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驅
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か
ふりがな文庫
“
驅
(
か
)” の例文
新字:
駆
船長
(
せんちやう
)
も
一等運轉手
(
チーフメート
)
も
度
(
ど
)
を
失
(
うしな
)
つて、
船橋
(
せんけう
)
を
驅
(
か
)
け
上
(
あが
)
り、
驅
(
か
)
け
降
(
くだ
)
り、
後甲板
(
こうかんぱん
)
に
馳
(
は
)
せ、
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
に
跳
(
おど
)
り
狂
(
くる
)
ふて、
聲
(
こゑ
)
を
限
(
かぎ
)
りに
絶叫
(
ぜつけう
)
した。
水夫
(
すゐふ
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
胸中の苦悶は我を
驅
(
か
)
りて、狹きヱネチアの
巷
(
こうぢ
)
を、縱横に走り過ぎしめしに、ふと立ち留りて頭を
擡
(
もた
)
ぐれば、われは又
前
(
さき
)
の劇場の前に在り。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
驟雨
(
しうう
)
は
後
(
あと
)
から
後
(
あと
)
からと
驅
(
か
)
つて
來
(
く
)
るので
曉
(
あかつき
)
の
白
(
しら
)
まぬうちから
麥
(
むぎ
)
を
搗
(
つ
)
いて
庭
(
には
)
一
杯
(
ぱい
)
に
筵
(
むしろ
)
を
干
(
ほし
)
た
百姓
(
ひやくしやう
)
をどうかすると
五月蠅
(
うるさ
)
く
苛
(
いぢ
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その騷ぎに驚いて
驅
(
か
)
けつけた近所の人達も、
灯
(
あかり
)
が無くてはどうすることも出來ず、船頭の爲五郎が水の中に飛び込んで、船の下に吸ひ込まれて
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
成
(
な
)
りたけ
向
(
むか
)
うからはずみをつけて
驅
(
か
)
けて
來
(
き
)
てポンと
打
(
ぶ
)
つかりたまへ、
可
(
い
)
いか。」すとんと、
呼吸
(
こきふ
)
で、
手
(
て
)
もなく
投
(
なげ
)
られる。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
(
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
で
直
(
すぐ
)
に
眠
(
ねむ
)
くなつたり、
懵然
(
ぼんやり
)
するものだから一
心
(
しん
)
に)
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
で
考
(
かんが
)
へてゐますと、
突然
(
とつぜん
)
可愛
(
かあい
)
い
眼
(
め
)
をした
白兎
(
しろうさぎ
)
が、その
傍
(
そば
)
に
驅
(
か
)
け
寄
(
よ
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此纎弱
(
このかよわ
)
き
娘
(
むすめ
)
一人
(
ひとり
)
とり
止
(
と
)
むる
事
(
こと
)
かなはで、
勢
(
いきほ
)
ひに
乘
(
の
)
りて
驅
(
か
)
け
出
(
いだ
)
す
時
(
とき
)
には
大
(
だい
)
の
男
(
をとこ
)
二人
(
ふたり
)
がゝりにてもむつかしき
時
(
とき
)
のありける。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と、お
互
(
たがひ
)
に
微醺
(
びくん
)
を
帶
(
お
)
びて
變
(
へん
)
に
彈
(
はづ
)
み
立
(
た
)
つた
氣分
(
きぶん
)
で
黄包車
(
ワンポイソオ
)
を
驅
(
か
)
り、
再
(
ふたゝ
)
び
四馬路
(
スマロ
)
の
大通
(
おほどほり
)
へ
出
(
で
)
たのはもう
夜
(
よる
)
の一
時
(
じ
)
過
(
す
)
ぎだつた。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
心
(
こゝろ
)
は
不覺
(
そゞろ
)
、
氣
(
き
)
は
動顛
(
どうてん
)
して、
匇卒
(
いきなり
)
、
室
(
へや
)
を
飛出
(
とびだ
)
したが、
帽
(
ばう
)
も
被
(
かぶ
)
らず、フロツクコートも
着
(
き
)
ずに、
恐怖
(
おそれ
)
に
驅
(
か
)
られたまゝ、
大通
(
おほどほり
)
を
眞
(
ま
)
一
文字
(
もんじ
)
に
走
(
はし
)
るのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
よろこんだの、よろこばないのつて、のんべえ は
轉
(
ころげ
)
るやうに、よろこんでその
山
(
やま
)
から
家
(
いへ
)
に
驅
(
か
)
け
戻
(
もど
)
りました。
來
(
き
)
てみると
嬶
(
かゝあ
)
も
子
(
こ
)
どもも
誰
(
だれ
)
