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短
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みじか
ふりがな文庫
“
短
(
みじか
)” の例文
みみずは、
思
(
おも
)
いきり
息
(
いき
)
を
長
(
なが
)
く
引
(
ひ
)
いて、ジーイ、ジーイ、といい、かえるは、
太
(
ふと
)
く、
短
(
みじか
)
く、コロ、コロ、といって、うたっていました。
春の真昼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「あたしゃ
気
(
き
)
が
短
(
みじか
)
いから、どこへ
行
(
ゆ
)
くにしても、とても
歩
(
ある
)
いちゃ
行
(
い
)
かれない。千
吉
(
きち
)
つぁん、
直
(
す
)
ぐに
駕籠
(
かご
)
を
呼
(
よ
)
んでもらおうじゃないか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
お
品
(
しな
)
は
復
(
ま
)
た
天秤
(
てんびん
)
を
卸
(
おろ
)
した。お
品
(
しな
)
は
竹
(
たけ
)
の
短
(
みじか
)
い
天秤
(
てんびん
)
の
先
(
さき
)
へ
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
で
拵
(
こしら
)
へた
小
(
ちひ
)
さな
鍵
(
かぎ
)
の
手
(
て
)
をぶらさげてそれで
手桶
(
てをけ
)
の
柄
(
え
)
を
引
(
ひ
)
つ
懸
(
か
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
谷の向こうがわから森のところまでずっとつづいている、こんもりしたたけの
短
(
みじか
)
い林を、村の人たちは荒れ地と
呼
(
よ
)
んでいたのです。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
女
(
おんな
)
にもしてみたいほどの
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
児
(
こ
)
で、
優
(
やさ
)
しい
眉
(
まゆ
)
、すこし
開
(
ひら
)
いた
脣
(
くちびる
)
、
短
(
みじか
)
いうぶ
毛
(
げ
)
のままの
髪
(
かみ
)
、
子供
(
こども
)
らしいおでこ——すべて
愛
(
あい
)
らしかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
前記
(
ぜんき
)
の
但馬地震
(
たじまぢしん
)
や
丹後地震
(
たんごぢしん
)
の
如
(
ごと
)
きは
初期微動繼續時間
(
しよきびどうけいぞくじかん
)
の
最
(
もつと
)
も
短
(
みじか
)
かつた
稀有
(
けう
)
の
例
(
れい
)
であるので、
寧
(
むし
)
ろ
例外
(
れいがい
)
とみて
然
(
しか
)
るべきものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
此
(
こ
)
の
一階目
(
いつかいめ
)
の
床
(
ゆか
)
は、
今
(
いま
)
過
(
よぎ
)
つた
野
(
の
)
に、
扉
(
とびら
)
を
建
(
た
)
てまはしたと
見
(
み
)
るばかり
広
(
ひろ
)
かつた。
短
(
みじか
)
い
草
(
くさ
)
も
処々
(
ところ/″\
)
、
矢間
(
やざま
)
に
一
(
ひと
)
ツ
黄色
(
きいろ
)
い
月
(
つき
)
で、
朧
(
おぼろ
)
の
夜
(
よ
)
も
同
(
おな
)
じやう。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
玄翁和尚
(
げんのうおしょう
)
は一
日
(
にち
)
野原
(
のはら
)
を
歩
(
ある
)
きどおしに
歩
(
ある
)
いてまだ
半分
(
はんぶん
)
も行かないうちに、
短
(
みじか
)
い
秋
(
あき
)
の日はもう
暮
(
く
)
れかけて、
見
(
み
)
る
見
(
み
)
るそこらが
暗
(
くら
)
くなってきました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『
戲談
(
じようだん
)
を
言
(
い
)
つては
困
(
こま
)
ります。だから
新聞記者
(
しんぶんきしや
)
は
人
(
ひと
)
が
惡
(
わる
)
い。
人
(
ひと
)
が
眞面目
(
まじめ
)
で
聞
(
き
)
くのに。』と
高商紳士
(
かうしやうしんし
)
は
短
(
みじか
)
くなつたシガーをストーブに
投
(
な
)
げ
込
(
こ
)
んだ。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
野猪
(
ゐのしゝ
)
は
形
(
かたち
)
が
豚
(
ぶた
