのことでも、らぢおのことでも、また鑛山こうざんのこと、印刷いんさつのこと
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
其所そこ坪井博士つぼゐはかせは、石田理學士いしだりがくし大野助手おほのぢよしゆ野中事務員のなかじむゐん同行どうかうして、電車でんしやられた。つゞいて帝室博物館員ていしつはくぶつくわんゐん高橋たかはし平子ひらこ和田わだ諸氏しよしる。
平凡へいぼん會話くわいわじやアないか。平常ふだんなら當然あたりまへ挨拶あいさつだ。しか自分じぶんともわかれて電車でんしやつたあとでも氣持きもちがすが/\して清涼劑せいりやうざいんだやうながした。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
が、この電車でんしやが、あの……車庫しやこところで、一寸ちよつと手間てまれて、やがて發車はつしやしてもなく、はしへ、横搖よこゆれにんで進行中しんかうちう
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そしてかれ彼女かれとは、子供こどもいていへるのであつた。けれども、どことつてあてもないので、二人ふたりはやはり電車でんしやにのつて銀座ぎんざてしまつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
河面かはづら対岸たいがんそらかゞや朝日あさひビールの広告くわうこくと、東武電車とうぶでんしや鉄橋てつけううへえず徃復わうふくする電車でんしや燈影ほかげてらされ、かしボートをわか男女だんぢよ姿すがたのみならず
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
たえ子はその晩、やつと/\電車でんしやに間に合つた。勿論どこをさがしても話をするやうな家はなかつた。何処でも戸をしめてゐたり、火を落してゐたりした。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
なほ人智じんちがいよ/\發達はつたつ人口じんこうがどん/\すにつれて、最後さいごには奧山おくやままでもつて家屋かおく橋梁きようりよう器具きぐ機械きかい汽車きしや電車でんしや鐵道てつどう枕木まくらぎ電信でんしん電話でんわはしらといふように
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
どんなによろこぶだらう、お、お、電車でんしや活動寫眞くわつどう樂隊がくたい。とうとうまちたんだな。えツ、ほんとにかゝあどもをつれてくるんだつたに。あれ、むかふにみへるのはなんだ。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
あなたにおわかれしてからの電車でんしやなかで、私は今夜こんやはじめて乘越のりこしといふ失敗しつぱいをしました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
汽車きしや電車でんしやくところが今日こんにちのステエシヨンなら、うまかごいたとうさんのむらむかし木曾街道きそかいだう時分じぶんのステエシヨンのあつたところです。ほら、何々なに/\えきといふことをよくふではりませんか。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
分署ぶんしよまへとほり……せはしい電車でんしやベル……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まつかんがへてゐる電車でんしやなか
冠松次郎氏におくる詩 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
にぎやかだよ。一寸ちよつとつて御覽ごらん。なに電車でんしやつてけばわけはない」とすゝめた。さうして自分じぶんさむさに腐蝕ふしよくされたやうあかかほをしてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……今日けふかへりがけに西片町にしかたまち親類しんるゐ一寸ちよつとらう。坂本さかもとから電車でんしやにしようと、一度いちど、おぎやうまつはう歩行あるきかけたが。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小田原をだはらからさきれい人車鐵道じんしやてつだうぼくは一ときはや湯原ゆがはらきたいのできな小田原をだはら半日はんにちおくるほどのたのしみすてて、電車でんしやからりて晝飯ちうじきをはるや人車じんしやつた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
電車でんしやし、汽車きしや大森おほもりまでく。それからくるまはしらせるなど、却々なか/\手間取てまとるのだが、それでもく。
ホテルまえ電車でんしや突切つきころわたしはM、H夫人ふじんはなしながらあるいてゐたが、彼女かのじよわたし自動車じどうしやにでもかれはしないかと気遣きつかつて、どうかするとそでつたりして
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ついであらはれて水力電氣すいりよくでんきそのものはすべてこの都市とし村落そんらく燈火あかりや、いろ/\の動力どうりよくにも利用りようせられ、電車でんしや電信でんしん電話でんわ電燈でんとう工業用機械動力こうぎようようきかいどうりよくをはじめ、朝夕あさゆふ煑炊にたき、すとうぶや按摩あんま
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
それとも、かつてつてたひととして思出おもひだすこともなくおたがひわすれられてゐたかもしれない。そして、またもしも電車でんしやで、おたがひ東京とうきやうてゐたならば、かほあはせるやうなこともあるかもしれない。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
A ウン、あれはうさ。『きみ電車でんしやまる今朝けさはる』さ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
インドにかんする資料しりようばかりをあつめた博物館はくぶつかんだとか、むかしから今日こんにちまで戰爭せんそう使つかつた武器ぶきばかりを陳列ちんれつした博物館はくぶつかんだとか、汽車きしや汽船きせん電車でんしや飛行機ひこうきのような交通こうつうかんする機械類きかいるいあつめた博物館はくぶつかんだとかゞ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
暮れかぬる電車でんしやのきしり……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かれ其日そのひ役所やくしよかへけに駿河臺下するがだいしたまでて、電車でんしやりて、いものを頬張ほゝばつたやうくち穿すぼめて一二ちやうあるいたのち、ある齒醫者はいしやかどくゞつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