もゐません。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
けれども
彼
(
かれ
)
の
淋
(
さび
)
しみは、
彼
(
かれ
)
を
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つた
極端
(
きよくたん
)
に
驅
(
か
)
り
去
(
さ
)
る
程
(
ほど
)
に、
強烈
(
きやうれつ
)
の
程度
(
ていど
)
なものでないから、
彼
(
かれ
)
が
其所
(
そこ
)
迄
(
まで
)
猛進
(
まうしん
)
する
前
(
まへ
)
に、それも
馬鹿々々
(
ばか/\
)
しくなつて
已
(
や
)
めて
仕舞
(
しま
)
ふ。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人
(
ふたり
)
は
同時
(
どうじ
)
に
閭
(
りよ
)
を
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
た。それから
二人
(
ふたり
)
で
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
せて
腹
(
はら
)
の
底
(
そこ
)
から
籠
(
こ
)
み
上
(
あ
)
げて
來
(
く
)
るやうな
笑聲
(
わらひごゑ
)
を
出
(
だ
)
したかと
思
(
おも
)
ふと、一しよに
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がつて、
厨
(
くりや
)
を
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
逃
(
に
)
げた。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
其時
(
そのとき
)
村
(
むら
)
の
内
(
うち
)
に
一人
(
ひとり
)
の
老人
(
としより
)
がありまして、
其塲
(
そのば
)
に
驅
(
か
)
け
付
(
つ
)
けて
參
(
まい
)
り、
錢
(
おあし
)
を
呑
(
の
)
んだと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
を
聞
(
きい
)
たが
就
(
つい
)
ては、
私
(
わたくし
)
が
實驗
(
じつけん
)
があるから、
其
(
そ
)
れをば
何卒
(
どうぞ
)
行
(
や
)
ツて
見
(
み
)
て
呉
(
く
)
れ、
其法
(
そのはう
)
と
申
(
まう
)
すは
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
吹上停車場より腕車を舘林に
驅
(
か
)
ることゝはなしぬ、タマに出る子は風に逢ふとかや、我が指して行く日光、足尾の雪山颪は土沙を捲きて壯丁二個も挽きぞワズろふばかりなり
佐野だより
(旧字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
ヂュリ
驅
(
か
)
けよ
速
(
はや
)
う、
火
(
ひ
)
の
脚
(
あし
)
の
若駒
(
わかごま
)
よ、
日
(
ひ
)
の
神
(
かみ
)
の
宿
(
やど
)
ります
今宵
(
こよひ
)
の
宿
(
やど
)
へ。フェートンのやうな
御者
(
ぎょしゃ
)
がゐたなら、
西
(
にし
)
へ/\と
鞭
(
むち
)
をあてゝ、すぐにも
夜
(
よる
)
を
將
(
つ
)
れて
來
(
こ
)
うもの、
曇
(
くも
)
った
夜
(
よる
)
を。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
雪
(
ゆき
)
に
覆
(
おほ
)
はれたその
切
(
き
)
り
崩
(
くづ
)
しの
斜面
(
しやめん
)
に、
獸
(
けもの
)
の
足跡
(
あしあと
)
が、
二筋
(
ふたすぢ
)
についてゐるのは、
犬
(
いぬ
)
か
何
(
なに
)
かゞ
驅
(
か
)
け
下
(
お
)
りたのであらう、それとも、
雪崩
(
なだれ
)
になつて
轉
(
ころ
)
げ
下
(
お
)
りて
來
(
き
)
た
塊
(
かたま
)
りの
走
(
はし
)
つた
跡
(
あと
)
でもあらうかと
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
馭者
(
ぎよしや
)
は、休みなく馬を
驅
(
か
)
つた。さうして一時間半が、私には殆んど二時間位にのびたやうな氣がした。やつと彼はその席から振り返つて云つた。「もうソーンフィールドは大して遠くねえです。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
ああ、
海峽
(
かいけふ
)
の
濱邊
(
はまべ
)
から
驅
(
か
)
けつけた雲のおかげで
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
雲
(
くも
)
を
驅
(
か
)
け
行
(
ゆ
)
く
天
(
てん
)
の
馬
(
うま
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
他
(
た
)
の
村落
(
むら
)
の
人々
(
ひと/″\
)
が
聞
(
き
)
き
傳
(
つた
)
へて
田圃
(
たんぼ
)
や
林
(
はやし
)
を
越
(
こ
)
えて、