)
に
似
(
に
)
て
全身
(
ぜんしん
)
黒褐色
(
こつかつしよく
)
のあらい
毛
(
け
)
でおほはれてをり、
頸
(
くび
)
が
短
(
みじか
)
いので
駈
(
か
)
けだすと
急
(
きゆう
)
には
方向
(
ほうこう
)
を
變
(
か
)
へられない
動物
(
どうぶつ
)
です。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
それは
沢山
(
たくさん
)
の馬の
蹄
(
ひづめ
)
の
痕
(
あと
)
で出来上っていたのです。達二は、
夢中
(
むちゅう
)
で、
短
(
みじか
)
い
笑
(
わら
)
い声をあげて、その道をぐんぐん歩きました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私
(
わたくし
)
の
場合
(
ばあい
)
には、この
無意識
(
むいしき
)
の
期間
(
きかん
)
が二三
日
(
にち
)
つづいたと、
後
(
あと
)
で
神
(
かみ
)
さまから
教
(
おし
)
えられましたが、どちらかといえば二三
日
(
にち
)
というのは
先
(
ま
)
ず
短
(
みじか
)
い
部類
(
ぶるい
)
で
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
落着いてから訊くべき事と思いながら、その間も待ちどおしげに、胤頼は、歩きながら言葉
短
(
みじか
)
に、もう訊きほじっていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこには、赤い
布地
(
きれじ
)
でつくった
古風
(
こふう
)
な
百姓
(
ひゃくしょう
)
の着物——
短
(
みじか
)
い
胴着
(
どうぎ
)
、ひだのあるスカート、
真珠
(
しんじゅ
)
の
飾
(
かざ
)
りのついた
胸着
(
むなぎ
)
——がいくつか入れてありました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
また
之
(
これ
)
から
日本
(
につぽん
)
まで
夫人等
(
ふじんら
)
と
航海
(
かうかい
)
を
共
(
とも
)
にするやうになつた
不思議
(
ふしぎ
)
の
縁
(
ゆかり
)
を
言葉
(
ことば
)
短
(
みじか
)
に
語
(
かた
)
ると、
夫人
(
ふじん
)
は『おや。』と
言
(
い
)
つたまゝいと
懷
(
なつ
)
かし
氣
(
げ
)
に
進
(
すゝ
)
み
寄
(
よ
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
三
人
(
にん
)
は
表
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
て
遠
(
とほ
)
く
濃
(
こ
)
い
色
(
いろ
)
を
流
(
なが
)
す
海
(
うみ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
松
(
まつ
)
の
幹
(
みき
)
から
脂
(
やに
)
の
出
(
で
)
る
空氣
(
くうき
)
を
吸
(
す
)
つた。
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
は
短
(
みじか
)
い
空
(
そら
)
を
赤裸々
(
せきらゝ
)
に
横切
(
よこぎ
)
つて
大人
(
おとな
)
しく
西
(
にし
)
へ
落
(
お
)
ちた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
六月にはいると、麦は
黄熟
(
こうじゅく
)
して刈り取られ、
胡瓜
(
きゅうり
)
の
茎
(
くき
)
短
(
みじか
)
きに花をもち、水草のあるところには
螢
(
ほたる
)
が
闇
(
やみ
)
を縫って飛んだ。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
また
新石器時代
(
しんせつきじだい
)
のつゞいた
年代
(
ねんだい
)
は
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
に
比
(
くら
)
べて
大
(
たい
)
へん
短
(
みじか
)
く、
舊石器時代
(
きゆうせつきじだい
)
の
十分
(
じゆうぶん
)
の
一
(
いち
)
にも
足
(
た
)
りないくらゐです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
さう
答
(
こた
)
へて
玄関
(
げんくわん
)
にあがると、
機嫌
(
きげん
)
のいい
時
(
とき
)
にするいつもの
癖
(
くせ
)
で、青木さんは小
柄
(
がら
)
な
奧
(
おく
)
さんの
體
(
からだ
)
を
軽
(
かる
)
く
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せながら、そのくちびるに
