ろん)” の例文
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちにこほりつきて釘付くぎづけにしたるよりもかたし。だん国にくらぶればろんほかなり。
みゝづくでしよくろんずるあんまは、容體ようだい倨然きよぜんとして、金貸かねかしるゐして、借家しやくや周旋しうせん強要きやうえうする……どうやら小金こがねでその新築しんちくをしたらしい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
だが、無ろんたがひけうひそかに「なアにおれの方が……」とおもつてゐる事は、それが將棋せうきをたしなむ者のくせで御多分にれざる所。
あいするところ((ノ人))をろんずればすなはもつ(七五)るとせられ、にくところ((ノ人))をろんずれば、すなはもつおのれこころむとせらる。
なさん是かへつ罪人ざいにん多くならんなかだち也とあざけりし人多しとかや是非ぜひ學者がくしやろんなりといにしへより我朝わがてうおきてにぞかゝる事なけれども利の當然たうぜんなり新法しんはふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれはただかたをそびやかした。それはあたかもそういうことはいずれ昼間くわの木のかげで、ねぎでも食べながらろんじてみようというようであった。
さしも強情ごうじょう穴山梅雪あなやまばいせつも、ろんより証拠しょうこ民部みんぶのことばのとおり、味方がさんざん敗北はいぼくとなってきたのを見て、もうゆうよもならなくなったのであろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのがい一端いったんのみを見てただちにそのものの無用をろんずるのは、あまりにあさはかな量見りょうけんであるかもしれない。
蛆の効用 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
たい容顏きりようほうなれども、いかにもいかにもの田舍風いなかふう午房縞ごぼうじま綿入わたいれにろんなく白木綿しろもめんおびあを毛布けつとひざしたに、まへこゞみにりて兩手りようてかしらをしかとおさへし。
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
また耶蘇ヤソの宗徒たる者は、明かにろん正しく、かつ事勢やむを得ざるにあらざれば、あえて凶器をろうせずと云えることあり。これ吾輩のいまだ信ぜざるところなり。
これはつてわがはいが「國語尊重こくごそんちよう」の題下だいかでわがくに國號こくがう日本にほんであるのに、外人ぐわいじん訛傳くわでん追從つひじうしてみづからジヤパンと名乘なのるのは國辱こくじよくであるとろんじたのとおな筆法ひつぱふ
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
其内そのうち小六ころくうはさた。主人しゆじんこの青年せいねんいて、肉身にくしんあに見逃みのがやうあたらしい觀察くわんさつを、二三つてゐた。宗助そうすけ主人しゆじん評語ひやうごを、あたるとあたらないとにろんなく、面白おもしろいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
紳士たちは、燭台しょくだいに波うって燃えている蝋燭ろうそくの炎をながめながら、その炎の内部が熱いか、あるいは炎をはなれた少し上のところが熱いかをろんじあっているのでありました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
やつにいわせると、あのたまらなくくせにおい本当ほんとうおんなにおいだというんだ。うそだとおもったら、ろんより証拠しょうこ春重はるしげうちってねえ。って、いまうれしがりの最中さいちゅうだぜ
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
著者ちよしや少年諸君しようねんしよくんむかつて、地震學ぢしんがくすゝんだ知識ちしき紹介しようかいしようとするものでない。またたとひ卑近ひきん部分ぶぶんでも、震災防止しんさいぼうし目的もくてき直接ちよくせつ關係かんけいのないものまでろんじようとするのでもない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
現在げんざいおいて、アイヌせつ代表だいひやうされる小金井博士こがねゐはかせアイヌせつ代表だいひやうされる坪井博士つぼゐはかせ此二大學説このにだいがくせつじつ尊重そんちやうすべきであるが、これ意外いぐわいろんじるほど材料ざいれうを、そもそ何人なんびとあつめつゝあるか
是迄これまで虚心きよしん平氣へいきで、健全けんぜんろんじてゐたが、一てう生活せいくわつ逆流ぎやくりうるゝや、たゞちくじけて落膽らくたんしづんでしまつた……意氣地いくぢい……人間にんげん意氣地いくぢいものです、貴方あなたとても猶且やはりうでせう
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「日比谷なんかと同日どうじつろんでないって、三郎も申していました」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
これ等のろん地下ちかのスペンサアをよろこばしむるにらん。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちにこほりつきて釘付くぎづけにしたるよりもかたし。だん国にくらぶればろんほかなり。
「ださうだね。なにしろ、ふねまはるか、富山とみやまのぼらないぢやあ、松島まつしま景色けしきろんずべからずと、ちやんといましめられてるんだよ。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ゆゑいはく、これ大人たいじんろんずればすなはもつおのれ(七二)かんすとせられ、これ(七三)細人さいじんろんずればすなはもつて((己ノ))けん(七四)ひさぐとせられ
つかはせなどとははゞかりながらあまりなる御差※おさしづなり我々隱居いんきよいたすよりは又七を離縁りえんいたすはうかへつて家の都合つがふなりと申ければ長兵衞是を聞夫は何分聞こえぬろんなり下女に
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この偉大ゐだいちから分解ぶんかいしてると。一ぽうには非常ひぜう誇張こてうと、一ぽうには非常ひぜう省略しやうりやくがある。で、これより各論かくろんつて化物ばけもの表現へうげんすなは形式けいしきろんずる順序じゆんじよであるか、いまそのひまがない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