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
に
各自
(
かくじ
)
の
體力
(
たいりよく
)
を
消耗
(
せうまう
)
しつゝ
驅
(
か
)
けつけるまでには
大
(
おほ
)
きな
棟
(
むね
)
は
熱火
(
ねつくわ
)
を四
方
(
はう
)
に
煽
(
あふ
)
つて
落
(
お
)
ちた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
輕
(
かろ
)
き
服裝
(
ふくさう
)
せる
船丁等
(
ボーイら
)
は
宙
(
ちう
)
になつて
驅
(
か
)
けめぐり、
逞
(
たく
)
ましき
骨格
(
こつかく
)
せる
夥多
(
あまた
)
の
船員等
(
せんゐんら
)
は
自己
(
おの
)
が
持塲
(
もちば
)
/\に
列
(
れつ
)
を
作
(
つく
)
りて、
後部
(
こうぶ
)
の
舷梯
(
げんてい
)
は
既
(
すで
)
に
引揚
(
ひきあ
)
げられたり。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
師走
(
しはす
)
の
算段
(
さんだん
)
に
驅
(
か
)
け
𢌞
(
まは
)
つて
五味坂
(
ごみざか
)
で
投出
(
なげだ
)
された、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
は、
懷中
(
くわいちう
)
げつそりと
寒
(
さむ
)
うして、
心
(
しん
)
、
虚
(
きよ
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
に、
路端
(
みちばた
)
の
石
(
いし
)
に
打撞
(
ぶつ
)
かつて
足
(
あし
)
の
指
(
ゆび
)
に
怪我
(
けが
)
をした。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此方
(
こなた
)
は
言葉
(
ことば
)
もなく
袖
(
そで
)
を
捉
(
とら
)
へて
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
せば、
息
(
いき
)
がはづむ、
胸
(
むね
)
が
痛
(
いた
)
い、そんなに
急
(
いそ
)
ぐならば
此方
(
こち
)
は
知
(
し
)
らぬ、お
前
(
まへ
)
一人
(
ひとり
)
でお
出
(
いで
)
と
怒
(
おこ
)
られて、
別
(
わか
)
れ
別
(
わか
)
れの
到着
(
とうちやく
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お越は
咄嗟
(
とつさ
)
の間に石垣を
驅
(
か
)
け降りて、其處に
繋
(
つな
)
いだ小舟に飛乘り、
棹
(
さを
)
を突つ立てて、浮きつ沈みつする子供に近づき、危ふいところで引上げました。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けれど
何程
(
なにほど
)
のことがあらうと
運命
(
うんめい
)
を
天
(
てん
)
にゆだね、
夢中
(
むちう
)
になつて
驅
(
か
)
けだしました。それからのことは一
切
(
さい
)
わかりません
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
鼠捕
(
ねずみと
)
りの
名人
(
めいじん
)
だわ!あァ
然
(
さ
)
うだ、
鳥
(
とり
)
を
追
(
お
)
ッ
驅
(
か
)
ける
所
(
ところ
)
を
見
(
み
)
せてあげたいのね!それこそ
玉
(
たま
)
ちやんは
其
(
そ
)
れを
見
(
み
)
るが
早
(
はや
)
いか、
直
(
す
)
ぐに
小鳥
(
ことり
)
などは
捕
(
と
)
つて
食
(
た
)
べて
了
(
しま
)
つてよ!
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
君はこよひの舞臺にて、むかし羅馬の
通衢
(
ちまた
)
を
驅
(
か
)
るに凱旋の車をもてせしアヌンチヤタがいかに賤客に
嘲
(
あざけ
)
られ、口笛吹きて叱責せられたるかを見そなはし給ひしなるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
其夜
(
そのよ
)
は
慙恨
(
ざんこん
)
の
情
(
じやう
)
に
驅
(
か
)
られて、一
睡
(
すゐ
)
だも
爲
(
せ
)
ず、
翌朝
(
よくてう
)
遂
(
つひ
)
に
意
(
い
)
を
决
(
けつ
)
して、
局長
(
きよくちやう
)
の
所
(
ところ
)
へと
詑
(
わび
)
に
出掛
(
でかけ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
圓明寺
(
ゑんみやうじ
)
の
杉
(
すぎ
)
が
焦
(
こ
)
げた
樣
(
やう
)
に
赭黒
(
あかぐろ
)
くなつた。
天氣
(
てんき
)
の
好
(
い
)
い
日
(
ひ
)
には、
風
(
かぜ
)
に
洗
(
あら
)
はれた
空
(
そら
)
の
端
(
は
)
ずれに、
白
(
しろ
)
い
筋
(
すぢ
)
の
嶮
(
けは
)
しく
見
(
み
)
える
山
(
やま
)
が
出
(
で
)
た。
年
(
とし
)
は
宗助
(
そうすけ
)
夫婦
(
ふうふ
)
を