短
(
みじか
)
い
接
(
せつ
)
ぷんを
與
(
あた
)
へた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『
君勇
(
きみゆう
)
』とか『
秀香
(
ひでか
)
』とか、
都
(
みやこ
)
の
歌妓
(
うたひめ
)
の
名
(
な
)
を
染
(
そ
)
めた
茶色
(
ちやいろ
)
の
短
(
みじか
)
い
暖簾
(
のれん
)
が、
軒
(
のき
)
に
懸
(
か
)
け
渡
(
わた
)
されて、
緋毛氈
(
ひまうせん
)
の
床几
(
しようぎ
)
を
背後
(
うしろ
)
に、
赤前垂
(
あかまへだれ
)
の
女
(
をんな
)
が、
甲高
(
かんだか
)
い
聲
(
こゑ
)
を
絞
(
しぼ
)
つてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此間
(
このあひだ
)
停車場
(
ステイシヨン
)
へ小林
萬吾
(
まんご
)
と一緒に迎へに来て
呉
(
く
)
れた時も既に感じた事であつたが、
揉上
(
もみあげ
)
をよい程に
短
(
みじか
)
く剃り上げて見違へる程色の白い美しい男に成つて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
日は永くても、仕事は
終
(
お
)
えない。夜は
短
(
みじか
)
くてもおち/\眠ることが出来ぬ。
何処
(
どこ
)
の娘も赤い眼をして居る。何処のかみさんも、
半病人
(
はんびょうにん
)
の
蒼
(
あお
)
い顔をして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と、呟くように
訊
(
き
)
くと、その若い男は、ギクンと立ち止まって、中田の顔を
覗
(
のぞ
)
き込むと言葉
短
(
みじか
)
に
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
それから
再
(
ふたゝ
)
び
皆
(
みん
)
なが
集
(
あつま
)
つた
時
(
とき
)
に、ドード
鳥
(
てう
)
は
嚴
(
おごそ
)
かに
指環
(
ゆびわ
)
を
示
(
しめ
)
して、『
吾輩
(
わがはい
)
は
此
(
この
)
優美
(
いうび
)
なる
指環
(
ゆびわ
)
を
諸君
(
しよくん
)
の
受納
(
じゆなふ
)
せられんことを
望
(
のぞ
)
む』
此
(
この
)
短
(
みじか
)
い
演説
(
えんぜつ
)
が
濟
(
す
)
むと一
同
(
どう
)
拍手喝采
(
はくしゆかつさい
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
秋の日は
短
(
みじか
)
しと
謂
(
い
)
はんやうに、貫一は手形用紙を取上げて、用捨無く約束の金額を書入れたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
エチエンヌは非常な
勇気
(
ゆうき
)
を
奮
(
ふる
)
い起こします。一
生懸命
(
しょうけんめい
)
、足を
速
(
はや
)
めます。
短
(
みじか
)
い
脚
(
あし
)
を
精
(
せい
)
いっぱいにひろげます。まだその上に、
腕
(
うで
)
を
振
(
ふ
)
ります。しかし、なんといっても、
小
(
ちい
)
さすぎます。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
振分
(
ふりわけ
)
の
髪
(
かみ
)
を
短
(
みじか
)
み
春草
(
はるくさ
)
を
髪
(
かみ
)
に
綰
(
た
)
くらむ
妹
(
いも
)
をしぞおもふ 〔巻十一・二五四〇〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
歌
(
うた
)
や
俳句
(
はいく
)
の
上
(
うへ
)
では、その
形
(
かたち
)
が
短
(
みじか
)
く
小
(
ちひ
)
さいだけに、はしがき——また、
詞書
(
ことばが
)
きともいふ——や、その
歌
(
うた
)
を
作
(
つく
)
つた
事情
(
じじよう
)
などを
知
(
し
)
るといふことが、
外
(
ほか
)
の
文學
(
ぶんがく
)
とは
別
(
べつ
)
で
大事
(
だいじ
)
なことであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
馬塞棒
(
ませぼう
)
を取払って、裸馬へヒラリと飛乗ると、頭を下げながら手綱
短
(
みじか
)
にドウドウドウドウと厩を出た。裏庭から横露地を玄関前へタッタッタッと乗出して、往来へ出るや否や左へ一曲り
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と、
呼
(
よ
)
ばれ、
大
(
だい
)
の
御
(
ご
)
ひいき
者
(
もの
)
でした。それは
背中
(
せなか
)
をぐいと
高
(
たか
)
くしたり、
喉
(
のど
)
をごろごろ
鳴
