るゐ)” の例文
芝生の上へ円形にその花を落すサンバじゆなどの蔭を踏むと、極楽鳥と云ふるゐの美しい鳥が𤍠帯に棲んで居るのも不思議でない気がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
みゝづくでしよくろんずるあんまは、容體ようだい倨然きよぜんとして、金貸かねかしるゐして、借家しやくや周旋しうせん強要きやうえうする……どうやら小金こがねでその新築しんちくをしたらしい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
神事かみごとはすべて児戯じぎたること多し、しかれども凡慮ぼんりよを以て量識はかりしるべからず。此堂押にるゐせし事他国にもあるべし、しばらくしるしてるゐしめす。
面附つらつきこそはれよりもよけれ、脛附すねつきが十人並にんなみ以上いじゃうぢゃ、それからあしどうやはふがほどいが、ほかには、ま、るゐい。
せい元來ぐわんらい身分みぶん分類ぶんるゐで、たとへばおみむらじ宿禰すくね朝臣あそんなどのるゐであり、うぢ家系かけい分類ぶんるゐで、たとへば藤原ふじはらみなもとたひら菅原すがはらなどのるゐである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
A いよ/\馬鹿ばかだなア此奴こいつは。およそ、洒落しやれ皮肉ひにく諷刺ふうしるゐ説明せつめいしてなんになる。刺身さしみにワサビをけてやうなもんぢやないか。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
おびたゞしい庭石や石燈籠いしどうろうるゐを積んだ大きな荷車を、たくましい雄牛に曳かして來るのにも逢つた。牛の口からは、だら/\とよだれが流れてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
〔譯〕遠方えんぱうに歩をこゝろむる者、往往にして正路せいろすてて、捷徑せうけいはしり、或はあやまつて林※りんまうに入る、わらふ可きなり。人事多く此にるゐす。とくに之をしるす。
第三 さけちや菓子かしるゐ食時しよくじせつ少々せう/\もちゐて飮食いんしよく消化せうくわたすくるはがいなしといへども、その時限じげんほか退屈たいくつときもちゆとうがいあること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
店臺みせだいへはあつころにはありおそふのをいとうて四つのあしさらどんぶりるゐ穿かせて始終しじうみづたゝへてくことをおこたらないのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ならはせんと思へども然るべき師匠ししやうなきにより江戸兩國りやうごく横山町よこやまちやう三丁目かどにて折廻をりまはし間口奧行拾三間づつ穀物こくもつ乾物かんぶつるゐあきなひ則ち古河の吉右衞門が出店なるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
うかすると、お客さまにこしものを出されるかも知れねえ、うしたらわたくし小道具こだうぐはうとは違ひますゆゑ刀剣たうけんるゐ流違りうちがひでございますから心得こゝろえませんが
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
朝鮮てうせんおよび臺灣等たいわんとうぶんくはへても一おく七千萬圓まんゑんであつて、大正たいしやうねんほゞ同額どうがく輸入超過ゆにふてうくわであつた以外いぐわいかくごと少額せうがくんだことは近年きんねんるゐのないことである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
みちびかるゝまゝに入込いりこんだのは、階上にかい南端なんたん一室ひとまで、十じやうぐらいの部室へや中央ちうわうゆかには圓形えんけいのテーブルがへられ、卓上たくじやうには、地球儀ちきゆうぎ磁石じしやくるゐ配置はいちされ
何時いつぞやわたしがとらそんじたときにも、やはりこのこん水干すいかんに、打出うちだしの太刀たちいてりました。唯今ただいまはそのほかにも御覽ごらんとほり、弓矢ゆみやるゐさへたずさへてります。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
兄樣此字は何と讀みますると御本を前にかしこまりしお姿が見えます筈、何と無るゐにお嬉しかろと、言ひ終りておほゝと笑へば、馬鹿なと一言くるしげに笑ふ。
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
發見はつけんしたのはこのしゆ例外れいぐわいで、突起つまみいのである。其代そのかはり、兩端りやうたん二箇宛ふたつづゞ小孔せうこう穿うがつてある。ひもるゐしたものとほして、それをつまやうにしたのかもれぬ。
清養寺の飯炊きのおるゐが女巾着切のお兼の世を忍ぶ姿と解つただけで、三千兩の行方ゆくへは一向解りません。
石橋いしばしわたしとがかはる/″\める事にして、べつ会計掛くわいけいがゝりを置き、留守居るすゐを置き、市内しない卸売おろしうりあるく者をやとそのいきほひあさひのぼるがごとしでした、ほかるゐが無かつたのか雑誌もく売れました
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
つツつくわ』と、あいちやんは注意ちういしたものゝ、まつたためしてもかまはないとふうで。『う/\』つて公爵夫人こうしやくふじんは、紅鶴べにづる芥子菜からしなとは何方どちらもつッつく。れの徳義とくぎは——『るゐもつあつまる ...