驅
(
か
)
つて
日毎
(
ひごと
)
に
寒
(
さむ
)
い
方
(
はう
)
へ
吹
(
ふ
)
き
寄
(
よ
)
せた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これといつて
何
(
なに
)
一
(
ひと
)
つ取りとめたお
話
(
はなし
)
もいたしませんでしたのねえ、
狹
(
せま
)
い私の
家中
(
うちぢう
)
を
驅
(
か
)
け
廻
(
まは
)
つてゐるまあちやんとせつちやんの
遊
(
あそ
)
びは、
二人
(
ふたり
)
のやりかけた話をたび/\さらつて
行
(
ゆ
)
きました、私はたゞ
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
生
(
いき
)
の力に
驅
(
か
)
られたり
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
西
(
にし
)
の
方
(
かた
)
廣野
(
ひろの
)
を
驅
(
か
)
らん
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
乾燥
(
かんさう
)
して
居
(
ゐ
)
る
粉
(
こな
)
の
爲
(
ため
)
に
咽
(
む
)
せて
女房等
(
にようばうら
)
は
頻
(
しき
)
りに
咳
(
せき
)
をした。
彼等
(
かれら
)
は
驅
(
か
)
けおりて
手桶
(
てをけ
)
の
水
(
みづ
)
をがぶりと
飮
(
の
)
んで
漸
(
やうや
)
く
胸
(
むね
)
を
落附
(
おちつ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
伯母
(
をば
)
さんあの
太夫
(
たゆう
)
さん
呼
(
よ
)
んで
來
(
き
)
ませうとて、はたはた
驅
(
か
)
けよつて
袂
(
たもと
)
にすがり、
投
(
な
)
げ
入
(
い
)
れし一
品
(
しな
)
を
誰
(
た
)
れにも
笑
(
わら
)
つて
告
(
つ
)
げざりしが
好
(
この
)
みの
明烏
(
あけがらす
)
さらりと
謠
(
うた
)
はせて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「手段は二つしかない。瀧五郎親分は、氣の毒だが下つ引を五六人
驅
(
か
)
り出して、目黒の石松と、大久保のお勘婆アと、板橋の千之助を當つて見てはくれまいか」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
柳
(
りう
)
ちやん、
來
(
き
)
たよ!」といふが
疾
(
はや
)
いか、
横
(
よこ
)
ざまに
驅
(
か
)
けて
入
(
い
)
る、
柳腰
(
やなぎごし
)
、
下駄
(
げた
)
が
脱
(
ぬ
)
げて、
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
が
美
(
うつく
)
しい。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何時
(
いつ
)
でも
第
(
だい
)
一に
其
(
その
)
運動塲
(
うんどうじやう
)
に
驅
(
か
)
けて
行
(
ゆ
)
くのは
彼
(
かれ
)
だ、
其
(
その
)
身體
(
しんたい
)
の
敏捷
(
びんしやう
)
に
動
(
うご
)
く
事
(
こと
)
とどんな
痛
(
いた
)
い
目
(
め
)
にも
痛
(
いた
)
い
顏
(
かほ
)
をせぬ
事
(
こと
)
と、それから
極
(
ご
)
く
記臆力
(
きおくりよく
)
が
強
(
つよ
)
く、
規則
(
ルール
)
などは
直
(
す
)
ぐ
覺
(
おぼ
)
えてしまうので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
かれ
)
は
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
に、たゞ
苟
(
いやし
)
くも
免
(
まぬ
)
かれんとする
料簡
(
れうけん
)
で
行
(
い
)
つた。さうして、
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
するために、
耻
(
はぢ
)
と
不愉快
(
ふゆくわい
)
を
忍
(
しの
)
んで、
好意
(
かうい
)
と
眞率
(
しんそつ
)
の
氣
(
き
)
に
充
(
み
)
ちた
主人
(
しゆじん
)
に
對
(
たい
)
して、
政略的
(
せいりやくてき
)
に
談話
(
だんわ
)
を
驅
(
か
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
胸(乳房)ゆたかなる羅馬の女子は、
燿
(
かゞや
)
く眼にこの樣を見下して、車を
驅
(
か
)
れり。我もドメニカに引かれて、恩人のけふの祝に、蔭ながら
與
(
あづか
)
らばやと、カムパニアを立出で、別墅の
苑
(
その
)
の外に來ぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
突然
(
とつぜん
)
一人
(
ひとり
)
の
歩兵
(
ほへい
)
が
制服
(
せいふく
)
を
着
(
つ
)
けて
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