(
な
)
らしたり
逆
(
ぎゃく
)
に
撫
(
な
)
でられると
毛
(
け
)
から
火
(
ひ
)
の
子
(
こ
)
を
出
(
だ
)
す
事
(
こと
)
まで
出来
(
でき
)
ました。
牝鶏
(
めんどり
)
はというと、
足
(
あし
)
がばかに
短
(
みじか
)
いので
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
召抱へて益々
内福
(
ないふく
)
にぞ
暮
(
くら
)
しける然るに享保十一年には
最早
(
もはや
)
文藏二十四歳となりければ
能
(
よき
)
嫁
(
よめ
)
をとらんと
近所
(
きんじよ
)
の心
易
(
やす
)
き者を頼みて
種々
(
いろ/\
)
穿鑿
(
せんさく
)
せしが兎角
長
(
なが
)
し
短
(
みじか
)
しにて
相談
(
さうだん
)
も
調
(
とゝの
)
はざるうち文藏は忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
石匕
石鏃
(
せきぞく
)
石錐抔
(
いしきりなど
)
と
同質
(
どうしつ
)
にして其大さ是等の五倍或は十倍なる物有り。
形状
(
けいじよう
)
は
長方形
(
ちようはうがた
)
、
橢圓形
(
たいえんがた
)
、
三角形
(
さんかくがた
)
等の
不規則
(
ふきそく
)
なるものにして一部に必ず
短
(
みじか
)
き把柄有り。此の如き
石器
(
せきき
)
を
俗
(
ぞく
)
に
天狗
(
テング
)
の
飯匙
(
メシカヒ
)
と
呼
(
よ
)
ぶ。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
短
(
みじか
)
い
命
(
いのち
)
ではあつた。それは
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
の
定
(
さだ
)
められた
運命
(
うんめい
)
である。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「ええ。そろそろとお
互
(
たがひ
)
の
生命
(
いのち
)
もさきが
短
(
みじか
)
くなるばかりさ」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ロミオ
得
(
え
)
れば
時
(
とき
)
が
短
(
みじか
)
うなるが、
其物
(
そのもの
)
が
得
(
え
)
られぬゆゑ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
葭短不
レ
碍
レ
舸
葭
(
あし
)
は
短
(
みじか
)
く
舸
(
おおぶね
)
も
碍
(
さまた
)
げず
向嶋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
短
(
みじか
)
く
刈
(
か
)
つた
栗毛
(
くりげ
)
の
光沢
(
つや
)
から
沁
(
し
)
み
出
(
で
)
る
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
いのち
短
(
みじか
)
し、
戀
(
こひ
)
せよ、
少女
(
をとめ
)
ゴンドラの唄
(旧字旧仮名)
/
吉井勇
(著)
探
(
さが
)
しもの見当らぬまゝ
日
(
ひ
)
短
(
みじか
)
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
と
最期
(
さいご
)
の
用意
(
ようい
)
あはれ
短
(
みじか
)
き
契
(
ちぎ
)
りなるかな
井筒
(
ゐづゝ
)
にかけし
丈
(
たけ
)
くらべ
振
(
ふり
)
わけ
髮
(
がみ
)
のかみならねば
斯
(
か
)
くとも
如何
(
いかゞ
)
しら
紙
(
かみ
)
にあね
樣
(
さま
)
こさへて
遊
(
あそ
)
びし
頃
(
ころ
)
これは
君
(
きみ
)
さまこれは
我
(
われ
)
今日
(
けふ
)
は
芝居
(
しばゐ
)
へ
行
(
ゆ
)
くのなり
否
(
いや
)
花見
(
はなみ
)
の
方
(
はう
)
が
我
(
わ
)
れは
宜
(
よ
)
しと
戯
(
たはむ
)
れ
交
(
か
)
はせしそれ
一
(
ひと
)
つも
願
(
ねが
)
ひの
叶
(
かな
)
ひしことはなく
待
(
まち
)
にまちし
長日月
(
ちやうじつげつ
)
のめぐり
來
(
き
)
て
見
(
み
)
れば
果敢
(
はか
)
なしや
世
(
よ
)
は
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
天気
(
てんき
)
のよくない
日
(
ひ
)
は、あたりが
暗
(
くら
)
く、
日
(
ひ
)
がいっそう
短
(
みじか
)
いように
思
(
おも
)
われたのです。
小鳥
(
ことり
)
がぬれながら、あちらの
木
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