電車でんしや赤十字病院下せきじふじびやうゐんしたりて、むかうへ大溝おほどぶについて、みさきなりにみちうねつて、あれから病院びやうゐんくのにさかがある。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
愉快ゆくわい! 電車でんしや景氣けいきよくはしす、函嶺はこね諸峰しよほうおくゆかしく、おごそかに、おもてあつしてちかづいてる! かるい、淡々あは/\しいくもおきなるうみうへたゞよふてる、かもめぶ、なみくだける
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
電車でんしや神奈川かながははじめてつうじたときに、其沿道そのえんだう低地ていちに、貝塚かひづか發見はつけんしたといふひとせつき、實地じつちついてチヨイ/\發掘はつくつしてて、破片はへんにほひもせなんだれいかんがへ、また橘樹郡たちばなごほりたる貝塚かひづか
とほくきく、電車でんしやのきしり……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それが、非常ひじやうひと雜沓ざつたうする、江戸えど十字街じふじがい電車でんしや交叉點かうさてんもあるし、大混雜だいこんざつなか有樣ありさまなんです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そらは奇麗にれた。代助は電車でんしやつて、うちへ行つて、あによめ調戯からかつて、誠太郎と遊ばうと思つたが、急にいやになつて、此松このまつながら、草臥くたびれる所迄堀端ほりばたつたつて行く気になつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
玄子げんし器具きぐなどかつぎ、鶴見つるみにて電車でんしやり、徒歩とほにて末吉すゑよしいた。
えずえず電車でんしやとほる……
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
はしはし電車でんしや、』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ひさしい以前いぜんだけれど、大塚おほつか火藥庫くわやくこわき、いまの電車でんしや車庫しやこのあたりにんでときあたかはるすゑころ少々せう/\待人まちびとがあつて、とほくからくるまおとを、ひろ植木屋うゑきやにはめんした
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三十八ねん、三十九ねん電車でんしやつうじたし。
うまし、かるたくわいいそわかむねは、駒下駄こまげた撒水まきみづすべる。こひうたおもふにつけ、夕暮ゆふぐれ線路せんろさへ丸木橋まるきばし心地こゝちやすらむ。まつらす電車でんしやかぜに、春着はるぎそで引合ひきあはごころ風情ふぜいなり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いへあり、つまあり、眷屬けんぞくあり、いろがあつて、金持かねもちで、大阪おほさかひとのみに、停車場前ステエシヨンまへを、さつ/\と、自動車じどうしやくるま歩行あるくのさへ電車でんしやよりはやいまで、猶豫ためらはず、十字じふじ八方はつぱうさばける人數にんず
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
工事中こうじちう土瓦つちかはらのもりあがつた海邊橋うみべばしを、小山こやまごと電車でんしやは、なだれをきふに、胴腹どうばら欄干らんかんに、ほとん横倒よこだふしにかたむいて、橋詰はしづめみぎつたわたしたちの横面よこつらをはねばしさうに、ぐわんととき
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、差配さはいむねうへそのためか、婦人をんなこゑひそめたが、電車でんしやきしみひゞかぬ夜更よふけ
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……車麩くるまぶだつてさ……つてたよ。あの、ばうのおにはへ。——やまのね、やまのまはりを引張ひつぱるの。……くるま眞似まねだか、あの、オートバイだか、電車でんしや眞似まねだか、ガツタン、ガツタン、がう……
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すこ高過たかすぎるくらゐに鼻筋はなすぢがツンとして、彫刻てうこくか、ねりものか、まゆ口許くちもと、はつきりした輪郭りんくわくひ、第一だいいち櫻色さくらいろの、あの、色艶いろつやが、——それが——いまの、あの電車でんしや婦人ふじん瓜二うりふたつとつてもい。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小父をぢさんたちは、おとなしいし、第一だいいち品行ひんかう方正はうせいだから……つたごと無事ぶじであつた。……はいゝとして、隣地りんち心行寺しんぎやうじ假門かりもんにかゝると、電車でんしや行違ゆきちがふすきを、同伴つれが、をかしなことをいふ。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おいでなすつた、とちやん心得こゝろえるくらゐで……電車でんしやなかでもこれる。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つて見送みおくれば、をんなせた電車でんしやは、見附みつけたにくぼんだ廣場ひろばへ、すら/\とりて、一度いちどくらつてまつたが、たちまかぜつたやうに地盤ぢばんそらざまにさつさかすべつて、あを火花ひばながちらちらと
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つゆすくないのを、百間堀ひやくけんぼりあられふ。田螺たにしおもつたら目球めだまだと、おなかくなり。百間堀ひやくけんぼりしろほりにて、意氣いき不意氣ぶいきも、身投みなげおほき、ひるさびしきところなりしが、埋立うめたてたればいまはなし。電車でんしやとほる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わたしたちは七丁目なゝちやうめ終點しうてんからつて赤坂あかさかはうかへつてた……あのあひだ電車でんしやして込合こみあほどではいのに、そらあやしく雲脚くもあしひくさがつて、いまにも一降ひとふりさうだつたので、人通ひとどほりがあわたゞしく、一町場ひとちやうば二町場ふたちやうば
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おんな電車でんしやでござんすのね。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)