くるまかどまりてやさしき駒下駄こまげたおときこゆるを、ろんなくれとはれどもらぬかほ虚寢そらねつくれば、美尾みを格子こうしおして、これは如何いかことでうがおりてあるとひとごとをいつて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
群衆ぐんしゅうはさっそくってしまった。二、三人ひまじんのこっていまの事件じけんろんじ合っていた。
これを一々ろんずるのは、探檢記たんけんき主意しゆいいので、これふでく。
これまでは虚心きょしん平気へいきで、健全けんぜんろんじていたが、一ちょう生活せいかつ逆流ぎゃくりゅうるるや、ただちくじけて落胆らくたんしずんでしまった……意気地いくじい……人間にんげん意気地いくじいものです、貴方あなたとてもやはりそうでしょう
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
下品げひんの縮の事は姑舎しばらくおいろんぜず。中品ちゆうひん以上に用ふるをうむにはうむところをさだめおき、たいを正しくなし呼吸こきふにつれてはたらかせて為作わざをなす。
いけを、あさから日沒につぼつまで、歩調ほてう遲速ちそくろんぜぬ、大略おほよそ十五時間じふごじかんあひだに、幾𢌞いくまはりか、囘數くわいすうおほいのをもつ勝利かちとする。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しやうき、(八九)田文でんぶんしやうとせり。呉起ごきよろこばず。田文でんぶんつていは(九〇)こうろんぜん、ならんか』と。田文でんぶんいはく、『なり』と。
仕つりぬ只今たゞいま藥研やげんに掛ますあひだ霎時しばらくお待ち下されと云つゝ夫を和吉に遞與わたし製造せいざう方へ廻させしは多少をろんぜぬ商個あきうどの是ぞ實に招牌かんばんなるさて細末さいまつの出來る間と元益に四方八方よもやまの話しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ルネツサンス以後いごろんずるにらない。しかるに東洋方面とうやうはうめんとく印度いんどなどはすべてが渾然こんぜんたる立派りつぱ創作さうさくである。日本にほんではあま發達はつたつしてなかつたが、今後こんご發達はつたつさせようとおもへば餘地よち充分じうぶんある。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
霜月しもつきとりにはろんなく門前もんぜん明地あきちかんざしみせひらき、御新造ごしんぞ手拭てぬぐひかぶらせて縁喜ゑんぎいのをとばせる趣向しゆこう、はじめははづかしきことおもひけれど、のきならび素人しろうと手業てわざにて莫大ばくだいもうけとくに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒲原かんばら郡の新潟にひがたは北海第一のみなとなれば福地たることろんまたず。此余このよ豊境はうきやうしばらくりやくす。此地皆十月より雪る、そのふかきあさきとは地勢ちせいによる。なほすゑろんぜり。
おほきくたな。)——當今たうこん三等米さんとうまい一升いつしようにつき約四十三錢やくよんじふさんせんろんずるものに、𢌞米問屋くわいまいどんや知己ちきがあらうはずはない。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
太史公たいしこういはく、世俗せぞくしようするところ(一一二)師旅しりよは、みな孫子そんし十三ぺん呉起ごき兵法へいはふふ。おほり、ゆゑろんぜず。其行事そのかうじ施設しせつするところものとをろんず。
ふりむけてのおもてれば出額でびたい獅子鼻しゝばな反齒そつぱの三五らうといふ仇名あだなおもふべし、いろろんなくくろきに感心かんしんなはつき何處どこまでもおどけてれうほうくぼの愛敬あいけうかくしの福笑ふくわらひにるやうなまゆのつきかた
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒲原かんばら郡の新潟にひがたは北海第一のみなとなれば福地たることろんまたず。此余このよ豊境はうきやうしばらくりやくす。此地皆十月より雪る、そのふかきあさきとは地勢ちせいによる。なほすゑろんぜり。
ふ。われすこちからありて、やわか座頭ざとうおとるまじい大力だいりきのほどがおもはれる。みづからくま張殺はりころしたと名乗なのるのと、どちらが点首うなづかれるかはろんおよばぬ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ゆゑ其傳そのでん(六六)ついづ。其書そのしよいたつてはおほこれり。ここもつろんぜず、その(六七)軼事いつじろんず。管仲くわんちう所謂いはゆる賢臣けんしんなり。しかれども(六八)孔子こうしこれせうとす。
むすめかせたることろんなしとこゝの内儀ないぎひとわるにてにらみぬ、手跡しゆせきによりてひとかほつきをおもひやるは、いてひと善惡ぜんあく判斷はんだんするやうなもの、當代たうだい能書のうしよ業平なりひらさまならぬもおはしますぞかし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其余そのよの四ぐんは雪のつもる㕝三郡にすれば浅し。是を以ろんずれば、我住わがすむ魚沼郡は日本第一に雪のふかくふる所なり。
と。(二三)れいくだすこと流水りうすゐみなもとごとく、民心みんしんしたがはしむ。ゆゑ(二四)ろんひくうしておこなやすし。
……景色けしきうだ、とかれてわるいとふものもなからうし……たゞよかつたよ、とだけぢや、きみたちのはうをさまるまいけれども、なにしろ、わたしには、松島まつしまても松島まつしまろんずる資格しかくはないのだよ。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
穰苴じやうしよ區區くくとして小國せうこくめにるがごとき、なん司馬しば兵法へいはふ(三九)揖讓いふじやうおよぶにいとまあらんや。すで司馬しば兵法へいはふおほし、ゆゑもつろんぜず、穰苴じやうしよ列傳れつでんあらはす。
上下かみしも何百文なんびやくもんろんずるのぢやない、怪力くわいりきうつ優劣いうれつふのである。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)