にとまりました。
おきくと弟
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さういふ
短
(
みじか
)
いのは
端布片
(
はしぎれ
)
で
買
(
か
)
ふに
限
(
かぎ
)
るのさ、
幾
(
いく
)
らにもつかないもんだよ、
私
(
わたし
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
出
(
で
)
る
序
(
ついで
)
もあるから
買
(
か
)
つて
來
(
き
)
て
遣
(
や
)
つても
善
(
い
)
いよ」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
柄長く
椎
(
しい
)
の葉ばかりなる、
小
(
ちいさ
)
き鎌を腰にしつ。
籠
(
かご
)
をば糸つけて肩に懸け、
袷
(
あわせ
)
短
(
みじか
)
に草履
穿
(
は
)
きたり。かくてわれ庵を出でしは、
午
(
ご
)
の時過ぐる
比
(
ころ
)
なりき。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「まあ、よくよく
縁
(
えん
)
がないのだね。なにしろ
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
って
生
(
お
)
い
先
(
さき
)
の
短
(
みじか
)
い
体
(
からだ
)
だからね。しかたがない、あきらめましょう。」
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そしてその
金屬
(
きんぞく
)
は
前
(
まへ
)
にも
申
(
まを
)
したとほり、
青銅
(
せいどう
)
だけを
使用
(
しよう
)
した
時代
(
じだい
)
は
極
(
きは
)
めて
短
(
みじか
)
く、あるひはほとんどないくらゐで、すぐに
鐵
(
てつ
)
を
使
(
つか
)
ふ
時代
(
じだい
)
になつたのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
日が
短
(
みじか
)
い頃で、葬式が家を出たのは日のくれ/″\であった。
青山
(
あおやま
)
街道
(
かいどう
)
に出て、
鼻欠
(
はなかけ
)
地蔵
(
じぞう
)
の道しるべから畑中を一丁ばかり入り込んで、
薄暗
(
うすぐら
)
い墓地に入った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ずんぐりした人で、足は
短
(
みじか
)
く、顔は大きく赤く、
髪
(
かみ
)
の毛は黒くピカピカしていて、まっ黒なひげをはやしていました。頭には黒い木の
帽子
(
ぼうし
)
をかぶっていました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
ただ、野の一方に三、四ヵ所張ってある幕のあたりで、法衣
短
(
みじか
)
に
括
(
から
)
げあげた法師たちが
柏
(
かしわ
)
の葉でくるんだ弁当の飯を喰べたり、湯をのんだりしているだけである。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
年
(
とし
)
の
暮
(
くれ
)
に、
事
(
こと
)
を
好
(
この
)
むとしか
思
(
おも
)
はれない
世間
(
せけん
)
の
人
(
ひと
)
が、
故意
(
わざ
)
と
短
(
みじか
)
い
日
(
ひ
)
を
前
(
まへ
)
へ
押
(
お
)
し
出
(
だ
)
したがつて
齷齪
(
あくせく
)
する
樣子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
ると、
宗助
(
そうすけ
)
は
猶
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
この
茫漠
(
ばうばく
)
たる
恐怖
(
きようふ
)
の
念
(
ねん
)
に
襲
(
おそ
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
また
平均
(
へいきん
)
よりも
大
(
おほ
)
きな
噴火
(
ふんか
)
をなした
後
(
のち
)
は
休息期
(
きゆうそくき
)
が
長
(
なが
)
く、
反對
(
はんたい
)
に
小
(
ちい
)
さな
噴火
(
ふんか
)
をなした
後
(
のち
)
は
休息期
(
きゆうそくき
)
が
短
(
みじか
)
い。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
“短”の意味
《名詞》
(タン)劣る部分。乏しい要素。
(タン、異表記:丹) 花札の札で、文字の書かれない赤色の短冊があしらわれたもの。
(出典:Wiktionary)
短
常用漢字
小3
部首:⽮
12画
“短”を含む語句
短銃
短刀
短衣
短剣
短艇
長短
短歌
手短
気短
短袴
短服
短冊
短夜
裾短
短日
短躯
短兵急
短靴
簡短
短慮
...