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
會毎くわいごと三人さんにん相談さうだんしてかならつき一度いちど贈品ぞうひん大島小學校おほしませうがくかうおくる、それがかならずしも立派りつぱものばかりではない、筆墨ひつぼくるゐ書籍しよせき圖畫づぐわるゐなどで、オルガン一臺いちだい寄送きそうしたのが一番いちばん金目かねめものであつた。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しかれども(二五)しよしよくつらね、ことじやうるゐし、もつ(二六)じゆぼく剽剥へうはくす。當世たうせい(二七)宿學しゆくがくいへど(二八)みづか解免かいめんすることあたはざるなり 其言そのげん(二九)洸洋自恣くわうやうじしもつおのれかなふ。
後徐々に手持砥石てもちといしるゐにて磨き上げしものなるべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
音色ねいろならば笛のるゐ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
神事かみごとはすべて児戯じぎたること多し、しかれども凡慮ぼんりよを以て量識はかりしるべからず。此堂押にるゐせし事他国にもあるべし、しばらくしるしてるゐしめす。
詩人しじんこれでは、鍛冶屋かじや職人しよくにん宛如さながらだ。が、そにる、る、りつゝあるはなんであらう。没薬もつやくたんしゆかうぎよく砂金さきんるゐではない。蝦蟇がまあぶらでもない。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
云ひ聞せければ長八は大いに悦こび成程それにてわかりしなりと是より紙屑は勿論もちろんおび腹掛はらかけ古鐵ふるかねるゐ何にても買込かひこみ賣買を精出せいだしけるゆゑ長八は段々と繁昌はんじやうして大いに工面くめん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
苗字めうじ個人こじんいへで、おほくは土地とちつたものである。たとへば那須の一、熊谷の直實なほざね、秩父の重忠しげたゞ、鎌倉のごんらう、三浦の大介おほすけ、佐野の源左衛門げんざゑもんといふのるゐである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
なん落語はなし種子たねにでもなるであらうとぞんじまして、門内なか這入はいつて見ましたが、一かう汁粉店しるこやらしい結構かゝりがない、玄関正面げんくわんしやうめんには鞘形さやがたふすまたててありまして、欄間らんまにはやり薙刀なぎなたるゐかゝつ
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
穴の中で見付けた手紙も、この男が書いてお兼のおるゐに渡したに相違ありませんが、平次はそれと感付きながら、わざと假名かなを書かせて、窮屈きうくつさうに手筋を變へて書く源助の樣子を觀察したのでした。
申分まうしぶんにはさふらへども、るゐ
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
てう恵王けいわうが夜光の玉を、しんせう王がしろ十五を以てかへんといひしは、加嶋屋が北国の明玉めいぎよく身上しんしやうつくしてかはんとやくせしにるゐせり。
おしろはうしろのなまりとるべし。るゐあまたあり。茸狩たけがりのうたに、(まつみゝ、まつみゝ、おや孝行かうかうなもんにあたれ。)まつみゝにまたちうして、松茸まつたけとあり。んだ間違まちがひなり。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
バウル・ゴーガンなどのるゐで、前名ぜんみやうすなは個人こじんのキリスト教名けうめい後名こうめいすなは家族名かぞくめいである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あきなひ仕つり候と申立るを大岡殿季節の商賣と云ふは何をうりて渡世に致候やと申されしかば夏はうり西瓜すゐくわもゝるゐあき梨子なしかきの類など商賣仕つると申せども自然おのづから言語ごんごにごるゆゑイヤ其方家内を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
てう恵王けいわうが夜光の玉を、しんせう王がしろ十五を以てかへんといひしは、加嶋屋が北国の明玉めいぎよく身上しんしやうつくしてかはんとやくせしにるゐせり。
予は茫然ばうぜんとして立ちたりけるが、想ふに藪の中に住居すまへるは、狐か狸か其るゐならむ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
印度教いんどけうるものは、いづれも不思議ふしぎばんなものばかり、三めんとかかほ手足てあし無數むすうなものとか、半人はんにん半獸はんじう半人はんにん半鳥はんてうなどのるゐ澤山たくさんある。佛教ぶつけうの五だい明王等めうわうとう印度教いんどけうからる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
さればこそみこともこゝに垂跡すゐしやくまし/\たれ。此御神の縁起えんぎあるひ灵験れいげん神宝じんはうるゐ記すべき㕝あまたあれどもしばらくこゝにはぶく
くちなは料理れうり鹽梅あんばいひそかにたるひとかたりけるは、(おう)が常住じやうぢう居所ゐどころなる、屋根やねなきしとねなきがう屋敷田畝やしきたんぼ眞中まんなかに、あかゞねにてたるかなへ(にるゐす)をゑ、河水かはみづるゝこと八分目はちぶんめ
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さればこそみこともこゝに垂跡すゐしやくまし/\たれ。此御神の縁起えんぎあるひ灵験れいげん神宝じんはうるゐ記すべき㕝あまたあれどもしばらくこゝにはぶく
山里やまざとを、汽車きしやなかで、ほとんとりこゑかなかつたかれは、何故なぜか、谷筋たにすぢにあらゆる小禽せうきんるゐが、おほき獵人かりうどのために狩盡かりつくされるやうなおもひして、なんとなく悚然ぞつとした。それ瞬時しゆんじで。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは界隈かいわい貧民ひんみんで、つい茗荷谷みやうがだにうへる、補育院ほいくゐんとなへて月謝げつしやらず、ときとすると、讀本とくほんすみるゐほどこして、其上そのうへ通學つうがくするの、ぐらしの親達おやたち父親ちゝおやなり、母親はゝおやなり
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぢゞ茶屋ぢややは、おきなひとりて、燒酎せうちうあぶら蚊遣かやりるゐひさぐ、ゆゑふ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)