から
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
して
來
(
き
)
ました——
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「かあちやん、あれは
何
(
なに
)
。あのぶうぶうつて
驅
(
か
)
けて
來
(
く
)
るのは」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
降
(
ふ
)
る
雨
(
あめ
)
を
厭
(
いと
)
はず
驅
(
か
)
け
出
(
いだ
)
さんとせしが、あゝ
彼奴
(
あいつ
)
だと一ト
言
(
こと
)
、
振
(
ふり
)
かへつて、
美登利
(
みどり
)
さん
呼
(
よ
)
んだつても
來
(
き
)
はしないよ、一
件
(
けん
)
だもの、と
自分
(
じぶん
)
の
頭
(
つむり
)
を
丸
(
まる
)
めて
見
(
み
)
せぬ。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
... がらん/\と
驅
(
か
)
けて
行
(
ゆ
)
くのは、
號外
(
がうぐわい
)
ではなささうだが、
何
(
なん
)
だい。」
婆
(
ばあ
)
さんが「あれは、ナアモ、
藝妓衆
(
げいこしゆ
)
の
線香
(
せんかう
)
の
知
(
し
)
らせでナアモ。」そろ/\
風俗
(
ふうぞく
)
を
視察
(
しさつ
)
におよんで
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ハツと思つて
驅
(
か
)
け拔けると、そいつが又
執念
(
しふねん
)
深く追つかけて來るぢやありませんか。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
老
(
おい
)
たる
人
(
ひと
)
はよろ/\たよ/\と
二人
(
ふたり
)
ながら
力
(
ちから
)
なさゝうの
風情
(
ふぜい
)
、
娘
(
むすめ
)
が
病
(
やま
)
ひの
俄
(
には
)
かに
起
(
おこ
)
りて
私
(
わたし
)
はもう
歸
(
かへ
)
りませぬとて
驅
(
か
)
け
出
(
いだ
)
すを
見
(
み
)
る
折
(
をり
)
にも、あれあれ
何
(
ど
)
うかして
呉
(
く
)
れ
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼處
(
かしこ
)
に、
遙
(
はるか
)
に、
湖
(
みづうみ
)
の
只中
(
たゞなか
)
なる
一點
(
いつてん
)
のモーターは、
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に、たゞ
青瑪瑙
(
あをめなう
)
の
瓜
(
うり
)
の
泛
(
うか
)
べる
風情
(
ふぜい
)
がある。また、
行
(
ゆ
)
く
船
(
ふね
)
の、さながら
白銀
(
しろがね
)
の
猪
(
しゝ
)
の
驅
(
か
)
けるが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えたるも
道理
(
ことわり
)
よ。
十和田の夏霧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そんな事を言ひ乍らも、八五郎はお品と一緒に石原町まで
驅
(
か
)
け付けてゐたのです。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あれ三ちやんで
有
(
あ
)
つたか、さても
好
(
よ
)
い
處
(
ところ
)
でと
伴
(
とも
)
なはれて
行
(
ゆ
)
くに、
酒
(
さか
)
やと
芋
(
いも
)
やの
奧深
(
おくふか
)
く、
溝板
(
どぶいた
)
がた/\と
薄
(
うす
)
くらき
裏
(
うら
)
に
入
(
い
)
れば、三
之
(
の
)
助
(
すけ
)
は
先
(
さき
)
へ
驅
(
か
)
けて、
父
(
とゝ
)
さん、
母
(
かゝ
)
さん
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
船蟲
(
ふなむし
)
が
群
(
むら
)
がつて
往來
(
わうらい
)
を
驅
(
か
)
けまはるのも、
工場
(
こうぢやう
)
の
煙突
(
えんとつ
)
の
烟
(
けむり
)
が
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
えるのも、
洲崎
(
すさき
)
へ
通
(
かよ
)
ふ
車
(
くるま
)
の
音
(
おと
)
がかたまつて
響
(
ひゞ
)
くのも、
二日
(
ふつか
)
おき
三日
(
みつか
)
置
(
お
)
きに
思出
(
おもひだ
)
したやうに
巡査
(
じゆんさ
)
が
入
(
はひ
)
るのも
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は
飛鳥
(
ひてう
)
の如く
驅
(
か
)
け拔けて、二人の前へ立ち
塞
(
ふさ
)
がりました。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
驅
部首:⾺
21画
“驅”を含む語句
先驅
驅出
驅落
水雷驅逐艦
驅上
先驅者
疾驅
野驅
馳驅奔走
驅付
一騎驅
驅廻
驅歩
驅者
驅蠅難於驅鼠
驅足
驅込訴
驅逐重射